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カランコローン、いらっしゃいませ。喫茶クロスロードへようこそ。
この音声配信は、本好きな人たちがフラッと集まり、みんなが友達になれる喫茶店をコンセプトに、全員たちが気ままにゆるーく話してまいります。
12月2日、第74回の配信です。
作品の紹介とあらすじ
さて、今そろですが、2023年の本屋大賞受賞書、凪良ゆうさんの【汝、星のごとく】と、そのスピンオフ小説【星アーム】について語りたいと思います。
盛り上がってますか?というのも、私もソラヤンも、これちゃんと去年の春の出た時に読んでたんですけど、
私は最近それのスピンオフを読んで、やっぱこの小説よかったなーっていう気持ちに、今さらながら浸っているので、
この気持ちが盛り上がってソラヤンに、この回やっぱ撮りたいんだけどっていう話をね、振ったのが話なんですよね。
今さらかよって思ったよね。
いやいや、でもこの配信をしたいなって思ったのは、あまりにも感想が違いすぎたってのがでかいよね。
まあそうね。それもね、え?そういう視点なの?みたいな感じになったのが、ちょっとそれも面白かったので、この本を今さら取り上げるんですけど、
ちょっと最初に注意しておきたいのは、その話をするには、ちょっとネタバレしないと、やっぱ話せないよねっていう話にもなりまして、
そうなんです。
今回は、盛大にネタバレをします。
盛大に。
盛大にネタバレをするので、もし未読でこの本を読み予定の方は、ここで配信をポチッと聞いてください。
読んだ後にね、聞いてください。
じゃあ話していきましょうか、ソラヤン。
お願いします。
いくよー。
お願いしますお願いします。
はい。
さて、まずは、何時星のごとくを紹介していきたいと思います。
この本の舞台は、瀬戸内海に浮かぶ小さな島です。
主人公はこの島で生まれ育った井上あきみと、京都から転校してきた青野海という高校生男女の二人。
この二人の視点を交互に行き来しながら、物語は進んでいきます。
海君は島に一つしかないスナックを経営している母親と、二人暮らしをしている男子高校生なんですけど、
もうね、物心ついた時から父親いなくて、しかも母親の恋人はひっきりなしに変わるっていう状況に呆れてうんざりしつつ、
その親から離れられないことを苦しく思っていまして、将来の夢は漫画の原作者ということで、一日も早く自立したいと思っている少年です。
一方、女の子のあきみちゃんは、なんと父親が浮気をして家を出て行ってしまい、母親との二人暮らしになってしまった高校生女の子です。
もう狭い島の中では、この噂は周知の事実として周りに知れ渡っている状態で、
そんな周りからの生温かい同情の目に嫌気がさしつつ、かといって、
まあ母親は精神的に不安定になっていきますので、その母親を一人にできずに、離れられない状態で生活をしているっていう感じです。
で、この物語は、二人が出会った高校の17歳の時から32歳までの15年間を、二人の視点で追いかける形で進んでいきます。
女性の生き様の考察
っていうね、物語なんですけど、そらやん、この小説を一言で言うとしたら、どういう小説ですか?
一言で、一言でだよね。
一言で。
はい。私は、なんじ星のごとくは、一言で言うならば、現代の一人の女性のありようをテーマにした作品だなって思った。
おー、その心は?
