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2025-04-14 27:57

#2 あなたは「推し」「ファン」どっち?〜応援スタイルの違いを探る〜 推し活未来研究所

番組名: 推し活未来研究所パーソナリティ: 矢澤綾乃(株式会社KAZAORI / ベーシスト)

今回のエピソード: #2 あなたは「推し」「ファン」どっち?〜応援スタイルの違いを探る〜

「推し」と「ファン」、どちらも応援する気持ちを表す言葉ですが、その違いを考えたことはありますか?第2回は「あなたは「推し」と「ファン」どっちに当てはまる?〜応援スタイルの違いを探る〜」をテーマにお届けします!

株式会社KAZAORIの矢澤綾乃が、推し活をビジネスの視点から楽しく深掘りするポッドキャスト「推し活未来研究所」。今回は、似ているようで少し違う「推し」と「ファン」という言葉の意味や歴史、アイドル文化やアニメ・漫画文化での使われ方の違い、そしてその裏にある心理まで深掘りしていきます。最近話題になった出来事やビジネスの事例も交えながら、応援スタイルの違いを探ることで、あなた自身の「推し活」を見つめ直すきっかけになるかもしれません。

番組への感想・メッセージ番組を聴いての感想や「私はこう使い分けてる!」「私の応援スタイルはこっち!」といったご意見、ビジネスでの活用アイデアなど、ぜひSNSでシェアしてください!ハッシュタグ: #推し活未来研究所

サマリー

このエピソードでは、「推し」と「ファン」の意味や違いについて探求しています。特に、アイドルやアニメ文化におけるこれらの言葉の使われ方を通じて、それぞれの応援スタイルに関連する心理的な側面が明らかにされています。SNSの普及により、ファンと応援される側との距離が縮まり、双方向のコミュニケーションが活発になっています。この変化は、推し活や新しいマーケティングの形に影響を与え、ビジネスにおいても重要な要素となっています。推しとファンの用語の定義やアイドル・アニメ文化における違い、応援スタイルの多様化について考察されています。

推し活の意義
こんにちは。株式会社KAZAORIの矢沢彩乃です。推し活未来研究所へようこそ。
この番組では、ますます盛り上がりを見せる推し活をビジネスの視点から、そして時には私自身の経験も交えながら、楽しくそして深く紐解いていきます。
私は普段推し活をテーマにしたビジネス、例えばファンの皆さんがイベントを一緒に盛り上げられるプクートというサービスを提供しています。
それと同時に、ベーシストとしてアーティストさんのバックバンドでベースを弾かせてもらっているので、押される側の気持ちも色々と感じることがあります。
この番組は、そんな押す側と押される側、両方の視点を持つ私だからこそ見えてくる、推し活の面白さや可能性を皆さんと共有したいなと思い、推し活未来研究所を始めました。
さて、第2回となる今日のテーマは、「あなたは推しとファンどっちに当てはまる?」応援スタイルの違いを探る、です。
推しとファン、どちらも応援する気持ちを表す言葉として、皆さん日常的に使われていますよね。
でも、よく考えてみると、この場合は推しって言うのかな?こっちはファンかな?みたいに無意識に使い分けていることってありませんか?
