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宮武 徹郎
みなさん、こんにちは。笠野美希です。 宮敬徹です。
草野 みき
Off Topicは、アメリカを中心に最新テックニュースやスタートアップ、ビジネス情報を緩く深掘りしながらご紹介する番組です。
宮武 徹郎
今回のトピックは、短冊化社会の中で時間を遅める力について話していきたいと思います。
深そうな… 深そうなって。
いや、全然いじってるわけじゃないですよ、本当に。なんか今回はもうテックっていうよりは結構概念的な、でもテックの話でもありますもんね、短冊化もいろいろしてますけど。
なんか個人的にはすごいプロダクト作りの面では、この話で結構重要になってくるのかなって思うので、そういう意味で今回このテーマにしてるんですけど、
多分過去のOff Topic回でも何回か、多分1回か2回ぐらいがメンションしていると思うんですけど、あのラルフローレンさん。
ブランドのオーナーのラルフローレンさんが、過去になぜ成功したのかって聞かれた時に、時間を、時を遅められたっていう言葉を言っていて、
で、個人的にそれが理解できてなくて、なんかどういう意味なんだっていう。
草野 みき
なんかこの前、前にピックアップ、Off Topicで会ってみたい人みたいなので、あげてらっしゃったと思うんですけど、その時の心境とはまた変わってきてってことですか?
宮武 徹郎
そうですね。なんか、その言葉がどういう意味があるのかっていうのが、未だになんかちゃんと理解してなさそうだなと思っていて、自分の中で。
いろんな理由を探そうと思ったんですけど、別になんか彼はそこに対して深掘りしてないので、なんで彼がどう思ってたのかっていうのは実際知らないんですけど、
調査、それを書いたブログの人に関しては、ブランド作りがすごい時間がかかるので、今までのそのD2Cブランドの流れとか見ると、そことは違うアプローチをラルフローレンが取ったのが正解だったんじゃないかみたいな話をしてたんですけど、
個人的になんかそこまでしっくりきてなくて、その説明が。なんか違う、なんかもっと重要な意味合いがあるんじゃないかなっていうのを勝手になんですけど、想像していて、で、それをなんかずっと調べてたっていうか、
時を遅らせるってどういう、ブランド作りの中でどういう意味合いがあるんだろうっていうのを考えていて、それで1、2年前くらいですかね、189話目、時間をコントロールしたブランド作りって多分エピソードを出したんですけど、
そこだと、なんかそのいろんな種類の時間の操作、操作方法を出したと思うんですけど、あの時を遅らせるっていうのを出してないんですよ、多分。
そこを未だにその時は分かってなくて、他の方法をいろいろ見つけたんですけど、時間を遅らせるっていうことをやってるブランドが見つからなかったので、そこで単純に言わなかったっていう話なんですけど。
草野 みき
そのラルフ・ローレンの事例で言うと、どういうふうに時間を遅らせてるんですか。
宮武 徹郎
いや、それが彼がそこの説明をしてないんですよ。
草野 みき
ああ、じゃあ本当に宮武さんはその概念だけ、言葉だけぶっ刺さって、だけど何を刺してるのか分かんないってことか。
宮武 徹郎
全く分かんないから、だから自分で、自分でなんか考えないといけなくて、それでなんかそのエピソード、それ専用のエピソードまで出したんですけど、結局時を遅らせるっていう話は一切そこで、
自分の中で解決が出てこなかったので、なんで結局出さなかったっていうところですよね。
そうだったんですね。
ずっとここ多分3、4年ぐらいこれに悩まされてるっていう。
