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2021-10-12 32:57

第38回 夏目漱石「こころ」~明治の道徳~

夏目漱石の『こころ』
ストーリーは恋愛や人間関係の闇の部分を「私」と「先生」の視点から書いている。
明治時代の道徳的な価値観は終わりを迎えたことを、
現実にあった事件と照らし合わせて小説内でのストーリーに深みを与えている。

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00:04
学問は、歴史に極まり僧老、ことに僧老。始まりました、「大人の近代史」よろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
なんか、僧老、僧老って言ってたな。
これ、僧老2回で合ってんのかな?
え?どういうこと?
僧老がね、1パターンの場合もあったんだけど、自分が読んだ本には2個書いてあったから。
え?
あえて2個の方を選んだんか。1個の方が確率じゃねえの?
いやーね、これさ、江戸時代中期の授学者って言われてる、
うん。
おぎゅうそらいっていう人なの。
ちょっとわかんない。
ちょっと自分わかんない。
これね、歴史の中にこそ、人間の知恵は宿されてるんじゃないかっていう。
あー。
で、人間の愚かな部分もそこにはあるんじゃないかって言ってるんですよ。
なるほど。
やっぱ歴史ってね、すごいね。
ちょっと、うちらのこの大人の近代史っていうのには、なかなかふさわしい言葉だったね。
そうそう。なので、今日は長丸がどんな僧老を見せてくれるのか楽しみです。
ちょっと待って、僧老ってどういう意味?
使い方間違ってんだよ。
まあいいや。えっと、今日は夏目漱石の心をやりたいと思います。
あー、夏目漱石か。
うん。
いいね。
ちなみに、心って読んだことある?
ない。
あのね、この夏目漱石の心って、おそらく日本で一番売れてる小説なの。
あ、そうなんだ。
うん。一応新潮文庫で出してるんだけれども、その文庫版だけで718万部売れてるんだって。
へー。
718万部やばくない?小説が。
やばいね。トータルってこと?
今までのその新潮文庫から出ているトータルでそれぐらい。
へー。
で、これに追随する小説って、まあもう1個ぐらいしかなくて、そっちはちょっと部数わかんないけど、
ダザイゴサムの人間失格。
あー、そうなんだ。
うん。まあこれがもう本当にワンツートップぐらいな感じなんだって、小説って圧倒的に。
っていうぐらい、まあ日本ではもう超メジャー小説、心です。
あー、そうなんだ。
うん。で、今日はちょっとそれをテーマにやっていきたいなと思います。
はい。
はい。じゃあ早速なんだけれども、まずこの心ってどんな話なのかっていうところだよね。
うん。
心って三部構成でできてるのよ。
あー、そうなんだ。
そう。上中下っていうまあ三部構成でできてて、まあタイトルちょっと先に言っちゃうと、上が先生と私。
はいはい。
で、中が両親と私。
03:00
うん。
で、下が先生と医者。
あー、なんか最後だけ変化球できたね。
でもね、変化球って言うけどね、これね、実は下がメインなの。
えー、そうなの。
そう。先生と医者っていうのがメインで、なんかね、もともとその心を作るってなった時に、医者部分だけにする予定だったっぽいのよ。
はい。
で、もう医者部分ってその下の部分ね、だけにする予定だったんだけれども、なんかだんだんこう膨らんで上中ができたみたいな。
どっちかっていうと上中の方が後付けみたいなイメージらしいんだよね。
あー、そうなんだ。
うん。
なので、そんな感じの三部構成になってて、これちょっとまず上から簡単に説明していくけれども、
はい。
上の話っていうのは、先生と私ってタイトルからして、先生と私が出会うんだよねっていう話。
うん。
で、ちなみに先生って先生なんだよ。先生っていう名前なのよ。他に名前がないの。小説だから。
あ、そういうこと?