今日は、この似ているようでちょっと違う、推しとファンという言葉の意味や歴史、使われ方の違い、そしてその裏にある真理まで、皆さんと一緒に掘り下げていきたいと思います。
もしかしたら、ご自身の応援スタイルを見つめ直すきっかけになるかもしれません。
今回も番組を聞いての感想や、私はこう使い分けているよ、私の応援スタイルはこっち、といったご意見があれば、ぜひハッシュタグ、おしかつ未来研究所で教えてくださいね。
さて、まずは推しとファンという言葉、それぞれの基本的な意味や成り立ちから見ていきましょうか。
まずは推し。この言葉の語源は、「推薦する」という意味の推すから来ていると言われています。
辞書にも、他の人に勧めたいほど気に入っている人や物って載っているくらいなので、単に好きって言うだけじゃなくて、この良さをみんなに知ってほしいなーっていう、ちょっと積極的な、能動的なニュアンスが含まれてますね。
この推しという言葉が広まったのは、やっぱりアイドル文化の影響が大きいのかなと思ってまして、特に2010年頃のAKB48さんの大ブレイクで、一番応援しているメンバーイコール推しメンという言葉が広まって、そこから推しという形になって定着したというのは前回も少しお話ししましたね。
もともとはアイドルファン用語だった推しですけれども、今ではアニメや漫画のキャラクターはもちろん、俳優さん、スポーツ選手、ユーチューバー、さらには歴史上の人物とか、食べ物とか、概念みたいなものにまで使われていて、すごく対象が広がってますよね。
一方のファン、これは英語のfanatic、つまり熱狂的なとか狂信的なという言葉が語源なんだそうです。なんかちょっと聞くとドキッとする語源なんですけど、それだけ熱い気持ちで何かを応援する人という意味合いがもともとあったんですね。
日本でファンという言葉が使われ始めたのは実は結構古くて、大正時代の1915年頃にはスポーツや映画の分野で使われていた記録があるそうなんです。
大正時代の野球雑誌の名前がファンだったり、1915年の読売新聞には野球の球に狂うと書いて、ファンなんてルビーが振られていたという記録があります。
それ以前にも日本には悲喜という言葉がありましたけど、ファンにはもっと広い範囲の熱心な支持者や愛好家を示す言葉として定着していたようです。
こうしてみると、推しは比較的最近アイドル文化の中から生まれて、推薦したいという能動的な気持ちが強く、ファンはもっと昔から使われていて幅広い対象の熱心な支持を示す言葉という違いが見えてきますね。
じゃあ、実際にどんなふうに使い分けられているんでしょうか。特にアイドルやアニメ、漫画といったポップカルチャーの世界を見てみると、その違いがわかりやすいかもしれません。
まずはアイドル文化。アイドルグループってメンバーがたくさんいることが多いですよね。その中で私が特に応援しているのはこの子というのが推しです。
一人だけを熱心に応援する単推しとか、グループ全体が好きだけどその中でも特にこの子っていう場合の推しもありますし、メンバー全員が好きという箱推しなんて言葉もあります。
推しがいる人はその子のグッズを買ったり、ライブやイベントに足を運んだり、SNSで情報を追いかけたり、いわゆる推し活をしますよね。
前回もお話しした私たちが提供しているプクートでバルーンを送るのもまさに推し活の一つです。
ここには推しの魅力を周りにも伝えたい、共有したいという気持ちが強く込められていることが多い気がします。
一方でファンはもっと広い意味で使われることが多いですね。
例えば、スノーマンのファンですとか、TWICEのファンですみたいにグループ全体や特定のメンバーを応援している人たち全般を指す感じです。
ファンクラブに入ったりコンサートに行くというのもファンとしての行動と言えますよね。
心理的側面の考察
もちろんファンの中にも個々の推しがいることがほとんどなんですけど、言葉のニュアンスとして推しが個人の一番強い気持ちの対象で、
ファンはその気持ちを持つ人たちの集まり、コミュニティの一員みたいなイメージでしょうか。
あとアイドルって握手会があったり、最近だとSNSでのリプライをもらえたり、比較的推しとの距離が近く感じられる瞬間がありますよね。
そういう直接的なコミュニケーションを期待したり、その子の成長を間近で応援したいという気持ちが推しという言葉にはより強く含まれているのかもしれません。
次にアニメや漫画の文化はどうでしょうか。