そんな前でしたっけ、その記事って。
その記事は多分2020年とか21年とか、多分そのくらいだったと思うので、
宮武 徹郎
なんか最初に読んだ時からなんか、何かしらピンときてたんですけど、なんかその、これが重要な言葉そうだっていう、
なんかあるじゃないですか、そういう、なんか記事読んでたりとか、なんか誰かが何か発言してる時に、
宮武 徹郎
これはなんか言ってることはなんか裏がありそうっていう、そういう感じをしたんですけど、
ただ、もちろんなんか適当にラルフ・ロレンさんが言ってただけかもしれないですけど。
草野 みき
対抗、そのみんなスピード化していくことの対抗としてただ言っただけの可能性もありますもんね。
宮武 徹郎
そうですね。かっこいいことは言おうとしてただけかもしれないですし。
草野 みき
今回じゃあその解釈が、宮武さんなりの解釈が聞けるってことですね。
宮武 徹郎
そうですね、ちょっと、これは個人的に意見でしかないので、彼を別に代弁するつもりは全くないんですけど、
いろいろ自分の中で見てる中で、そこが何かしらの答えが出てきたっていうところですかね。
草野 みき
オフトピックTシャツを着ていますね。
宮武 徹郎
確かにオフトピックTシャツ着てますね。
YouTubeかSpotifyのビデオ、ポッドキャスト見てる方々見えますけど。
これ、Amazonで販売されてたやつですよね。
Amazon Fashion。
あの、
草野 みき
ポッドキャストウィーケンドの去年のやつで出したやつで。
宮武 徹郎
あの、自ら買ったっていう。
草野 みき
結構なんかデザインしてくださって、みたいなパターンで面白いコラボでしたね。
ちょっと余談ですいません。
ビデオポッドキャストも見てほしいなっていう。
宮武 徹郎
確かに確かに。ぜひぜひお願いします。
えっと、今回はここの時間遅らせるっていうところについてちょっといろいろディスカッションできればなっていうところで、
なんか、この時間遅らせるっていうのって、その時間の捉え方っていうか見え方の問題なのかなと思っていて、
なんかその、それって何に対してっていうと、
社会がやっぱりどんどんスピードアップしてる中での、多分、時を遅めるっていう話でもありますし、
それが多分一番ですかね。
あと、感覚的に時間を遅らせるっていうのはどういうことかっていう話だと思っていて、
で、まずなんか社会的なところだと、
そもそもなんかスマホとかそのSNSによってどんどんそのトレンドが加速したりとか、
それによって不安が増えたりとか、
確か英語だとThe Anxious Generationっていう本があるんですけど、
草野 みき
大ヒットしましたよね、去年。
宮武 徹郎
そうですね。
日本語だと、スマホとつながる不安世代かな、だと思うんですけど。
草野 みき
日本語版出てますか?
宮武 徹郎
多分出てるかな、多分ですけど。
なんかそこだと、ミレネア世代とかジェット世代がスマホによってどう影響されたのかみたいな話があるんですけど、
僕はちなみに読んでないので、そこの詳細は全くわかんないんですけど、
なんかより集中できる時間が縮まったりとか、
それによってなんか不安が増えたりとか、
個人的にやっぱり思うのが、それが本当にスマホの影響なのか、
スマホ自体とかその裏にもっと何かあるんじゃないかっていうところを考えていて、
その一つがやっぱりその生産性を上げるっていう社会、
特にアメリカの資本主義の社会がある中だと、
やっぱりすごいスピードとか効率性を高めたいっていう気持ちがすごいあると思うんですよね。
そういうところから来てる部分もあるのかなと思っていて、
なんかいろんなサービス見ていると、
