子育ての影響
ようこそ、親も育つ子育て™︎、野田徳子です。
今日も、子育てをもう少し楽にするヒントをお届けします。
こんにちは、徳子さん。
徳子さんは、総合診療科の医師で、メンタルヘルスがサブスペシャリティ、つまり専門領域なんですよね。
そして、子育てや教育に非常に情熱を持ちだと伺っています。
そうなんです。
子育ては、人々のメンタルヘルスのみならず、その後の一般的な健康に対しても、一生大きな影響を与え続けると信じているので、子育て中の親御さんを積極的にサポートしています。
なるほど。
さて、今日は、私たちが日常で感じる激しい感情のアップガウンを科学的にひも解く、ということですね。
のりこさん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今日は、私が提唱する、親も育つ子育てというモダリティ、つまり手法の大切な要素であるポリベーガル理論という、自立神経の新しい地図についてのお話です。
ポリベーガル理論ですか。
ちょっと難しそうですね。そんなに身構えるほど難しい話ではないので、安心してください。
皆さんが日々感じていることを、脳神経科学的な理論で説明をつけましょう、という感じです。
そうなんですね。安心しました。
親御さんの皆さんは、子育て中、気分がアップダウンすること多いですよね。
例えば、お子さんが不登校な方などは、本当に朝から晩まで感情が揺さぶられます。
期待しては裏切られた感じがしたり、怒っては落ち込み。
ええ、うちの子も不登校だった時期があるのですが、夜には子どもが、「明日学校行ってみるよ。」と言ったのを聞き、急に肩の荷が下りたようなホッとした感じがする。
でも、夜寝る時は、「明日はどうなるか。」とまた不安が襲ってくる。
そして朝、子どもが起きてくないので、部屋の前まで行き声をかける直前の、あの心臓が口から出そうな感覚、思い出します。
そして、子どもが、「やっぱり行かない。」と言った時の、胸のドキドキ、怒り、悲しみ。
そして、「やっぱりね、期待した私がバカだった。」といううち寝る声も聞こえてくる。
本当にあの時期は、気分が毎日アップダウンしていました。
その時は、もちろんお子さんにとって大変な時期だと思うのですが、それを見守る親にとっても、本当に気分が落ち着くことがない過酷な時期でしたよね。
辛かったです。
そんなに大きな出来事が起こっていないご家庭でも、気分のアップダウンはあります。
ポリベーガル理論の解説
例えば、朝の登校時、慌ただしくて逃走モードになっている時に、学校に着く直前の時に子どもが、「あ、体操服忘れた。」と言ったなら、あなたの心身身はさらに逃走モード最高潮になります。
なんで来る前にチェックしなかったの?と怒鳴っていると、「あ、こっちのカバンに入ってた。」と体操服を見つけた子どもが言う。
一気にホッとして心拍数が下がるのがわかる。そんなことは日常茶飯時だと思うのです。
一日中忙しくて、やっと家に帰ってきたら、パートナーが声をかけてきても、もう話をするエネルギーすらないとか。
ありますね、そんな日。
今日はそれをポリベーガル理論で説明してみましょう。
お願いします。ではまず、この理論を提唱したのは誰で、どんな理論なのかを簡単に教えていただけますか?
はい。ポリベーガル理論は、1994年にアメリカのスティーブン・ポージェス博士が提唱した理論です。
それまで医学の世界では、自律神経はアクセルの交換神経とブレーキの副交換神経の二択だと思われてきました。
でもポージェス博士は、脳の第十脳神経である瞑想神経には、進化の過程で生まれた質の異なる二つの働きがあることを見つけたんです。
二つの働き、どういうことでしょう?
私たちの神経系は、進化の歴史をたどりながら三つの階層を作ってきました。
まず最も古い肺足瞑想神経系。爬虫類の時代、敵に出会ったら死んだふりをして生き延びるためのシステム。
次に古い交換神経系。フィロ非爬虫類の時代、敵から逃げる、戦うためのエネルギーを出すシステム。
そして最も新しい腹足瞑想神経系。哺乳類になってから発達した仲間と協力して安心を作るためのシステムです。
私も死んだふりしたくなること、時々あります。
では私たちの体の中に爬虫類や原始的な哺乳類のプログラムがまだ残っているということなんですね?
そうなんです。瞑想神経は首から胸、そしてお腹へと長く伸びている神経なのですが、
この新しい腹足と古くからある肺足が優位になるかで、私たちの世界の見え方は180度変わってしまうんです。
180度変わる、どういうことでしょう?
例えば、お子さんが明日は学校に行くと言った時、あなたの腹足瞑想神経がオンになります。
顔の表情が柔らぎ、心拍数が落ち着き、子供と繋がれる感覚になります。
ええ、でも翌日、子供が行かないとなった瞬間に、
はい、脳が危機だと瞬時に判断するニューロセプションが起きた瞬間、一気に交換神経が爆発します。
アドレナリンが出て呼吸が浅くなり、攻撃的になる。
これはあなたが怒りっぽいのではなく、神経系がこの状況を戦って帰ろと指令を出しているんです。
そしてこんな毎日が続いていると、もう人と話もしたくない、自分の殻に籠りたいと感じたりする。
これが肺足瞑想神経が優位になった時ですね。
気づきの重要性
なるほど、じゃあ交換神経や肺足瞑想神経は良くないものなんですか?
