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こんばんは、今夜もまた、おやすみ歴史ラジオの時間がやってきました。 ベッドに入って、一番リラックスできる姿勢で聞いてね。
今夜は、新シリーズ【戦国編】の第1走者足利義昭ストーリーの3回目です。 昨日のお話では、天才小田信長の圧倒的な軍事力によって足利義昭はついに、憧れだった京都の街へとかっこよく戻ってくることができました。
京都に戻った義昭は、ついにずっと夢に見ていた室町幕府の十五大将軍の座につきます。 ボロボロになりながら全国を逃げ回っていたあの男が、ついに日本最高のリーダーへと上り詰めた瞬間でした。
信長、君のおかげで私は最高の将軍になれた。 本当に感謝している大喜びの義昭は、信長に対して私の右腕として副将軍になってほしいと頼んだり、破格の褒美をたくさん与えようとしました。
ところが信長はふっと不敵な笑みを浮かべて、こう断ったのです。 いえ、義昭様、私は副将軍なんていう堅苦しい役職はいりません。 褒美も辞退します。それよりも、あなた様が立派な将軍として京都を治めてくだされば、私はそれで十分です。
義昭はこれを聞いて、なんて欲のない素晴らしい男なんだと、ますます信長の人間性に惚れ込みました。 最初のうちは、二人の関係はとても良好でした。 信長は、義昭のために新しくて頑丈な二条城というお城までプレゼントしています。
しかし、この信長の優しさの裏には、実は計算高い天才ならではの恐ろしい戦略が隠されていました。 信長は欲がないわけでは決してありませんでした。むしろその逆です。
信長さんは、義昭という将軍のブランドをみんなに見えるステージの上に立たせておいて、その影から自分自身が日本の政治を全てコントロールしようと考えていたのです。 いわば、義昭をお飾りにしようとしたわけですね。
しばらくすると、信長は将軍になった義昭に対して、いくつかの厳しいルールを突きつけました。 そこにはこんな条件が書かれていたのです。 これからは私がダメだと言った大名とは、勝手に付き合ってはいけません。 これからはあなたが誰かに手紙を出すときは、必ず私に中身を確認させてください。
あなたが何かを決める権利は、すべてこの織田信長に任せてもらいます。 それはせっかく最高権力者である将軍になったはずの義昭を、まるでロボットのように縛りつける冷徹な命令書でした。 が、なんだこれは。これでは私は名前だけの将軍で、信長のロボットではないか手紙を読んだ足利義昭は激しい怒りに震えました。
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信長は自分を助けてくれた優しくて欲のないヒーローなどではなく、自分を利用して日本を裏から支配しようとしている恐ろしい野心家だったのだとようやく気づいたのです。 信長、君にはもうこれ以上好き勝手にはさせない怒りに燃えた義昭は、ここから信長にバレないように裏でこっそりと大逆転の作戦を練り始めます。
義昭は夜遅くに部屋の明かりを小さくとぼすと筆を握りしめ、日本中の有力な大名たちへ秘密の手紙を書き始めました。 かつて出した僕を助けてという頼りない手紙とは中身の重みが全く違いました。
そこに書かれていたのは信長を完全に包囲して壊滅させるための緻密なSOSでした。 みんな聞いてほしい、織田信長は将軍である私を脅かすとんでもない反逆者だ。 だから日本中の強い力を持った諸君で一斉に手を組み信長を囲んでやっつけてしまおう。
義昭はこの秘密の手紙を山梨県の武田信玄や新潟県の上杉謙信、 さらには強力な武器を持つ大きな自社勢力など日本中の超一級の大名たちに忍びを使ってこっそりと送り届けました。 これが歴史上有名な信長包囲網という作戦です。
この義昭の政治工作は見事に大成功し、手紙を受け取った大名たちが将軍家を脅かす信長を許すなと一斉に拒否しました。 これにはあの天才の織田信長もさすがに真っ青になりました。
東を見ても敵、西を見ても敵、どこを向いても自分を睨みつける強力なライバルばかりになってしまったのです。 くそ足利義昭め、おとなしい飾りのふりをして裏でこれほど恐ろしい罠を仕掛けていたとは、信長は人生で最大のピンチに追い詰められ激しく悔しがりました。
かつて一人ぼっちだった義昭が、その高い知恵と将軍の権威を使って、あの天才織田信長を完全にがけっぷちまで追い詰めたのです。 さあ日本中の強豪大名に囲まれてしまった織田信長は一体どうなってしまうのでしょうか。
そして義昭の大逆転作戦はこのまま成功するのでしょうか。 いよいよ物語は明日感動の最終回を迎えます。
この続きはまた明日の4回目にお話しするね。 今夜はゆっくりおやすみなさい。