その心は、かいとあきみ二人いるんだけど、やっぱあきみー、やっぱ自分はすごい注目をしていて、
この作品って、その人工のあきみ以外にも、あきみのお母さん、かいのお母さん、そのあきみのパパの浮気相手のとうこさんって女性とか、
あきみの、言ってしまえば、上の世代にあたる女性が結構、影響を与える人物として出てくる。
そうだね。ちゃんと出てくるね。
彼女たちにも、それぞれの時代から影響を受けた思想とか生き方とかがあって、
ただそれと、あきみの持っている考え方とか生き方みたいなことが、なんかうまく対比させられているよなってずっと思っていて、
そのあきみって結構、ハードモードな人生が続いていくんだけど、
それ、そのしんどさとか苦しさとかが、その上の世代の女性たちの考え方とか言葉とかと対比させられて、
それでやっぱなんか、ズレっていう気持ちもなるし、
その中で、あきみが、自分の母親はこういう人生だった。
かいの母親はこういう人生だった。
とうこさんって浮気相手の女性はこういう人生だった。
じゃあ私はどうする?みたいな感じで、自分の人生をこう選び取っていくんだけど、
その強い女の子に育っていくなっていうのも感じたし、
なんだろう、そのあきみの生き方みたいなところは、現代女性には希望になるような感じに私は思って、
それがね、ただただ印象に残りました。作品の中で。
うん。
そう。
はい。
いやなんかさ、なるほど納得って私は思って聞くし、
そらやんと最初その読み終わった時にさ、感想をやりとりとして、
ああ確かにそういう風にも見れるなって思ったんだけど、
だけど、私普通にこの小説は、めっちゃ純粋に恋愛小説として楽しんでた。
そうそうそうそう。
っていうところが。
そっかー。
すごいもうなんか、ああそうなんだーみたいな。
うん。
あきみとかいが、最初高校生で付き合うけど、大学生で社会人になって価値観が変わって離れて、
でもなんでか知らないけどお互いちゃんと思い合ってて、
で、思い合ってて思い合ってて、でもすれ違ってて、
ああ最後なんか一緒になるみたいなところで、
もうなんか、ああやっと一緒になれたねっていう気持ちとかも盛り上がって、
すごいなんか、そうすごいね、すごい単純にね単純に、
なんかちょっとそらやの感想を聞いてて私ちょっと恥ずかしくなるぐらい。
恥ずかしくなる必要はない。
しかもさ、この小説さ、冒頭から月に一度、私の夫は恋人に会いに行くっていう一文で始まるんだよね。
そうね、そうそうそう。
で、えー何それ?みたいな。
何それだよね。
この一文でまずこうグッと物語に引き込まれて、だからその後の感情ジェットコースターを経験しつつ、
どんどん先を読み進めたくなるみたいな、ああいいな、いいなと思って、
ああでもどうなっちゃうのこの二人?っていう気持ちで純粋にすごく読んでしまったなっていうナッシーの感想がありまして、
いやもうほんとね、私35回のさ、配信とかでもさ、恋愛小説に求めているものは切なさですっていう話をしたんですけれど、
もうその要素がちゃんと盛り込まれていて、本当に良かったですっていう感じなんだよね。
いやその、35回でトライアンはハマった恋愛小説がないんだよねって言ってたんだけど、
私は恋愛小説を恋愛小説と認識できないんだねって思って。
でも作者はきっとそこを意図して書いただろうなっていうところはもちろんあるからね。
でも私さ、渚先生のインタビュー、何個か読んだんだけど、本屋大賞になった時あたりに、
もう王道の恋愛小説を書きましたって言ってた。これに関してはこの先に。
正しい受け取り方をした。王道の王道の受け取り方をした。
そうかーって思って。でも王道の恋愛小説ってあることは間違いないんだけど、
それもそうだし、私はそのあきみの生き様にめちゃくちゃ感動したっていうのがある。
ね、そうね最後。自分の生き方を掴み取って、選び取って、そうやって生きていく感じだもんね。
恋愛の側面と感想
そう。もうガンガンネタバレしていくんですけど、
これはあきみの生き様の現代、今NOWを生きる女性の話だなっていう風に思ったのは、
かいとあきみが別れるシーンがあるじゃないですか。
一回別れます。
一回別れますね。その時って二人は遠距離恋愛をしていて、7年半も遠距離恋愛してるんだよね。
そう、すごいよね。
すごいよね。かいは東京で社会的に結構成功してるんだよね。
