こんにちは、株式会社KAZAORIの矢澤 彩乃です。
推し活未来研究所へようこそ!
この番組では、今多くの人が夢中になっている推し活について、
ビジネスの視点と私自身の経験を交えながら、楽しくそして深くお話ししていきます。
私は普段、推し活をテーマにしたビジネスを提供していますし、
ベーシストとしてアーティストさんのバックを務めることもあるんです。
つまり、推す側と推される側、どちらの立場も経験してきた人間なんですね。
だからこそ見えてくる推し活の面白さや、これからの可能性を皆さんと一緒にシェアできたら嬉しいです。
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さて、今回のテーマは、世界のキティとZ世代のクロミ。
サンリオが推し活の王様になるまでです。
推し活の王様と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
アイドルグループでしょうか?それともアニメ作品でしょうか?
実は今、Z世代を中心にサンリオがものすごい熱狂を生んでいるんです。
もちろん私が小さい頃からサンリオキャラクターは大人気でしたが、どうしてこんなに長い間人気が継続するのでしょうか?
ハローキティに代表される可愛いキャラクターたちはもちろんなんですが、サンリオはキャラクター推し活の世界で無敵に近い存在になりつつあります。
今日はその理由を、ビジネス目線と推し活の目線の両方から一緒に学んでいきましょう。
サンリオの推し活と聞いて、真っ先に思い浮かぶのが、毎年恒例のサンリオキャラクター大賞です。
この人気投票イベントは1986年にスタートして、今年で40回目を迎えました。
ルーツはさらに昔の1970年代の社内コンテストと言われていますが、本格始動した1986年の第1回では、葉書投票で約3万通の応募が集まったそうです。
当時は月刊誌一部新聞で告知して郵送で投票するスタイルでした。
小さなファンイベントから始まったんですね。
一号新聞、私も小さい時よく買ってもらって読んでましたね。懐かしいです。
それが今では世界中から参加できる一大イベントに成長しました。
2025年には過去最多記録の6300万票まで増えています。
最初は3万票規模だったのに、今は何千万票です。
ファンの熱量が年々高まっているのがはっきりわかりますよね。
このキャラクター対象の良さは、単なる人気投票で終わらないところにあります。
ファン参加型のお祭りとして成立しているんです。
毎年春になるとSNS上に、今年も〇〇に清き一票を、〇〇を1位にする作戦会議しよう、みたいな投稿がたくさん出てきます。
もう本当に推しの選挙っていう感じです。
ファン同士でコミュニティができて、お互いに投票を呼びかけたり、推しキャラへの愛を語り合ったりします。
サニオ側もそれを本気で後押ししていて、各キャラクターの公式アカウントがキャラ本人の声で投票お願いしますと呼びかけるんです。
ファンとしては、キャラクターが自分でお願いしてる、これは応援しなきゃってなりますよね。
しかも投稿すると公式がいいねやリポストで反応してくれるので、公式が見てくれるってさらに熱が入ります。
投票の仕組みもどんどん進化していきました。
2010年、ウェブ投票を開始。
2012年、英語サイトをオープン。
2021年、8言語対応のグローバル投票サイトを公開。
海外ファンも本格参加しています。
アジアや欧米にもファンが増えていますから、この国際対応は本当に大きかったと思います。
さらに投票ルートがものすごく多様なんです。
基本はウェブ投公式ショップでの投票ですが、それ以外にも、
ゲーム内の投票券を集める。
グッズ購入でもらえるボーナス票。
サンリオとコラボしたホテルに泊まるともらえる投票券。
配信アプリ17LIVEでギフトを送るとそのまま投票になる仕組み。
コンビニの対象ポストカードを買って投票。
といった感じで40種類以上の投票ルートがあります。
このおかげで1人当たりの投票数が増えて、
総票数が爆発的に伸びたと言われているんですね。
特に2019年からは、ショップ投票が1件で3票、
イチゴ新聞経由が2票に変わって、総票数が一気に跳ね上がりました。
さらに2021年には、推し活が流行語大賞にノミネートされるほどブームになって、
推しを何としても一番にしたいという気持ちに拍車がかかったという見解もあるそうです。
そして投票の企画内容も毎年ユニークです。
2014年はエントリー100キャラを5グループに分けて予選を行い、
上位20で決勝投票するグループ対抗戦を採用。
2016年はスマホでキャラを撫でて投票する撫でる投票を導入。
この撫でる投票では累計の撫で時間が3年と282日以上と発表されて、
1位のポムポムプリンは約4605時間も撫でられたそうです。
撫でる投票はスマホの画面上でキャラクターを指で触って撫でてあげると、