例えばなんか最近見てたサービスだと、
AIを使ってプレゼンを生成できるサービスがあったんですけど、
ちょっとサービス名はあえて言わないですけど、
そこのサイトが、今はわかんないですけど、
草野 みき
僕が見た当時は、
宮武 徹郎
秒単位で無限にプレゼン作れるみたいなホームページに書いてあって、スローガンとして。
個人的にやっぱりそれ見てすごい気になったのは、
ユーザーはもっと早くプレゼンが欲しいのか、
早くもっと大量のプレゼンを作りたいって思ってるのか、
もしくは一つめちゃくちゃいいプレゼンを作りたいのかっていうところが、
なんかちょっとずれてるかもなと思っていて。
草野 みき
そうですね。数千通りの、数万通りのものが出て、
一瞬で出てきても、それを活用するのは一つですもんね。
それが一瞬であることが重要なのかっていうとそんなに。
宮武 徹郎
作るスピード自体を早まるのは大事かもしれないですけど、
無限のプレゼンを作れるって、
あまり魅力的に感じる人って割と限られてるのかなと思っちゃうので。
なんかそこの、やっぱりスピードをすごい重要視するような社会にどんどんなってきてるのかなと思いますし、
それこそ2020年とかオフトピック、年末テーマとして
アテンション&トラスト・エコノミーって出したじゃないですか。
草野 みき
はい。
宮武 徹郎
注目と信頼でインターネット市場は成り立っているっていう話をしてたんですけど、
最近だと若干そこを微修正しないといけないのかなと思っていて、
アテンションがもうちょっと多分複雑になっていて、
アテンション速度みたいな要因を入れないといけないのかなと思っているんですけど、
やっぱりどんどんどんどんハイピサイクルとかも加速していて、
それが二次流通化することによってどんどんそれがお金になったりとか、
なんでも市場化されちゃうっていうところは、別になんか悪いことではないと思うんですけど、
宮武 徹郎
そういうのが流行ってるからこそ、それに対してのカウンタームーブメントが出てくるのかなっていうふうに思ったっていうところですね。
カウンタームーブメントって言うとどういう?
スピード重視じゃないもの。そういうのがより評価されるっていうところですね。
草野 みき
例えばその過去で言うとディスポみたいなカメラアプリで、今撮った写真が明日にならないと見れないみたいな、
そもそもインスタントカメラみたいな概念も流行ったのは今見れないから面白いみたいな文脈でも流行った気がするんですけど、
そういうのもカウンター的なサービスになるんですかね。
宮武 徹郎
でもそうだと思います。
でも多分これ一部仕方ない部分あると思うんですけど、一般的な特にウェブサービス、
例えばですけど、電車の予約サービスとか、ブッキング系のサービスとか、
別に飛行機でも何でもいいですけど、基本的に条件、AからBに行きたいですっていうのを言うと、
だいたい一番早くそこに行けるオプションを出してくれるんですよね。
それは普通に考えるとわかりやすいと思うんですよ。
できるだけ移動時間を早くしたいですよねっていう思いを持ってる人って多分ほとんどだと思うんですけど、
でも人によってはそうではない時もあるじゃないですか。
乗り換え案内は基本楽ってやつ私選んじゃいます。楽なやつ選んじゃいます。
草野 みき
乗り換えが少なくて長くてもいいんですけど、楽なやつ選んじゃいますね。
だからそういうことですよね。別に速さが一番重要じゃない人もいるし、
面白い自分が好きな駅を経由してとか、行けるところがいいとか、座れた方がいいみたいな。
宮武 徹郎
そうですね。確かに座れた方がいいとか大きいかもしれないですね。
あと、すごい究極に言うと景色がいいとかっていう人もいると思いますし、