そうそう。なんかAさんとかBさんとかそういう名前がないのよ。先生は先生ってしかもう描写がないわけ、小説上。
あー、学校の先生とかじゃなくて。
そうそう。これ出会いからちょっと話すと、私っていうのはもちろん主人公ね。
うん。
で、上は私から見た話なのよ。
えー。
だから一人称は常に私なわけ。
はい。
だから、私がどうやって先生と出会ったかみたいな話。
うん。
で、どうやって出会ったかっていうと、まずこの私っていうのは学生なんだよ。
はい。
で、大学生かな。大学生なんだけれども、たぶんね、小片郎なんかもね、学生の時にいろいろ思い悩んだりっていうことはあったんじゃないのかなと思うんだけれども。
うーん、あったかもね。
学生ってやっぱりちょっとこう、将来のこととか、今の自分ってどうなんだろうとかさ、ちょっとこう、もやもやってした悩み抱えてんじゃん。
はい。
で、この私もそうだったの。
うーん。
なんか、ね、友達と遊んだりバカやったりしてて、なんか、でもこのまんまでいいのかなって気持ちだったりとか、なんかそういうちょっと、なんつーの、もやもや感って常に持ってたわけよ。
あー。
で、そんな時に、鎌倉にね、遊びに行ったわけね、この私は。
はい。
で、鎌倉の海岸、海岸か海か、海に遊びに行ったら、なんか西洋人と喋ってる人がいたのよ、日本人ね。
うん。
で、その日本人が実は先生だったんだけど。
へー。
で、当時だから、当時ってごめん、これってね、明治時代の末ぐらいなんだよ、時代的には。
うん。
この私と先生が出会ったっていうのは。で、明治時代の末だからさ、まださ、まあ変な話、日本がさ、あの開国してさ、今日は40年とかぐらいしか経ってないわけよ。
うん。
だから、そんなに西洋人ってまだ見慣れてないというか。
へー。
珍しいわけじゃん。
うん。
で、そんなのと喋ってる日本人ってなったら、ちょっとこうおってなるわけよ。
はい。
これ珍しいみたいな、だから注目しちゃったわけよ、とりあえず。
06:01
うん。
で、まあ別にその日は何もなくて、で、次の日もやっぱりその西洋人と喋ってたの、先生は。
うん。
だからやっぱり目につくじゃん。こう意識するのね、要は私、私はね。
はい。
で、まあその次の日かな。今度は先生は誰ともいなかった、一人でいたの。
ああ、一人で。
そう。だから、なんかちょっと気になっちゃって、先生と喋ってみたのよね、私は。
これはさ、異性でいいの?
先生は男で。
あ、そうなんだ。
私ももちろん男。
へー。
だから、なんかこの人気になるな、みたいな。なんか妙に惹かれる雰囲気があったっぽいのよ。
で、実際喋ってみると、やっぱちょっとこう、なんか学生にあった将来のこう悩みとかもやもやっていうのとはまた違ったさ、こう、なんか影を帯びた性質なのよ、先生って。
うん。
なんか、え、この人不思議し、もっとこの人のこと知りたいみたいな感じの、たぶんこう感情が私にはこう出てくるのね。
うん。
で、まあ平たく言うとお友達になるんだよ、そこで。
あ、そうなんだ。
お友達って言っても、私は先生って呼んでるくらいだから、ちょっと尊敬してるわけ。
うん。
この人物知りだな、みたいな。実際物知りなんだよ、先生って。学識も結構あって。
だから、なんかちょっとそういう意味で、この人なんかすごい人なんじゃないのかな、ちょっと先生って呼ぼうみたいな。だから先生って呼んでる。
あれだよ、なんか先生と呼ばせてくださいみたいな、そんなイメージ、雰囲気としては。
あー、はい。
で、まあその先生実は東京に住んでて、鎌倉で会ったけど、で、私も東京に住んでたから、あ、じゃあ東京に帰っても遊びに行っていいですか、みたいな感じで、まあ別れて。
うん。
で、実際東京にも遊びに行くわけ、その先生の家に。で、まあ1回目行ったら、まあいなくって、先生、留守で。2回目行ったら、なんか女性が出てきたの。
へー。
で、まあ女性は奥さんなんだけど、先生の。
あー、そういうことか。
そうそう。で、まあ主人はいないですよ。で、墓参りに行ってますっていうのよ。
へー。
で、なんで墓参り、誰の墓、お墓なんですかとか、さあそういうの聞くんだけど、あのなんか造詞が屋で、あの、まあ友達のお墓なのよ、みたいな感じで奥さん言って。
うん。
なんかさ、友達の墓参りって言っても、なんかやっぱりちょっと影がある先生だから、なんかこう引っかかるのよ。
うん。
