近未来の学びと価値観
ノト丸
はい、毎日未来創造。本日も、まだ見ぬ未来のプロトキャスト可能性を探ってみます。
今週はWeek 7。テーマは学びの未来ですね。
今回はですね、ある近未来SFショートショーと〈正解の袋小路〉という物語。
これを題材に、AIが人生の正解を示す、そんな世界の学びとか価値観について考えていきましょうか。
ブク美
ああ、そのお話。全てが最適化された人生ですか。効率が絶対みたいな世界で、人間の学びとか価値観がどう変わっていくのか。これは非常に興味深いテーマですね。
ノト丸
そうなんです。物語の舞台が2045年の東京。ちょっと想像してみてほしいんですけど、政府から支給される生涯設計AI、オルクスっていうのがあって、
それはもう、あなたの教育からキャリア、結婚相手まで全部、最も成功確率の高い正しい選択肢を提示してくる。そういう世界なんですよ。
ブク美
ああ、なるほど。国民はオルクスが示す正解に従うことを美徳としている。疑いもしないと。まさに個人の選択っていうより、アルゴリズムの最適解が優先される社会観というわけですね。
ノト丸
そういうことなんです。で、主人公はケンジ、35歳。彼ももちろんオルクスに従って、量子情報理論、比較文化学、神経科学、古代ギリシャ哲学、ずいぶん多岐に渡るというか、一見するとバラバラな分野の博士号を持ってるんです。
これもオルクスが知的好奇心と将来的な社会貢献の可能性を最大化するって判断した正解のルートなんだそうです。
ブク美
ここで重要になってくるのが、彼には具体的な社会的な実績っていうのは特にない。ないけれども、知の探求に生涯を捧げる模範的市民としてすごく称賛されている点ですよね。
ノト丸
そこにはやっぱり、勉強こそ価値があるんだとか、正しい答えを求め続けてこそ人間なんだみたいな、その時代の価値観が色濃く反映されている感じがしますね。
ブク美
効率化っていう名の下で、学びの意味自体が変わっちゃってるのかもしれないですね。
ノト丸
そうかもしれないですね。
それで、彼の部屋の壁、ここがまた象徴的で、昼食のメニューを選ぶとか、そういうレベルまでオルクスの正解を選んできた証である最適解選択証明書っていうので埋め尽くされてるんですよ。
ブク美
証明書。
ノト丸
なんか輝かしい記録のようでもあるし、でもどこか彼の主体性がないっていうか、その不在を示す静かな墓標のようにも見えると。
この描写って、現代の私たちがSNSとかで見せる最適化された生活の記録みたいなものにちょっと通じる気がしませんか。
ブク美
なるほど、確かに。
外部からの評価とか、いいねの数とかが自分の選択が正しかったんだっていう証明になるみたいな感覚。
それに似てるかもしれないですね。
それがAIによって究極的にシステム化された世界がこの物語の舞台と言えるんでしょうね。
ノト丸
そんなケンジがですね、ある日公園でチョウを夢で追いかけてる子供を見かけるんです。
ただひたすら転びそうになりながら追いかけてる。
ブク美
ああ、そういうシーンが。
探究心と効率化の葛藤
ブク美
で、その光景に対するケンジの反応がまさにこの世界の価値観を象徴してるわけですね。
目的関数は何かって、つまりその行動何の役に立つんだって問いかけて。
ノト丸
うわー、AI的な思考ですねまさに。
ブク美
そうなんです。
定量的成果もスキル獲得もない非効率無意味不正解だってばっさり断じちゃう。
ノト丸
非効率は不正解ですか。
ブク美
さしてると思うんです。
つまり効率を追求するあまり、チョウを追いかけるみたいな、一見すると無駄で非合理的な探究心とか遊び、あるいはそこから生まれる偶然の発見みたいな、
そういう数値化できない価値が失われてしまう可能性。
オルクスみたいな技術は確かに効率は高めるんでしょうけど、一方で人間性の何を切り捨ててしまうのかっていう、そういう問いを投げかけてるんですよね。
ノト丸
うーん、オルクスに従う正しいケンジと非効率にチョウを追う子供、この対比すごく考えさせられますね。
ブク美
だからここでちょっとあなたに問いかけてみたいんですけど、もし未来の学びがAIが示す正解のルートをただ効率的に辿るだけになったとしたら、
その保証された正解っていうのと、チョウを追いかけるような予測不能で非効率的かもしれない探究、どっちに価値を見出すか、あるいはどういうふうにバランスをとっていくか、
効率化の先に私たちが失いたくない学びの本質って一体何だとあなたは思いますか?
ノト丸
いやー、深い問いですね。AIが約束する正解と、なんか人間らしい非効率かもしれないけど衝動的なもの。
物語はその間の緊張感を鋭く描いてますよね。私たちの学びもこれからどうなっていくんでしょうね、本当に。
ブク美
非常に示唆に富む良い物語でしたね。実はですね、この物語の世界観に対する、私たちなりの処方箋とでも言うような、もう少し踏み込んだ考察を加えたロングバージョンも用意してるんですよ。
ノト丸
お、それは気になりますね。
ブク美
もしよろしければ。
ノト丸
ぜひそちらも聴いていただいて、さらに思考を深めていただけたら嬉しいです。
ブク美
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