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宮武 徹郎
みなさん、こんにちは。草のみきです。 宮武哲郎です。
草野 みき
Off Topicは、アメリカを中心に最新テクニックやスタートアップ、ビジネス情報を緩く深掘りしながらご紹介する番組です。
宮武 徹郎
今回のトピックは、悪役とストーリーテリンクについて話していきたいと思います。
はい、今日に関しては、前回、Nike の話とか色々したと思うので、
そこに合わせて、スタートアップブランドのストリーテリング作りの重要性について話していければなと思うんですけど、
ストリーテリングがすごい重要です、みたいな話、多分、いろんな会社とかいろんな人が今まで言ってきたと思うので、
そこについてすごい深掘りするっていうよりも、その中の特定の部分、特にこの悪役っていうところについて、色々、今日話していきたいなっていうところですね。
はい、で、まあ、やっぱり、いい悪役とかを考えた時に、
やっぱり、映画とか、まず会社ではなくて、コンテンツの方での、いい映画とか、ヴィランと呼ばれるような存在を考えるべきかなと思っていて、
映画の、いろんな映画を、まあ、すごい映画を見てるわけではないですけど、見た中の映画で、すごい好きなオープニングで言うと、
The Dark Knight っていう、バットマンシリーズの映画の。
草野 みき
有名ですよね。
宮武 徹郎
そうですよね。その、しかも、オープニングもすごい有名ですよね。
なんか、バックストーリーがなくて、もう、なんか、音から、音楽から、その、まあ、ズームインの仕方から、なんかそのアクションが最初から入っているっていうところで、まあ、最初からその悪役の方を見せに行くっていう判断をしたのは、すごい個人的には面白くて、
で、まあ、なんか、これは必ずしそうではないんですけど、いいヒーローの裏には結構いいビランがいるみたいなことってよく起きるかなと思うんですけど、
よく、その、アメリカで言われるのは、その、まあ、ジョーカーとか、
うーん。
あとは、まあ、スターウォーズのダース・ウェーダーとか、まあ、たぶんよく言われるような、ええ、いい悪役だと思うんですけど、
なんか、この、ザ・ダークナイトの、この、まあ、ジョーカーがよく悪役として呼ばれているんですけど、なんか、ザ・ダークナイトはちょっと特殊で、複数のビランが存在する映画だと思っていて、
で、まあ、ちょっと、題前の映画なので、別に、なんか、多少なり、何を言っちゃってもいいかなと思うんですけど、
草野 みき
うん。一番有名なビラン。
宮武 徹郎
そうですね。
草野 みき
正直。
宮武 徹郎
なんで、まあ、なんか、もちろんなんか、クリスタファー・ノーラン監督が作った映画なんですけど、その、各キャラクターが、その、メインのテーマがあるんですけど、なんか、それぞれにナラティブがしっかり持っていて、
で、この映画のちょっと特殊な部分が、その、3人のキャラクターを軸とした映画になっていて、それがまあ、バットマン、ジョーカー、そしてその間にいるハーヴィデントっていうキャラクターなんですけど、
なんか、この、ハーヴィデントの、なんか、使い方がすごい上手いなと思っていて、
うーん。
結局、その、この映画の、まあ、なんか、詳細までは話さないですけど、なんか、ざっくり言うと、その、バットマンとジョーカーがハーヴィデントの未来を懸けた戦いをしてるんですよ。
草野 みき
うーん。
宮武 徹郎
で、どちらも、その、その、ハーヴィデントが自分、自分のビジョンを成し遂げるための、なんか、いいツールだっていうふうに思っていて、
で、バットマンとしてはハーヴィデントを活用して、えー、まあ、平和を作って、バットマンを必要な、必要ない、あの、街にすると。
で、ジョーカーは、えっと、誰でも、まあ、ハーヴィデントですら、えー、自分の、えー、その、えー、カオスに陥るような、えっと、ことが可能にな、なるっていうことを証明したい。
草野 みき
うんうん。
宮武 徹郎
で、えっと、結果、結果的にジョーカーが勝つんですけど、で、それで、ハーヴィデントが、その、えー、まあ、ツーフェイスっていう、ヴィランに、えー、か、えーと、まあ、変わ、変わるっていうところ。
で、えっと、その後、まあ、バットマンと、あと、あの、コミッショナー5弾、えー、まあ、警察の、えー、5弾が、えっと、まあ、いろん、いろいろハーヴィデントのや、やったことをかばうんですけど、
で、それに、それをやるたびに、なんか、嘘をついたり、いろんな、自分たちがやらない、今までやらないって、誓ってたことをやってしまうっていうところで、なんか、いろんな意味で、その、ストーリーとか、その、ヴィランの作り方が非常に上手いなと思っていて、なんか、まあ、だからこそ、あの、まあ、特に、ザ・ダークナイトとかは、結構、その、スーパーヒーロー映画、中でも、まあ、結構トップに入る、えーと、よく言われていると思うんですけど、なんか、こういう、いいストーリーって、いいヴィラン役、悪役が、結構、多いなと思っていて、
もちろん、必ずそうではないんですけど、で、なんか、それを、なんか、スタートアップとか、その、ブランドとか、その、会社作りの中でも、なんか、同じように言えるのかな、っていうふうに思うんですよね。
草野 みき
うーん、なんか、最近、その、登場人物全員、悪い人みたいな、悪い人っていうか、なんか、サクセッションとかもそうだと思うんですけど、なんか、悪い一面がみんなあるみたいなパターンとか、いい面がみんなあるみたいなパターンも、結構、好きですね。
草野 みき