私は腹足瞑想神経のモードにずっといられたらいいなと思うのですが、
そうですよね。でも私たちの神経系は私たちを守るために働いています。
例えば誰か不審者が近寄ってきたら、すぐ走って逃げられるように交換神経が体を準備してくれます。
もしそこでリラックスして人と繋がりたい気分でいたら危ないですよね。
なるほど。でも子供が学校に行くかどうかは命に関わるわけではないし、
この激しいアップダウンを繰り返していると本当に疲れるのでどうすれば止められるかと考えてしまいます。
よくわかります。でも止めようとする前に大事なのは何よりも今の自分のモードに気づくことなんです。
医学的に言うと内受容感覚、つまり自分の内側の変化をキャッチする能力です。
あ、今心臓がバクバクしてきた。私は交換神経のモードにいるんだなと気づくことです。
うーん確かに知らぬうちに戦うモードにいることよくあります。
でものりこさん、気づくだけで何か変わるんですか?
変わります。医学的脳神経化学的な視点からなぜ気づきが大事なのかを少し詳しくお話ししますね。
まず自分の状態を客観的に見るメタ認知が働くと脳の司令塔である前頭前夜がオンラインになります。
オンライン、つまり動き出すということですね。
はい、感情を司る半導体が危険だと暴走していても前頭前夜が動くことで、これは危機そのものではなく私の不安という反応なんだなと再解釈できるようになります。
すると感情が絶対的な自立から単なる脳の反応に変わるんです。
ポリヴェーガル理論の概要
私が怒っているから私の中で怒りという反応が起きているに変わるんですね。
その通りです。そして2つ目に気づく自体が自立神経の調整になります。
今呼吸が浅いなと気づくだけで実は複速瞑想神経が刺激され心拍や筋肉の緊張が落ち着いて始めます。
考え方を変えるのではなく神経系そのものが安全な方向に戻りやすくなります。
体の仕組みとして落ち着く方向にスイッチが入るわけですね。
そして3つ目に医学的な安心感の正体は状況を100%コントロールすることではなく予測ができるという感覚です。
またこのパターンが来たなとメタ認知で分かっているだけで脳はそれを得体の知れない脅威とは認識しなくなります。
これがたとえ状況が変わらなくても親御さんの安心感が大きく変わる理由です。
なるほど知っているパターンだと思えるだけで脳は安心するんですね。
そして覚えておいてほしいのは揺れないことが大事なのではないということ。
3つのモードの間に揺れるのは私たちのシステムの正常な反応です。
ただ揺れた後サバイバルモードに入った後に複速瞑想神経モードに戻ってくるプロセスが柔軟にできることが大事です。
なるほど。では自分の自立神経のモードに気づくには具体的にどうすればいいですか。
私の本親も育つ子育ての中にも書いたんですが時々ご自身の三経をチェックしてみてください。
三経というと顔体関係の3つの経です。
まず顔が緊張していないか歯をきしばっていないか。
次に体呼吸が浅くなっていないか肩に力んでいないか。
3つ目が関係これは今人とつながりたい気分かそれとも一人で閉じこもりたい気分か。
三経をチェックすると今の自分のモードがわかるんですね。
その通りです。ああ肩がガチガチになっているなとか誰とも話したくないなという気持ちに客観的に自分で気づくこと。
さっき説明したメタ認知ですね。それが常にできるようになってくるとそれだけで自分の中の安心感が増します。
以前お話ししたように親の安心感が子供に安心感をもたらすからこれはとても重要なんです。
なるほど。でその後は?
もし交換神経がオーバードライブつまり過剰に動いていたりシャットダウンして人と話したくない状態が続いていることに気づいたら
ご自分で複足迷走神経に意識して戻ることを試してほしいと思います。
自分であ今ここに戻ってこれたという感覚があればさらに安心感が増えます。
その戻るための方法ぜひ習得したいですね。
その具体的な技術として私がお勧めするのが話すというリラックス法です。緊張や不安を手放すというイメージです。
それについては次回のエピソードで詳しく教えていただけるんですね。
はい脳神経科学的に根拠があるやり方でいつでもどこでもできるのでぜひ実践してほしいと思います。
私も毎日使っています。
了解しました。
では今日のお話をまとめると人間の自立神経は交換神経、排足と複足の迷走神経がありその間を移り変わっている。
自分の自立神経のモードに自分で気づくことがまず大事ということですね。
そうです。まずは今日から三経、顔、体、関係に意識を向けてご自身の体からの声を聞いてみてください。
はい気づくことが安全感への第一歩ですね。やってみます。
ええぜひ。では次回話すのリラックス法の回でまたお会いしましょう。
今日は興味深いお話ありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。では次回もよろしくお願いします。