AIと考える力の変化
ブク美
さて、今回はですね、生成AIの時代。私たちの考えるという行為、これがどうなっていくのか、ちょっと皆さんと一緒に考えていきたいなと思ってます。
情報源は、Daisuke Sawaiさんの記事ですね。
ノト丸
ええ。
ブク美
なんかこう、AIを使うと考える力が、うーん、ちょっと違和感があるというか。
ノト丸
ああ、わかります。そのモヤモヤ感、ありますよね。
ブク美
ええ。そこからちょっと掘り下げていきましょうか。まず、多くの人が感じているかもしれないんですけど、AI使うと考えなくなるんじゃないかなっていう不安。
うーん。
でも一方で、いや、AIと話していると、むしろ考えが整理される気もするぞと。
ノト丸
そうですね。その両面ありますよね。
ブク美
この感覚、Sawaiさんもまさに感じていて、MITのある論文になんかヒントを見つけたそうですね。
ノト丸
そのMITの研究というのが示唆しているのは、チャットGPTみたいなAIに頼るとですね、人間が自分でいろいろ試す探索的な思考。
ブク美
探索的思考、はい。
ノト丸
それが減る傾向があるんじゃないかということなんです。
ブク美
なるほど。
ノト丸
でもSawaiさんはそこで、さらに一歩進んでるんですよね。
ブク美
おお、というと。
ノト丸
そもそも、自分で考えなきゃダメっていう、その前提自体が古いんじゃないって問いかけてるんです。
ブク美
ああ、なるほど。前提を疑う。
ノト丸
考えずに生きるっていう選択肢もあるんじゃないかと。
ブク美
それは面白い視点ですね。
で、Sawaiさんの実感としては、GPT-4、こういうのは例えば問題の構造を整理したり、前提をチェックしたり、反論を考えたり、いわゆるクリティカルシンキング的な部分ですね。
そうですね。
これがもう人間より早いし、精度も高いと。
ノト丸
それは実感としてありますね。
ブク美
ご自身の批判的思考力も、AIとの対話で上がったともおっしゃってて。
だからこそ出てくる問いが、考えることってもはや人間の本質、専売特許じゃないかもっていう。
ノト丸
これはかなり核心をついてますよね。
かつてはすごく神聖視されてたじゃないですか。自分の頭で考えるって。
ブク美
そうですね。美徳というか。
ノト丸
それが実は分解できるスキルで、AIが結構できちゃうっていう現実。
それでもですよ、Sawaiさん自身は、いや、それでも自分は考えたいって感じるそうなんです。
ブク美
そこがまた面白い。
ノト丸
AIが出した答えに、納得いかなくて。
あえて問い直したり、違う言葉で言い換えさせたり、逆の意見をぶつけてみたり。
一見すると、無駄というか、非効率にも見えるんですけど。
この行為に、何か人間らしさみたいなものを見出してるのかもしれないですね。
ブク美
しかも、さらに踏み込んで深く考えることが、知性の頂点、ゴールってわけでもないと指摘されてますよね。
ノト丸
そうなんですよ。
ブク美
いくら考えたからって、人生が前に進むわけでも、誰かが幸せになるわけでもないと。
ノト丸
必ずしもそうではない。
ブク美
AIとの対話は、確かに思考は深まるかもしれないけど、
ブク美
本当に変化を起こす力っていうのは、もっと感情とか身体とか、そっちに近いところにあるんじゃないかと。
考えない選択肢の価値
ブク美
ここなんかすごく考えさせられますね。
ノト丸
じゃあですよ。AIが考えることの一部をやってくれるとして、じゃあ我々人間は何をすればいいんだっていう。
ブク美
そこですよね。一番気になるところ。
ノト丸
Sawaiさんの提案は2つあって、Deep Questioning
ブク美
Deep Questioning。
ノト丸
つまり、問いがすぐに出なくても、問いを持ち続ける姿勢ですね。
ブク美
なるほど。問い続ける。
ノト丸
それともう一つが、スモールドゥイング。
ブク美
Small Doing。
ノト丸
小さくてもいいから、まず動いてみる。試してみると。
正解を探すんじゃなくて、問いながら、確かめながら進むっていう感じですかね。
ブク美
なるほどなるほど。
ノト丸
ただこれも面白いのが、別に全員がやらなくてもいいとも言ってるんです。
ブク美
そうなんですね。強制ではない。
そういうプレッシャーはないと。
それを絵を描くことに例えてるのがすごくわかりやすかったです。
AIが自分より全然上手い絵を描けたとしても、描き続ける人がいるのは、それがその人にとっての自分自身であることだからだと。
ノト丸
うーん。自己表現というか。
ブク美
ええ。でもほとんどの人は別に絵を描かない。それでも全然いいわけじゃないですか。
ノト丸
まあそうですね。
ブク美
それと同じで、考えないっていう選択肢も認めていいんじゃないかと。
ノト丸
なるほど。
ブク美
考えたい人はAIをパートナーにしてとことん考えればいい。
ええ。
考えない人はAIに助けてもらいながらもっと楽に生きられるんだったら、それはそれでまあ良い時代なんじゃないかっていう見方ですね。
ノト丸
うーん。非常に柔軟な捉え方ですね。
ブク美
というわけで今回の探究では、AIが登場したことで考えること自体の意味とか価値が揺らいでいる。
ブク美
ええ。
ブク美
そういう時代の空気をSawaiさんの考察を通して見てきました。
ノト丸
はい。
ブク美
必ずしも全員が深く考える必要はなくて、問い続けるとか小さく動くとか。
ノト丸
うんうん。
ブク美
そしてもしかしたら考えないっていう自由もあるんだ、というそういうお話でしたね。
ノト丸
そうですね。考えることがかつての誰もが目指すべき普遍的な価値みたいなものから少し変わってきてるのかもしれないですね。
ブク美
うん。
ノト丸
絵を描くとか音楽を作るとか、そういうある人にとってはすごく大事な自己表現や探究だけど他の人にとっては必ずしも必要じゃない。
なるほど。
そういう多様な位置づけの一つになっていくのかもしれません。
ブク美
さて、それでは最後に皆さんにこの問いを投げかけて今回の探究を終わりたいと思います。
ノト丸
はい。
考えるとは何か考えたことはありますか?