なんか、ちょっと話し逸れちゃうかもしれないんですけど、なんか、みんな出てくる人が、いい人みたいな、で、その中でも、そこの、なんか、自分なりの正義が、ちょっとずつ、それぞれ違って、みたいなのも、まあ、その、悪役のバックストーリーみたいな、ディズニーとかもそうですけど、悪役になるまでの過程には、こういう過去がある、みたいなのって、それも、やっぱ、面白い、いいヴィランっていう感じもしますよね。
宮武 徹郎
実は、ちゃんとした理由があったんですよ、みたいなことですよね。で、なんか、必ずしも、なんか、完全なる悪の人ではなくて、すごいニュアンスのこもった人で、まあ、それで、こういう悪の存在になったんですよ、っていうところですよね。
ミレイ ウィキッドとかも、まさにそんな感じですね。 まあ、でも、それこそ、スターウォースのダースウェーダーとかも、なんか、そういう場面があったりとかもしたりすると思うので、だから、やっぱり、想定以上に複雑なキャラクター設定っていうのは、なんか、昔のディズニーとちょっと違いますよね。
ミレイ うーん。 昔のディズニーって、なんか、完全なる良い、完全なる悪、みたいな感じで分けてたと思うので、そことはちょっと違いますよね。
草野 みき
ミレイ なんで、この人は悪い人なんだろう、みたいなのを、あんまり理由なく物語の中で作られたって感じがありましたよね。それをもっと言及しないといけないというか、まあ、言及することが面白い感じにはなった気がしますよね。
そうですね。あとは、まあ、草野さんが言ったように、あの、その、悪役をより主人公とした映画とか、その、コンテンツも、なんか、結構増えてるのかなと思うので、なんか、草野さんはあれですね、バッドボーイズとか、見たりとか、僕は全く見てないですけど。
草野 みき
ミレイ ザボーイズですか? ザボーイズか。ミレイ めちゃくちゃバッドボーイズですけど、スーパー、まあ、マーベルみたいなスーパーヒーローを作ってる、なんか、会社がいて、でも、その会社に属してるスーパーヒーローは、めちゃくちゃ悪いやつで、いけすかないやつ、みたいな話ですけど、なんか、それも面白いですよね。
でも、それに関しては、あの、あんまり、その、なるべく理由もそんなに、あるっちゃあるんですけど、なんか、それにめちゃくちゃ共感する、あの、かわいそうに、っていう感じはそこまでないんですけど、面白いですよね。
宮武 徹郎
まあ、なんか、でも、こういう、なんか、その、いい悪役をより作るって、なんか、なんか、今まで以上に、その、エンタメ業界だと、より重要視されてるのかもしれないですし、なんか、それこそ、そういうのが、スタートアップの世界とかに必要になってくるかなと思っていて、まあ、なんか、そもそもストーリーテリングって、すごい重要じゃないですか。
草野 みき
うーん、はい。
宮武 徹郎
なんか、その、ストーリーテリングを、まあ、そもそも、その、初期言語、その、書き物の言語の前から存在してるものですし、あの、まあ、昔、本当に昔だと、人をどっかに動かさないといけないためにストーリーを語ったりとか、してたわけなので、なんか、それ、それって、なんか、いわゆる、その、ファクトベースだけではなくて、感情ベースで人を動かすっていうのが、まあ、こういうストーリーの、たぶん、一つの、えー、まあ、
やり方っていうか、まあ、それの意味合いっていうところもあるので、結局、起業家もストーリーテレラにならないといけなくて、その、えー、自分たちの初期の信者、えー、を、えっと、まあ、作るため、まあ、説得させるために、えっと、このスタートアップで働くこと、このスタートアップを使うことによって、まあ、人生が変わるんですよっていうのを、えっと、まあ、そういうプレゼン、そういうストーリーを作らないといけない。
えー、でも、それイコール、今の既存の、今の現状が、えっと、課題があるとか、現状に、まあ、不満が、こういう不満があるんですよっていうストーリーも作らないといけないというところなので、なんか、で、しかも、その、今のところに課題があるだけではなくて、それを乗り越えるための、えー、何かがあると、えー、で、その先に何かがあるっていうのをちゃんと、えー、描かないといけないので、それがまさに一つのストーリー。
だと思うんですけど、だから、このストーリーテリングを、なんか、うまく活用した会社の事例を色々調べてたときに、なんか、一社必ず出てくる会社がありまして、そのテック業界の中だと、それがAirbnb。
うーん。
で、これが、えっと、当時、2011年だったんですけど、えっと、Airbnbが、まあ、伸び始めていたタイミング。で、えっと、結構そのシェアを取り始めていて、その、これから海外展開しようかみたいな話を、えー、社内でしてたときに、なんか、同時に海外展開だけではなくて、次の大きなステップとして何をするべきかっていうのを議論してたんですよね。
で、それが、なんか、まあ、より、その、今の既存のプラットフォームを拡大するっていう、まあ、より多くの宿泊先をプラットフォームに載せるっていうオプションなのか、まあ、例えば、他のP2Pの、あの、えー、レンタル市場に入るのかと、例えば、車の、えー、まあ、車をレンタルしたりとか、オフィススペースをレンタルするみたいなことも考えてたらしいんですよね。
草野 みき
うんうん。
宮武 徹郎
で、えっと、まあ、その、2011年の冬休み中、まあ、クリスマス休暇中に、えー、AirbnbのCEOの、えー、ブライアンチェスキーさんが、あの、彼はウォルト・ディズニーが大好きなので、あの、ウォルト・ディズニーの電気を読んでたんですけど、そこで、なんか、まあ、あるアイデア浮かぶんですけど、あの、ウォルト・ディズニーが、あの、えー、まあ、現代の、えっと、ストーリーボードっていう、あの、手法があるじゃないですか。
ストーリーを作る中で、それを、ウォルト・ディズニーが作ってるんですよ。
草野 みき
発明したってことですか?
