『罪と罰』の影響
おおさかBookラジオ〈大阪×本×声〉
それはすぐに出るね。小説なら、やっぱり『罪と罰』だよね。
いつ頃読んだの?
高校だよね。あれはね、びっくりしたな。
どんな感想を感じたんですか?高校生が。
どんな感想っていうよりもさ、要はさ、海光たけしとかがね、
書いてるんだけども、もうこれはっていう小説にあたるとさ、
文字が立ち上がってくるっていう表現してるんだよね。文字が。
だからさ、文字が立ち上がってきてさ、動いてる感じになっちゃうんだよね。
もういても立ってもいられないっていうね。自分自身。
自分の体がね。
そういうのは、『罪と罰』が初めてだったね。
長くないですか?
いや、長いよ。長いけども、最後のところだよね。すごいよね、やっぱり。
ドットエフスキーって。
イスコロちゃんは?
なんだろう。小説で言えば、小学生の時に好きだった宮沢賢治かな。
なるほどね。
最初に読んだのが『オツベルと象』っていう3年生か4年生の時の教科書。
罪と罰について、もしよかったらもうちょっと話してほしいんですけど。
どんな部分が?
文字が立ってくるっていうかな。その予感がするっていうのはさ、
ラストロニフキン君が犯罪者なんだよ、その時はね。
で、その取り調べ警察の取り調べの中に入るところのシーンがあるんだけれども、
要するにその警察官は、こいつはもう怪しいって一発で見抜くんだよね。
なぜ見抜くかっていうと、要するに普通よりもとっても明るく入ってきたっていう描写があるわけよ。
そういうところがさ、極めて刺さってくるわけね。
あーってさ、思うしかないわけよ。
ドストエスキーってさ、決して難しくないんだよ。
例えばカミツの対話とかさ、ああいったところがぐちゃぐちゃしててね、どうのこうのっていうこと言われるんだけどもさ、
すごく俺わかりやすいと思うよ、ドストエスキーって。
話の運びとしてはさ、大衆小説でしょ?
そんなたくさん読んでないけど、
俺全部読んでるんだよ。
ドストエスキーと、一つの場面っていうか、それに対して長いなって思う。
長いよ、上手ですよ。
関連の前にもうちょっとシンプルに、その状況とか展開をもうちょっとポンポン動かしてほしいなっていう前に、
なんかそんなもどかしさを結構感じる。
石川ちゃんはさ、何?
読む側はあれなんだろうね、きっとそこに主人公の思いっていうか、
そこに同情っていうか、そこになんかこう疑いみたいなのを持って読んでしまうと、
もどかしく感じてしまうのかもしれないですね。
面白いのはわかる。
一体だよ、一体。
いやもうドキドキするぜ。
やっぱりドストエスキーは面白かったね。
ロシア文化と理解
その後にね、ドストエスキー的な感覚の感動をさ、やっぱり求めるわけじゃん。
あんなのを間違うのを読みたいって思うわけやん。
あんな興奮してるのを、興奮するのをね。
それでね、それに近しいっていうかな、感じを受けたのが、
遠藤主作の沈黙。
そして阿部工房、砂の女だったかな。
結構みんななんか共通点あるよね。
あるあるある。
そしてね、あのやっぱりね、石川純がやっぱりいいね。
うん。
石川純は読みにくいさを感じたのは何でだろうな。
読みにくいの?
感じたのね。
本当に?
多分本当に些細な言葉の感じとかそういう部分で、
私はあれなんだろうな。
微妙な、そんなに気にしなくていいことを気にして、
なんか読みにくいなみたいな。
そうなの?
なんかその、一行目から入り込めるってことがなくて私は。
そうなの?
意外と。
途中からこうだんだん盛り上がってくるっていうか、
同期してくるっていう感じがあって。
何でだろうね、それ。
でもさ、ドストウェフスキーとか読んでる人がさ、
今のさ、ロシアのさ、
なんかさ、ロシア人というものに対してさ、
ああいうドストウェフスキーとか、トルストイはちょっといいんだけど、
全然意識が変わるなと思ってて、
ああいうのに触れてこなかった人は、
ロシア人のなんかこう、今の状況も全部、
そもそもが西側とかが異様の国だとしたら、
イギリスとかアメリカとかが、
それとはまだ全然違うような、
夜っていうかもう日が当たらない国、
ところに住んでいる人たちっていう人たちがいるじゃないですか。
大きく分けるとロシアの気質って、
そっちじゃない?なんかその、
暗い側に住んでる人たち。
あるいはベアクアだね。
だからその全然意識が違うよね、やっぱり。
おそらくね。
だからさ、西側の感覚で見たら、
理解できないよね。
だからね、あのトルストイスキーを
こよがく尊敬していたビスコンティ映画監督だね。
彼のやっぱり地獄に落ちた勇者どもとかさ、
あれなんかやっぱいいね。
完全にあれ悪霊の部分を使ってるからね。
ヘルムとバーガーでさ。
いいよねあれはね。
見た?
見てない。
だからさ、プーチンがさ、
快活になんかこう笑って、
陽気に振る舞わないのはさ、
西側の人たちは、
彼の個人的なパーソナリティだみたいに
思ってるでしょ。
でもさ、あれってさ、
多分あの辺の民族、
もうちょっと大きなものの、
そのなんか総体員みたいなものの、
それがただ現れてるような気がするよね。
ほうほうほう、なるほど。
その前のエリティンとか、
なんかいろいろ言ったけどさ、
やっぱり違うじゃない?
西側のそういう指導者とか大統領とかと。
うん。
多分そこをなんか理解しないと、
絶対分かりようがないよね。
そのなんかこう、
ロシアっていうものの奥にあるような、
行動原理とか、
うん。
今の状況っていうのも、
うん。
そこを理解しないと、
うん。
分からないよね、きっと。
まあいい加減な直感だけども、
宗教って大きいんじゃないの?
うーん。
宗教も含めてだろうね。
うん。
同じイキリスト教でも、
なんでそうやって東方の教会と、
西の方ってあんなに変わっていったのってさ、
うん。
その土着の国民の、
うん。
意識とか感覚が全然違うわけだからさ、
うーん。
それで変化してったんだろうね。
うーん。
なるほどな。