でもなんかやっぱ気になるから行ってみようって言って、ちょっとストーカーっぽいんだけど、造詞が屋まで行くのね、私は。
で、そのお墓の近くの喫茶店でこう待ってたら先生が、ほんとこれは偶然だけど、来るのよ。
うん。
で、まあそこで先生と再会して、で、誰のお墓だったんですかとか、なんかそういうことを聞くんだけど、なんか先生ってね、こう思わせぶりっていうのかな。
なんかね、ちゃんと言ってくれないのよ、簡単に言うと。なんか、いや、友達のお墓だよ、みたいな感じ。なんかもう含ませといてでもそれ以上は言わないみたいな。
09:04
ああ、そうなんだ。
そう、そういうニュアンスがあって、だからちょっとやっぱりさ、なんかあるよな、この先生みたいな、すごい妙に惹かれてるのよ、やっぱ私っていうのは。
ああ、そうなんだ。
っていうところが、まあこの上巻では書かれてるわけ。
うん。
で、上巻の最後の方なんだけど、先生の奥さんに、え、先生って何なん、どうなんすか?みたいなこと聞くんだよ。
うん。
え、なんか昔からなんですか?みたいな。で、まあ奥さんは、昔は明るかったんだけどねって言うんだよね。
うん。
で、まあある日を境にああなってしまったのよ、みたいな。だんだんああなってしまったのよ、みたいなことを言って、で、え、ある日って何ですか?みたいなことを言っても奥さんもちょっとこうはぐらかすって感じなんだよ。
ああ。
だから上巻っていうのは、まあこの後に続く話のちょっと伏跡みたいな感じなのよ、簡単に言っちゃうと。ちょっとこう伏線を引っ張っとくみたいな感じ、ほんとに。そんなのが上巻。
で、まあそんな感じで次、中に行くんだけど、中はタイトルが両親と私。
うん。
で、さっきちらっとお父さんちょっと健康状態が、まあ病気っていう話をちょっとしたんだけど、病気が悪化しちゃうんだよ、中の初めで。
うん。
だから、あの帰省しなきゃいけなくなっちゃって、私は。
うん。
で、まあ帰省するんで。帰って、でも実際あれ、あんまり病気じゃなくね?みたいな感じで、ちょっと元気なのよ、意外とお父さん。
ああ、そうなんだ。
なんだなんだ、よかったよかったみたいな。どっちかっていうとなんか学生だからさ、お前就職大丈夫なんかとかさ、そういう話とかをこういろいろして、まあ先生と出会ったっていう話とかもするんだけど、その中で。
はい。
で、まあそんな感じでちょっと実家で過ごす日々っていうのがこう描かれていて、この途中でちょっと事件が起きるのよ。
はい。
その事件っていうのが、明治天皇の崩御なんだよね。
ああ。
明治天皇が死んじゃうの。
はい。
で、明治天皇が死んでさ、その後にさ、乃木稀助が殉死したでしょ。
ああ。
そう。で、これにお父さんは感銘を受けちゃう。
うん。
もう俺の時代もう終わりなんだなみたいな。っていう感じで、なんかこうシューンってなっちゃうのね、お父さんが、病気だったお父さんが。
はい。
明治も終わってしまったみたいな。俺の時代も終わりなんだみたいな。俺が生きてきた明治も終わりなんだみたいな。
うん。
そしたら急に衰弱してっちゃうの、お父さんは。
ええ、そうなんだ。
そうそう。で、最終的に既得まで行くのかな、話の中だと。死の描写は確かなかったはずなんだけど、既得までになっちゃうのよ。もうお父さんいよいよもう持たないねっていうところまで来ちゃうの。
うん。
で、そんな中、ほらさっき就職の話みたいなのもしたじゃん。先生と出会ったりとかさ、お前就職大丈夫なんかみたいな学生だからさ。で、先生に就職あっせんしてもらえばいいじゃんみたいな話も出てたんだよ、その間に、両親から。
うん。
先生って言ったってさ、別に先生って呼んでるだけでさ、実際先生ってプー太郎なのよ、実は。
そうなんだ。
親の財産で生きてるような人間だから、プーなわけよ。
12:02
へえ。
だからそんな人にさ、就職あっせんしてもらおうなんてちょっと無理じゃん。
うん。
まあでもそこまで言うなら送ってみようかっていうんで、先生にちょっと手紙書いてって出してたのよ。
うん。
で、まあ帰ってこないんだけどお父さん既得になって、ああどうしようどうしようみたいな感じの時に先生から手紙が返ってくるのね。
はい。
でね、この手紙がね、まあすっごい分厚かったんだよ。
はい。
その手紙の分厚さとかもね、書いてあるんだけど6センチだったんだって。
へえ、6センチ。
6センチってやばくない?
