学びの未来の探求
ブク美
はい、毎日未来創造。本日も、まだ見ぬ未来のプロトキャスト、その可能性を探っていきましょう。
今週のテーマは、学びの未来です。AI、特に、まあ、生成AIの進化が本当目覚ましい中で、私たちの学び方って、これからどう変わっていくのか。いや、どう変えていくべきなのか、うーん、かなり切実なテーマですよね。
で、初日の今日は、まずこのテーマに関する様々なリサーチ情報、いわば土台になる考え方を、あなたと一緒に、ちょっと深く見ていきたいと思います。
ノト丸
そうですね。生成AIの登場っていうのは、教育の現場だけじゃなくて、私たち一人一人のその学ぶっていう行為自体に、かなり根源的な問いを突きつけてる感じがしますね。
今回共有いただいた資料を元にして、その核心に迫って、まあ、未来の学びの輪郭みたいなものを探っていけたらなと。
単に情報を並べるんじゃなくて、これらの動きが、じゃあ何を意味してるのか、その本質を掴むのが今日のゴールですね。
はい。早速なんですけど、資料の冒頭で定義されている問いがすごく示唆的だなと思って。
ブク美
ある教師の方が、「生成AIを子供に使わせるべきじゃない。安易に答えを得て考えなくなるから。」っていう懸念を示していると。これは確かによく聞く意見ですよね。
ええ、聞きますね。
でも、資料はさらに一歩踏み込んで、「じゃあその先生自身は本当に考えてその結論に至ったんですか?」って問い返してるんですよ。
そもそも考えるって一体何なんだろうっていう、ある意味哲学的な問いかけですよね。
ノト丸
まさに。AIが答えっぽいものを驚くほどのスピードと精度で出せるようになったからこそ、私たち人間の考えることの価値、あるいはその意味合い自体が今まさに変化していると。
この変化の本質を理解するために、まずは世界で具体的にどんな動きが起きているのか、教育とAIに関するリサーチ結果を見ていくことから始めましょうか。
ブク美
表層的なニュースだけじゃなくて、その裏にある意図とか課題にも目を向ける必要がありそうですね。
ここで一つ、あなたの思考を揺さぶるようなフレーズを投げかけてみたいと思います。
もし、あなたが今考えていると信じているそのプロセスが、AIにとっては再現可能な単なるデータ処理パターンの一つに過ぎないとしたら、どうでしょう?少しドキッとしませんか?
さて、その上で具体的な動きを見ていきましょうか。
資料では、教育とAIに関する世界各地の最新動向がいくつか紹介されていますね。
まず、インドのテランガナ州。ここでは小学校からコーディング、ロボット工学、それからAIに関する教育を導入していると。
ノト丸
えー、小学校からですか?
ブク美
これは未来思考の教育の象徴とも言えますけど、一方で資料は、その性急な技術導入が批判的思考、クリティカルシンキングの発達を阻害するんじゃないかという懸念も当時に示しているんですよね。
ノト丸
技術を入れること自体が目的になっちゃうと、本来育むべき能力が損なわれるリスクっていうのは常にありますよね。
テランガナ州の例は、そのスピード感とか野心的な目標は注目されるんですけど、同時に教育の本質とのバランスをどう取るかっていう普遍的な課題も浮き彫りにしている感じがします。
単にツールを使えるようにするだけじゃなくて、そのツールで何をしたいのかっていう目的意識が問われると。
ブク美
なるほど。技術導入の光と影みたいな感じですかね。
一方で、もっと身近なAIツール、ChatGPTに"Study Mode"っていう機能が追加されたっていうニュースもこれは興味深いですね。
ノト丸
ありましたね、それ。
ブク美
これは、単に答えを出すだけじゃなくて、ユーザーに問い返したり議論を促したりする機能が強化されているとのことなんです。
AIが単なる答えマシンじゃなくて、問いの伴走者みたいな役割を担う可能性を示唆しているように感じますね。
ノト丸