こちらも推しあるいは推しキャラという言葉がよく使われます。
物語に出てくるたくさんのキャラクターの中で、このキャラが一番好き応援したいという対象ですよね。
好きなキャラのグッズを集めたり、イベントに行ったり、SNSでイラストを描いたり、感想を語り合ったり、
昔は猛威という言葉が特定のキャラへの強い愛情を示す言葉として使われていたんですけど、
推しはそれに加えて、もっと積極的にこのキャラの良さを広めたいという推奨の気持ちが含まれていると言われています。
アニメや漫画におけるファンはどっちかというと、作品や作者に対する支持者を指すことが多いですね。
例えば、ドラゴンボールのファンですとか、鬼滅の刃のファンですとか、
そうすると、その作品全体が好きという意味合いが強いです。
もちろんその作品の中に推しのキャラクターがいるというケースがたくさんあります。
アイドルと違って、アニメのキャラクターとは直接コミュニケーションは取れません。
でもファンはキャラクターの性格や物語に深く感情移入をして、
二次創作をしたりSNSで語り合ったりすることで、推しへの愛情表現をしますよね。
自分の想像力で世界を広げて楽しむ側面が強いかもしれません。
こうしてみると、アイドル文化でもアニメ漫画文化でも、
推しはより個人的で強い感情が特定の人やキャラに向いていて、
ファンはもう少し広い範囲、グループや作品全体への支持や
同じものが好きな人たちの集まりというニュアンスで使い分けられていることが多いように感じます。
言葉の意味や使われ方の違いを見てきましたが、
じゃあ、推しを持つこととファンであることって心理的にはどんな違いがあるんでしょうか。
明星大学の若者における推しの意義と心理的効果という研究によると、
推しを持つこと、つまり推し活をすることっていうのは、
現代人、特に若い世代にとっていくつかの大切な欲求を満たしてくれるみたいなんです。
一つは、今この瞬間を楽しみたいっていう現在協力欲求なんだそうです。
この現在協力欲求っていうのが短期的な欲求で、
まさに今楽しいからやりたいという感情なんですよね。
推しのライブに行くこととか、グッズを買うとか、
推しのことを考えている時間とか、
推し活ってその活動自体がすごい楽しいですよね。
夢中になれるものがあるって、やっぱり日々のストレス解消にもつながります。
もう一つは、自分の価値を高めたいという自己愛的心理欲求です。
これはちょっと意外かもしれないんですけど、
推しを応援することで、自分も何か良いことをしている、
価値のある存在だと感じられる側面もあるようなんです。
さらに面白いのが、
推しへの気持ちは見返りを求めない、与える愛に近いという考え方なんですよね。
ファンは、推しに時間やお金、愛情を注ぐことで、
その見返りとして推しの活躍や笑顔から、
もっと大きな幸福感を受け取っていると感じるそうなんです。
これは逆に言えば、自分の推しから受け取った幸せの感情を
推しへ還元させたいという気持ちも生まれるんですよね。
これが推し活を熱狂的にしていくループなのかなと感じています。
それに、自分が叶えられない夢を推しに託して、
その夢が叶うのを見ると、まるで自分のことのように嬉しくなるというのもありますよね。
私自身、ベーシストとしてステージに立つときは、
本当に応援してくれる方々の声援ってすごく力になるんですけど、
それは皆さんが私に何かを託してくれているのかもしれないな、なんて思うこともあります。
まさに推しは日々の生活に彩りを与えて、生きる活力になる存在なんですね。
一方、ファンであることの真理には、
繋がりや一体感がキーワードになってくるようです。
同じアーティストが好き、同じアニメが好きっていう共通の興味を持つ人たちと繋がって、
情報交換をしたり、分かるーって共感をしあったりするのってすごく安心しますよね。
一人で楽しむのもいいけど、同じものが好きな仲間がいるって感じられると、
孤独感が和らいで、自分がここにいてもいいんだっていう自己肯定感にも繋がります。
ファンの語源が熱狂であったように、熱い気持ちを共有することで、
コミュニティへの所属意識が高まる、これもファンであることの大きな心理的メリットといえそうです。
推しがもたらす個人的な活力や喜び、ファンであることから得られる繋がりや安心感、
どちらも良い悪いではなく、どちらの気持ちが今の自分に近いかなっていう風に考えてみると、面白いかもしれませんね。
さて、ここまで推しとファンの定義や歴史、文化の中で使われ方の違いを見てきましたが、