お金もあって地位もあってイケイケどんどんみたいな。
逆にあきみは瀬戸内海の島に残ってて、本当は大学行きたかったんだけど行けずに、
その両親の吸ったもんだから行けずに、お母さんがちょっと精神的に崩れちゃったから、
自分は働かなきゃいけないっていう感じで、かいと東京に行くことを諦め、
地元で働いてるんだけど結構閉塞感のある毎日なんだよね。
でもなんとか遠距離恋愛は続いてて、だいぶすれ違ってるんだけど、結婚も二人の中ではちらついてるみたいな。
この時のあきみ本当結構マジで、作品の中でもだいぶきつい時期で、
お母さんは不倫によってかなり精神的に崩れちゃってるし、専業主婦だったっていうところもあって、
あきみが支えなくちゃいけなくて、大学進学は諦めて働いてて、
でも自分の稼ぎそんなないし、でもお母さん結構精神的に崩れちゃってるから、
家事も全部やらなきゃらしいみたいな感じで。
仕事もして家事もしてみたいなね。
そうそう、仕事もして家事もしてみたいな。
大好きなかいは近くにはいなくてみたいな。呼んでて結構つらいみたいな。
あんまりうまく二人の関係はうまくいってないけど、結婚するのかしないのかみたいな感じの時に、
あきみが自分がかいと結婚したいっていう理由の中に、
本当好きだしっていう気持ちだけじゃなくて、
結婚したらこの島を出られるし、もしかしたら働かなくてもいいみたいな。
かいも社会的にめっちゃ成功してるから、
夫の庇護のもとで穏やかに暮らせるんじゃないかっていうので、
結婚したいっていう理由があるみたいな。
かいを現実逃避のためのカードとして持ってるっていうことに気づくシーンがあって。
その時に好きだけど、そのカードとしてかいを握ってる自分はダメだって。
私は私の教授をこう、みたいなシーンなんだけど。
本当に辛いけど、これを選んだら自分は人としておしまいだみたいな感じで、
かいと別れることを決めるところがあって。
それはなんでそんなのかっていうと、
あきみのパパ不倫して出てったから、
私はお父さん本当に許してないんだけど、マジで。
マジで許してないんだけど。
あきみ寄りだからね。あきみ寄りのソランとしてはね。
そう、あきみの一番の味方でいたいから。
マジさやぐらって思ってるんだけど。
あきみのお母さんは専業主婦で、経済的にも精神的にもお父さんに依存してて、
それが多分お父さんにとっては苦しかったんだとは思うんだけど、
その結果不倫きっかけにお母さん完全に行き詰まってしまうから、
もし今かいっていう安心カードを切ったとして、
精神的にも経済的にもパートナーに依存する状態って、
結局お母さんと同じになっちゃうんじゃないかって思って、
それじゃダメだって思って別れるんだけど、
主人公の心情の探求
なんかね、ここのね、あきみの独白の文章みたいなのがあるんだけど、
もうね、ここは、なんかすごいね、
魂のこもった文章だなってなんか思った。
私はすごいここに、宅舎の、
なぎら先生がどういう気持ちとかどういう価値観とかがわからないけど、
ものすごい切々とした気持ちを感じ取ってしまって、勝手に。
あきみって私たちとほぼ同い年だから、
ちょうど我々の世代のお母さんにあたる世代って、
専業主婦も少なくないし、働いてるお母さんも多いしみたいな、
なんていうか過渡期というか、今もそうだと思うんだけど、
その中で自分の親世代の生き方と今の自分を比較して、
恋愛・結婚・出産みたいなことを考えるとか、
仕事を考えるとか、
その自分の親世代の生き方と自分とを比較して、
めっちゃ気持ちが揺れるっていう経験をしてる人は、
多いんじゃないかなとは思ってて、
私はね、すごい共感した、そこに。
この部分のね、魂の文章に共感したんだね。
本当に、だってさ、あきみは別に悪いことしてないわけ。
そう、全くしてない。
親が勝手にごちゃごちゃにして、
言ってしまえばお母さんも自分で自分の責任を取れない状態になっていて、
あきみは特に悪いことはしていないんだけど、
でも、もうなってしまったからには自分自身で、
自分の人生に責任を取らなきゃいけない、
っていうことを受け入れるシーンだから、
なんかさ、それってすごい強さがいるしさ。
だって誰かのせいにしたいじゃん。
だって私、何も悪いことしてない。
あきみは本当に何も悪いことしてないからさ。