その点は非常に重要だと思いますね。
Open AIみたいな企業が教育分野に力を入れている背景には、単なる市場拡大だけじゃなくて、
AIと人間のもっと建設的な共同環境を模索しようみたいな意図も感じられる気がします。
AIが問いを深める手助けをしてくれるなら、それは学習者にとってはすごく大きな力になりますよね。
ただ答えを得るんじゃなくて、答えに至るプロセス、あるいはそもそも答えのない問いを探求するプロセス自体を支援する。
ここにAI活用の新しい地平が見えてくるような気がします。
ブク美
なるほど。問いの伴走者でですか。それは学びの質を大きく変える可能性がありそうですね。
それから、AIが個々の学習者に寄り添う可能性を示す別の例として、英国でのディスレクシア、読み書き障害を持つ学生への支援が挙げられています。
AIが個別の困難に合わせて読み上げ機能とか文章作成支援を提供することで、学習へのアクセスを劇的に改善できる。
これはインクルーシブな教育の実現に向けた具体的な希望と言えそうですね。
ノト丸
まさに、AIの得意な個別最適化というのが、これまで学習に困難を抱えていた層に光を当てる可能性は非常に大きいと思います。
でもここでまた別の視点、もっとラディカルな視点も紹介されているんですよね。
ノト丸
著名な投資家のビノット・コーラ氏の、「大学の学位は死に始めている。」というちょっと挑発的な発言です。
ブク美
大学の学位は死に始めている。
うわ、かなり強い言葉ですね。これはどういう意味合いで捉えたらいいんでしょう。
ノト丸
コーラ氏の主張の核心は、そのAIが高度な知識とか特定のスキルを割と簡単に代替できるようになる未来においては、従来の学歴とか資格みたいな証明書の価値は相対的に下がっていくんじゃないかということですね。
むしろ重要になるのは、常に変化する世界に適応して、自ら問いを立てて学び続ける能力、つまり問い続ける力そのものなんだと。
ブク美
なるほど。
ノト丸
これは単に教育システムだけじゃなくて、社会全体における成功の定義とか価値観そのものを揺さぶりかねない非常に本質的な指摘だと思いますね。
ブク美
学位っていうある種の結果よりも、学び続けるプロセスとか姿勢そのものが重要になる。
未来の教育システムの変化
ブク美
これはこれからの時代を生きていく私たちにとって、すごく重要な転換点を示唆しているように感じますね。
では、こうした流れの中で、より具体的な研究とか分析からはどういうことが見えてきているんでしょうか。
資料には、インドの個別最適化学習、いわゆるPALプログラムの成果が報告されていますね。
わずか17ヶ月で平均して1.9年分の学習効果が得られたと。
これはちょっと驚異的な数字ですよね。
ノト丸
確かに。学習効率の向上っていう点では、AIのポテンシャルは測り知れないですね。
このPAL、Personalized Adaptive Learningの略ですけど、
まさにAIが個々の生徒の理解度とか進捗に合わせて、リアルタイムで学習内容とか難易度を調整することで、これほどの成果を上げているわけです。
でも、この効率性の追求が全てではないと。別の調査結果がまた新たな課題を提示しているんです。
ブク美
と言いますと。
ノト丸
教育テクノロジー企業のSengageの調査によると、多くの学生はもうすでに日常的に学習でAIを活用していると。
ブク美
にもかかわらず、教育機関側の対応とか理解が全然追いついていないっていう実態が明らかになってるんですね。
ノト丸
このギャップは結構深刻だと思います。
教員とか教育システム全体のAIリテラシーが不足していると、せっかくのAIのポテンシャルを生かせないどころか、不適切な利用による問題も起こりかねない。
技術の進化とそれを受け入れる側の準備との間に大きな隔たりがあるというわけです。
ブク美