6センチってね、なんか何かなって思ったらね、だいたいさ、週刊誌あるじゃん。
うん。
マガジンとかジャンプとか。
うん。
あれだいたいそれぐらいらしい。
そんな手紙が返ってきたのよ。
すごいね。
どんな就職先探してくれたんだよみたいなさ、感じのが来たんだけど、あの封筒に入ってね。
うん。
で、ちょっとこうパッて見た時に、後ろの方がなんかちょっとパッて中身が見えたんだって。
うん。
でね、その中身が見えたところのフレーズがね、こう書いてあった。
この手紙を読む頃に私はもうこの世にはいないって。
へえ、なんかちょっとホラーチックな。
そう。えぇ!?みたいな感じになるじゃん。
でもお父さん死にそうだしどうしようどうしようってなって、悩んだ末に東京に戻ることを決意して列車に乗るっていうところまでが中なの。
うん。
で、下はね、あのタイトル先生と一緒じゃん。
うん。
ま、要はね、もうほんと下はね、遺書の中の話なの。
うーん。
だからもう私とかも関係ないから出てこないから。
うん。
で、この遺書なんだけれども、ま、さっき言った通り超長文の遺書なわけじゃん。だからやっぱストーリーもすごく長いわけよ。
なので、ま、割とはしょるけど、まず先生の生い立ちみたいなのが書かれてたの。
はい。
で、先生は若い時に自分のお父さん、ま、資産家だったんだけど、お父さん亡くしちゃうのよ。
うん。
で、ま、先生はまだ学生だったから、ま、なんていうの、結構遺産あったんだけれども、それをおじさんに任すのよ、管理を。
うん。
自分のおじさんね。で、ま、もちろんおじさんのことはすごく信用してたし、あの、自分の母親もおじさんに任せとけば大丈夫みたいな感じで言ってて、で、だからおじさんに遺産の管理を全部任せてた。
はい。
そしたら、そのおじさんがなんかいとこと結婚、ま、自分の娘とかだよね、結婚しようよみたいな感じで進めてきたりとか、なんか親みたいな感じになるわけよ。
うん。
で、なんかこう、ゆくゆく調べてみると、遺産を使われまくってたんだよね。
あ、そのおじさんに?
そうそう。ま、要は、もう騙されてたのよ。
うん。
で、先生はそれで親族に裏切られるっていう、ちょっと心の傷を負って逃げるように、そのおじさんのところから逃げるわけ。
うん。
で、お金はさ、言ってもさ、この人遺産あったからお金はまあそこそこあるんだけど、
うん。
住む場所がなかったから、下宿しようってなるわけ。ま、当時下宿ってのは一般的だったからね。で、下宿先を探してる中で出会ったのが実はその奥さんなわけよ。
15:09
あー、はい。
その奥さんの名前ちゃんと出てて、あの、しずさんって言うんだけど、
うん。
ま、しずさんはお母さんと一緒に暮らしてたの。
はい。
で、お父さんは軍人で、もう亡くなっちゃってるの。だから未亡人のお母さんと自分、ま、お嬢さん、しずさんで住んでたわけ。
うん。
で、そこに下宿人として転がり込んだのが先生っていう。
はい。
で、はじめは先生さ、ちょっとこう、荒んでたんだよ心が。やっぱ親族に裏切られてたわけだし、もういや別に住めりゃいいんだと。別にお前らなんか、誰と一緒に住もうか関係ないぐらいな感じだったんだけど、
うん。
この未亡人の奥さんもそうだし、あの、お嬢さん、しずさんもすごく先生に優しく接してくれて、なんかこう、だんだん打ち解けてくるわけ。先生の心っていうの。
はい。
で、打ち解けたところに、ちょうど先生の友達、友人ね。
うん。
が、あの、ちなみに友人の名前Kっていう。
うん。
あの、Kってね、アルファベットのKだから。
そうなんだ。
そうそう。小説だからそんな感じなんだろうなと思って。
Kがね、Kはもともとお寺の子だったんだけれども、医者の養子に出された。
はい。
だからその養子に行った先は、医者になってほしかったんだけど、Kはさ、やっぱお寺の子供ってのもあって、ちょっとこう、信心深いというか信念がすごいのよ、とにかく。
