未来の学びの環境
ノト丸
毎日未来創造へようこそ。本日も、〈まだ見ぬ未来〉のプロトキャスト、その可能性を探ってみます。
今週のテーマは学びの未来。今回はそのエピソード6、物語のフィナーレと、そこから広がる考察を一緒に深掘っていきましょう。
手元には、近未来を描いたSFショートショート〈まだ白紙の地図〉と、その物語を受けて書かれた〈あとがき的考察問い〉の司書
それから、〈アイデア創発コンパス〉という思考を助けるツールの資料があります。今回は探求の目的なんですけど、これらの資料を通して未来の学びがどう変わっていくのか、
特に答えを教わるんじゃなくて、自ら問いを立てる学びへのシフト、これを探ることです。そして、そんな時代に私たちがどうやって新しいアイデアを生み出していけばいいのか、そのヒントを見つけ出すこと。
さあ、一緒に考えていきましょうか。まずは、〈まだ白紙の地図〉の世界、ここから触れてみましょうか。舞台は、今から5年後(※-Episode5から5年後の世界)、中央集権的な管理が薄れて、緑豊かで災害にも強い、そんな都市が描かれています。
その中心にあるのが旧ポート、旧ポートですね。つまり、〈問いの港〉って名付けられた学びの拠点。これが従来の学校とはもう全く違ってて、工房であり、農園であり、図書館であり、
そして、最高の遊び場でもある、っていうそんな場所なんです。特に印象的なのが、少女が旧ポートに入学する場面ですね。渡されるのが教科書じゃなくて、中身が真っ白な本、真っ白な本。Your Questions, Your Journeysって表紙に書いてある。何を学ぶかは、君が立てる問いが決めるんだよと。少女が最初に書き込んだ問いが、「鳥はどうして空を飛べるの?」
ブク美
どうでしょう?この問いから始まる学びっていうのに、あなたの今の学び方とか、あるいは仕事の進め方とか比べてみて何か感じることはありますか?もしかしたら、あれ、自分はちゃんと問うことができてるかなって、ちょっとドキッとするようなそんな感覚ないですかね?
いや、まさに知識を一方的に受け取る受動的な学習から、自ら問いを立てて探求していくっていう、能動的な学習への大きな転換点が描かれてますよね。
ノト丸
うーん、能動的。
ブク美
えー、旧ポートっていう場所自体が、工房でのものづくりとか農園での作業、図書館での調べ物、そういう多様な活動を通して自然と問いが生まれるような環境になってる。
ノト丸
なるほど。
ブク美
まさに問いの港っていう名前が示してる通りかなと。ただ、誰もがね、最初から良い問いを立てられるわけじゃないっていう、そこは難しさもあるかもしれないですね。
ノト丸
あー、確かに。で、その学びを導く存在として、ケンジっていう人物が登場しますよね。
彼が太陽光で動く水やり機作りに失敗して落ち込んでる少年ハルトにかける言葉、これがすごく考えさせられるんです。
一昔前のAIだったら多分すぐ効率的な解決策を示したかもしれない。
ブク美
でしょうね、最適解を。
ノト丸
でもケンジは動かなくなった歯車を差し出して、こう尋ねるんですよね。
その動かない歯車は君にどんな新しい問いを立ててほしいって語りかけてるんだろうって。
答えそのものじゃなくて、新しい問いへの視点を促してるんですね。
ブク美
ええ、ここで示されてるのは、その教育者とか指導者の役割が根本的に変わる可能性ですよね。
教師の新たな役割
ブク美
効率とか正解を教え込むんじゃなくて、学習者自身がより本質的で、より面白いと感じるような問いに自力でたどり着けるように、そっと背中を押すような触媒みたいな存在になる。
ノト丸
触媒ですか?
