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2025-09-04 16:17

〈理想体指数99〉+考察ロングバージョン 16分

「ながらで聴く未来ものがたり」Long Ver.約16分

まだ起きていない未来に触れる。近未来ショートショートから未来の可能性を探るプロトキャスティング。ちょっとした考察が加わるロングバージョン。

 

今週は"食と資源"の未来をテーマに6つのストーリー

#毎日未来創造 

 

下記noteのSFショートショートを元にNotebookLMで音声化しています。

note URL:

https://note.com/daisaw33/n/nbf73949d5035

サマリー

このエピソードでは、未来の社会における健康観をSFショートストーリーを通じて探求しています。理想体指数99という概念が中心となり、個人の身体データのスコア化と、それに伴う無感情な社会システムについて考察されています。また、身体データと社会的評価の関係に焦点を当て、ボディアノニマスサービスや新たな評価基準の可能性についても論じられています。特に、理想を追求することが自己を縛る鎖にならないようにするための問いが投げかけられています。

未来の社会の健全性
ブク美
はい、毎日未来創造、本日もまだ見ぬ未来のプロトキャスト、可能性を探ってみます。
今週はずっと食と資源の未来という大きなテーマで探究してきましたが、今日がその締めくくりですね。
ノト丸
はい、そうですね。Week7の最終日となります。今回は少し思考を変えまして、未来の可能性をSFショートストーリーから探っていこうと思います。
ブク美
あ、それは面白そうですね。手元にあるのが、SFショートショート、〈理想体指数99〉禁断の味覚と、それに対する〈あとがき的考察〉美しきディストピア考察。
もし健康であることが社会の絶対的な規範になったら?という、かなり刺激的な問いかけを持つ物語のようですね。
ノト丸
そうなんです。現代社会でも健康志向はどんどん高まっていますけど、その行き着く先がある種のディストピアとして描かれている、そういう作品です。
ブク美
なるほど。じゃあ今回の探究ミッションとしては、この物語と考察を通して、現代の私たちが持つ健康への価値観、それがもし極端に進んだらどうなるのか。
そして、単一の価値観が社会全体を覆うことの危険性について、あなたと一緒に深く掘り下げていくということですね。
完璧な健康と幸福はイコールなのか。そのあたりも考えていきたいですね。
ノト丸
まさにそこが確信部分ですね。
ブク美
では早速物語の世界に飛び込んでみましょうか。舞台は2058年の東京。
まず驚くのは、この世界では匂いも味も、さらには温度さえも感じないようにデザインされているんですか。これは一体どういう。
ノト丸
すべては"Ideal Body Index "、略してIBI、日本語で言うと理想体指数という、絶対的な指標のためなんですね。
個人の身体データは常に監視されて、健康状態がスコア化される。
ブク美
スコア化。
ノト丸
そのIBIスコアが社会的評価はもちろん、就職、教育、はては結婚相手まで、人生のあらゆる側面を決定づける、そういう社会システムになっているんです。
ブク美
スコアがすべてを決める社会ですか。なんかこう息苦しそうですね。食事はどうなっているんですか。匂いも味もないとなると。
ノト丸
食事はですね、個人ごとに完全に最適化された栄養パックを摂取するだけなんです。
ブク美
栄養パック。
ノト丸
味も香りも食感も全くない。ただ生存とそのIBI維持に必要な栄養層を効率的に摂取するためのものという位置づけですね。
だから私たちが知っているような食事の楽しみみたいなものは完全に失われています。
ブク美
主人公のレンは元々料理人だったと書かれてますね。でもそんな職業はもう存在しないんですね。
ノト丸
はい。料理という概念自体がもう過去の遺物なんです。レンは今、栄養管理施設で働いているんですが、そこでの仕事はAIの指示に従って人々に配給される栄養パックの成分を微調整するだけ。
かつての情熱とか技術とかはもう何の役にも立たない世界。想像してみてください。あなたの知る美味しい食事が存在しないどころか、もしかしたら社会的な悪とされているかもしれない。そんな世界線を。
ブク美
それは強烈な想像力のフックですね。物語にはその栄養管理施設の様子も具体的に描かれていますよね。
巨大なガラス窓の向こうには完璧な肉体を持つ若者たちがいると。
ノト丸
そうなんです。彼らはもう無表情で味も何もない栄養パックを摂取して、AIが指示する完璧なトレーニングメニューをただ黙々とこなしている。
手首には常にデバイスが装着されていて、自分のIBIスコアがリアルタイムで表示されているんですね。まさに見せるための身体、評価されるための身体という感じです。
ブク美
身体的にはおそらく人類史上最も健康な状態なのかもしれないけど、でもそこには喜びとか人間らしい温かみみたいなものは全く感じられない。
レンはそんな光景を見ながら昔の食卓を思い出すんですよね。