ただの理不尽だよね。
ただの理不尽なの。ただの理不尽なんだけど、
でもここで、いやでも私は、
貝を現実逃避のカードとして、
切るっていうことをしてはいけないって思って、
それまでってあきみは物事に対して受け身?みたいなところが、
ずっとあったんだけど、
ここからすごい自分の人生に積極的になっていくから、
何とかしよう、何とかしよう、みたいな感じになっていくところが、
本当にすごいし、もう私は、
もう心から応援したい、みたいな気持ちになった。
っていう風に思ってる。
こんな感想になってるんだと思う。
私もさ、この配信があるからって思ってさ、
もう一回その本を読み直してみたんだけどさ、
確かに読み直してみるとすごい印象にも残るなって思って、
あきみの顔つきが変わったわね、みたいな。覚悟決めたんでしょ、みたいな。
そうそうそう、言われるんだよね。
言われるシーンがあって、
あ、そうか、この時あきみはやっぱさ、
すごい理不尽なこととかもさ、理不尽じゃん。
だってどう考えても自分のせいじゃないことなのに、
すべてを背負わされてさ、家事も仕事もしなきゃいけないし、
かといって島からも出られないし、
好きな人に結婚してても言えないし、みたいな状態を、
あ、この時そう、受け入れたんだな、みたいな。
受け入れて、その人生と戦うというか、
その人生を生きる覚悟をしたんだな、みたいなシーンなんだなっていうところで、
あ、確かに、確かにここは今読むとグッと来る、みたいな気持ちにもなった。
しかもさ、なんかこの本のうまいなって、
うまいなって言い方偉そうだけど、うまいなって思わされるところが、
君はさ、言ってしまえば地方で働いてる女性みたいな感じだから、
その地方のいわゆる閉塞感みたいなところとか、
特にその女性に向けられる男尊女卑的な価値観みたいなところを、
なんかちょっとしたそのあきみのさ、周りの出来事でさ、
匂わせてくるっていうかさ、
社会における仕事の主役って男性で、
女性はサポートに回るんだよね、みたいなことを、
なんとなくみんな思わされているみたいなことが、
匂わせられるエピソードとか。
あるね。あきみの会社の様子とかね。
そうそう、とか、島の女の人たちの会話で、
あ、この地方って女性ってこういう価値観なんだなとか、
かいのお母さんもシングルマーダーだから、
きっとなんかあったんでしょうね、みたいな感じの空気感とか。
しかもコソコソ言ってる感じね。
そうそうそうそう、ひそひそ言ってる感触感。
なんかそれもうまいこと盛り込まれてるから、
それぞれの登場人物の、なんていうの、人生観みたいなのが、
こう際立ってくるっていうか。
そうね、それがすり込まれてたあきみの、
感情の整理
あきみがでもそこの、なんだろう、
環境に立ち向かうみたいなところが見えるってことだよね。
うまいなって思って。
いいシーンだよな。
いいシーンだったね。
あそこのシーンもいいんだけど、
いやでも私は、やっぱり一番好きなシーンをあげろって言われたら、
そのあきみちゃんは、結局島で結婚もするんだよね。
夫がいるんで。
かいじゃない人と結婚するんだけど、
結婚もしている状態のあきみが、かいに会いに行くっていうシーンがありまして。
私は愛する男のために人生を謝りたいと言って、
いろいろ自分の感情と折り合いをつけながら、
ひたすらかいのことは忘れよう忘れよう、
でも思い出しちゃうなみたいな、
その気持ちのディサブラレをずっと経験しながら、
でもやっぱりその感情に向き合って、
素直になって、やっぱかいに会いに行こうみたいになった、
もちろん周りの後押しもあるけど、
素直になったあきみを、
行けよ!あきみ行けよ!
みたいな気持ちになって、
多分私はこれは自分の過去の恋愛経験とかも重ねて、
きっとそれを選べたかなとか、
いやーこの状況で選べないなとか、
でもだからそれをちゃんと選べる、
自分の感情に素直になって選べたあきみを、
ちょっとうらやましい気持ちもあって、
でもこのシーンいいなって思ったんだよね。
わかる。
いや私もここすごい好きだよ。
わかってくれる?
私もここすごい好きなんだけど、
ナッシーはそういう風に読んだんだっていうのが、
あきみの気持ちに寄り添って、
読んだんだっていうのがいいなって思って。
え、じゃあそうじゃないの?