場合によっては価格とかそっち系もあると思うんですけど、
でもどうしてもスピードがより重要視されがちではあって、
それぞれわかる部分はあるんですけど、
ただ同時にそうじゃないものも多分求められるようにどんどんなってくるかなと思うので、
それってあえて時間がかかるからいいっていう人もいるじゃないですか。
ゆっくりしたいっていう人もいるので、
そこに対してのサービス供給が多分まだ少ないんじゃないかなっていうふうに思うんですよね。
草野 みき
でもラグジュアリーなものとかって結構スローなものも多いのかなっていう。
その工程の問題もそうかもしれないんですけど、
何か一から作ったり、オーダーメイドなものだったり、
何か相手の意見を聞いてそれを実装させるみたいな、
その時間がすごくラグジュアリーな体験っていうか、
待ってる時間が楽しいみたいなところもリッチですよね、ある意味。
効率化の反対っていうか、豊かですよね。
宮武 徹郎
なんかそこの時間の余裕があるっていう意味合いでもあると思うので、
でも草野さんが言うように、まさにラグジュアリー系のブランドとかはまさにこういうことをやっているんですけど、
そう考えると、知り合いトークにもちょっとだけ話すことあると思うんですけど、
草野さんに聞きたいのが、
ラグジュアリーブランドの中で結構最近、ここ10年ぐらい、
クリエイティブディレクターを割と頻繁に変えているブランドって増えてきてるじゃないですか。
それってある意味、ペースアップしてると思うんですよ、ブランドとしては。
今の世の中のトレンドに追いつくためとか、新しいトレンドをどんどん作るっていう意味だと。
それって長期的にそのブランドにとっていいことなのか、
それともやっぱりスローさ、遅さっていうところを、
ラグジュアリーブランドって、そこでも重要視するべきなのか、
草野 みき
ブランドもそうですし、ストリーミングサービスとかも、
じゃあネットフリックスの決算見てこういうサービスが、
作品が出るとかディズニーの決算見てこういう作品が出る、
じゃあこういうものが盛り上がるんだみたいな。
ファンじゃなくてもそこも注目していくみたいなのも、
いち早くそこの情報を取りに行くみたいな。
本当にデザイントレンドとかも、前にも話したことありますけど、
ブルーンバーが取り上げてたり、D2Cの最近のデザインはこういう風になってるみたいな。
業界の投資家的な人とかアナリスト的な人もちゃんとそこを見始めて、
なるなっていう感じ。
どう思いますか?そんな印象があって。
宮武 徹郎
これって多分ちょっと冒頭の方にも話した、
何もかも二次流通化するとか、そこにはつながってるのかなと思うので、
草野 みき
それこそラクジュアリー系の商品とか、普通に二次流通化してるじゃないですか、今だと。
宮武 徹郎
いろんな二次流通サイトに販売してたり、そこで売買する人って増えてるんですけど、
いわゆる、そういう二次流通化することによって市場が出来上がるので、
そこで若干株価の概念とか、今この商品が今人気だからすごい値上がりするとか、
多分そういうのがより消費者のところまでたどり着いてるのかなっていう風に思いましたけどね。
だからよりビジネスライクで見ないといけなくなってしまった。
それはそういうアプリとか、そういう市場がどんどん増えてるからっていうところでもあるのかなと思います。
カルチャーがビジネス化しだしたっていうところです。
草野 みき
それを時間を遅めることで、そういう金融商品として見てる人たちがやりにくくなるっていうことなんですかね。
効果としては、その効率化とかビジネスの最適化じゃなくて、豊かな方に持っていく?