豚の油が焼ける甘い香りとか、人々が笑いながら語り合ったあの賑やかな食卓を。
ノト丸
それは彼にとって失われた自由とか人間らしさのまあ象徴なんでしょうね。
あと興味深いのは物語の中で、IBIスコアがトップクラスのエリート青年が突然倒れるシーンがあるんです。
ブク美
ああ、ありましたね、そのシーン。
ノト丸
衝撃的だったのはその時の周りの反応です。
ブク美
そう、そこなんですよ。誰も駆け寄ろうとしない、心配する声もない。
まるで高機能な機械が故障したのを見るかのような非常に冷淡な視線だけがある。
この描写は健康っていう単一の価値観が支配する社会のその非人間性を大列に描き出していると思います。
栄養パックと料理の消失
ブク美
健康で亡くなった瞬間にもう価値がないものとして扱われてしまう。
ノト丸
確かに強烈なシーンです。なんか人間が部品扱いされてるみたいで。
ブク美
この完璧な健康の追求がかえって人間性を蝕んでいくっていうテーマは考察の方ではどう掘り下げられてるんですか。
ノト丸
まさにそこが重要なポイントとして考察されていますね。
この物語は現代社会における単一指標への過度な依存に対する、まあ警鐘だと捉えられてるんです。
ブク美
単一指標への依存。
ノト丸
例えば経済成長を示すGDPとか、学力を測る偏差値、SNSでの影響力を示すフォロワー数。
私たちは複雑で多面的な現実をどうしても単純な数字で評価して序列化しようとする傾向がありますよね。
ブク美
確かにありますね。分かりやすい指標は便利ですけど、そればかりを追い求めるとなんか見えないものがたくさんある気がします。
この物語で言うIBIはその究極形だってことですか?
ノト丸
その通りです。IBIという絶対的な指標が、いかに人間の多様性とか感情の豊かさ、生きる喜びといったものを削り落としていくか。
考察ではこれをバイアスブレイクシナリオと呼んでるんです。
ブク美
バイアスブレイクシナリオ?
ノト丸
つまり、健康=善=幸福という私たちが無意識に持っているかもしれない固定観念、バイアスですね。
それをこの極端な未来像を見せることで揺さぶり壊そうとする試みだと。
ブク美
なるほど、バイアスブレイクシナリオ。
身体的には完璧でも物語の登場人物たちはどう見ても幸福そうではない。そこに気づかせるわけですね。
ノト丸
身体的な健康だけじゃなくて、精神的な自由、喜び、他者とのつながり、自己決定といったなかなか数値化できない要素を含むより高次の概念、つまりウェルビーイングの重要性を問いかけているんです。
ブク美
ウェルビーイング?
ノト丸
はい。身体的な数値だけじゃなく、例えばレンが薄まっていた食べる喜びとか、かつての食卓にあった人とのつながり、そして自分で選択する自由といった数値化できない心の満足度まで含めた、もっと包括的な幸福感のことですね。
ブク美
考察ではそのウェルビーイングを取り戻すためのちょっと面白いアイディアも提案されてましたね。ジャンクフード休暇とか。
ノト丸
あ、そうそう。完璧な健康管理から一時的に解放されて、心ゆくまで不健康とされるものを楽しむという休暇。
あとは失敗許容型ヘルスケアAI。常に完璧を目指すんじゃなくて、時には目標値を達成できなくても、それを人間らしい揺らぎとして許容してサポートしてくれるAI。
どちらも完璧主義とか効率至上主義から少し距離を置いて、人間らしさを取り戻そうという視点からの提案ですね。
ブク美
完璧を求めすぎないという視点。これは現代の私たちにとってもなんかすごく示唆に富んでいますね。さて、物語はクライマックスに向かいますよね。レンがある行動に出る。
ノト丸
はい。彼は偶然、廃棄される予定だった禁断の食材を発見します。それは分厚い脂身がついた豚バラ肉と、糖度が高すぎてIBA基準では悪とされる柑橘の桃。
身体性の取り戻し
ブク美
IBIスコアを著しく低下させるまさに社会のタブーですね。
ノト丸
レンは施設内の片隅にある、もう何年も使われていなかった古い調理台を見つけて忘れられていたガスコンロに火をつける。そしてその豚バラ肉を焼き始めるんです。
ブク美
うわぁ、その豚バラ肉を焼くシーン、描写を読んでいるだけで、なんかこっちまで匂いを感じそうです。ジューっていう音とか、立ち上る甘く香ばしい煙。失われていた五感が一気に戻ってくる。その感覚の爆発力が伝わってきますね。
ノト丸
まさに、そして焼き上がった肉を彼はもう衝動的に口にするんです。熱い、しょっぱい、甘いって、噛み締めるたびに肉汁と油が口の中にブワーッと広がる。
ブク美
彼は涙を流しながら、これが食べるということだ、生きているということだって実感するんです。
ノト丸
味も匂いもない、ただの栄養補給だった栄養パックが、いかに非人間的だったか、身体で思い出す瞬間なんですね。
はい、すぐに監視ドローンが飛んできて、彼の行為は記録されます。結果として、彼のIBIは評価不能と判定され、社会的な資格は失格となってしまう。すべての地位や安定を失うわけです。
ブク美
だけど、彼は最後に力強くつぶやくんですよね。「これが俺の身体だ。」と考察ではこの言葉を身体性の奪還と表現していました。これはどういう意味合いでしょう?