ファンとの距離の変化
実際のところ、最近はこの2つの境界線ってだんだん曖昧になってきている部分もあると思うんです。
その大きな理由の1つが、やっぱりSNSのアプリケーションについて、
アイドルや俳優さん、声優さん、スポーツ選手なんかが、Xやインスタグラムなんかですごく気軽に日常発信したり、ファンからのコメントに反応したりするようになりました。
昔だったら考えられなかったくらい、応援している人と応援される側の距離が縮まって、双方向のコミュニケーションが生まれていますよね。
応援している人と応援される側の距離が縮まって、双方向のコミュニケーションが生まれていますよね。
これって、一方的に情報を追いかける従来のファンとは少し違う、もっと親密な関係性が生まれているとも言えます。
このファンの熱量や距離感の変化は、時として予期せぬ事態を引き起こすこともあります。
すごいタイムリーな話なんですけど、つい先日、2025年4月9日に横浜スタジアムで起こった出来事が、まさにその一例かもしれません。
元HiHi Jetsのメンバーで、現在は起業家としても活動されている高橋優人さんが、横浜DNAベイスターズの試合後にトークショーを行う予定だったんですが、これが直前で中止になってしまったんですよね。
高橋さんは熱心なベイスターズファンとして知られていて、この日はセレモニュアルピッチも務められていました。
トークショーは試合終了後、グラウンドで行われる予定で、当日の観戦チケットがあれば誰でも参加できる形式だったみたいなんですよね。
ところが、試合終了後、トークショーの集合場所にファンが殺到してしまったそうなんです。
SNSなどの目撃情報によると、入場ゲート付近で押し合いになってしまったり、「押さないでー!」という悲鳴が上がっていたり、かなり危険な状況になってしまったようです。
警備員の方が静止しようとしても収集がつかず、最終的には警察が出動し、開催は危険という指導が入ったことで、主催者のDNAベイスターズはやむを得ず中止を決定したということでした。
Q弾も高橋さんご本人もXなどで謝罪されていましたね。
高橋さんは動画で、「我々の予想以上の反響をいただきまして中止という判断をしました。」と説明されていて、主催者側もこれほどの人が集まるとは想定していなかったようです。
ビジネスの視点から見ると、この熱量の高いファンといかに向き合うかという課題を突きつけてくれているように思います。
推し活の進化
主催者側がファンの熱量、つまり需要を正確に予測できていなかったこと、そしてその熱量を受け止めるための安全対策や運営体制、例えば整備券の配付や明確な参加ルールの設定、十分な警備体制などが結果的に不十分だったことが、今回の混乱と中止を招いた大きな要因と考えられます。
ファンの熱意はビジネスにとって非常に大きな力になるんですが、それを安全に、そしてポジティブな形で受け止めるための準備と配慮、これが企業側には強く求められるということですね。
この出来事は、ファンの推しにあいたいという強い熱意が、時に危険な状況を生み出してしまう可能性と、そうした熱量を安全に受け止めるためのイベント運営の難しさを改めて浮き彫りにした事例と言えるかもしれません。
高橋さんの転身後初の大灼けの場に近い機会であったことを考えれば、ファンの熱意が通常以上に高まっていたことも、こうした行動を増幅させてしまった要因と考えられますね。
私の経験上、どのくらいアクティブなファンがいるかというのをチェックしないといけないことが多いんですが、どれだけフォロワー数がいたとしても、実際にイベント会場に足を運ぶファンとイコールにならないんですよね。
チェックポイントとしては、コメント数と引用リポスト数を必ず見てますね。
いいね数よりもコメント数の方がリアルな数字に繋がってくるんですけれども、この話はまた別の機会にゆっくりお話ししたいと思います。
さて、推しとファンの境界線の話に戻ります。
推しという言葉自体が、もうアイドルファンだけのものじゃなくなって、すごく一般的にいろんな対象に対して使われるようになったことも、境界線を曖昧にしている要因かもしれません。
ファンっていうと、なんだかすごく熱心なマニアみたいなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、推しっていう言葉だと、もっとライトな感じで、ちょっとこれ推せるんだよねーみたいに気軽に使える言葉になってきています。