宮武 徹郎
まあ、ほぼ発明したっていう。も、もちろん、なんか、ストーリーボードみたいな形は、過去にはあったんですけど、それを、いわゆる、現、現代のストーリーボードと言われるものは、えっと、ウォルト・ディズニーが作ったとよく言われてるんですけど、その手法を、一番最初の映画に、えっと、ウォルト・ディズニーが使っていて、えー、その映画が、あの、白雪姫、スノーワイトなんですよね。
で、えっと、白雪姫って、過去を多分、オフトビックでも話したことがあるんですけど、そこのバックストーリーをちょっとだけ。当時、1935年に、その、えー、その映画を作ろうとしていて、えー、最終的に1938年、3年ぐらいかかってるんですけど、結構苦労してるんですよね、その間。
大平 その、制作が大変すぎて。 制作ですね。で、まあ、コストが、まずめちゃくちゃ高くて、なんか、想定の予算の10倍かかったとか。
大平 でも、今見ても、最近できたって言っても、あの、驚かないクオリティですもんね。本当にすごいですよね。 そうですよね。うん。で、それを、まあ、1938年に出すって、なかなか、もう、あっという間に100年ですからね、そういう意味ですね。
大平 いや、すごいですね。確かに。 で、なんか、結局1.5ミリオンぐらいかかったんですけど、あの、もう、家を担保にしないといけないぐらい、その、コストがかかっていて。
大平 へえ。 人生かけたっていう、本当に、本当に、自分の人生かけたような作品で、最終的にリリースされて、8ミリオン売り上げたったので、まあ、めちゃくちゃ儲かって。で、そこから、まあ、今、知ってるディズニーが生まれたみたいなことをよく言われてるんですけど、
やっぱり、しらゆきみえを出す前で、その、ディズニーって、その、より、その、ショートフォームのコンテンツを出してたんですよね。
大平 うーん。 なんか、数分間とか、場合によっては10分間とかの、えっと、アニメを出してたんですけど、なんか、俺とディズニーは、より深みがある、よりオーディエンスとつながりを作りたいために、まあ、その、映画、映画の長さの、えっと、作品を出したくて。
ただ、難しいのが、やっぱり、アニメって、いろんな人が関わってくるじゃないですか。
草野 みき
大平 いや、もう、人、すごいですよね。クレジットとか見ると、あ、こんなに人が関わってる。まあ、当たり前だとは思うんですけど、びっくりしますよね。
宮武 徹郎
うん。いや、でも、ほんとに想定以上ですね。その、一般の人から見ると、なんか、あ、こんなことまで、なんか、別の人が担当が必要なんだとかって思ったりするので、でも、そうすると、やっぱり、一つのビジョンにまとめるのがすごい大変じゃないですか。
いろんな人が関わってるので、で、だからこそ、ストーリーボードっていうものを作ったんですよね。
草野 みき
大平 うーん、その、ストーリーボードっていうのは、いわゆる、ほんとに、映画の中でのストーリーのボードですよね。プロジェクトじゃなくて。
宮武 徹郎
あ、そうです、そうです。まさに、その、映画のストーリーボードっていうところで。で、なんで、まあ、そこから、結構、いろんな映画とかでも、その、ストーリーボードをより使うようになり始めたんですけど、
その、エアビー&ビーの、あの、ブライアン・チェスキーさんがそれを読んで、クリスマス休暇から戻ってきて、もう、めちゃくちゃテンション上がって、だ、だらしいんですけど、もう、エアビー&ビーもストーリーボード使うぞと。
大平 うーん。
あの、それで、それで、よりエアビー&ビーの顧客体験を知りましょうと、って言って、それで、えっと、新しい社内プロジェクトを立ち上げたんですよ。
それを、まあ、その、社内、えっと、まあ、あの、エアビー&ビーの顧客体験をストーリーボード化するプロジェクトですね。
で、その、あの、あの、プロジェクトのコード、コードネームが、もちろんですけど、白雪姫。
草野 みき
大平 おおー。好きですね。
宮武 徹郎
はい。あの、で、そこで、な、何をやったかっていうと、まあ、まず、その、エアビー&ビーに出格するときの、まあ、その、いろんなステークホルダーがいるので、
各ステークホルダーの、一番感情的になると思う瞬間をリストアップして、で、そこから、その、選んで、えっと、その、いくつか選んだ中をストーリーボード化したんですよね。
で、まあ、さすがだなって思うのが、あの、やっぱり本格的にストーリーボード化したかったので、あの、ブライアンチェスキーさんが、あの、わざわざ、ピクサーのアニメーター採用したんですよ、このプロジェクトのために。
草野 みき
すごい。
宮武 徹郎
あの、ニック・サングっていう方なんですけど、彼が本当に、あの、最後の3つ、3つ選んだ、えっと、ストーリーを、あの、彼が担当してプロデュースしたんですよ。
草野 みき
へえ。それはどっかで公開されてるんですか?