うん。
だから、いや俺は医者にはならないみたいな感じで、こう突っ跳ねるわけよ。
はい。
そしたら感動くらっちゃうわけ。いやもう、じゃあ出てけっつって。お前にはもう一戦もやらないみたいな感じで感動くらって、で、とにかくもう貧乏な暮らしをしてたわけ。
はいはい。
だからそれを見兼ねて、あの、下宿先においでよって。あの、いい人たちだよみたいな感じで誘ってくれて、Kと一緒に住むことになる。
うん。
ま、お嬢さん、そのシズさんと先生とKと、あの、ま、未母児の奥さんとの4人の生活になるわけね。
はい。
で、初めのうちは全然こうなんともなかったんだけど、だんだんだんだんKとシズさんが仲良くしてるのを見るわけ。
はい。
なんかね、仲良くしてるのを見たときにこう、ざわついたんだよね、先生。ざわざわざわみたいな。
ま、それが恋なのかどうかっていう描写がこう明確にあるわけじゃないんだけど、なんかちょっといい気がしなかったの、とにかく。
で、一緒になんかこうどっか出かけて帰ってきたりとかそういうのを見てさ、なんだよあいつみたいな感情がずっとあったわけ。
うん。
で、そんな中、あのKからね、告白されるのよ。
あ、そうなんだ。
そう、Kが実はシズさんのこと好きなんだよね、みたいなことをね、打ち明けられるの。
へえ。
ここで打ち明けられたときにKはすごく悩んでたの。僧侶の子供だったからもともと、なんかこう新人深いというか信念をこう絶対曲げないみたいなところがあって。
うん。
精神的に好女心のない奴はバカだみたいなことを言うんだよ、Kって。
うん。
で、そんな奴がさ、なんかもう恋にちょっとうつつを抜かしてるわけじゃん。
うん。
だから、なんかそれですごく迷ってたの、Kって。思い悩んでたというか。
18:00
うーん。
で、先生はなんとなくKのこと気に入らなかったわけじゃん。なんかシズさんと仲良くしやがってみたいな。
はい。
だからちょっと許せなかったの。そんな好きですとか言われても。
うん。
だからちょっと追い打ちかけるのね。精神的好女心のないものはバカだっていうのはお前が言ってたことだろうみたいな。
うーん。
まあどうするかお前の自由だけどなみたいな感じで突き放すわけよ、Kがバーって。
うん。
で、それはそれでいいなと思ったんだけれども、やっぱりなんか最後にKが捨て台詞のように、いや俺にも覚悟はあるぞみたいなことを言うんだよ。
はい。
で、その時はそれで終わるんだけど、え、覚悟って何?みたいな感じになるじゃん。
うん。
え、もしかしてシズさんに告白する覚悟でもあんのかなみたいな、やべえ取られちゃうみたいな。
うん。
そこで、だから正直先生はシズさんのことをすごく好きだったかどうかっていうのもちゃんと分かってないんだよ。
分かってないんだけど、取られたくないっていう気持ちがなんかすごく強くなっちゃってて。
あー、取られたくない。
そう。で、Kを出し抜いて、シズさんのお母さんにシズさんをくださいっていう、まあ結婚させてくださいって。
えー、そうなんだ。
そう。え、急に?みたいな感じになるけど、娘にも聞いて、娘がよかったらいいですよみたいな感じになって。
で、実際シズさんもOK出してくれんのよ。
うん。
で、だから先生とシズさんはそれで結婚できるってなった。
はい。
でもさ、K出し抜いてんだよめっちゃ。もう好きだ、俺好きですって言ってんのにさ、それ知っててさ、要は自分が先に取っちゃったわけでしょ。
はい。
で、Kにやっぱなかなか言えないのよ、その子と結婚しますってことを。
うん。
なかなかって言っても正確な描写はないんだけど、そんな中、奥さん、その奥さんってあのお母さんね、がKにね、結婚するってこと言っちゃうんだよね。シズと先生が結婚しますよみたいな。
はい。
そしたらK知らなかったからさ、えーみたいな感じになるじゃん。
うん。
まあでもおめでとうございますって言って、まあスーって立ち去っていくんだけど、で、それを奥さんから先生が聞くわけよ。