宮武 徹郎
そうですね、多分金融化はされるとは思うんですよ。
その価値があるものに関しては。
ただそこに対して、その企業がプロダクトを作ってる側が早めるか早めないかっていう問題だと思うんですよ。
早めるとそこにどんどん乗っかっていくので、少なくとも短期的にはお金になるんですよ。
でも長期的にお金になるかっていうと分かんないっていうところなので。
なんでそこの遅さをキープできるかっていうのが一つの価値だと思うんですよね。
草野 みき
VC調達した方がいいのかな、ブランドは。成長成長成長。
宮武 徹郎
ブロスさせなきゃいけないから。
時には成長も必要だと思うので。
これも結局、対象となるブランドとならないブランドがあると思うんですけど。
でもなんかさっきの、例えばその電車の話とかだと、
企業によってはこの遅さっていうか、その遅さをスピードじゃない体験作りをやっぱり強調するブランドって絶対あるので。
同じ、例えばその電車のブッキングサイトをディズニーの人たちに同じサイト作ってくれってお願いした場合、
多分全然違う商品出てくるんですよ。
おそらくなんですけど、スピード重視じゃなくなると思うんですよ。
草野 みき
もっと体験楽しい。
宮武 徹郎
そうですね。なんかそこでキャラクターが出てくるから、それを楽しめるようなライド的なものになるみたいな、例えばですけど。
そうするとスピードからどっちかというと体験の方に寄せてくるので。
宮武 徹郎
結局そのユーティリティとして見るのか、なんかその体験自体がプロダクトしてみるのかによって多分変わってくると思うので。
草野 みき
なんかストリーミングサービスの、やっぱりNetflixとかって一気に全部出るじゃないですか。
それってやっぱり、なんかApple TVプラスとか、あとAmazonプライムとかもそうなんですけど、
1話ずつ出てくるみたいなので、昔ながらっぽいかもしれないですけど、そっちの方が自分は好きで。
なんかそっちの方が番外盛り上がる、そのインパクトは少ないような気がするんですけど。
宮武 徹郎
一発でのインパクトってことですね。
草野 みき
一発でのインパクトで言うと、まだ1回で全部出た方がいい気がするんですけど、
やっぱ徐々に1話ずつとか最初3話出して、それから1話ずつとかの方がコンテンツとしてはなんか盛り上がるんじゃないかなっていうふうに思いますね。
宮武 徹郎
そうですよね。ここも多分すごい考え方としていろいろあると思うので、
多分Netflixとか対しては多分、
ストレンジャーシンクス、ストレンジャーシンクスで確か全部出しましたっけ?最初の方は。
草野 みき
そうですね、前回のやつとかはそうでしたね。
宮武 徹郎
そこも多分意図としては、特にオリジナル番組をどんどん活性化しないといけないところ。
草野 みき
間違ってたっすよね。
宮武 徹郎
少なくとも第1、2、第3シーズンぐらいまで全部出してたと思うので、
そこはやっぱり、特に初期の方はオリジナル番組はめちゃくちゃ調子が良かったわけではないので、
一気にアテンションを引き寄せるっていうことをやろうとしてたと思うので、
意図としては全然理解できるんですけど、でも、僕は草野さんと同じ感じで、
待つことによっての、そこでできる共通話題とか、何が起きたんだろうみたいな、
特にセベランスとか、たぶんまさにそうだと思うんですけど。
次どうなるのか、それこそストレンジャーシンクスとかもめちゃくちゃエンディング上手いじゃないですか。
シーズン中のエンディングが、次何が起きるだろうっていうのがわかんない中で絶対話題になってくるので、
そこでファンセオリーがいっぱい出てきたりとか、その1週間の間に別のコンテンツが生まれば全然いいと思うんですけど、
リスクとしてやっぱりあるのが、それで他の番組いっぱい出てくるので、
結局そこに埋もれて、話題性がなくなってしまうっていうリスクに対しての、たぶん1試作かなっていうところですよね。
草野 みき
そうですね、メリットデメリットある気がしますよね。やっぱり離れちゃうっていうのもあると思いますし、
ビンジウォッチしたいっていうのもわかるんですけど、浸らせてくれっていう気持ちもありますよね。