学生はどんどん先に行ってるのに、教える側とか制度が追いついてない。これは非常に皮肉な状況ですね。現場の混乱もなんか想像できます。
そうした中で、AIと人間の教師との役割分担についても新しい考え方が示されてますね。
“Guide on the Side”。これは興味深いです。
ノト丸
これは従来の教師像である”Sage on the Stage”、舞台上の賢人ですね。知識を一方的に伝える存在。
そこからAI時代には“Guide on the Side”、***の案内人へと役割が変わるべきだという考え方です。
AIが知識伝達とかドリル、評価みたいなタスクの一部を担うことで、人間の教師は生徒一人一人の興味関心を引き出して、
対話を促したり、批判的思考とか創造性を育むといった、より人間的な、まさにガイドとしての役割に集中できるようになるというビジョンですね。
ブク美
なるほど。AIを脅威と捉えるんじゃなくて、教師がより本質的な役割に専念するための、いわばパートナーとして捉えると。
これは前向きな捉え方ですね。ただ、実現にはその教師自身のスキルシフトとか意識改革も相当必要になりそうですけど。
ノト丸
おっしゃる通りですね。理想論だけでは進まない。教師の再教育とかサポート体制の構築は不可欠です。
でも、こうした期待感もあってが、教育AI市場自体は急成長を遂げています。
資料によれば、2025年には市場規模が75億ドル、日本円にして約1兆円規模に達すると予測されています。
1兆円ですか。
さらに、ある調査では、AI導入によってテストのスコアが最大で54%も改善したというデータも示されていて、その後悔の期待は数字にも現れていますね。
ただし、これも先ほどの議論につながりますけど、テストのスコアだけで、じゃあ学びの成果を測っていいのかっていう問いはやっぱり残ります。
ブク美
確かに。スコア改善は分かりやすい指標ですけど、それが本当に問い続ける力の育成につながっているかはまた別の問題ですもんね。
技術的な側面では、ブロックチェーンを使った学歴証明とか学習履歴の管理といった動きも紹介されていますね。これはどういう意味を持つんでしょうか。
ノト丸
これは学びの記録と証明の在り方そのものを変えようっていう動きですね。
ブロックチェーン技術を使えば、個人の学習成果とかスキル習得の履歴を改ざんが困難で、かつ透明性の高い形で記録管理、共有できるようになる可能性があると。
そうなれば、従来の学位とか卒業証明書みたいな形式的なものだけじゃなくて、より詳細で信頼性の高い学びのポートフォリオみたいなものが、個人の能力を示す重要な証明になり得るわけです。
これもまた、コーラ氏の言う学位の価値の低下と連動する動きと見ることもできますね。学びのインフラそのものが、今変化危機にあるという証拠と言えるでしょう。
ブク美
これまで見てきたいろいろなリサーチ結果、インドでの早期AI教育とその懸念、ChatGPTの進化、個別支援への応用、学位価値の変化、PLLの驚異的な効率性、
でも教育現場とのギャップ、教師の役割変化、市場の急拡大、そしてブロックチェーンによる記録革命、これらを俯瞰してみると、未来の学びの輪郭が単なる効率化とはちょっと違う形で、少しずつ見えてくる気がしますね。
ノト丸
ええ、全体を見渡してみると、一つの大きな方向性が見えてくるように思います。
AIと学びの価値の変化
ノト丸
それは、これまでのように、いかに効率よく正解や知識を獲得するかという点での競争は、AIの進化によってある意味で終わりを迎えつつあるんじゃないかということです。
AIがその部分を高度にサポートしてくれるようになるなら、私たち人間の学びの価値っていうのは、むしろまだ答えのない問いとか、自分ならではの問いを発見して、それを多様な視点から深く探求していく、そのプロセスそのものへと大きくシフトしていく可能性が高いんじゃないかなと。
ブク美
つまり、価値の中心が答えから問いへ移っていくということですか?
