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こんばんは。今夜もまた、おやすみ歴史ラジオの時間がやってきました。 ベッドに入って、一番リラックスできる姿勢で聞いてね。
今夜から始まる新しい物語は、戦国編の第2走者。 昨日までお話ししていた足利義明を京都から追い出し、
天下統一へ向けて日本を激しく動かした天才、織田信長ストーリーの1回目です。 織田信長といえば、皆さんはどんなイメージを持っていますか?
泣かぬなら殺してしまえホトトギスという有名な戦流があるように、怒るとめちゃくちゃ怖くて、 冷酷で誰も逆らえない最強のボス。
そんなイメージがあるかもしれません。 でもね、信長は最初からそんなに強くて怖かったわけではないのです。
実は少年の頃の信長は、周りの大人たちから、織田家の恥さらしとまで言われ、 馬鹿にされ続けていた男の子でした。
信長が生まれたのは、今の愛知県にあたる大有りの国。 父親の織田信英は、戦が強くて頭もいい立派な大名だったのですが、
後継として生まれた息子の信長は、ちょっと、いや、かなり変わった子供でした。 まず、見た目がとんでもなく派手で変でした。
髪の毛をカラフルな紐で乱暴にまとめ、着物の袖をだらしなく脱ぎ捨てて、 腰にはたくさんのひょうたんやサイコロをぶら下げる。
そして、いつも腸でお行儀悪くくりや柿をかじりながら、 身分の低い子供たちと泥だらけになって暴れまわっていたのです。
今でいえば、ボロボロのヤンキーみたいな格好をして、 毎日のように買い食いをしながら歩いているようなものです。
これを見た近所の人や織田家の家来たちは、 みんな呆れ果てて、こう噂し合いました。
おいおい、信英様の後継は、頭がおかしいんじゃないか? あんな乱暴者、ただの馬鹿だ。
織田家の未来は真っ暗だな、そう、少年時代の信長は、あだ名で、 終わりの大鬱家、つまり終わりの国の一番の大馬鹿者、と呼ばれていたのです。
そんなある日のこと、信長に大鬱家のふりをやめさせるための、 とても大きなお見合いの話が舞い込んできました。
相手は、隣の国である岐阜県、 当時の美濃の国を支配していた斉藤道さんという大名の娘、貴張です。
この斉藤道さんという男は、油売りから実力で大名にまで登り詰めた男で、 裏切りや罠が得意なことから、美濃のまむしと恐れられていた、
戦国時代でもトップクラスに危険な男でした。 道蔵は娘を咄嗟せる前に、
噂の大鬱家が本当に馬鹿なのか、それとも馬鹿のふりをした天才なのかを、 自分の目で確かめてやろうと考えました。
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そして聖徳寺というお寺で、信長と直接会う約束を取り付けたのです。 会談の当日、道蔵はお寺の手前の道に隠れて、
信長がやってくるのをこっそり覗き見していました。 やってきた信長は、相変わらず髪を紐で結び、
大きな刀やピストルをじゃらじゃらと腰にぶら下げた、 噂通りのとんでもないヤンキースタイルでした。
道蔵の家来たちは、やはり噂通りの大馬鹿者だとくすくす笑いました。 ところが、お寺の控室に入った瞬間、
信長は誰も予想しなかった行動に出ます。 なんと、あだ名だった大鬱家の姿をきれいに脱ぎ捨て、
髪をきっちりと結い直し、当時の一番高級でまともな着物に着替えて、道蔵の前に現れたのです。 部屋に入ってきた信長の姿を見た道蔵は息を飲みました。
そこには、さっきまで泥臭いヤンキーだった男ではなく、 鋭い目をギラギラと輝かせた、ものすごく機品があって恐ろしいオーラを放つ若きリーダーが座っていたからです。
信長は、自分が馬鹿にされるのを百も承知で、 わざと道蔵を油断させるためにあの格好で行列を歩いていたのです。
道蔵が圧倒されて何も言えずにいると、信長はふっと不敵な笑みを浮かべ、 そのまま一言も喋らずに、かっこよく立ち去っていきました。
完全に一本取られた斎藤道さんは、帰り道、 悔しそうにガタガタと震えながら、家来たちにこうつぶやいたと言われています。
恐ろしい男だ、私の子供たちは、いずれ全員、 あの信長の家来にされてしまうだろう、周囲から、
終わりの大うつけと馬鹿にされながらも、 裏では誰よりも冷静に時代を見つめ、牙を研いでいた織田信長。
この御野のまむしさえも恐怖させた若き天才に、 いよいよ人生最大の、そして戦国時代をひっくり返すほどの大事件が襲いかかります。
さあ、誰もが知るあの有名な大決戦、 一体何が起きるのでしょうか。
この続きは、また明日の2回目にお話しするね。 今夜はゆっくり、おやすみなさい。