え、言ってなかったんですか?みたいな、あなたたち仲いいのにみたいな。
はい。
あーまあそうなんですよね、みたいな。で、先生はさ、やっぱ出し抜いちゃったし、そうやって他の人から言われちゃったわけじゃん。
うん。
結婚するってことを。だから、あー自分が謝んなきゃ謝んなきゃって気持ちがそこから芽生えてくるのよ。
うん。
でも、そう謝んなきゃ謝んなきゃって言ってた、思ってた2日後にKが自殺しちゃうのよ。
えーそうなんだ。
そう。で、そのKは遺書を残してるんだけれども、まず自殺してるところを見たのは先生ね。
あーそうなんだ。
そう、あの首を切ってたんだから、確か首を切ってこう自殺してるんだけど。
あー。
で、遺書があったから、やばいこの遺書に俺のこととかしずさんのこと好きとか書いてあるんじゃねえのかなみたいな感じでちょっとビビるわけよ。
はい。
で、その遺書を見るんだけど、全然そういう恨みつらみとか書いてなくって。
うん。
書いてあったのはとにかく自分は意思が弱くって、もうこの先未来もないから死にますみたいな。
21:05
うん。
なんで自分は今まで生きていたんだろうみたいなことが書いてあるのよ、遺書には。
はいはい。
だからそんな遺書だからさ、まあ死んじゃうことはほらみんなにバレちゃうから、まあもちろんさ奥さんとかさしずさんとかにはもう見つけてさ葬式とかやるわけじゃん。
その時に先生がね、いや私が、私のせいでけいは死んじゃったんですって言っても、まあ信じてくれないっていうか、なんか悲劇のヒロインみたく感じちゃう。僕ってあなたのせいじゃないですよみたいな感じでフォローされちゃうのよ。
はい。
で、だからやっぱりそういうのがよりもっとこう先生を追い詰めていくというか。
うん。
自分の裏切りのせいで親友を殺してしまったっていう罪悪っていうのが先生の中にずっと残っていくわけ。
うん。
で、そんな先生の気持ちっていうか出来事っていうのが結局ちょっと先生って影を帯びているとかさ、妙に惹かれる雰囲気があったとかさ、それは先生の今までの生きざまというか生きてきたものがそうさせてたっていう感じなんだよね。
うん。
で、先生の遺書の最後はこのことは誰にも言わないでほしい、あなただけの秘密にしてくださいって言って終わってるのよ。
はい。
奥さんにも言わないでねって奥さんってあのしずさんね、にも言わないでねっていうこのことは。
あーしずさんは知らないんだ。
知らない。もちろん先生ってね、あの死んだ描写は確かどっかにあったんだよね、城とかだっけな、城とか中とかその辺にあった気がしたんだけど、最終的にもう亡くなっちゃってるっていう。
うん。
なんだけど、まあ奥さんとかはこのことを言わないでねっていう感じで一応心はここで終わるのよ。
はい。
でさ、ここまで聞いてさ、なんか理解しがたくない?ちょっと。え、死ぬって。
先生が?
先生もそうだし、けいもそうだし、え、死んじゃうみたいな。
あー。
まあけいはまだ死もう、先生の方はちょっとえって思わない。
そうだね。
うん。で、これって小説じゃん、そもそも。
うん。
夏目漱石って、じゃあなんでこれを書いたかってところなんで、大事なのは。
はいはい。
単なるさ、だってさ、これじゃあさ、恋愛小説じゃん。
俺、俺、今これで終わるんかと思ってた、恋愛小説を。
だってこれで終わったら恋愛小説じゃん、まあそれでもいいんだけど。
恋愛小説を語ってんだと思って。
違うじゃん、あのね、ポイントがあって、一つが、これ明治天皇の崩元の話したじゃん。
うん。
これは実際にあった話じゃん、明治天皇が死んじゃうっていうのは。
はい。
で、その後に、あの、乃木稀助が殉死するっていうのも、これも実際にあった話じゃん。
うん。
まあ、要はね、そこをね、ちょっとかけてるわけよ。
あーそうなんだ。
うん。
あ、ちなみになんだけど、乃木稀助って、なんで死んだか知ってる?