え、だってコソライオンはあきみサイルなんでしょ?
あきみが感情が整理できたから、
カイに会いに行けたっていう風には、
あんまり実は思ってなくて、
え、そうなの?え、そうかな?
そういうこと?
あきみってずっとカイのことを考えてるんだよね。
そうなんですよ。ずっと。
お別れするシーンもさ、
お別れするって言ってるのに、
カイに自分のことを追ってきてほしいっていう気持ちもちゃんとあって、
ある。わかる。すごくわかる。
追っかけてきて!みたいなことを言って、
えー、そうだよねって思いながら、
時は流れっていう感じになってくるんだけど、
あきみがカイのことずっと思ってるのに会いに行けなかった理由って、
あきみがカイをどう思ってるとかはあんま関係がないって私は勝手に思ってて、
え、そうなの?
私は、あきみが自分自身がカイを安心カードとして、
嫌いな自分になるまでこの選択はできないって思ってたって勝手に思ってたんだよね。
あー、なるほどね。
安心カードと思ってそんな自分は嫌だから、
そうそう、ずっと嫌だって思ってるから。
お母さんみたいになりたくないって。
その自分とは欠別しているっていう自分になれたから会いに行けたってこと?
そうそうそう。
このタイミングってカイは結構重篤な病にかかっているっていう劇的状況はあるんですけど、
さておき、あきみ自身のことだけを考えると、
お父さんの不倫相手の人から刺繍を教えてもらって、
トウコさん。
トウコさんは一応罪滅ぼしのためにあきみが刺繍作家として、
一人立ちできるように全力でサポートするっていう中で、
やっていけるかな?みたいな感じにようやくなったタイミング。
お母さんのこともある程度落ち着いて、
結構その前ってあまりに行き詰まって、
カイにお金借りに行ったりもしてるじゃん。結構長くの。
そう。
そう。
カイはどうぞって言って渡すんだけどさ。
そのお金をきちんと生産する限りは、私はカイに会えないみたいな。
お母さんのこともある程度落ち着いて、
仕事もできてる。生活にも困ってない。
カイにもお金返した。
で、今カイに対して残っている気持ちってなんだって言ったら、
純粋にこいつが好きだっていう理由しかもう残ってない。
そう思ったら、私は今カイとの人生を選ぶことができるっていうタイミングに、
カイの状況は去っておき、
やっとそこで胸を張ってカイに会いに行ける自分になれたっていうので、
いけたのかなみたいな。
結構そういう感情っていうより、自分の中で納得できる材料が揃ったから、
やっと人生を謝る勇気が持てたっていうか。
持てた。
そうそうそうそう。
だから人生を謝りたいって言ってるけど、
世間的に見たら謝ってて、島の人にひそひそ言われちゃうけど、
アキミは別にそれは未人も謝りだと思ってはいなかったのかなみたいな。
その謝りを背負って生きていける覚悟と、
実質的な力があるっていうふうに思ってて、
人生の選択
ずっと受け身だった昔の自分とは違ってて。
その描写に私は新たな現代に生きる女性のありようみたいな感じでまた感じてしまって。
もっと一言でまとめると思ってて。
そうだよな、このタイミングだよなみたいな感じになりました。
全然だからさ、私の中でカイの印象めっちゃ小さいんだよね。
私の中ではもうなんか、アキミはやっと自分の気持ちに素直になれたんだなみたいな感想で湧いたんだけど、
確かにそっちもそっちで。
そっちもそうで。
とても説得力があるっていうか、
もうなんかちょっと冷静かしら。
それはない。
まあそうだよな。
でもすごいその、やっぱさ、アキミが自分の中でさ、お母さんみたいになりたくない。
そうね。
だから私はカイをそういうカードとして切るのはやめるみたいな、
キャラクターの成長と感情
まあそんなことは言ってないけど、っていうふうに選択して、
でも最終的には逃げるためのカードじゃなくて、本当に好きな人だから会いに行きたいって思ったっていうのは間違いなく。
そう。
その気持ちがあったから、もちろん私は謝りたいって言葉がすごい好きだけど、
