多動迷子の自己理解
カオスな多動をクリアなゴールへ 多動迷子の自己理解
このラジオは、好奇心旺盛で行動力もある。
でも自分が何の人なのか、見失いがち。
そんな多動迷子の人向けに聞いていただくだけで、まずは自分自身を改めて見つめ直し、
この激動の時代に自分が社会にどんな価値を発揮していけばいいかがわかります。
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はい、ということで今日のテーマはですね、
なぜ私たちは迷子になるのかを脳科学で解明していこう、というお話です。
ということで、あなたはこんな経験ありませんか、ということで新しいことを始めると。
そうすると、これはもう自分がこれまでずっと探してきたものだ、とか、
もう自分に合ってる、すごいこれいいなって思う、そうやって全力で取り組むと。
でもそれをしている最中に、なんかまた新しいですね、面白そうなことが見つかってくると。
気づいたら興味が移ってしまって、あれ、前のあの熱狂は何だったんだっけ、みたいな。
そういうふうにですね、興味が移って、前のことは忘れられている、冷めてしまっている、みたいなことですね。
まずそれをですね、他道迷子の脳のところに視点を当ててみましょう。
僕らの脳はハイパワーなスポーツカーです。
エンジンめちゃくちゃバリバリで、自分がこれと思ったものには全速力で進んでいくんです。
でも、GPSが壊れていて気づいたら別の方向に進んじゃってるんですよね。
なんで最後までやり遂げられないんだろうって思いますよね。
やっぱり何事も継続してやり続けないと、なかなか成果って上がってこないんですよ。
それなのに気づいたら他のことやって、成果上がらない、自分はダメだと思ってしまう。
これはGPSがぶっ壊れているからなんですよね。
この他道迷子の脳の構造というのをもう少し理解してみましょう。
まずこの前頭前皮質、前頭前皮質という脳の場所があります。
これはいわば脳の司令塔です。
計画を立てたり、優先順位をつけたり、衝動を抑えたりするなんていう機能もあったりします。
いわゆる理性を司るようなところという実行機能を果たしている場所になります。
いわゆるADHDだとか他道傾向がある人っていうのは、この前頭前皮質の機能が一般の人とは少し違うんですね。
脳の画像研究によると複雑な計画を立てている、いわゆるいろんな事象が複雑に絡み合っているときに、
この前頭前皮質の部分の活性が最適なレベルよりも低くなってしまう傾向が他道迷子の人にもあると言われています。
その結果、我々他道迷子はやるべきこと、これをやらなきゃっていう計画に対して優先順位づけが非常に難しくなってしまうというのがあるんですね。
つまり、必ずこれをやるだとか、これの後にはこれをやるみたいな形のタスク管理っていうのが難しくて、結果的に長期継続しづらいというところがあるんですね。
そして興味が湧いてしまうとすぐに他のところに移ってしまう。
ここはドーパミンと言われる脳内物質が関係しています。
ドーパミンというのは、いわゆるやる気スイッチですね。
何かやる気を出す、あるいはそこによって達成されることによってドーパミンが分泌されます。
しかし、他道迷子の脳では、このドーパミンの輸送体の密度が高いんですけれども、
濃度は低下しやすいということなんです。
どういうことかというと、興味が湧くところに対してドーパミンが分泌されます。
その非常にですね、このドーパミンの行く流れっていうのは濃いものになるんですね。
一方で、そこに濃い分のドーパミンを出してしまうと送料は限られているので、
他の分野へのドーパミンを流す量っていうのが薄くなってしまうということなんですよ。
つまりですね、一つのことに興味が湧いたらそっちにドーパミンが行ってしまうんだけれども、
また別のものに対して非常に密度の高いドーパミンを興味が湧いたときには出してしまうので、
もともとの続けてきたものっていうものは、その後にはドーパミンがすごく薄くなってしまうということなんですよね。
これは欠陥でもなんでもなくて、もうこういうものなんだ、こういう脳の構造なんだというふうに理解してください。
対策と仕組み化
つまり、これはもう仕組みで対応していくしかないんです。
あなたが何か一つのことを継続したい、それによって成果を出したいというふうに思っているときですね、
そのドーパミンを向けるこの密度っていうのは高くなるので、そのドーパミンの密度を同じ方向に傾け続けられるような、そういう仕組みを用意してあげる必要があります。
この仕組みを設定する3つのステップをお伝えします。
1つ目、環境をデザインするということです。
この全頭全皮質の特性を考えると、外部からの報酬を得られるような、そういったものをいかに集中させるか、これが大事になってきます。
あるいは他の刺激を入れないということもあわせて大事になってきます。
この集中させるということに関しては、例えば自分の何時何分にこれをやるというタスク管理を具体的に決めるということです。
今日1日はこれをやりきる。これをやりきるために他のことはなるべく自分が近くしない、関与しないというふうに決めるということです。
これを例えば何時何分になったらこれをやってくださいという通知が送られてくるとか、その辺を自分の中で仕組み化していって、自分がタスクに集中できるような環境を作るということです。
2つ目、小さな報酬を設定するということです。
これはやっぱりドーパミンなので、報酬が得られるときにドーパミンが出てくるということなんです。
なので自分が長期的な目標を達成するというのはやっぱり時間もかかるし、結構大変じゃないですか。
その細かく砕いた小さなタスクをクリアする、小さな目標を達成するというところに対して1つ1つ小さな報酬を与えていくということです。
これはお菓子食べるとか単純なことでもいいですし、自分の中で小さな5分だけ決めてゲームをやるとか、そういう何か自分の中でこれは達成できたら嬉しいというものを用意しておくというのが大事になるでしょう。
3つ目、集中と休憩、ここのメリハリをつけるということです。
やはり多動迷子の人というのは過集中する傾向があるんですね。
何事もやりすぎてしまうとか、気づいたら疲れ果ててしまうみたいな、そういったところを避けるために、例えばポモ道路テクニックなんていうのは結構有名ですけれども25分作業を集中して5分休憩するみたいな、そういうタイマーをセットしておくと。
この時間になったら休憩、あるいは運動をするとかでもいいと思います。
こういうふうにやるとこと抜くところというのを自分の中で明確に決めておくというような、そういう仕組み化も大事になってくると思います。
まとめると、我々多動迷子の脳はスポーツカーで大きなエンジン積んでるんだけど、GPSがぶっ壊れていますという話なので、この報酬系として得られるドーパミンの密度と濃度の違いをきちんと理解したうえで、仕組み化をしていくことで自分の能力を集中させるというのが重要になってきます。
次回は、真逆の考え方の理解ということで、全然違うことを考えている一般の人に対してどんな多動迷子が理解を示せるかというお話をしていきたいと思います。
ではまた。