話したり飛び跳ねたりとキャラクターごとに様々な反応が楽しめたんですね。
可愛い動きについついたくさん撫でたくなっちゃうという声が多発しました。
それから毎年テーマが設定されてキャラクターたちがそれに沿った企画を披露します。
私が特に好きなのは2013年のこれやります宣言です。
この年は100キャラが1位になったらまるまるやりますって公約を掲げたんですよ。
ラッピングバスでアピールしたりして個性が全開でした。
その年の1位はハローキティで公約は1位になったらあなたのそばに行ってハグしますという内容でした。
実際にキティちゃんは全国を回ってファンにハグを届けました。
もう神対応ですよね。
推しキャラが自分に会いに来てくれるってファンとして最高の瞬間だと思います。
こうやってキャラクター対象は年々エンタメ性が増してキャラとファンが一緒に作るイベントへ進化し続けています。
さてここからは歴代の上位キャラクターをざっと振り返っていきますね。
1986年の第1回の1位は座敷豚でした。
ちょっと意外に感じる方もいるかもしれません。
当時は5匹の白い子猫たちニャニニュニュニョンや人間の男の子エディと女の子エミーのザ・ボートビルデュオなど今ではコアなキャラたちも上位でした。
80年代後半から90年代初頭はケロケロケロピが大人気。
第5回の1990年では1位に輝きました。
90年代前半はポチャッコが完全に主役でした。
第6回から第10回までなんと5年連続1位です。
可愛いだけじゃなくてちょっとスポーティな雰囲気があって男の子にも人気でしたね。
私もポチャッコ大好きでした。
90年代後半から2000年代前半になるとついにハローキティの時代がきます。
1998年から2009年まで12連覇。
その後2010年はマイメロディが初の1位で2011年も連覇。
2012年から2013年はキティが奪還して2014年は再びマイメロが1位。
この頃はキティとマイメロがトップを競い合う展開でした。
マイメロは実は1975年デビューの古株なんですが2005年のアニメお願いマイメロディで人気が再燃しました。
女の子を中心に多くの人の心を掴んだんですね。
2015年以降にははっきりしたトレンドが生まれます。
それは犬の男の子が強いという流れです。
2015年2016年はトムゴムプリンが2連覇。
ベレー帽の黄色の丸っとした犬でのほほんとしたマイペースさが魅力です。
2017年2018年はシナモンロールが2連覇。
2002年のデビュー以来じわじわ人気を伸ばしてここで初の1位を取りました。
その後の勢いは止まらず2019年は一旦キティが1位を取りますが2020年から2024年で5連覇という新記録を達成しています。
令和に入ってからはまさにシナモンの時代が続いたんですね。
私も一番好きなキャラクターはシナモンちゃんです。
そして2025年の第40回はポムポムプリンが大逆転で1位。
シナモンの連覇がついに止まってシナモンは2位になりました。
ポムポムプリンは2016年以来の王座奪還です。
毎年ドラマがあってほんとに面白いですよね。
それからここ数年はクロミの存在が見逃せません。
クロミは黒い頭巾をかぶったウサギの女の子でマイメロディーのライバルという立ち位置です。
見た目は可愛いのに中身は独絶でやんちゃなツンデレ。このギャップがたまりません。
2022年に総合3位に入り、2023年も3位。
こちらは中間4位からの大逆転。トップ3の条例になりました。
次の1位候補はクロミかと言われるくらいZ世代の女の子を中心に人気が急上昇しています。
グッズの動きもSNSでの存在感もどんどん大きくなっています。
最近の地雷系と呼ばれる女の子たちがクロミちゃんのアイテムを持っているイメージですね。
こうやって振り返ると1位を取ったキャラクターは実は10キャラクターしかいません。
座敷豚、マロンクリーム、ターボ、ケロッピ、ポチャッコ、バットバツマル、ポムポムプリン、ハローキティ、マイメロディ、シナモンロールの10キャラクターです。
時代ごとの空気や流行がちゃんとランキングに映っているのが面白いですよね。
90年代前半はスポーティーな男の子のポチャッコ。
2000年代は世界的アイコンのハローキティ。
2010年代は癒し系ガーリーなマイメロやポムポムプリン。
2020年代はSNS映えの天使系のシナモンロールやギャップが魅力のキャラクロミという感じです。
サンリオは新キャラの導入と誕生記念の年のリバイバルやコラボでのサイブレイクをうまく組み合わせています。
例えば、2023年はデビュー30周年のバットバツマルが久しぶりにトップ10に入ったり、
JO1と共同開発の新キャラジェオチャムが初エントリーで14位に入ったり、コラボキャラまで話題になりました。
全体では450種類以上のキャラクターがいると言われていて、その中から毎年90キャラ前後がエントリーします。
また海外も国・地域ごとにランキングが発表されていて、英語や中国語でもチェックできるんです。