ブク美
そうです。ハルトが最終的に、待てよ、そもそも歯車を使わずに水を持ち上げる方法は他にないのかっていう、より根源的な新しい問いに気づく場面。
ここがこの未来の学びの本質をよく表してるなと感じますね。
問いの質を変える手助けみたいな。
ノト丸
なるほどな。
で、物語のクライマックス。
ここでは子供たちが真っ白な巨大な地図に次々と自分たちの問いを書き込んでいく。
ブク美
ここに風の通り道を作れば、もっと風潤車を効率よく回せるんじゃないかとか。
うん、うん。
ノト丸
この川の水をどうすれば屋上菜園まで無駄なく届けられるだろうとかね。
お年寄りがもっと楽に坂道を移動できる乗り物ってどんな形があり得るかなとか。
彼らは答えじゃなくて、その解決すべき課題とか探求したい好奇心を、問いの形でマッピングしていくわけです。
これもあの、あなた自身の日常とか仕事に置き換えてみるとどうでしょう。
目の前にある課題とか状況に対して、どれだけ多様な角度から問いを絵巻き出せてるでしょうかね。
ブク美
そして物語を締めくくるケンジ自身の気づき、これが非常に重要で。
彼がずっと探し求めていた、人はどうすればもっと自由に遊べるようになるのかっていう大きな問いに対する、たった一つの完璧な答えっていうのは結局見つからなかった。
ノト丸
見つからなかった。
ブク美
ええ。
彼がたどり着いたのは、重要なのは始めることだけがあったんだよっていう、そういう結論だったんですね。
これって答えが見つからないことの豊かさとか、問い続けるプロセスそのものの喜び、そして探求の旅を続けること自体に価値があるんだっていう力強いメッセージですよね。
ノト丸
うーん、深いですね。
ブク美
まさに白紙の地図っていうのは、無限の問いとそれを探求し始める始まりを待っている、とそういうことかなと。
ノト丸
では次にですね、この物語の世界観を受けて書かれた、〈あとがき的考察〉これに目を向けてみましょう。
ここでは未来の学びの場において、まあ伝統的な知識伝達者としての先生、Teacher ですよね。
この役割は姿を消して、代わりに新しい役割が生まれるんじゃないかと考察されているんです。
その提案されている名前が"問いの司書"、Librarian of Questions。
なんか示唆に富む名前ですよね。
ブク美
ええ、非常に面白い対比だなと思いますね。
従来の図書館の司書っていうのが、膨大な答えとしての蔵書の中から利用者が求める情報を見つけ出す専門家だとすれば、
問いの司書はその全く逆。
ノト丸
逆。
ええ。
ブク美
答えに行き詰まったり、何を問えばいいかわからなくなっている学習者の中から、本人すらまだ気づいていないような内なる問いを引き出すことを専門とする。
知識の代わりに問いを映し出すレンズを提供するなんて表現も使われていますね。
ノト丸
問いのレンズですか。
ブク美
ええ。
良質な問いこそが学習者を最も深く刺激し、真の学びへと誘う最高の蔵書なのだと彼らは知っている。
この一文にその本質が凝縮されている感じがします。
ノト丸
なるほど。
ブク美
もう一つの呼び名として、一人の旅人、A fellow travelerっていう表現も挙げられてますね。
ノト丸
ああ、はいはい。
ブク美
これは、完成された知識を持つ者として、教壇から教えるんじゃなくて、自らも学び続ける探究の仲間として子どもたちの冒険に同走する存在。
物語に出てきたケンジの姿とまさに重なるイメージです。
ノト丸
そうですね。
この問いの司書、旅人っていう役割は、物語から読み解かれた未来の学びを支えるであろう四つの柱。
つまり、安全に試すこと、体験から学ぶこと、学び続けること、他者と共創すること、これを体現する存在として描かれています。
ブク美
失敗を恐れずに試せる環境を整えて、実体験から学びが深まるようなクエスト、探究課題ですね。
これを提示して、何より自分自身が学び続ける姿勢を示して、そして仲間との協働を育むと。
AIがもう瞬時に膨大な答えを提示できるようになった時代だからこそ、人間ならではの好奇心に基づいた問いの質と深さ、これが決定的な価値を持つようになるという考察ですね。