ノト丸
これは非常に重要なポイントだと思います。
IBIという外部の規範、社会的な評価基準によって完全にコントロールされて評価されるための身体になってしまっていた状態から、レンは自らの感覚、本能的な欲求を取り戻した。そしてこれは他ならぬ自分が感じるための身体なのだ、という一種の主権宣言をしたと解釈できるんです。
社会的な評価よりも自分自身の性の実感を選んだ、ある意味革命とも言えますね。
ブク美
なるほど。評価される身体から感じる身体へ、社会的な成功とはまた別の価値基準を取り戻したと。面白いですね。でもレンは社会的な資格を全て失ったわけですよね。その代償を払ってまで取り戻す価値がそこにはある、と考察は示唆しているんでしょうか?
ノト丸
それは非常に鋭い問いですね。考察では直接的な答えというよりは、そこから派生する未来の可能性を提示しているという感じです。例えば、ボディアノニマスサービス。
ブク美
ボディアノニマス?
ノト丸
ええ。これは、一時的に自分の身体データをシステムからオフラインにして、IBIのような外部評価から完全に解放される時間を持つ、というアイデアです。
ブク美
ああ、なるほど。デジタルデトックスの身体版みたいな感じですかね?
ノト丸
そうかもしれません。あるいは、均一化されたIBI的な理想体とは全く違う規格外の身体的な個性。例えば、あえて太ってみたり、変わった筋肉の付け方をしたり、そういった多様性を従用するようなカウンターカルチャーが生まれる可能性も指摘されています。
ブク美
でも、その規格外を奨励するカルチャーというのは、結局IBIとはまた別の新しい評価軸を作るだけになったりしませんか?考察ではその点には触れていますか?
ノト丸
ああ、いい視点ですね。考察ではそこまでは深く言及されていませんが、確かに新たな規範が生まれるリスクというのは常にあるでしょうね。
重要なのは、どんな指標や文化であれ、それが個人の内なる感覚とか、幸福感を抑圧するものになっていないか、常に問い続ける姿勢なのかもしれません。レンの行動はその問いかけの象徴と言えるんじゃないでしょうか。
理想追求の意味
ブク美
なるほど。この物語と考察は本当に深く考えさせられますね。私たちはみな、より健康に、より良くありたいと願っています。でも、そのより良いの基準は一体誰が決めるんでしょうか?
ノト丸
あなたにとっての健康とか幸福っていうのは、IBIのような外部のスコアとか他人の評価だけで測れるものなんでしょうか?それとも、レンが最後に取り戻したようなあなた自身の生の実感とか、内なる声の中に本当の基準があるんでしょうか?
ブク美
もし、完璧な健康や理想的な身体を追求する余り、人間らしい感情の豊かさ、食べる喜び、自由な選択といったものを失ってしまったとしたら、あなたはどう考えますか?What if、私たちの健康志向が良かれと思って進んだ結果、思いもよらない形で窮屈なディストピアに繋がってしまう可能性もあるとしたら。
ノト丸
これはテクノロジーが進歩して、自己管理ツールがますます洗練されていく現代だからこそ、一度立ち止まって考えてみるべき問いかもしれませんね。
ブク美
本当にそうですね。さて、今日の探求を踏まえて、あなたに試してほしいマイクロアクションがあります。これが今回の未来リトマスです。
ノト丸
どんなことでしょう?
ブク美
今後、24時間以内に何か一つでいいので、健康指標とかカロリーとか周りの目とか、そういうものを一旦気にせずに、純粋に美味しい、心地よいと感じる味覚、あるいは嗅覚、触覚といった感覚を意識的にじっくりと味わってみてください。
ノト丸
なるほど。例えば、好きなチョコレートを一かけら、罪悪感なしにゆっくり味わうとか、温かいお風呂の感触に集中するとか、そういうことですね。
ブク美
そうです。その瞬間、自分が何を感じているのか、どんな気持ちになるのか、ほんの少しだけ意識を向けてみる。それが、レンが取り戻そうとした感じる身体への小さな一歩になるかもしれません。
ノト丸
面白い試みですね。日常の中でつい忘れがちな感覚に改めてフォーカスしてみると。
ブク美
さて、来週は学びの未来という新たなテーマに切り込んで、まだ見ぬ未来のプロトキャストをしていきます。
教育とかスキル習得はこれからどう変わっていくんでしょうね。どんな可能性が見えてくるか楽しみですね。
ノト丸
今回の理想体指数の話から感じたことや、マイクロアクションを試してみた感想など、ぜひ#毎日未来創造のハッシュタグをつけてシェアしていただけたら嬉しいです。
あなたの指定目や気づきが、他の誰かにとっても、私たちにとっても、新たな未来を考えるヒントになるかもしれません。
ブク美
理想を追い求めることは人間の素晴らしい力だと思います。でもその追求が、いつの間にか私たち自身を縛る冷たい鎖になってしまわないためには何が必要なのか。
レンが最後に流した涙と、あるいはそこに深いあったかもしれない笑みに、そのヒントが隠されているような、そんな気がしますね。
ノト丸
非常に示唆に富んだ深い物語と考察でしたね。
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