宮武 徹郎
いや、たぶん、社内だけだと思います。
草野 みき
わあ、見たいですね、それは。
宮武 徹郎
ちょっと見たいですよね。どんな作品になってるのか、すごい気になるんですけど、なんか、一応、一つが、その、ホスト側、エアビー&ビー、その、あの、家を提供するホスト側がいるので、
ホスト側のプロセスをストーリーボード化したもの、で、あとゲスト体験、ゲストを、えっと、ストーリーボード化したもの、で、3つ目が採用プロセスを、えっと、ストーリーボード化したものっていう、その3つあったらしいんですけど、
なんか、例えば、その、ホスト側の話だと、その、最終的にその、お金儲けをできるので、そのお金を持って何をできるかみたいなことをなんか考えたりとか、まあ、それがストーリーの中に組み込まれたり、
あとは、まあ、その、ゲスト側では、その、エアビー&ビーの宿泊施設に、あの、到着する時に、これが良いアイディアだったのか、悪いアイディアだったのかを、その瞬時に決めるような、まあ、それって、確かに、なんか、エアビー&ビーの体験をしてると、なんか、そう、そう感じる気はするので、
なんか、そういう瞬間をしっかり絵として捉えてるのを、えっと、彼らがやっていたんですけど、なんか、それをやることによって、前よりも、その、まあ、気づきがあったポイントで言うと、やっぱりサイトだけではないですと、エアビー&ビーって。
草野 みき
うん。
より、その、オンラインとオフラインをどうブリッジさせるのかが、より重要になってるっていうのを、彼らがそのストーリーを見て気づいて、で、そこで最終的に、よりモバイルを強化しようっていう手判断になったらしいんですよね。
なるほど。なんか、カスタマージャーニーとちょっと似てるのかなと思ったんですけど、ストーリーボードの方がより立体的というか、なんか、いろんな体験から見てというか、もうちょっとビジュアライズされてるからわかりやすそうですね。
宮武 徹郎
そうですね。たぶん、さっき言うように、カスタマージャーニーとほぼ同じだと思うので、それのいろんなカスタマーって多分エアビー&ビー内にはいるので、それをちゃんと絵として落としたっていう感じですよね。
うーん。 これも経営者によって、よりわかりやすいのがどっちなのかっていうのもあると思うので、テキストでわかりやすい人もいれば、絵とか動くものでわかりやすいって人もいるので、おそらくブライアンさんからすると、より絵でわかりやすかったっていうところだと思うんですよ。
なるほど。 なので、そういうストーリーのストーリーテリングの使い方っていうのがいろいろあるんですけど、このストーリーを作るとき、スタートアップ側が1つ、2つすごい重要な要素があるとすると、インサイトとプロダクトってスタートアップにとってすごい重要じゃないですか。
インサイトっていうのはその気づきですよね。これが課題だったっていう気づきとか、これが可能だっていう、こういう業界とかこういうやり方があるんだって思った瞬間、その起業家とかが。それに対して良いプロダクトを提供するっていうのって、これって、ただスタートアップとか会社作りだけの話ではなくて、エンタメとかコンテンツも同じようなストーリーの展開っていっぱいあるなと思っていて。
たとえばスターウォーズとかでもそのフォースっていうインサイトがあって、そのフォースを使ってそのライトセーバーとかを、それがプロダクトですよね。ライトセーバーを使って、で、まあ帝国を倒しに行けるみたいな。
大平 スターウォーズファン以外の方、ついてこれてますか。 ごめんなさい。それ以外の言いじれがすぐに思い出された。
草野 みき
大平 私もでもわかる。スターウォーズ、チラッとだけ見たことあるんですけど、フォースってなんかパワーみたいなことでしたっけ。
宮武 徹郎
大平 自然のエネルギーみたいな感じですね。それがあるっていうことをほとんどの人が知らなくて、それはジェダイが知ってて、そこにアクセスできるみたいな。
大平 フォースを解放するというか、アンロックするみたいな。 そういうフォースがあると、よりライトセーバーとか、そういう武器が使いやすくなったりとか、より力を持てるみたいな。
大平 なるほど。止めちゃってすいません。スターウォーズファンの皆さん。 僕もスターウォーズを全員が知ってる前提で話しちゃって。
草野 みき
大平 概念はわかってたんですけど、フォースってなんだっけなと思って。すいません。
宮武 徹郎
でも、その2つ、インサイトとプロダクトがあるからこそ、いわゆる帝国軍を、スターウォーズで言うと帝国軍を倒せるっていう思いになる。
実際倒せなくても、その可能性が出てくるって思えるんですよね。 それがまず重要なポイントだと思っていて、それって、いわゆるビフォーアフターが明確じゃないですか。
フォースとライトセーバー知らなかった前だと、おそらく倒せないと思ってたのが、それがあることによって倒せると思う。
で、そこが多分ストーリーのすごい重要なポイントで、それがいわゆる、今の既存の世界だと何もできないのが、新しいそれがスタートアップなのか、例えばこのフォースとライトセーバーなのかでもいいんですけど、それがあると世の中を変えられる。
そう思わせるっていうのがすごい重要になってくる。もちろんなんかいいプロダクトとかいいインサイトがないといけないんですけど。
草野 みき
確かに確かに。でも前に宮武さんと普通に雑談で話してたときに話したドラマの話していいですか。
もちろん。
ビッグプライズドアっていうApple TVプラスなんですけど、大好きな。
宮武 徹郎
ちょっとこれAppleさんからちょっといろいろあれですよ。スポンサーで。
草野 みき
そればっかりですいませんって感じなんですけど、みんなもう入りました?