えー、わかんない。
あの、もちろん天皇に殉死してるんだけど、明治天皇に。
うん。
乃木稀助ってね、あの、西南戦争で、自分が持ってた旗をね、敵に取られてんの。
あ、そうなんだ。
で、なんかさ、旗ってさ、象徴みたいなもんだから、その軍の。
24:03
うん。
敵に奪われるなんていうのはもう、超恥なわけよ。
そうなんだ。
なんかさ、月に旗立てたりとかするじゃん、木とか。
まあ、旗ってやっぱそういう象徴なのよ。
とにかく、これが私の国です、みたいな。
っていう、やっぱ象徴だからさ、その旗を敵に奪われるなんていうのは、もうあってはいけないことなんだよね。
あー、だから、あの、厚党でもなんか旗持ってたもんね。
うん。旗持ってさ、こう、戦闘で戦ってたでしょ。
うん。
そんな感じで、旗っていうのはある意味、そういう軍人の誇りみたいなところもあるわけよ。
うん。
で、それを西南戦争でさ、奪われちゃったもんだから、ずっとそのことをね、心に秘めてたわけよ。
野木マレスケって。
はい。
もう、いつ死のうか、みたいな。
えー、わかんないな、その感覚。
そう。で、あ、で、今ね、小片郎がね、わかんないな、その感覚って言ってたんだけど、これね、ちょっとすごい大事な話なんだよね。
うん。
で、まあ、とりあえず西南戦争で旗を奪われちゃったってことは、ずっとね、西南戦争ってね、明治、確か7年とか8年とかそれぐらいだったはずなんだけど。
うん。
で、明治ってさ、40年ぐらいまで続くじゃん。
はい。
だからさ、30年以上さ、ずっとそう思ってたわけよ、野木マレスケって、いつ死のう、いつ死のうって。
うん。
死に場所を探してたって言われてるんだよね。
へー。
で、明治天皇は、まあ、亡くなっちゃったじゃん。
はい。
ここしかないっていう感じで、殉死すんのよ。
うん。
で、先生の死っていうのは、実はこの野木マレスケの死と欠けてるのよ。
へー、そうなんだ。
先生もさ、要はさ、ずっと昔に自分のせいで親友を殺してしまったっていう追い目があるじゃん。
うん。
で、ずっとそのまんまさ、自分の中のそういう罪悪を抱えながら生きてきてたんだけれども、明治天皇が死んで、野木マレスケが殉死しましたっていうところで、ああ、自分も今なんだみたいな感じに思って死ぬんだよね。
あー。
で、さっきさ、ちょっと俺、小片郎がさ、「いや、その感覚わかんないな。」みたいなこと言ってたじゃん。
うん。
実は、夏目漱石が書きたかったのは、そこの感覚なんだよ。
うん。
それがすごく大事で、野木マレスケの殉死って、当時から言われてたんだけど、もう2パターンの見方されてたの。
うん。
野木マレスケ、なんて忠義のある男だ、みたいな。すごい、素晴らしい、みたいな。
はい。
っていう見方と、え?何してんの?バカじゃねえの?みたいな。死んでどうすんの?みたいな。意味ないじゃん?みたいな。生きてもっとやることあるでしょ?みたいな。
うん。
っていう、この2つの意見になったの、世の中って。
はい。
でさ、たぶん今の人ってどっちかっていうと後者でしょ?死んだって意味ないじゃん?っていう。
うん。
そう、それが夏目漱石がこの心で伝えたかったこと、書きたかったことで、明治っていう時代の終わり、明治とともに殉死した野木マレスケっていう、その時代が終わったんですよっていうのを伝えたかったの。この心の話の中で。
27:00
うん。
で、先生が死んだっていうのもさ、え?死ぬ?みたいな感じじゃん。
はい。
ずっと思い悩んでるのも気持ちはわかるけど、今の人だったらそんなもう10年20年は経ってるんだよ、その慶が死んでから。
うん。
だから、え?そんな前のことで死ぬ?みたいな感じじゃん?感覚としては。
うん。
で、それは明治時代の道徳っていうのがあるじゃん?
はい。
まあ明治時代で考えるとわかりづらいから、例えばさ、江戸時代とかって説服ってあったじゃん?
