エルマの勇敢な冒険
ようこそいらっしゃいました。ここは紡ぎ屋。 世界中の物語を紡いで、ご紹介する小さな案内所です。
この店は、日中には姿を見せません。 必要な時にだけ、あなたの前へ現れるんです。
どうやら今夜は、お客様が物語を求める方のようですね。 この子はお客様を案内する紡ぎでございます。
招かれたものにしか見えない不思議な猫なんです。 紡ぎ屋では、様々な形の物語をご紹介しています。
映画でも、絵本でも、漫画やゲーム、国も時代も関係なく、いろんな物語を紡いでいきます。 ただ、ご紹介する物語は、おすすめではなく案内です。
誰にでも合うとは限りませんし、時には胸に棘を残すこともあるかもしれません。
ですが、それもまた出会いです。 惹かれるものがあれば、あなたの心がそれを求めている証です。
本日自分が担当する物語は、旅や戦、戦うものだったり、 ファンタジーものだったり、冒険などを担当させていただいております。
それでは、早速お客様に本日の物語をご案内したいと思います。 本日自分が紡ぐ物語は、1948年にアメリカで出版された自動文学
エルマーの冒険です。 作者の方はルース・スタイルス・ガネット、
差し柄の方はギリの母親の方みたいですね。 残念ながら昨年2024年に亡くなられたんですが、なんと100歳だったそうです。
こちらは全世界での今も愛されているベストセラーの本です。 全3巻になっております。
自分が10歳ぐらいの頃でしょうか、昔母が買ってくれた初めての本と記憶しているのですが、
大人になってから読む機会なんていうものはなくて、 最近ものすごく久しぶりにこの本を手に取って読んだんです。
おそらく初めて読んだ海外の本になります。 当時読んでいて思ったのは、冒険がしたくなるという気持ち。
子供ながらにちょっと憧れました。 全3巻あるので有名ですし、お客様も聞かれたことはあるかもしれないですね。
それともずいぶん昔に読んだけど、ストーリーはどんなだったかなと少し忘れてもおかしくはありません。
なので今回はざっくりストーリーを3巻お伝えしますね。 まずストーリー1巻は、年老いた猫に会って動物島と呼ばれる島に竜が囚われているのを知ったエルマが助けに行くシーンなんです。
ジャングルなので、ライオン、トラ、サイ、ゴリラ、ワニ、猛獣たちからどうエルマが地点を聞かして危機を乗り越えていくのか、ここを見てほしいですね。
エルマは9歳の男の子なんですが、とても9歳とは思えない勇敢さがあります。 自分が個人的にワクワクしたのは、実は出かける前の旅の準備をするシーンで、
エルマが持って行ったものが、チューインガムとか桃色の棒付きキャンディとか、輪ゴム一箱、黒いゴム長靴、磁石、歯ブラシとチューブ入り歯磨き、
虫眼鏡、先の尖ったよく切れるジャックナイフ、櫛とヘアブラシ、違った色のリボン、大きな空袋と着替えを何枚か、
そして船に乗っている間の食料のみという、実用的なものから不思議なものまで準備しているので、 そんなものを何に使うんだろうって、当時読んでた時は思いましたね。
1巻はラストで無事、リュウを救い出して島を去るというシーンで締めくくられています。 そして2巻はリュウと家に帰る途中に嵐にあって、途中の島のカナリア島という、
宝物と竜の救出
カナリアしかいないところで、カナリアの王様の秘密を聞いて、人間が隠したとみられる宝物を見つけるというものなんですね。
そのお宝の中身とは、そして無事に家に帰るまでを2巻で描いています。 宝物っていうのはやっぱり、冒険におけるロマン。
1巻では冒険をして、危機を乗り換えて、2巻では宝物。 どちらも冒険における必須要素ですね。
最後には宝物を見つけて、お礼に金貨とか銀時計をプレゼントされるんですよ。 エルマはお父さんが誕生日だから、その日までに帰りたいということで無事帰るんですけど、
確か1、2週間いないその間に急に帰ってきた息子から、両親は金貨とか銀時計をもらって、今だと何か事件に巻き込まれたんじゃないかなって、
気が気じゃないっていうふうな大人になっての視点で感想を持ってしまいますね。 ちなみに英語だと本のタイトルはマイファザーズドラゴン。
直訳すると僕の父さんですよね。 なぜなら冒頭に僕の父さんのエルマっていう話で一文から始まるからなんです。
初版の頃はエルマの冒険の下にマイファザーズドラゴンと書いてあって、 自分が持っていた本にはエルマの冒険とだけ書いてありましたね。
ちなみに2巻のタイトルはエルマと竜、そして3巻はエルマと16匹の竜となっています。 1巻と2巻ではエルマからは竜君としか呼ばれてなかったんですが、
その竜の名前がボリスという名前だったことがこの3巻で判明します。 ボリスを入れて16匹の竜、大家族がいて、大きい父さんと母さんの両親、
そしてメスの竜が姉と妹が合わせて7匹、兄が6匹、 そしてボリスは男兄弟で一番末っ子だったんですね。
3巻の冒頭では竜のボリス視点でエルマを返してから山に帰るシーンで始まります。 山に帰ってきた時に人間の15人が竜の山にいて、
竜を穴蔵に追い詰めて閉じ込めてるんですね。 入り口に網を押さえていて、実は隠れた入り口があって、ボリスはそこから入って、
僕の友達に助けてもらいに行ってくるっていうことで、 そこでエルマの出番なんですね。
3巻では16匹の竜をどう人間を追い払って助けるかまでのお話です。 ボリスも結構人間たちに街中で目撃されてて、
竜騒動っていう風に後にニュースが出るんですよね。 ラストはエルマに対してお父さんがまさかお前が関係してるんじゃないだろうな
っていうことに対して、父さんはそんな馬鹿げたニュースを信じるっていうの? っていうエルマの一言で物語が終わります。
最後の一言もごまかし方が上手いというか、 お父さんにしれっと嘘をつくエルマの堂々たる姿。
ぜひ久しぶりに図書館に行く機会があるという方や、 お子さんがいるお父さんお母さんはぜひお子さんにも勧めてみてください。
自分も子供の頃に読んでいたから忘れているところもあるんですけど、 冊子絵なんかを見ていると覚えてましたね。
結構当時読んでいた絵本とかって記憶に残るんだなっていうのを自分も感じました。 こんなところでいかがだったでしょうか。
自分たちはあくまで案内人ですので、この作品が気に入ってくだされば、 お客様自身で物語をどうぞその目で確かめてください。
前回同様、次回来る時は自分ではなく別の者が案内すると思いますので、 次にお会いできるのを楽しみにしています。
紡ぎ屋は月の夜に物語を求めるお客様を案内しております。 またいつかどこかの路地でお会いできるといいですね。
月明かりの下でお会いしましょう。