ノト丸
そう考えられますね。
ノト丸
AIが知識伝達とか個別最適化みたいな領域で強力なツールになることで、人間はより創造的な思考、批判的な分析、複雑な問題解決、そして他者との共感とか共同といった現代のAIにはちょっと不得意な、あるいは本質的に真似できない領域により多くのリソースを割けるようになる。
ノト丸
そうなると既存の権威とか、形式的な資格、大学なんかもそうですけど、それよりも個人が何を問い、どう探求し、その過程で何を学び、結果としてどんな価値を生み出したのかという、その学習のプロセスとか履歴自体がその人の能力や可能性を示す、より本質的な指標になっていく。そういう未来がかなり現実味を帯びてきているんじゃないでしょうか。
ブク美
これは非常に大きな変化ですね。価値観の転換といってもいいかもしれません。
そこで、ここであらためてあなたに問いかけてみたいと思うんです。もしAIがあなたの個人的な学習を完璧にサポートしてくれる究極の学習アシスタントになったとしたら、あなたはそのAIにまず何を問いかけ、何を深く学びたいと思いますか。
そして、その学びを通してあなた自身はどんなふうに成長し変化したいと思いますか。少し時間をとって想像してみてください。さて今回これらのリサーチ情報をここまで深く掘り下げてきたのには、実は明確な理由があるんです。
それは今、今週このハッシュタグ毎日未来創造でお届けするまだ見の未来を描くためのプロトキャスト、つまりSFショートショートを構想するための今は原材料にするためなんですね。今週はまさに今日議論してきた学びの未来をテーマにした6つの異なる物語をお届けする予定です。そしてその全体のサブタイトルは〈答え探しの終わり〉としました。
ノト丸
資料にはそのためのなんか刺激的な仮タイトル案がいくつも並んでますよね。〈正解の袋小路〉完璧な正解があふれる世界で人はどこへ向かうのか。〈答えが消えた日〉すべてのAIが沈黙したとき人間は何を問い始めたのか。
〈問いを育つ者たち〉彼らにとって知識の崩壊は壮大な冒険の始まりだったとか、他にもメンターの最初の問い、〈誰も問えなかった問い〉〈まだ白紙の地図〉どれも今日のリサーチから得られた示唆、特にその答えから問いへの価値転換っていうテーマを確認して具体的な物語として立ち上げていくと、これは非常に楽しみですね。
ブク美
えー、まさに今日の議論を踏まえつつ、これらの物語を通じて答えに満ちた、あるいは逆に答えを失った未来で人間がどのように問いと向き合い、学び、成長していくのか、その辺りを探求していきたいと考えています。
ところで、生成AIは本当に私たちから考える力を奪ってしまうんでしょうか。資料は最後に私たち自身にすごく鋭い問いを投げかけて締めくくられていますよね。
ノト丸
「お前は今まで本当に"考えて"いたのか?」と。
ブク美
うーん、耳が痛いですが本質をついていますね。
ノト丸
ええ、これは単なる批判っていうよりは、むしろ新しい時代の幕開けを告げる御報のようにも聞こえますね。
AIがこれまで人間が膨大な時間と労力を費やして探してきたような類の答えを、いとも簡単に、しかも瞬時に提示してくれるようになった。
だからこそ私たちは否応なく、じゃあ自分たちは一体何を問うべきなんだろう。自分にとって本当に価値のある問いって何なんだろう。
という、より根源的で、よりパーソナルな問いと真剣に向き合わざるを得なくなる。
この学びにおける価値観の大きな転換点に自覚的になって、それを恐れるんじゃなくて、むしろ新しい学びの可能性として捉えて向き寄っていくこと。
それこそが、これからのAI時代の学びを、より豊かに、深く、そして面白くしていくための鍵になるんじゃないでしょうか。
ブク美
答え探しの終わりは、新たな問い探しの始まりということですね。
というわけで明日からは、今日深く掘り下げたこのリサーチを地肉として、学びの未来をテーマにした、まだ見ぬ未来のプロトキャスト、SFショートショートを具体的にお届けしていきます。
今日の情報がどんな物語として結晶化するのか、ぜひご期待ください。
ノト丸
そして今日の話を聞いてあなたが感じたこと、考えたこと、あるいはあなたの中に生まれた新たな問いがあれば、ぜひハッシュタグ、ハッシュタグ毎日未来創造をつけて、SNSなどで共有してみてください。
あなたの視点とか問いかけが、私たち自身の創作のヒントになるだけじゃなくて、他のリスナーの方々にとっても、未来の学びを考える上で、また新たな気づきとか、可能性を開くきっかけになるかもしれません。
お待ちしています。
♫ 創造日常
毎日未来
創造