ちょっと、そこも考察したいし、また見返すのかもしれないし、そこはどうなんですかね。
ビーストゲーム、ミスタービーストのリアディティションも毎日、週に1回とか更新でしたけど、
それもやっぱり週間化っていう意味だとありですよね。毎週この時間にこれが出るからそれみんなで見ようみたいな。
宮武 徹郎
確かに、特にそれこそ多分HBOとかは多分そうでしたよね、そのゲームオフソロンズとか、
たぶん一番ピーク時は本当になんか、あれ日曜日でしたっけ確か、毎週日曜日にみんな、
しかもなんかやっぱりテレビ中継とかその毎週この日に出るっていうのがいいのって、その日に全員一気に集まるっていうことなので、
なんかこの時間帯はゲームオフソロンズの時間帯みたいな、この日はっていうのがあるっていうのはやっぱすごい強いですよね。
でもなんかそこもその一気に出すっていうよりも、それを部分的に出すっていうちょっと遅らせることによっての体験作りですね。
草野 みき
音楽とかも若干そうかもしれないですよね。なんかよくApple Musicとか使ってると、
一曲だけ出てるみたいなパターンじゃないですか、アルバム保存したら一曲だけ出てて、そのリリースと同時にちょっとずつ出てくるみたいなパターンとか、
宮武 徹郎
なんか曲をフルアルバムバッて出さないみたいなのは、ちょっと昔と変わってゆっくりになったのかなと思いました。
でも面白いですね、なんか同時にTikTokでめちゃくちゃスピードアップしているわけじゃないですか、その音楽のディスカバリーとか。
両極端にそれが動いてるっていうのが面白いと思うんですよね。
草野 みき
確かに。
宮武 徹郎
体験を襲めるっていう、襲める体験のその面白い事例として見たのが、
Appleが最近論文出してたんですけど、AI周りの論文で、ちょこちょこ出すので彼らも。
その中ですごい、ちょっと話題になってたんですけど、
擬人化してないロボットの、なんかその人間っぽい表現をどう、人間っぽい表現を出すべきなのかみたいな、なんかそういう論文を出してて。
なんでその、人型ロボットじゃないロボット。
彼らはその研究の中で、あるデスクランプを使ってたんですけど、
でもデスクランプだともう、見るともう分かりやすく、あのルクソジュニアなんですよ。
ピクサーの。
草野 みき
ピクサーの。
宮武 徹郎
絶対彼だろうって思いながら。
草野 みき
人っぽいですよね。
そういうことか、オブジェクトだけど人っぽい雰囲気を出しているもの。
宮武 徹郎
そうなんですよ、まさに。
彼らのこの、ある図があるんですけど、そこで、今スタート地点はこの状態にいますとロボットが。
最終着地地点としては、このアクションをやってもらいたいですと。
それが例えば、こっちに向かって電気をつけてくださいとか。
だとすると、基本的に普通のロボットであれば、そこにランプが向いて電気をつけるだけなんですよね。
それが一番時間が早い効率的なやり方じゃないですか。
それはアプリがそれを試すのと同時に、例えば一回ユーザーを見てうなずいてそっちを向くみたいなことをやった場合、いわゆる時間がかかりますと。
ただ結果的に同じところに行ってますと。
その時の満足度の比較をしたんですよ。
そうするとやっぱり、人間っぽい動きをするっていう、表情豊かなロボットの方が満足度は高かったですと。
草野 みき
面白い。
宮武 徹郎
例えばなんですけど、すごいわかりやすく時間がちょっと変わるっていうと、デスクランプに対して今の天気は何ですかっていうのをユーザーが聞くんですよね。
普通だとAIが組み込まれてるので、そこで単純にそのAIでその天気情報を呼び起こしてそれを話すだけなんですよね。
それが人間っぽくない、表情豊かじゃないロボットの方。
表情が豊かなロボットに関しては、一回窓を見るんですよ。
一回回って窓を見て戻って、で話すっていう。
なんで明らかに1、2秒ぐらい遅れるんですよ。
宮武 徹郎
彼が言ったのが、スピードは20世紀の構造的価値であると。
やっぱり馬車からインターネットに行くと同時に、やっぱりスピードとか即時的な満足に対して、その中毒性が増していますと。