そして推し活が盛り上がる中で、新しい言葉もどんどん生まれていますよね。
推し活はもちろん、特定の一人だけを応援する単推し、グループ全体を応援する箱推し、推しをイメージした色のグッズを持つ推し色、推しのぬいぐるみ推しぬいを持ち歩いて写真を撮るぬい活、推しのグッズをたくさん付けた板バッグも進化してます。
推しの誕生日を祝う本人不在の誕生日会、こういう新しい言葉が生まれること自体が、推しという文化が豊かに進化している証拠だと思います。
ただ一方で、推し活がちょっと過剰な商品に繋がったり、他人へのアピール合戦みたいになったりする側面を心配している声もあるようです。
さて、こうしたファンの熱量や行動の変化、そして推しという概念の広がりは、ビジネスの世界でも非常に大きな注目を集めています。
皆さんは、2023年の12月に出版された、推し活経済新しいマーケティングの形という本をご存知でしょうか。
著者の瀬町奈々美さんは、当時現役の女子大生でありながら、10年以上様々なジャンルの推し活を実践してきた当事者でもあり、現在は推し活ビジネスアドバイザーとしても活躍されている方です。
実は私も最近この本を読ませていただいたのですが、本当に、なるほどの連続で、推し活をする人としてのリアルな視点と経営学の知識に基づいた分析が融合していて、ものすごく勉強になりました。
文章もすごくわかりやすくて、普段使っていたぼやっとした曖昧な言葉に輪郭をつけてもらって、くっきりした感じでしたね。
この本の中で、すまじさんはビジネスの視点から、推しを持つ人とファンの違いを明確に定義されています。
それが今回のテーマを考える上ですごく重要なんです。
ポイントは、人生における対象の重要度、そしてその重要度を支える自発的行動量と熱狂度の高さ。
ビジネスにおけるファンの重要性
推しを持つ人は、この3つが非常に高い状態にあると、すまじさんは言います。
だから、推しのイベントがあれば、他の予定をどうにかして調整してでも、推しのための時間を作り出す。
推しの活動を応援するためなら、日々の生活で節約をしたり、場合によっては副業や転職まで考えて資金を確保しようとする。
さらに、自分で推しを紹介する動画を作ったり、SNSで熱心にその魅力を発信したり、とにかく能動的で熱狂的なんですね。
一方でファンは、余裕がある時、応援できる時に応援するスタイル。
時間がある時にSNSやメディアを通じて情報を受け取って楽しんだり、グッズも欲しいなと思った時に金銭的な余裕があれば買うという感じですね。
もちろんこれも大切な応援の形です。
でもビジネスをする側から見ると、この推しを持つ人の存在って本当に本当に重要なんですよね。
彼らは単に商品やサービスを買ってくれるお客様というだけじゃないんです。
時間もお金も情熱も惜しみなく注いでくれて、その熱い口コミで新しいファンを連れてきてくれるかもしれない。
時には愛があるからこそ厳しい意見でサービス改善の大きなヒントをくれるかもしれない。
まるでブランドやサービスを一緒に育ててくれるパートナーのような存在になり得るんです。
だからこそこれからのビジネスでは、単にファンの数を増やすという発想だけではなく、いかに熱量の高い推してくれる人を増やし、
その人たちとの関係性を深く長く築いていけるかという視点が絶対に不可欠なんだと、
狭地さんの本を読んで改めて痛感しました。
こうしたファンの熱狂的なエネルギーが、時には新しいビジネスや市場そのものを作り出してしまうことさえあります。
狭地さんの書籍にもありましたが、その象徴的な事例として、
世界最大級のアニメ配信サービスクランチロールの話が非常に興味深かったです。
クランチロールって、今でこそ日本のアニメを公式に海外へ配信する巨大プラットフォームなんですけど、
実は2006年の創業当初は、ファンが非公式にアニメ動画をアップロードする、いわゆる違法アップロードサイトに近いものだったそうなんですよね。
当時のアメリカなどでは、日本のアニメはものすごい人気があるのに、正規のルートで視聴できる作品が本当に少なくて、
どうしても日本のアニメが見たいというファンの強い思いが、そうした非公式なプラットフォームを生み出してしまったという背景があるんですね。
ただ、違法アップロードではあるんですが、日本語を翻訳して字幕をつけた日本のアニメの動画が圧倒的に再生数が多く、
クランチロールはそこに目をつけたんですね。