宮武 徹郎
ちょっとコードないんですか。
草野 みき
いやでもそのドラマがめちゃくちゃ面白くて、まさにその話で、ちょっとファンタジーSFなんですけど、普通の街に謎のポテンシャルを測ってくれる機械みたいなのが出てきて、
それに自分の情報を入れると、あなたはマジシャンですみたいなのが出てきて、今までマジシャンやりたいと思ってなかったけど、才能がある、ポテンシャルがあるんだったらやってみようかなみたいなとか、
あなたはダンサーですみたいなのやって、今学校の先生やってるけど、そっち目指した方がいいのかもとか、
今までの過去の話とかを紐づいて、そこにみんなが向かっていくとか、全く関係なくても、みんなそっちに笛吹く人の才能があるって言ったら、
笛やっぱり吹いた方がいいんだみたいな、全然やってこなかったこととも関連づけてやるみたいな、何もランダムな情報なのに、占いとかも似てるかもしれないんですけど、
そのバイアスがかかって、モチベーションが上がるというか、ポテンシャルが評価された気持ちになるみたいなのって、すごい不思議だなっていう。
宮武 徹郎
それを言われることによって、それに気づき始めて好きになるって、実際やるみたいなことって、何ですかね、それこそ自分の目標を言うっていうところと似てるのかもしれないですね。
それだと自分が認識してやってるんですけど、それによりフォーカスできるんですかね、それを言われると。
あと、いわゆる期待されてるっていうところとかも多いんですかね、多分。
宮武 徹郎
そこは、でもそれこそストーリーの中でこういうインサイトとかこういう武器があるんですよっていうのは、別に、多分最初のスタートアップとかの初期ユーザーって、自ら探しに行って気づかないんですよね。
そうじゃないですか、基本的にほとんどのスタートアップの初期、例えば10年とか100人のユーザーって、そのユーザーが自ら探しに行って、そのスタートアップを探しに行ってるわけじゃないじゃないですか。
そのスタートアップが声かけに行ってるので、このサービスを使うといいですよっていうのを言いに行ってるので、それは似てるかもしれないですよね。
草野 みき
ユーザーヒアリングとかで、この機能欲しいですよね、みたいな聞くと、ああ、欲しいかもしれないです、みたいになっちゃうから、欲しい機能ないですか、みたいなのって聞かないほうがいいみたいな、答えはユーザーが持ってないみたいな、そこのユーザー側からの発見みたいなのもありそうですね。
宮武 徹郎
基本的にヒアリングだと課題とかそっちが大きくて、でもなんかこの初期信者を作るには、こういういいストーリーテリングっていうのが必要になってくると思うんですけど、だからその中でビランってなんだっていうところで言うと、いろんな形があるんですけど、スタートアップとしては最初のビランって課題なんですよね、すごい簡単に言うと。
で、課題っていろんな形の課題が存在すると思っていて、それはすごい簡単に言うと現状が課題なんですよ。
それが、もちろんなんか顧客の明確なペインポイントかもしれないですし、今の既存が既存の会社が作ってる環境かもしれないですし。
草野 みき
ビラン役として扱う、どういうふうにこう扱うイメージですか。
宮武 徹郎
すごいわかりやすい事例を言いますと、過去のオフトピックポッドキャストでも話した、セールスフォースが最初にローンチしたときに競合のイベントに乗り込みに行って、
それでノーソフトウェアっていうデモを起こしたりとか、まあそれも嘘のデモですけど、そういうのを起こしに行ったりとか、それでニュースを作るとかもあるんですけど、
どうしても新しいサービス作るってなったときに、もちろん課題解決とかそれを考える人って多いと思うんですけど、
やっぱりその後に、どうしても自分たちのGoToマーケットとか、営業ファネルとか、どういう風な広告チャンネルを使うとか、そこら辺を考える人って多いと思うんですけど、
もちろんそれもそれですごい大事だと思うんですけど、よりイノベーションがある会社を作るときって、その話以前にいかにムーブメントが作られるのかっていうところがすごい重要で、
これってマイノリティの苦しみがあって、それがいわゆる暴虐的なマジョリティをやっつけるような設計にしないといけないんですよね。
じゃないとムーブメントみたいなのが出てこないですし、これってすごい重要なのって、世界を2つに分けるんですよ。
今、既存の人たち、今ヤバい既存の世界を信じてる人と、未来を信じる人っていう分け方。どっちかに転んでくださいっていう。
そこのテンションを作ることによって、差分がわかりやすくなったりとか、より新しい世界っていうのを、比較じゃないですけど、描きやすくなる。
そこで徐々にマーケットシェアを取りに行くと、もともとスタートアップが考えてたことが、多分、当時は異端みたいなヤバいことみたいな風に言われてたのが、徐々に一般化する。
スタートアップを作るときとか、それこそVCが出資するときによく、コントラリアンにならなければいけないみたいな話ってよくあるじゃないですか。
逆張りですかね。
若干これってミスリードだと思っていて、コントラリアンって必ずしも、求めてるコントラリアンじゃないんですよ。
それって、いわゆる既存に対して、今ある世の中に対しての反応でしかないときもあって、いわゆるスタートアップでいうと、とりあえず今このサービスが成功してるので、その逆をやろうっていうだけ。
草野 みき
何も考えずに逆に張るみたいなのは違うよねっていう。
宮武 徹郎
いわゆるこれって例えば、子供がいた場合に、その子供が親が嫌いだから、いわゆる反抗期のタイミングで髪を染めるみたいな。
それが自分がめちゃくちゃイケてるから染めるのと、親が嫌いだから染めるっていうのと違うじゃないですか。
どっちが先に来るかだと思うんですよ。自分の意思が先に来るのか、親の意思が先に来るのか、それによって結構変わると思っていて。
親の意思であれば同調と同じことだと思うんですよ。
なので、よりプロアクティブにスタートアップにならないといけないと思っているので、いい言葉が正直そこまでないんですけど、
人に言ったらノンコンセンサスとかって言ったりもすると思うので、場合によってはそっちの方がいい言葉だと思うんですけど、