あれはアキミの中では、その謝りも正解にする意思があるし、力があって。
自分のことをどう言われても、この決断を自分でしたんだって納得できる形で進めたっていうのが本当に。
そうなんだよね。
確かにそう言われると確かに現代の女性だな。
ちょっとこう言うとビジネス本っぽいけど、自分軸で、自分の判断でその選択を選び取るみたいなところは確実にアキミに反映されてるよね。
しかもなんか今ナッシーの感想を聞いて、自分の感情を大事にするっていうか素直であるためには、ある程度自分自身をちゃんとしなければならないんだなみたいな。
なんて言ったらいいかな。
自分の名刺ぐらい自分で稼げてみたいな。
精神的に安定している。
自分が自分であるっていう状態があって初めて感情を素直に受け止められる自分になれるのかなみたいなことはちょっと思う。
だからやっぱちゃんとご飯も食べて、自分という家をしっかりメンテナンスした状態で初めて、
いろんな感情を素直に受け止めたり、自分のありたいやりたいみたいなことを素直に感じ取れる。
素直に感じ取れるから自分自身を作り上げられるみたいな、そういうことを勝手に思った。
どっちもリンクしてるんだなって。
うまく言えないんですけど。
でもちょっと無理だったよね。前のは君には絶対無理じゃん。
お母さんの荷物も背負って。
家庭の全てをもわし。
なんかそのギリギリの精神状態ではさ、それはできなかったけど、それができる状態になった。
自分になれたし、そこの部分で力も蓄えて。
しかもさ、お母さんとちゃんと対峙するシーンもあるじゃん。
あるある。
お母さんにこのままじゃダメだよみたいなことをちゃんとね。
しかもお母さんはそれでさ、ほんとゆっくりだけど、娘に迷惑をかけていたっていうことにも気づき、
お母さん自身も自分の人生なんとかしようとしていくじゃん。
そこが強いよね。
だんだん自分も人間的に強くなっていく中で、ちゃんとお母さんともしっかり向き合って自分を守ることもできるようになるし、
恋愛もガッツリできるようになるし、みたいな。
自分自身の安定、強さなしには人と激しく関わることは難しいんだな、みたいなことを感じました。
名前の意味と物語の深さ
なんだろう。
なるほどね。
なんて言ったらいいかわかんないけど。
そうだね。だって、原因といえば原因だもんね。お母さんは。
そうそうそうそう。
そうだね。
それもすごいなって思った。
好きなシーンでもこんだけ見方が違うんだなっていうのが、皆さんお分かりいただけましたでしょうか。
この話もさ、このシーンでさ、好きな理由もう一個あってさ。
ほうほう。
あきみが貝に会いに行くシーン、もう一度会いに行くっていうシーン。
ここで貝とあきみの名前の回収がされてるのが、小説としてめちゃくちゃ素晴らしいなって思ってて。
そう?どういうこと?
貝って、貝の漢字って船を漕ぐオオルの貝じゃん。
で、あきみの漢字って、暁っていう夜明けっていう意味の漢字と海であきみなんだけど。
で、二人は瀬戸内海の島で出会ってみたいな。
だからなんとなく海を感じられる作品ではずっとあるんだけど。
貝の人生は貝の人生で結構波乱万丈で、東京でものすごい活躍成功して、
なんかもうジェットコースターのように落ちていくみたいな。
全然貝について語ってないけどね。
語らないですけど、貝は貝なりに結構必死に生きていて、
それこそ船を漕ぐように必死に生きているっていうような感じでずっとあって。
で、その船を漕ぐように必死に生きた貝がたどり着いた場所が、
夜明けの穏やかな海っていう、あきみっていう。
で、二人が再会するの朝じゃん。
うん、そうだね。
夜明けのシーンじゃん。
貝とあきみの名前がここで回収されているっていうのが、
ねえ、おしゃれって思った。
てか私さ、ごめん、空谷に言われるまでちょっとそれ気づかなかったわ。
なんで朝会いに行ったんだろうってちょっと思っててさ。
あ、そういうことね。へえ。
あー、そういうことか。
そうそうそう。
会いに行くって言って、貝が朝起きたら、あきみが自分の病室にやってきてて、みたいな。
で、そこでなんか貝はさ、あきみを見て切ないかの海を思い出すみたいなさ。