アイディア創発コンパス
ブク美
ここで一つ、あなた自身に問いかけてみてはどうでしょう。
もし、あなたが誰かに対して、あるいは自分自身に対して、問いの司書のように関わるとしたら、具体的にどんなふうに関わることができるでしょうか。
目の前の課題を答えを探す機会としてだけじゃなくて、新しい問いを作る機会として捉え直してみると、何が見えてくるでしょうね。
ノト丸
なるほど、問いの司書。いやぁ、興味深い概念ですね。
では、そうした問いが中心となる未来において、私たちは具体的にどうやって、How、新しいアイディアとか、より良い問いを生み出していけばいいんでしょうか。
そのための師匠のヒントとして、ここでアイディア創発コンパスというツールが紹介されています。
文字通り、アイディアを生み出すための思考の羅針盤みたいな感じですかね。
ブク美
そうですね。
ノト丸
では、これをちょっと詳しく見ていきましょうか。
このコンパスは、思考の空間を2つの軸で4つの領域に分けて整理するんですね。
縦軸がMe-We、つまり自分が[知っているか - 知らないか]っていう知識の主体に関する視点。
そして、横軸がAI。これは、AIがアクセスできる[データがあるか - ないか]っていうデータの有無に関する視点です。
ブク美
そうです。この4つのゾーンを意識的に行き来することで、単なる思いつきじゃない新しいアイディアの種を見つけて、それを育てていくことを目指す、そういうフレームワークですね。
各ゾーンを少し具体的に見てみましょうか。
ノト丸
お願いします。
ブク美
まず左下を第3象限、知っているデータあり、は共通知識ゾーン。
これは社会のルールとか手続き、分野の常識とかみんなが共有している基盤となる知識、まあ議論の出発点ですね。
ノト丸
はいはい、ベースですね。
ブク美
で、右下の第4象限、知っている x データなし、これがオリジナリティゾーン。
これはあなた自身の個人的な経験とか直感、主観、まだ言葉になっていない感覚とか、データにはなっていないけど磨けば光る、独自の視点とか新しいアイディアの源泉がここに眠っていると。
ノト丸
自分の内側にあるものみたいな。
ブク美
ええ。で、左上の第1象限、知らない x データあり、これが閃き燃料ゾーン。
AIなんかを活用して膨大なデータの中から自分だけでは気づけなかったパターンとか関連性、意外な事実とかそういうひらめきの燃料を得る領域です。
人類の集合地にアクセスするようなイメージですね。
ノト丸
燃料ですか。面白いですね。
ブク美
そして右上の第2象限、知らない x データなし、これが未知創造ゾーン。
これはまだ誰も言語化できていない新しい概念とか、データすらない未来の可能性を探求する最も挑戦的な領域。
AIとともにまだ見えないものを見ようとする試み。まさに未来を想像していくゾーンと言えるでしょう。
ノト丸
これは面白い整理の仕方ですね。
思考の航路
ノト丸
さっきの物語に出てきた子どもたちが問いで埋めていった白紙の地図、あの地図をこのコンパスを使ってさらに豊かにしていく様子が何か目に浮かびますね。
例えば自分の体験から生まれた問い第4象限を起点にしてAIを使って関連する膨大なデータからヒントを得て第1象限。
そこからまだ誰も考えていない未来の可能性第2象限へとジャンプしていくみたいな、そんな思考の航路が見えてくる気がします。
さっきの問いの司書も、もしかしたら学習者がどのゾーンで考えあぐねているかを見極めて別のゾーンへの移動を促すみたいな関わり方ができるのかもしれないですね。
ブク美
まさにその通りですね。多くの人はやっぱりつい慣れ親しんだ共通知識ゾーン第3象限に留まりがちですけど、
このコンパスは意識的に他のゾーン、特に自分自身の内なる声、第4象限、とかAIがもたらす外部の刺激、第1象限、そして未来への想像力第2象限へと思考を飛ばすための地図であり、羅針盤なんですね。
ノト丸
なるほど。
ブク美