結局、さっき話したスターウォーズだとフォースとか、インサイトっていうところって、今の世の中の反応ではなくて、
自ら得たものじゃないといけないんですよ。こういう世界を作りたいとか、こういう世界が可能だっていうのをたぶん気づかないといけなくて。
自分自身が、なるほど。
そこで、まだ探検されてない未来を見つけに行く。それを考えた後に、ムーブメントを作らないといけないからこそ、その後ストーリーテリングが重要になってくるんですよ。
その後、比較じゃないですけど、違いを見せるっていうのが重要になってきていて、最初から違いのところに行くのは間違いだと思うんですよ。
草野 みき
カウンターカルチャーとメインストリームみたいなことにも近いんですかね。文化に抵抗するというか。
宮武 徹郎
例えば、カウンターカルチャーとかに関しても、おそらく同じことだと思っていて、最初に、例えば今の音楽が嫌いだから、新しい音楽を作りたいって思う人がいて、
それで、自らこれが面白いって思ったのがジャズだったとか。でも、今の存在する世の中の逆を、逆張りをしてジャズが生まれたわけじゃないと思うんですよ。
そこってでもすごい重要な違いだと思っていて、このコントラリアンになるとか、ノンコンセンサスになるっていう話ってよくスタートアップ業界だと、すごい悪い、変な意味で使われてると思っていて、
ただ逆張りすればいいっていう話ではないっていうのを多分、この回ですごい伝えたくて、ストーリーテリングってその後に来るものなんですよというところですね。
草野 みき
大平 なんかその後から逆張りみたいなのは、戦略、それを本当に本質的に理解してないとできないことというか、これが流行ってるんだから、この辺の逆が来るよねって来るパターンもあるけど、でもそれじゃあ何も考えずにやってることと同じで、
そこの今のメインストリームが盛り上がって、それに反対する人たちがいますよねみたいなのが分かった上でやるみたいなのとは違うみたいなことなんですかね。
宮武 徹郎
で、やっぱりトレンドサイクルとかもどっかの時に回ったりするじゃないですか、例えばファッションとか、コンテンツとかもそうだと思うんですけど、でも必ず順番に回ってくるわけじゃないじゃないですか。
なんか、必ず10年前のこのこの月に流行ったものが10年後のこの月に流行るみたいな話ではないので、それを自ら作りに行ったり、ちょっとひねった形で出したりする人たちが、それがきっかけとなって、そのコンテンツがよりバズったり、もう一回流行ったりすると思うので、
そこが結構なんですかね、結構重要な違いだと思うんですよね。そのストーリーを最初から考えてしまう、最初ありきでやってしまう人とプロダクトから始まってからそれをストーリー化するっていうところはまずすごい重要だと思うんですよね。
草野 みき
昔読んだ本で反逆の神話みたいな名前の本があって、海外の本なんですけど、なんかそれのサブタイトル反体制は金になるっていうタイトルで、そのカウンターカルチャーとメインストリームがいて、こういうカウンターにカルチャー、抵抗する人とか、そのルールに縛られてる世の中とかを制圧してるものみたいなのを解放するみたいなことって、
人間のニーズとして高くて、なんかそれってお金になりますよねみたいな、その本に関して全部がそうだなっていう話じゃないんですけど、なんかその逆割りの話をちょっと似てるのかなって、逆を行くことはお金になりやすいみたいなのを、なんかわかりやすく言語化したら反体制は金になるみたいなことなのかもしれないなっていう。
あとその本で書いてた、よくそのカウンターカルチャーとメインストリームみたいな二項対立みたいなのって、マトリックスとかでよく出てくるじゃないですか、赤と青の薬の、なんかそれもマトリックスっていうのは一つのシステムであって、そのシステムこそが私たちの敵ですよねっていう話とか、この今のビジネスマンとか、このいろんな人々たちこそがなんか、
その人たちはもうシステムの一部で敵だみたいな、なんかそれを二つに世界を分けるみたいな話のストーリーの面白いやり方だなって思いました。
宮武 徹郎
まあでもやっぱりわかりやすいですからね。なんか例えばなんかもう、それこそなんかそのスタートアップが悪役を作る時に、なんかこの会社はいいところもあるんですよ、でもなんかちょっと悪いのでそこをちょっとやっつけたいんですよみたいなこと言っても、あんまり信者はどうすればいいんですかみたいな感じになっちゃうので、
そこはやっぱり明確に悪役を作るっていうのって意外と重要だったりしますし、まあよりシンプルにストーリーを落とし込めるので、なんかそういう意味だとすごい使いやすいテクニックですよね。
なんかその中で、どういうテック企業が今までうまくそのヴィラン役、悪役を作ったのかって思うと、まあ今日はちょっと一社メインに事例を出したいんですけど、それがアップルかなと思っていて、ちょっと3つぐらい事例をアップルが3つぐらいヴィラン作ったことあるので過去に、まあそれ以外にもいろいろあるんですけど、
たぶん一番最初にすごいわかりやすいのが、アップルが出した有名な広告、1984の広告なんですけど、結構その広告業界だと本当にトップレベルの、市場のトップレベルの広告としても呼ばれているものなんですけど、
そのCMのちょっとだけその内容を説明すると、ちょっとディストピア風な世界を見せていて、でなんかその画面上にこのビッグブラザーと呼ばれるような、まあいわゆるIBMを表してるんですけど、なんかそれそのビッグブラザーがマス一般市民を洗脳してるみたいなシーンを描いていて、
でそこに対して、アップルを多分代表する女性の方が来て走って入って、ハンマーをそこに投げて、でそのスクリーンが壊れて、でそこでアップルがマッキン都市っていう新しい商品を出して世界を変えますということを表してるんですよね。
草野 みき
今じゃなんか、今のアップルじゃ考えられないぐらい結構尖ったクリエイティブですよね。
宮武 徹郎
たしかに、たしかに。今のアップルだとこれは出さないですよね。
草野 みき
やらないですね。
宮武 徹郎