なるほどね。
そう。
あー、そういう。
それ、すいません。なし。
2回読んだね。2回以上読んだのにちょっと気づけませんでした。
違った。
皆さん、すごいよ、空谷のこの。
いや、なんか結構印象的な名前だなって思ってて、貝っていう。
あ、そう、それ思った。
貝って、この漢字を使う子ってあんまりいないなって、その船を漕ぐオオルっていうの。
貝って名前はいくつかあるけど、そう。
で、あきみもさ、なんか赤月の海って結構珍しい名前だなっていう風に思ってたから、
すごいずっと印象的だなって思って、いい名前だなって思ってたから、
それがここで回収されるっていうのが、こんな素晴らしいシーンで2人の名前が身に付けられてるっていうのが、
素晴らしいなって。こういうの好き。
確かに。
こういうのめっちゃ好きなんだよね。
確かに。確かに気づいたら、気づいたら素晴らしさに気づけたけど。
もう一回読んでみて、そこのシーン。もう一回読んでみて。
ちょっともう一回読んでみるわ。
マジかー。
朝の実が浮かびますよ。
すごいね、そういうのに気づけるのもちょっとそらやんすごいね。
あ、そうなのか。
マジで普通に恋愛小説として楽しんでましたわ。
ちょっと読み込みが、読み込みが足りなかったかもしれない。
いやいやいやいやいや。
いやー、そうなんだよね。で、ちょっとだけスピンオフな話もさせていただきますと、
このね、あきみが結婚したって話はさっき挟ませていただいたんですけど、
それは北原先生っていう、あきみと会の高校の先生で、冒頭で私が恋人に会いに行くって言った夫の人が北原先生なんだよね。
すごいこの北原先生は物語の中で重要な役割なんだけど、
あくまでなんじ星のごとくって、あきみと会の目線で書かれてるから、北原先生の視線ってわかんないじゃん。
わかんない。しかもあんまさ、出さないよね、自分の気持ちを。淡々としてるんだよね。
合理的だから結婚しましょうみたいな、そういう感じだよね。
そうそうそうそう。
あきみと会のことはたびたび助けてくれるんだけど、あんまりそこに北原先生の気持ち出てこないんだよね。
そうすべきだからそうしましたみたいな、合理的だからそうしましょうとか、なんかそういう感じなんだよね、先生的には。
結構この本読んでて、北原先生なんかすげえ不思議キャラだなみたいな。
不思議キャラだよね。
でもなんか会いに行く恋人はいるしみたいな、ああそういうこともしちゃうんだみたいなさ、
そういうキャラとして描かれている、その北原先生の視点がわかるのが、スピンオフの星ワームの方でして、
でもここね、すごい、これ読んじゃうと北原先生サイドはね、全然違って感じられるのが、めっちゃ面白かった。
なるほどね。だってめっちゃ気になってるもんね、私もずっと気になってる、北原先生って結局何考えていたのかなみたいな。
北原先生はどうしてああいう北原先生になったのかっていうところも書いてある。
面白いよっていうのと、でもこの本、あと3ペンぐらいの短編集になってるんだけど、
その中で星を編むっていうその表題のタイトルの、星を編むっていう風にタイトルになってる短編があって、
それがこの、全然今まで話をしてこなかった、カイ君に関わった方の編集者2人の話で、
これが結構ね、推しというか、私的にすごい良かったなと思ってて。
で、このね、何時星のごとくの最後にして最大のネタバレをしますと、
結局さ、この本はさ、カイ君が最後その何時星のごとくってタイトルの本を書き上げるっていう風にして、
まあこう終わるじゃん、この本は終わるんですけれど、
このカイに惚れ込んだこの2人の編集者がどうやってその本を売っていくかとか、
青野カイという、まあちょっと不備になった漫画原作者をどう世間に知らしめたいかみたいなのを、
この2人の編集者がめっちゃ頑張るっていう話で。
これめっちゃ、やっぱちょっとお仕事小説だね。
編集者の努力と現代の女性
編集者の、編集者のプライドとかそういうのが、2人がすごい入れ込んでる具合とかもわかってめっちゃいいなっていうところもあるのと、