生成AIがこれだけ身近になった今、こういうツールを使ってAIと人間の知性、特に個人の経験とか直感をどう組み合わせればこれまでにない新しい価値を生み出せるのか、それを考える上で非常に実践的なヒント、まさに生成AI時代のアイデア創発マトリックスと言えるんじゃないでしょうか。
ここでもう一つ問いかけですけど、あなたならどうやって、このコンパスをご自身の思考プロセスとか、あるいはチームでのプレストなんかに取り入れてみますか。
ノト丸
うーん、考えさせられますね。つまりこれは何を意味するんでしょうか。
物語、考察、そしてアイデア創発コンパスという3つの資料を通して、未来の学びの在り方、そして問い続けることの価値、さらにその問いから新しいものを生み出す方法を探ってきました。
答えを探し求める旅から、問いに共に歩み続ける旅へ。その旅を支えるかもしれない、"問いの司書"という存在、そして思考の道筋を示す"アイデア創発コンパス"。
ブク美
そうですね。根底に流れているのは、AIがどれだけ進化しても、人間の持つ根源的な好奇心、そして世界に対して良質な問いを立てる能力っていうのは決して代替されるものじゃなくて、むしろその価値はますます高まっていくんだということでしょうね。
ノト丸
うーん。
ブク美
そして、物語のケンジが最後にたどり着いたように、完璧な答えが見つかるのを待つんじゃなくて、まず始めること、そして試行錯誤しながら探求の旅を続けること自体に本質的な意味があるのかもしれませんね。
問いから始まる旅
ノト丸
始めることですか。最後に、あなた自身への問いかけで締めくくりたいと思います。
物語の少女やケンジは、白紙の地図帳とか心の中の地図に最初の問いを書き込むことから旅を始めました。
今、あなたが向き合っている、あるいはこれから向き合いたいと思っている白紙の地図は何でしょうか。
その最初の1ページに、あなた自身の探求を始めるためのどんな問いを書き込んでみますか。
ブク美
さて、来週はですね、"気候変動適応の世界線"をテーマに、まだ見ぬ未来のプロトキャストをお届けする予定です。
どうぞお楽しみに。
それでは最後に、今週探求してきた学びの未来から着想を得て、このアイディア創発コンパスの構造をラップで表現するという、ちょっと実験的な試みでWeek 7を締めくくりたいと思います。
ノト丸
イントロ
Yo! Check it out.
煮詰っちまったブラザーシスター
創造革命を起こすぜ今から
見せるぜ未来への羅針盤
レッツゴー
アイディエーションコンパス
Yo. Check it out.
煮詰っちまったBrothers Sisters
創造革命起こすぜ今から
見せるぜ未来への羅針盤
Let’s go!
Ideation Compass!
まずは座標軸ベース
Me or We 縦軸
[知ってる - 知らない]視点で行く
AI 横軸 DATA Exist
Or No-Exist
現実直視このマトリックスで
思考Chasin’
回せアイデア創発コンパス
常識の壁なんてワンパス
4つのゾーン駆け巡り
紡ぎ出せ未来のストーリー
第三象限 常識ゾーン
ルール 手続き 共通認識のトーン
全ての土台 基本中の基本
揺るがぬペース
from the inside
第四象限オリジナリティゾーン
主観 直感 体験ショータイム
磨けば光る研ぎ澄ます感覚
君だけの視点 唯一のノイズ
回せアイデア創発コンパス
常識の壁なんてワンパス
4つのゾーン駆け巡り
紡ぎ出せ未来のストーリー
回せアイデア創発コンパス
常識の壁なんてワンパス
4つのゾーン駆け巡り
紡ぎ出せ未来のストーリー
第一象限 ひらめき燃料ゾーン
問い次第で発火する導火線 人類の集合知
AI見つけるパターン
ビッグデータ繋ぐ洞察のヒント
第二象限未知創造ゾーン
誰も知らない未来の予兆
見えないモノゴト見ようとする
AIクルーズビジュアライズ
未言語化概念のグルーブ
Known to Unknown Data to No Data
この旅は終わらないぜまだまだ
このコンパスが示すNext Stage
新時代1ページ
ノト丸
Peace!!
♫創造日常
♪毎日未来創造