やっぱり当時はまだ小さい、ある程度大きい会社ではあったんですけど、やっぱりIBMとかと比べたら圧倒的に小さかったと思うので、そこのポジショニングのところでより尖ったことができたっていうところですよね。
まあでもこの広告、くさなさんももちろん見たことあると思うんですけど、やっぱりビジュアルとか音声とか、ヴィランの見せ方とかもすごい上手くて、だとヒーローの見せ方、他が結構、なんか白黒系の映像なんですけど、唯一カラーが入ってるのがその女性だったり、
しかも赤色と結構目立つ色になったりとかもしているので、なんか明確にその人が誰なのかっていうのがわからないんですけど、でもそういういわゆる反乱者じゃないですけど、そういうのをアップルを代表してるみたいな感じで。
宮武 徹郎
で、まあ明らかにここのヴィランがIBM、まあすごい明確には言ってないですけど、IBMとして言われていて、で、このCMの中のもう一つの凄さってプロダクトを一切見せないんですよね。
草野 みき
たしかに。
宮武 徹郎
まあ、そろそろローンチしてないので、なんか見せられないっていうのはあるんですけど、でもなんか全くそのテック商品が出ないCMの中で、しかもなんかこのストーリーがヴィランが中心にあるんですよね。
草野 みき
ジョージ・オウェル1984のおまじりなんです。
宮武 徹郎
そうですそうですまさにそうですね。
で、なんかそういうジョージ・オウェルの1984みたいになりませんよっていうのを言ってるんですよね。
まあ、予算がたぶん1ミリオンぐらいあったんですけど、当時はたぶんかなりの大きな予算。
当時のしかもAppleだとだいぶめちゃくちゃうまくいってたわけではないので、60秒間ぐらいの広告だったんですけど、その広告をスーパーボールで出したんですよ。
スーパーボールで出して最初の100日間で7.2万台のパソコンを売れたので、それはもう大成功してるんですよね。
で、よくあのCMのおかげで、いわゆるスーパーボールのCMでもっと画期的なことをやらないといけないみたいなことが業界内で話題になって、
そこから今のスーパーボールの広告の形になったみたいな、いろんな毎年みんなそういうことをやるので。
草野 みき
アップルのCMからなんですね。
宮武 徹郎
そこからっていうのはよく言われてます。実際としてはわかんないですけど。
このCMってすごい面白いバックストーリーがいろいろありまして、まず世の中に2回しか公開されてないんですよ。
正式にテレビCMとして。1回目はスーパーボールで、2回目は1983年の終わり12月に公開されてるんですよ。
で、これ2回公開したのってすごい意図的で、元で1回だけしか出さない予定だったんですよ。
でも2回目出した理由としては、カンヌの広告のショーがあるんですよね。
そこにノミレートされる条件として2回以上出さないといけないんですよ。CMを。
それに満たすために出したっていう。
そんな理由か。
割と大したことなかったっていう。
何か別のイベントがあったのかなと思ったら。
全くそんな感じではないです。
草野 みき
審査基準でした。
宮武 徹郎
そうです。それによって賞を実際受賞して、それでもう1回話題になったっていうのがあるんですけど。
あとやっぱり、今多分僕とか草野さんは当時生きてなかったので、実際それをリアルタイムに見てたわけではないので、
後々見て、今のアップルの凄さを分かっているので、これってすごいなって思えるんですけど、
当時はちょっと違うリアクションが結構出ていて、結構複雑だったんですよ。
草野 みき
えー、嫌いな人もいた?
宮武 徹郎
嫌いな人も全然いたっていうところで、
それこそ、あるオーギルビーってすごい有名な広告代理店のシニアVPの方が、実際これは公開されている記事とかでコメントしているのが、
あの広告は気取ってると。
言ってることは分からなくはないんですけど。
草野 みき
へー、気取ってるって英語で何て言うんですか?
宮武 徹郎
えーと、たぶんその時に彼が使った言葉は、Sophomoreっていう言葉ですね。
草野 みき
へー、勉強になる。
気取ってる。
おしゃれすぎみたいな意味合いですか?
宮武 徹郎
おそらく商品とかそういうのを出さずに、自分たちが上から、みたいな。
たぶんそういう意味合いだと思うんですけど。
草野 みき
かっこつけ、もっと商品出せばいいのに、みたいな。
宮武 徹郎
かっこつけてるんだよねっていう感じですよ。
それは外部じゃないですか。
あのCM作ったのシャイアットデイなので、すごい有名な広告代理店ですけど。
ただ、社内でも結構意見が散らばってたんですよ。
草野 みき
うーん、確かに100%商産のCMでは確かにないかもしれないですね。
宮武 徹郎
商品一切出さないんですか?みたいな。
しかもめっちゃ批判してるし。
まずなんですけど、これをスーパーボールに出すことを、スティーブ・ジョブズに説得しないといけなかったんですよ。
なぜかというと、スティーブ・ジョブズはスーパーボールを見る人たちはパソコンを買う人たちなのかっていうのを疑ってたんですよ。
当時はそうかもしれない、それを疑ってもおかしくなかったかもしれないですけど。
それは説得しましたと。
じゃあこれからCM出すっていうところで、枠をまず買いに行かないといけないんですよね。
高い?
当時は、今はもうすごい高いんですけど、当時はそれでも高かったので。
草野 みき
でも2分買ったんですよ、枠を。
宮武 徹郎
あの広告って1分間なので、2回出せる余裕を買ったんですよ。
その後に、その広告をAppleの取締役に、取締役会で見せたんですよ。
これでスーパーボール行きますと。
1分間それを皆さん見て、その後、めっちゃ静かになったんですよ。
マジかって思ったかもしれないですね。
一番最初に発言したのが、マイク・マルカラさんっていう方で、
Appleの一番最初の投資家なんですよ。
でもスティーブ・ジョブズとすごい仲良くて、よくAppleの映画とかでも出てくる人ですけど、
彼がスティーブ・ジョブズに向かって、こんな広告を見せようと思ってるんですか?っていうのを言ったらしいんですよ。
草野 みき
確かに、最初の沈黙は、これどっちだ?みたいな。
スティーブはどっちだ?