1人は女性編集者で、1人は男性編集者なんだけど、
特に女性編集者の方は、結婚もしてるけどめっちゃバリバリ働いてる女性編集者で、
エリさんって方なんですけど、すごいパートナーに子供も欲しいと言われてる。
でも自分は仕事もすごく好きみたいな、こういう描写もあって、
これはなんか、やっぱりこの、エリさんもやっぱり現代の女性のありを描いてるんだなっていうのは、すごい重々小説でした。
読みたくなったな。
ほんと。
だってあれじゃん、サイドストーリーが好きだったら絶対。
そうね。
これは。
そうだよね。
これ読んでから何時星野本を読むと、
あ、北原先生この時そういうこと考えてたのかもしれないとか思って、めっちゃ面白かった。
確かにエリさんもさ、すごいたくさん描写されてるわけではないけど、
結構、かいのためにも、あとあきみのためにも、結構頑張ってくれるというか、なんというか。
でもあんまりその、まあさ、やっぱりその、あきみとかいの話だからさ。
その人以外の視点はあんまり描かれてないからさ。
そういう意味で他の人の視点も描いてくれると、やっぱ物語としては広がるし、面白いなっていうのはすごい思ったかな。
エリさんはさ、原作っていうか、何時星野ごとくではさ、最初登場した時はさ、不倫してるじゃん。
そう、不倫してる。
不倫してるじゃん。
そっから結婚してっていうところの、エリさんの心境の変化みたいなのも描かれてるの?
女性の生き方と結婚
あーでもね、その不倫相手とどういうやり取りをしたかみたいなところは結構描かれてるかな。
マジ?
マジ。
そうそうそうそう。
すごい読みたくなったわ。
いつの間にか結婚した後、そう。
でさ、エリさんいつの間にか結婚するじゃん。
するするするする。
さらっと結婚してるよね。
そう、さらっと結婚するじゃん。
なんかかゆくんとおかゆくんとちょっといい感じになったりするくせに、さらっと結婚しちゃって。
さらっと結婚してるよね。
そのほどの結婚生活はまあ結構、やっぱその、女性でキャリアを積んで働いていくっていうのの、その生活をどういうところで問題とかが起こってみたいなところも描かれてるなーっていうのは思ったかな。
へー。あ、面白いな。
あきみのお母さんは不倫された女性として出てきて、で、とうこさんってまああきみのお父さんをまあ言うなれば取ってしまった女性の、まあ結構その人の話とかもバーって出てきて、でエリさんはそうだもんね。
エリさんまた違う形で不倫をしている人間として現れて。
確かに。
掘り下げたくなる理由もあるね。
まあ私はこの本はいろんな女性の生き方について思いを馳せるための本だと勝手に思ってるから。
そのエリさんのなんかその全体の登場人物の中で立ち位置みたいなのを考えたときにめっちゃ読みたくなったわ。
いやでもなんかそう、エリさんの話は結構やっぱ、今自分も働くみとしてみたいな。あきみとは別の働く女性としてみたいなところのさ、視点ではあるから。
でもしかも会社勤めしててみたいな。
組織があってねみたいな。
組織があって、自分は管理職になってみたいな。男性管理職はねみたいなところとか。
あ、そういうのも書いてあるの?
そういうところ。
すごいな。読みたくなりました。
読みたくなります。
というこの2作は、恋愛小説としても楽しめつつ、放り込まれてるね、社会的トピックスに気づくともっと楽しめるみたいな構成になっているのが、やっぱなぎらゆう先生すごいですっていうことをお伝えしたかった次第です。
はい。
次回予告とお便り募集
来週何だったっけ?
来週は、去年も話したんですけど、今年もブックサンタの話をしたいなと思っております。
1年に1回思い出してください。このトピックの。
1年に1回ブックサンタ。
よろしくお願いします。
ここまででトークテーマは終了ですが、さくろではいつでもお便りを大募集しています。
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本日はお越しいただきありがとうございました。またお待ちしております。
バイバーイ。