世界的にもポムポムプリンが人気、キティちゃんはもちろん各国の上位にランクインしています。
また英語圏ではチョコキャットが上位に入ったり、タイではXのヨシキさんとキティのコラボヨシキティが1位を獲得したり、
国ごとに推しがくっきり違うのが面白いです。
この地域差こそが世界的に産業の推し活が盛り上がっているポイントだと思います。
さてここからは、特に新たなユーザー層である10代・20代のZ世代の子たちに、なぜここまで産業が刺さったのかを考えていきます。
まず一つ目は共感を大事にしていること。
産業はキャラごとの公式SNSをたくさん運用していて、キャラ本人の口調で日常をつぶやきます。
例えばシナモンが眠いけど頑張るってつぶやいたり、黒みが起きたくないってつぶやいたり、
それを見たファンがわかるーって日常の感情で共鳴できるんです。
GUDETAMAなんてまさにやる気が出ないの象徴ですけど、そこが刺さるんですよね。
完璧じゃないちょっとダメなところがあって、だからこそ人間ぽくって親近感が湧く。
Z世代がわかるわーと感じるポイントを産業のキャラはしっかり持っています。
この等身大の共感を黒みは戦力にまで消化しています。
産業は世界黒み化計画で、黒みのメッセージ、私は私を超えられる、あんたもなりたい自分になっちゃおうよ、を前面に出した黒みーずという仲間作りを世界規模で推進。
自己否定ではなく、今の自分を起点に少し良くなるという語り口が、自己需要と自己改善を同時に求めるZ世代のムードにぴったりはまりました。
2つ目はエモさとストーリー性があること。
そして3両は昔からグッズの王者ですけど、近年は推し活特化グッズが特に充実しています。
ライブ用の内訳やす、飛んでくる銀テープのホルダー、アクリルスタンドを持ち歩くホルダー、ペンライトポーチ、推し活トートバッグなどなど、
つまりアイドルやキャラを応援する人のための道具を3両自ら企画して販売しているんで。
推し活そのものを楽しむ道具を提供する発想が素晴らしいですよね。
結果として推し活市場そのものを取り込むことに成功しています。
そして忘れてはいけないのが3両ピューロランドの存在です。
私は東京の西側の出身なのでピューロランドはとっても近くてディズニーランドよりも頻繁に連れて行ってもらってましたね。
大人になってから行ってもその世界観にワクワクする場所です。
ここはキャラクターの世界観を現実に体験できる場所で、ファンが推しに直接会える大切な空間です。
ショーでキャラが踊って歌って、バースデーイベントでは推しにお祝いを伝えられます。
オンラインが主流になってもやっぱりリアルな体験は特別ですよね。
3両はオンラインのSNSや投票などとオフラインのテーマパークやイベントをうまく組み合わせて接点を増やしながら絆を深める戦略を取っています。
さらに3両は親子孫の3世代に愛されることを目標に掲げています。
実際に親子3世代でキティが好きというお話も珍しくありません。
会員サービスの3両プラスでは顧客データを一元管理してパーソナライズされた情報提供やポイントサービスで囲い込みを進めています。
ショップで買い物をすると推しキャラのスタンプがたまったり、会員限定の3丁目特典があったりして、このキャラをずっと推していてよかったと感じられる工夫が随所にあります。
キャラクタービジネスは一過性になりがちですが、3両はファンベースマーケティングを地道に積み上げてファンの熱を保ち続けているからこそ、今もこれだけの支持を集めているんだと思います。
さて、今日は3両が推し活の王様になるまでというテーマで、3両キャラクター対象の歴史や仕掛け、ファンマーケティングの工夫、そしてZ世代との相性の良さについてお話ししました。
3両がどうやってファンの気持ちをつかみ、共感と参考を生み出してきたのか伝わったら嬉しいです。
推し活の王様と言われる理由納得ですよね。
私自身も小さい頃から気づけば3両キャラクターのグッズをたくさん持っていたし、ピューロランドにも行ったし、大人になってからも未だにシナモンちゃんのグッズを使っていたり、3両が生活に当たり前に存在しています。
私は推し活って原動力だと思ってますし、誰かの気持ちをつないでくれる力だとも思っています。
3両はキャラクターを通してその力を最大化してファンと企業の両方を幸せにしている、そんな素敵な事例ですよね。
これからも3両はどんどん進化していくと思いますし、私たちも推し活を通じてもっとたくさんの笑顔と出会えるはずです。
皆さんにとって3両キャラってどんな存在ですか?
ぜひコメントやSNSで教えてください。
あなたの推しキャラや推し活エピソード待ってます。
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最後までお聞きいただき本当にありがとうございました。
それではまた次回お会いしましょう。