ストーリーディープダイブのプロセス
ブク美
生成AIの生み出す音楽とか物語って、まあ目を見張るものはありますけど、でもどこか魂っていうか、なんかこう人間的な温かみみたいなものが足りないなって感じることありませんか?
今回はですね、AIを使った創作活動に、もっとこう血の通った深みを与える、そんなアプローチについて掘り下げてみたいと思います。
情報源は、Daisuke Sawaiさんという方が記録されたもので、SunoAIとかMidjourney、Chat GPTを組み合わせて創作を進めたプロセスです。
本日のテーマ、ストーリーディープダイブっていう手法なんですけど、これを使って架空のアーティスト、月夜あかねさんを作り上げていく。
この生成AIとの創作をどうやって生きたものにしていくか、その新しさとか面白さに注目していきたいなと。
このプロセスがどういうふうに機能して、あなたの創作とか、あるいは情報収集にどんな可能性をもたらすのか、一緒に見ていきましょう。
ノト丸
これは単なるプロンプトの工夫っていう話じゃないんですよね。
むしろクリエイターの思考プロセス自体をAIとの対話を通じて、ある種再現しようとしているというか、キャラクターとか物語にリアリティとか一貫性を持たせる、そういう試みですね。
ブク美
なるほど。じゃあ具体的にはどういうプロセスなんですか。
まず、SunoAIで作られた「芋焼酎の夜」っていう曲がスタート地点なんですよね。
ノト丸
そうなんです。その曲を起点にして、Midjourneyでこの曲を歌っているのはたぶんこんな女性だろうっていう画像を生成する。
そこからChat GPTを使って、今度はその架空のシンガー、月夜あかねさんの人物像をかなり詳細に作り込んでいくわけです。
ブク美
月夜あかねさん、具体的にはどんな感じなんですか。
ノト丸
プロフィールとしてはシンガーソングライターで地方出身、自然とか虫が好きでちょっと人見知りみたいな。
代表曲がさっきの"芋焼酎の夜"とあと"11月のスズメバチ"。
ブク美
"11月のスズメバチ"?!面白いタイトルですね。
ノト丸
さらに15歳で活動を始めてから現在までの結構詳細な活動履歴とか、苦労した時期とか活動休止、それから再起みたいな物語まで設定されてるんですよ。
なんか架空のインタビュー記事まで作られてて、本当にいそうな感じがしますよね。
ブク美
うわぁ、そこまで作り込むんですね。すごいなぁ。
でもそういうふうに人間が細かく設定しちゃうと、逆にAIの自由な発想みたいなものを邪魔しちゃったりしないんですかね。
ノト丸
それは良いポイントですね。ここで重要なのは、AIに丸投げするんじゃなくて、あくまで共創だってことなんです。
このストーリーディーブダイブという手法はですね、むしろ詳細な背景とか性格、経験といった枠を与えることで、
AIがそのキャラクターらしさ、つまり月夜あかねさんらしさを一貫して表現するためのガイドラインになるんです。
ブク美
なるほど。制約が逆に個性を引き出すみたいな。
ノト丸
そういうことです。情報源では小説とかゲームシナリオ、ブランドストーリーなんかへの応用も挙げられてますね。
ブランドの人格を設定して、それに沿った物語をAIと一緒に作るとか。
AIとの創造的対話
ブク美
面白いですね。人間が「芋焼酎の夜を代表曲にして」とか、「11月のスズメバチっていう曲のアイディアはどう?」みたいに方向を示して、
AIが出してきたものに対して、「もうちょっと彼女っぽくアレンジして」みたいにフィードバックしていく。この対話が大事なんですね。
ノト丸
まさにその通りです。そのキャッチボールにあって、人間が意図した方向に、しかもAIならではの発想も取り入れつつ、キャラクターとか作品が形作られていく。
11月のスズメバチの歌詞がそのいい例ですよ。
ブク美
その歌詞の生成プロセスありましたね。
ノト丸
最初はやっぱり芋焼酎の夜にちょっと似た感じの歌詞が出てきたらしいんです。
でも作者の方がアレンジしてって指示したり、構成を具体的に指定したり、フィードバックを繰り返すことで、徐々に月夜あかねさんの持つ孤独感とか強さ、自然に対する見方みたいなものが反映された、よりパーソナルな歌詞に変わっていったと記録されていますね。
ブク美
へー、ちゃんとペルソナに合わせて変化していくんだ。
さらに既存の有名な曲を月夜あかねさん風にアレンジさせるっていう試みもありましたよね。
フランクシナトラのニューヨークニューヨーク。
ノト丸
あー、ありましたね。あれは非常に興味深かったです。元の曲って華やかな成功物語じゃないですか。
ブク美
えー、まあそうですね。
ノト丸
それが月夜あかねさんの経験、つまり活動休止と再起っていう背景を踏まえて、"月夜の旅路"っていう全く違う雰囲気の歌詞になったんです。
もっと内静的で静かな決意を感じさせるような。
ブク美
うわ、すごい。AIがその背景、文脈まで読み取ってアレンジするってことですか。
ノト丸
そういうことだと思います。設定されたペルソナの情報をちゃんとAIが解釈して、それを創作に反映させているということの証さかなと。
ブク美
いやー、AIの能力本当にすごいですね。
ノト丸
ええ。ですから、このストーリーリープダイブっていう考え方、これは何か作るっていう時だけじゃなくてですね、アイディアを深掘りしたり、情報を整理したりする上でもすごくヒントになると思うんですよ。
AIと対話しながら、より自分らしい、あるいはもっと感情に訴えかけるようなものを生み出すきっかけになるかもしれない。
あなたなら、AIと一緒にどんなキャラクターとか、どんな物語の世界を深掘りしてみたいと思いますか。
ブク美
いやー、今回は生成AIとストーリーディープダイブっていう手法を組み合わせることで、架空の人物のはずの月夜あかねさんに、なんだか本当に血が通っているかのような、そういうリアリティと深みを与えるプロセスを見てきましたね。
AIとの対話を通じて、一人の人間像がその人生ごと立ち上がってくる感じがして、いや本当に刺激的でした。
ノト丸
ええ、まさにAIを単なる作業ツールとして使うんじゃなくて、人間の創造性を刺激し合うパートナーとして捉える、そういう人間とAIの競争の可能性を示唆する一つの良い例だと思いますね。
キャラクターとか物語に、ある種の魂を込めるための、すごく現代的なアプローチと言えるかもしれません。
ブク美
本当ですね。AIがここまで人間らしい感情とか、その人ならではの背景を持つような架空の存在を作り出す手助けができるってなると、これからの私たちの創造性とAIの関係ってどうなっていくんでしょうね。
もしかしたら、私たちがAIと一緒に、今まで誰も見たことがないんだけど、でも妙にリアルに感じられるような、そんな架空の世界とか物語を作り上げていく、そんな未来ももうすぐそこまで来てるのかもしれないなぁなんて思いました。