違う世界との関係性作りを作ることはできないのかと。それが忍耐だったり、辛抱強く待つっていう話だったり、結局時間を圧縮したい場合はどこかのタイミングでクオリティを犠牲にしなければいけない。
それを我々はどこかのタイミング、ある一定のポイントを通らないっていう話をしてたのを聞いて、やっぱりスピードを速めるのに対して、
そこに乗ってもいいのに、あえて乗りに行かないっていう判断をしているのが、すごい大事なポイントだろうなって思いました。
草野 みき
それってブランドの歴史がない会社でもできますかね。
宮武 徹郎
できると思います。
ただ多分、草野さんが言うように、なんかもうちょっとラグジュアリー的な体験によりなったりとかすると思うんですけど、でもこれって別に、ブランドしかもリテールブランドだけじゃないと思うんですよ。
例えばですけど、もうちょっとわかりやすい事例で言うと、スーパーヒューマンって多分そうだと思うんですよ。
メールサービスの。
オンボーディングにめっちゃ時間かかるじゃないですか。今はそうかどうかわかんないですけど、昔初期は、全員マニュアル1対1の面談をあえて入れて、そこでオンボーディングさせてたっていう。今は多分違うと思うんですけど、昔はそうで。
結局30分ぐらい営業担当者と話さないと、そもそもオンボーディングできない。
アプリ使いませんっていう。あえてそこのタイミングを、その時間を遅らせることによって、そこの間の時間をめちゃくちゃ密度を高めた。
それによっていい体験を作ることで、よりそのライフタイムカスタマーになってくれる。
そこをすごい見てたのかなと思いますね。
草野 みき
確かに。ちょっと意地悪なことを言うと、時間をかけたことによって、こんだけ時間かけたんだからそれだけいい体験だよねって思う。自分で思い込むみたいなところもあったりするじゃないですか。
宮武 徹郎
ユーザーが。
草野 みき
ユーザーがとか、あと、これだけケアしてもらったらお金払わないとなっていうふうに思うとか、これだけ投資してきた時間をチャラにすることはできないみたいな心理とかあるじゃないですか。
宮武 徹郎
特に日本人はありますよね。ここに関しては。
草野 みき
アメリカはそうでもないですか。
宮武 徹郎
アメリカは多分日本ほどはない気がします。
でもあるのはあるんですけど、日本は多分特にあると思います。
草野 みき
どういう時感じるんですかそれは。
宮武 徹郎
何ですかね、なんかやっぱり何かに時間をかけたら、なんかそれをやり続けないといけないとか、なんか、
今、すぐに特定の事例は出てこないですけど、この話は一回誰かとしたことがあって、その話は言ってましたね。
なので、すごい、たまに見る事例だと、手紙を書いてくれるとか、
メッセージを一言、ブランドでもサービスでもいいですけど、それが手書きで書かれてあるとか、
草野 みき
それってより、なんか、なんかより思ってくれたんだって思ったりするじゃないですか。
宮武 徹郎
ここも、なんか、草野さんが言った話ってすごい大事だと思っていて、
必ずしもその時間帯が、すごい有益な情報を必ずしも渡すっていうのが大事ではなくて、
その時間の使い方の問題だと思うんですよ。
それがユーザーにどう見えるのか。
これだけ時間かけてくれたって思わせるのも一つの手ではあるので。
草野 みき
そうですね。人はたくさんあった方が愛着は空きますしね。心理的にも。
宮武 徹郎
なんで、なんか、この時間の見え方をもっともっと操作できると思っていて、
多分これのすごい良い事例がUberなんですよ。
Uberを使うからって別に、なんか、タクシーとの待ち時間の差ってどれだけあるかっていうと、
多分めちゃくちゃ差がない、差はないと思うんですよ。
草野 みき
うーん、そう思いますね。
宮武 徹郎
まあ、街によってだと思いますよ。
でも、なんか、例えばニューヨークとか行っても別にタクシーもいっぱいありますし、
でもあえてUber頼む人って多いと思うんですよ。
で、もちろんなんか決済体験とかそこの体験も一部あると思うんですけど、
