YouTubeチャンネル「ゲツマニぱん工場」のじょんさんが登場。“しっかり聴く”というスタイルでお馴染み、英語も堪能なじょんさんと番組ホストのもこみが全2回にわたってお届けする「ラップの聴き方入門」、二つ目のテーマは、パンチラインです。
前回のライム編に続いて今回も盛り上がりました。
「パンチライン」はカッコいい決めゼリフのようなものだと思われがちですが、本来はもっと緩くていいもの。じょんさんの「パンチライン百科事典」を見ればクスッと笑えるものも多いことが分かると思います。共感できる「あるある」から、ギャグやボケすらもパンチラインになり得るんですね。「アメリカにおけるラッパーは日本ではお笑い芸人のようなもの」とはよく言われますが、さもありなん。
"カッコいい"とは違った“緩さ”、そんなパンチラインが楽しめる具体例として、主に今もっとも勢いのある徳島のラッパー、Watsonのヴァースの話が盛り上がりました。2023年7月収録の今回は、最新作であるデビューアルバム『Soul Quake』が出る約半年前までの音源を中心に聴いています。
ちなみにWatson最新作で私が好きなのは「Feel Alive」です。今回のエピソードを聞き返した後だと、〈冷凍食品はもう無い冷蔵庫〉のラインがいいですね。
後半は「サンプリングドリル」というNYの新潮流についての話に展開。そして何故かジャック・ハーロウについての話に…。
【トーク内容】
パンチラインは「どう言うか」が一番重要?/日本語のパンチラインは「カッコいい」に重きを置き過ぎ?/ギャグやボケもパンチライン/Watsonのパンチラインの特徴/生活感がにじみ出るヴァース/同じ内容も言い方のバラエティ次第/パンチライン=あるあるネタ?/Watsonとちんちん/ゆらゆら帝国と下ネタ/声の存在感/「Makuhari」の"put the city on the map"性/一見クラブバンガーだけど内容は鬱と貧困と自殺/2ステップのビートで全然楽しいこと言ってないSkaaiとSIRUP/日本語ラップ界へのブルーハーツの影響力/ヒップホップにおける知性/難しいラップが好きなんですね〜/TikTokとYouTubeの年齢層/なぜドリルがこんなに人気なのか/ドリルの新潮流 - サンプリングドリル/00年代、10年代の大ネタポップスとドリル/The Hillbillies(Kendrick Lamar & Baby Keem)にフックアップされたNYのクルー・Surf Gang/「ポストラップ」を称するEvilgiane/参照元があからさまという今っぽさ/フワフワ系のドリルとジャージークラブとの相性の良さ/トレンドの流れが速すぎる/Jack Harlow「WHATS POPPIN」/NORIKIYO『犯行声明』のヤバさ/RHYMESTERとNORIKIYOが同週にリリースしたものの、リスナーが求めたのは…/ゲツマニぱん工場のチャンネル登録よろしくお願いします
収録日:2023年7月13日
【参考】
・NPR Tiny Desk ConcertでのJack Harlow
【楽曲リスト】
Watson「reoccurring dream」
LANA, Bonbero, MFS, Watson「Makuhari」
Lunv Loyal, SEEDA, Watson「高所恐怖症Remix」
NORIKIYO「オレナラココ」 →プレイリスト「ラップの聴き方入門」
【話者】
サマリー
脱コミ音楽バージョンということで、前回に引き続き、ヒップホップ系YouTubeチャンネルのゲツマニぱん工場とパンチライン百貨事典を書いていらっしゃるクリエイターのじょんさんとワトソンの曲について話があります。ルナロイヤルはアルバムとシングルをリリースしており、秋田出身の彼は暗いテーマを歌っています。彼の曲はブルーハーツの影響を受けており、日本語ラップでコンシャスなメッセージが伝わっています。シーダとワトソンも参加しており、ワトソンはプレバトに出演していることがポイントになっています。ニューヨークのラップから入っているので、若干ここでニュースが起きたかのような感じがします。相性が良かったのはサーフギャングのことです。また、ドラムンベースにも広がっていると思います。ラップの聴き方入門のパン工場編では、じょんさんと一緒にジャック・ハーローの曲やライムスターファミリーの新譜について話し合います。