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琴音の音cafe 今夜の朗読はタイトル
白石椿の旅のしおり 静岡編です。作者は琴音です。
バスのエンジン音が軽やかに響く 窓の外にはどこまでも広がる青空とキラキラと輝く駿河湾が広がっていた
皆様おはようございます。本日は富士ビューティーライン号にご乗車いただきまして誠にありがとうございます。
私、本日のバスガイドを担当させていただきます新人バスガイドの白石椿と申します。 そして皆様の安全をしっかりと守り快適なドライブを支えてくださるのは
ベテランの佐藤運転手です。どうぞよろしくお願いいたします。 本日は三島大社に向けまして約2時間の道のりとなっております。
窓からの景色や美味しい情報もたくさんご案内いたしますのでどうぞ最後までごゆっくりお楽しみください。
よし、今のところ声は裏返っていない。 お客様本日はお天気に恵まれましたね。
右手に見えますのが日本が世界に誇る礼峰富士山でございます。 あいにく少し雲がかかっておりますが
お客様左側の窓をご覧ください。駿河湾の海風がとっても気持ちよさそうに吹いております。
あのー、実は私、今日がガイドデビューの初日なんです。 出発前から緊張してしまい昨夜は一睡もできず、朝も制服のボタンを反対に止めて先輩に直していただいたりして
運転手の佐藤さんにも、椿さん深呼吸だよって何度も優しく声をかけていただきました。 こうしてバスの最前列から皆様のお顔を拝見しているとなんだか胸の奥からぽっと温かいものが湧いてくるんです。
至らない点ばかりかと思いますがどうか温かい目で見守っていただけますととっても嬉しいです。
それでは皆様、本日の目的地へ向かいながら、まずは窓から楽しめる静岡の美味しいものについてご紹介させていただきますね。
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静岡といえばまず思い浮かぶのが、そうお茶でございます。緑茶の生産量日本一を誇る静岡県ではどこを見渡しても美しい茶畑が広がっています。
皆様、今道の両脇をよくご覧になってみてください。 緑色の綺麗な絨毯を敷き詰めたような茶畑が山の斜面に段々畑になって続いているのが見えますでしょうか。
あの茶畑、新茶の季節になるとそれはそれは爽やかな良い香りが風に乗って車内まで届いてくるんですよ。
新茶の時期だけではなく、夏は水出し緑茶でキリッと、冬はあったかい深蒸し茶でホッと、静岡のお茶はいつどんな時でも私たちの心を優しく包み込んでくれます。
おや、前方の座席にいらっしゃるお父様、首をかしげていらっしゃいますね。
お茶の美味しい淹れ方のコツが知りたいですか?
ありがとうございます。
ご質問、お茶の淹れ方ですよね。お湯の温度は熱すぎないのがポイントです。
少し湯の身に移して温度を下げてから茶葉の旨味をじっくり引き出すのが静岡県民のこだわりなんですよ。
佐藤さん、佐藤さん、あってますよね。
お客様、ぜひ旅の途中で美味しいお茶と茶葉のスイーツをお楽しみくださいね。
そして静岡のグルメといえばまだまだございます。
お次はお隣の浜松市が誇る浜松餃子でございます。
キャベツがたっぷり入ってお肉のジューシーさと野菜の旨味が絶妙なバランスなんです。
丸く円を描くように焼かれ、真ん中に茹でたもやしが添えられているのが特徴なんです。
どうしてもやしが真ん中にあるの?ってよくご質問をいただくんですが、
このもやしと一緒に餃子を食べることで脂っこさがスーッと消えて何個でもパクパク食べられちゃう魔法の盛り付けなんです。
ちなみにお隣の沼津港では新鮮な海の幸もお待ちしております。
今が旬の金目鯛の煮付けやプリプリの生シラスに桜エビ。
あー思い出しただけでお腹がグーってなりそうになってしまいました。お恥ずかしい。
シラスってどんな味がするの?ってお母さんに聞いているお子さんを発見しちゃいました。
そうですね、シラスはお口に入れると海の香りがふわっと広がって噛むとプチッとしてとっても甘いんですよ。
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ぜひ今日のランチは駿河湾の生シラス丼を召し上がってみてください。
さて、バスは間もなく三島大社に到着いたします。
源の頼朝港が巨兵の際に昇戦祈願をしたことでも有名な歴史のある神社でございます。
境内には昭和9年に天然記念物にも指定されている樹齢1200年以上と言われている薄銀木製の木があります。
通常の金木製よりやや薄いクリーム色の淡い黄色色の花が咲きます。
ニゾザキの特性がありますので、1回目の花が散った後に2回目の花が咲きます。
2026年の今年は1回目が9月4日から10日まで咲き、2回目は9月13日に開花したそうです。
今年は雨と涼しい日が続いた影響で、例年より早い開花になってしまい、
今回はご覧いただけませんが、椿のガイドの成長とともに来年ご一緒に満開の時期を迎えられたらなぁなんて思っております。
楽しみは後に撮っておきませんか。
そして三島大社には美しい池もあり、心癒されるスポットがいっぱいです。
三島といえば湧水の町、境内に湧き出る富士山の雪解け水は、それはそれは冷たくて透明です。
皆様ご参拝の際にはぜひ境内の湧水にも触れてみてくださいね。
と、ここまで案内して参りましたがいかがでしょうか。
噛んでしまったところもあったし、マイクを持つ手が汗で滑りそうになったりもしましたが、
皆様が時折うなずいてくださったり、がんばれよーと温かい笑顔を向けてくださったりしたおかげで、緊張が少しずつ楽しい気持ちに変わっていきました。
ガイドという仕事はただ名所や名物を紹介するだけじゃないんだなって今すっごく実感しております。
お客様のおいしかったよ、きれいだねという言葉が私たちの最高の言動力になります。
まだまだ未熟な新人の椿ですが、今日のこの景色と皆様の楽しい優しい笑顔を一生忘れません。
さあ、まもなく到着でございます。扉が開きますと三島の心地よい風と歴史の香りが皆様をお迎えいたします。
足元にお気をつけてお降りくださいませ。
それでは皆様、いってらっしゃいませ。私椿はこのバスの車内でお待ちしております。
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おしまい。ありがとうございました。
めちゃくちゃ緊張した。神々だったところを上手い具合に新人バスガイドという体で乗り越えました。
ちょっとずるかったかな。いいよね。そしてこのバスガイドの椿は成長していきますんでね。
今日は静岡編だったんですけど、次回また違う何々編というのを続けたいなと思っております。
長く続けられるといいな。
そしていろんなことを調べなきゃいけないから、自分でも勉強になるので、とても読ませていただく機会を与えていただき感謝しかありません。
次回もまたお楽しみください。ちょっとしたストーリーは次のコーナーでお話ししたいと思います。