うん。
説服ってさ、今わかんないでしょ?その理屈って。
うん。
なんで説服すんの?みたいな。痛いじゃん?みたいな。死ぬならもう喉ひとつきでつくとかさ、いろいろあるじゃん?みたいな。
うん。
わざわざ腹切ってさ、死ぬんだよ。そんな超苦しいじゃん。
ね。
でもさ、それが作法だったわけじゃん?当時は。江戸時代とかって。
うん。
まあある意味道徳的な感じ?まあ死ぬならこういう死に方みたいなさ。
うん。
で、そういうのは結局乃木稀助と、乃木稀助の説服で死んでんだけど、活腹自殺で死んでんだけど、
結局、乃木稀助を一つ事実としてあった出来事を例にして、明治時代っていうものの道徳っていうのはこういうものなんですよ。
これを後世に読む人はきっと理解できないでしょうねっていうのが言いたかったらしいの。
うん。
で、小片郎がさ、たまたまさ、いやわかんないなっていう言葉ちょっと言ってくれたのがすごいありがたくて。
ははは。
わかんないんだよ。俺今の人読んでんの。
うん。
で、心って普通に読むと単なるさっきの恋愛小説なわけじゃん。
うん。
だから、えーみたいな感じじゃん、本当に。
だからそういうちょっと裏の部分、夏目漱石が何を伝えたかったかっていうところまで知ってから読むと、ちょっと違う見方もできていいんじゃないかなって思ったっていうのが、
まあちょっと今回取り上げたテーマ、夏目漱石の心になりますという形で終わりにしたいと思います。
ありがとうございます。
どうでしょうか。
えー、なんかさ、のぎまれすけとかさ、
うん。
あの、その先生も、
うん。
結構その前に、
うん。
自分がずっと思い悩んでたことがあって、その死ぬきっかけが欲しかったのかなって思っちゃったんだけど。
そうそう、死ぬきっかけに結局明治天皇の奉行に対する巡視っていうのを選んだわけじゃん。
あー。
うん。
先生も結局のところはそれなんだよ、最終的には。今死ぬならじゃあ今だなっていう感じになって死んでる。
うーん。
なるほど、何にもない時だと何なんて言ったらいいんだろうな。
まあ、ずっと死にたいなっていう気持ちは多分あったんだよ。
だってのぎまれすけもそうだし、死に場所を探してたって言ってるぐらいだから。
あー。
で、先生もずっと罪悪を抱えてたわけよ。
なんか自分のせいで、自分のせいでみたいな。
あー、そうなんだ。
そう、で、きっかけっていうか、変な話、背中をポンって押す出来事が明治天皇の奉行だったわけよ。
あー、そうなんだ。
うん。これが、今日は夏目漱石がのぎまれすけと先生を重ねたっていう形になってるのね。
30:06
えー。
で、ただそれは後世の人は感覚として分かんないよねって。それはなぜかっていうと明治の道徳だからだよっていう。
明治時代の道徳。で、時代の移り変わりっていうのは必ず起こるもので、後世の人はこの先生の気持ちだったり、心情だったりとかっていうのは理解できないですよねっていうのが伝えたかったことらしいんだよね。
あー、なるほどね。
うん。
そうだよね。今のさ、うちらの常識も多分100年後ではね、理解できない部分もあるだろうね。
うん。ほんと、俺ら今こうやって音声配信やってるけどさ、え、なんでそんなことしてんの?みたいな時代も来るかもしんないしさ。
しね、あの、なんで満員電車乗ってみんな一生懸命会社行ってんの?とかなるよね。
そうそうそうそう。だって働き方だって結構ね、全然もうほんとここ10数年で全然変わっちゃってるじゃん。
ありそうだよね。
そう、だから道徳っていうのはほんとに時代とともにすぐ移り変わっていくもんで、で、その昔の道徳っていうのはなかなか理解しがたいものなんだよねっていう。
えー、ありがとうございます。なんか深いというかいい勉強になりました。
このね、夏目漱石の心はね、日本で一番売れてるだけあってね、読みやすさもあるのよ実際。
あーそうなんだ。
そう、読みやすいし、読みやすいけど理解しがたいっていうなんかちょっと謎の提示が発生するけど。
理解ができないっていう。
まあおすすめです。
ありがとうございます。じゃあということで今回は夏目漱石の心でした。
はい。
じゃあこれ聞いてくれてる人もしよかったらね、なんかコメントだったりとかフォローしてまた聞いてくれたら嬉しいです。ありがとうございました。
はい、ありがとうございました。
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