もう一つ需要なのって、待ち時間が見えるか見えないかだと思うんですよ。
同じ待ち時間ですけど、タクシー待つのが嫌いっていう人って、
それってタクシーを待つ時間が長いからっていう話ではなくて、
いつ来るかがわかんないからと思っていて、
なんかUberの場合だと、明確に何分後に来るっていうのを書いてくれるのが大事だろうなっていうのを思うんですよね。
それがいくら15分後でも、1分後でもあんま変わらない気がしていて、
ちゃんと書いてくれるっていう、で、その間の時間を、
例えば15分後だと、なんかちょっとトイレに行けるとか、コーヒー買いに行けるとかって思えるので、
そこの時間の見せ方も結構重要かなと思いますね。
草野 みき
時間をコントロールできているような気持ちになる。
予約はできるっていう、ちょっと安心感がありますよね。
それで時間が見える。
宮武 徹郎
なんかこれ、その違う事例で言うと、
2000年代の話なんで、だいぶ20年くらい前の話になっちゃうんですけど、
あるヒューストンの空港で、
荷物を預けてそれをピックアップしに行くじゃないですか、みんな飛行機降りた後に。
そこの待ち時間が長すぎますっていうクレームがいっぱい入り始めていて、
じゃあ何をするべきかというと、当然ながら空港は、
じゃあそこに対して、
草野 みき
カバンを出すスタッフを増やしましょうと。
宮武 徹郎
そこでより待ち時間を減らせ、削減できたら満足度が上がりますと。
少なくともその業界水準あたりまでは。
と思ったら、平均待ち時間は落ちたんですよ。
8分になって。
でもクレームは続いたんですよ。
じゃあどうするかと言った時に、経営メンバーが空港内の分析をして、
そこで彼らが分かったのが、
飛行機降りてから荷物を取る場所、
までの距離が1分ぐらいだったんですよ。
でも結局その荷物が最後、出るまで8分かかるんですよ。
なんで1分間歩いて7分間待つんですよ。
それイコールその8分間の中の8割9割は、
ただの待ち時間なんですよ。
本当に立って待ってるだけじゃないですか。
それがちょっとピンときて、空港側がアプローチを変えて、
待ち時間を削減するのではなくて、距離を遠くしたんですよ。
草野 みき
飛行機降りる場所から荷物を取る場所まで。
宮武 徹郎
それを6倍ぐらいの長くしたんですよ。距離を。
草野 みき
うわー長い。
宮武 徹郎
でも結果として、荷物が来るのは別に同じタイミングに来るじゃないですか。
なんで歩くのが6分で、待つのが2分になったんですよ。
草野 みき
そしたらクレームがほぼゼロになったんですよ。
宮武 徹郎
同じ時間なのに、その間に何かさせてるとか、
無理に待たないといけないって思わせるのが、クレームにつながってたっていう話ですね。
草野 みき
確かに。歩いてるとかだと全然、何かをしている状態、進んでる気がしますもんね。
進んでますけど、何かことが進んでるような気がするっていう。
宮武 徹郎
ちょっと遠いなって思っちゃうかもしれないですけど、
でもみんな同じだからなって思っちゃうので。
草野 みき
しょうがないなぁとも思いますよね。
宮武 徹郎
結局この待ち時間とかっていうのって、ユーザー側の視点がすごい大事。
ユーザー側の感覚値、どういうふうに時間を捉えるかっていうのが大事なのかなと思うので、
別に何か同じスピード感でもそこが、価値観が変わるっていうのが大事。
草野 みき
確かに。スラックとかも昔、今あんまりない気がするんですけど、
ロードするときに、こんにちは、仕事の効率頑張ってみたいな、
何かそのメッセージが毎回ランダムで出てくるみたいなのも。
宮武 徹郎
出てましたね。あれ良かったですよね。
草野 みき
良かったですよね。でも何かスピードが速くなって出なくなった気がするんですけど、
宮武 徹郎
何かああいうのとかは面白いですよね。
確かに。何かそれこそ、時間の使い方の価値も人によって違うじゃないですか。
例えばですけど、ニューヨークだと、
人って喋るの、平均的に多分早いんですよ。
アメリカの南の方に行くと遅いんですよ。
でもどちら側も、ある程度意図してやっていて、
それはお互い時間に対するリスペクトとしてやってるんですよ。