クランチロールはその後、違法なアップロードを削除して、日本の権利元から正式にライセンスを取得して、合法的な有料配信サービスへと大きく舵を切りました。
これは単に企業が方針転換したというわけではなく、ファンの見たいという圧倒的な熱量が、結果的に正規の市場を切り開く大きな力になったとも言えるのではないでしょうか。
ファンによる熱狂的な行動が、違法な状態から正規のビジネスモデルを生み出すきっかけになったというのは本当にすごいことですよね。
もちろん現在のクランチロールは、ただアニメを配信するだけでなく、ファン同士のコミュニティを形成したり、クランチロールアニメアワードを毎年開催したりと、ファンエンゲージメントを高める様々な取り組みを行っています。
これはファンの熱量を維持して、さらに高めていくことがビジネスの成長に不可欠だと理解しているからでしょう。
このように見ていくと、推しとファンの関係性、その熱量は常に変化していて、時にはそれが新しい文化やビジネスを生み出すほどの力を持っています。
企業としては、その変化を敏感に捉え、ファンの気持ちに寄り添いながら、どうやってそのエネルギーをポジティブな形でビジネスにつなげていくか、という視点がますます重要になってきていると言えますね。
推しとファンの違い
さて、今日は、あなたは推しとファンどっちに当てはまる?応援スタイルの違いを探る、というテーマでお届けしてきました。
推しとファン、それぞれの言葉の定義や歴史から始まり、アイドルやアニメ文化における使われ方の違い、そしてその裏にある心理的な側面まで、色々な角度から見てきましたね。
推しは応援したいという能動的な気持ちが強く、特定の対象への個人的な熱い思い。
ファンはもっと広い範囲での支持やつながり、一体感を求める気持ち。
でも、SNSの普及などによって、その境界線は曖昧になり、推し活という言葉を中心に応援のスタイルも多様化している。
そして、そのファンの熱量は、時には新しい主情さえ生み出すほどの大きな力を持っている、ということも分かりました。
先日の高橋優人さんのトークショーの中心の件は、その熱量が安全管理という大きな課題をつけつけることもある、という側面も示してくれましたね。
ビジネスの視点で見ると、単にファンを増やすだけでなく、熱狂的な行動力を持つ、推してくれる人をいかに増やし、
その人たちとどういう関係性を築いていくかが、これからの時代、ますます重要になってくる、ということが分かりました。
瀬町七海さんの推し活経済やクランチロールの事例からも、その重要性が本当によく分かりましたね。
結局のところ、推しとファン、どっちの言葉を使うか、どっちのスタイルで応援するかっていうのは、人それぞれ自由ですし、対象によっても変わってくると思います。
大切なのは、自分なりの心地よい関わり方を見つけて、その応援する気持ちを楽しむことですよね。
そしてビジネスをする側としては、この変化し続けるファン心理をしっかり理解して、ただ物を売るだけじゃなく、どうすればお客さんの応援したいっていう熱い気持ちに応えられるか、
ビジネス視点の重要性
一緒に価値を作っていけるかという視点を持ち続けること、そして高井さんの件が示すように、その熱量を安全に受け止めるための準備と責任を持つこと、
これがファンとの強い絆を築き、長く愛されるブランドになるために必要な鍵なのかなと改めて感じました。
さて、推し活未来研究所、第2回いかがでしたか?
推しとファンの違い、そしてその変化と可能性、少しでも感じていただけたら嬉しいです。
次回も推し活を取り巻く様々なトピックを、ビジネス視点を交えながら掘り下げていきたいと思います。
そうですね、今回SNSの話も出たので、次回推し活とSNSの切っても切れない関係とか、そういったところにも、なんかもっと深く掘り下げていくのも面白いのかなと思いました。
この番組では、皆さんからの質問や感想、そして私の推し活スタイルはこれ、といったメッセージを大募集しています。
私は完全に誰々推しですとか、昔はファンだったけど最近は推しですとか、ビジネスでファン心理をもっと知りたいなど、どんなことでも構わないので、SNSでハッシュタグ推し活未来研究所をつけて、ぜひあなたの声を聞かせてください。
次回の放送でご紹介させていただくかもしれません。
それでは、今日の推し活未来研究所はこの辺で。最後までお聞きいただきありがとうございました。また次回お会いしましょう。
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