宮武 徹郎
嫌いな人も全然いたと思うんですけど、誰も言えなかったと思うんですよ。
それで最初に言ったのが、結構ネガティブな発言だったので、
そこから、もうミーティングもすごいネガティブなトーンになっちゃって、
Appleのマッキン・トシ、それマッキン・トシを宣伝してるので、
マッキン・トシのマーケティングディレクターが呼ばれて、
あのスーパーボールの2分の枠を売れと。
草野 みき
もういらないって。
宮武 徹郎
Appleはもうこれで広告出しませんと。
って言ったんですよ。
で、1分間は売ったんですよ。
でも、2分目の1分間は売れなかったって言ったんですよ。
で、いまだにこれAppleも、
Appleの人たちはシャイアットデイが売ってるんですけど、
売って1分間売って1分間は売らなかったんですけど、
どこまでシャイアットデイが本気で売ろうとしたかが、
いまだに聞いてないらしいんですよ。
噂によると、たぶん本気で売ろうとしなかった。
草野 みき
本当にこれいけると信じてたんですね。
で、それで出たっていう。
宮武 徹郎
でも、それだけやっぱりハードルが高かったらしいですね。
草野 みき
へー。
宮武 徹郎
まあ、ちょっとこれは全然、ヴィランと全く関係ない話ですけど、
バックストーリーとしてそういう話があったらしいんですけど、
宮武 徹郎
それが1つ目のヴィラン、悪役を作った事例ですね。
で、2つ目が、
これ、草野さんもしかしたらリアルタイムで見てるかもしれないんですけど、
日本で公開したか分かんないですけど、
Appleが2006年から2009年に出したGet a Macっていうキャンペーンがありまして、
66コマーシャルを出してるんですけど、
それがMac vs PCの、すごい有名ですよね。有名なCMを出していて、
いわゆるAppleを代表する人とPCを代表する人を一緒に出して、
お互い何かの機能とか、こういうことができるんですよっていう話をお互いして、
それでわかりやすく比較するっていう。
草野 みき
日本だと、ラーメンズっていうお笑い芸人の2人がやってましたね。
たぶん台本はたぶんアメリカと一緒だと思うんですけど、
日本語でそれをやってましたね。それもめっちゃ日本でも有名です。
宮武 徹郎
日本版があったんですね。知らなかった。
あります。
それはちょっと後で。
草野 みき
でもその有名人、その人たち自体もめっちゃ有名って、
クリエイターとして有名なので、それもたぶん人気のCMですね。
面白いですよね。僕はMacみたいな、
途中でMacはちょっとスマートで、PCはスーツ着てて、
宮武 徹郎
ザビジネスマンで、ちょっとオタクっぽくてみたいな感じですね。
草野 みき
途中で固まってみたいな、あ、フリーズしちゃったねみたいな、なんかそういうCMですよね。
宮武 徹郎
ちょっとピスタですよねみたいな。
でもなんかこれって、やはり人間として表すことによって、
より性格とか、よりライフスタイルとかパーソナリティを表現するのが上手かったっていうところですよね。
草野 みき
なんかそれもMacずるいですよね。
めっちゃ悪役にはしないけど、めっちゃドン臭そうなふうに見せるっていう。
でもなんかそのMacは優しい、おしゃれなやつみたいな、いいやつみたいな。
宮武 徹郎
そうなんですよ。完全な悪役ではないんですけど、なんかやっぱりクールではない、イケてないみたいな感じを出すのがすごい上手かったですよね。
草野 みき
ずるいな、でも面白い、いいCMでしたねあれは。
宮武 徹郎
でもなんかそこが、アメリカでは66CM出たんですけど、日本だとどれくらい出たのかちょっと気になる。
僕も見たことないので、後で調べます。
でもMacのシェアは、もちろんそれ以外のいろんな理由はあったんですけど、その期間中は5%から23%まで上がっていたり、
あとはやっぱりあれをベースにしたパロディとか、ポップカルチャーのリファレンスとかも結構多かったんですよね。
日本だとわかんないですけど、なんかアメリカだと、僕もそれこそ、たぶん中学生とかときに、倍に高校生だったかもしれないですけど、聞いてたんですけど、
Mac over PCっていう曲が出たり、すごい非公式だと思うんですけど、
ミュージックビデオ、たぶん一応、Notionのメモ欄に入れときますけど、
そういうのはなかったんですか?日本では。
草野 みき
そういうのはなかったかもしれないですね。
宮武 徹郎
なかなか、たぶんAppleのCMだから、なかなかパロディ化しづらかったかもしれないですね。
草野 みき
確かに。
宮武 徹郎
それが、いわゆる2つ目のビラン、悪役として、PCですよね。明確な相手を作ったんですけど、
宮武 徹郎
それはすごい上手いなって思うんですよね。
草野 みき
確かに。プライバシーは本当に、物体としてないし、しかも理解するのが難しいというか、プライバシーに対してどう対処すればいいのかっていうのが、
わからないことが多いので、その分やってくれるっていうヒーロー感はありますよね。
宮武 徹郎
誰もそれをやりたがらないっていうところをしっかりやってくれるみたいなところは言いやすいですよね。
でも、それこそさっき話したリクエストですとかのところに戻ると、コーポレートマーケティングを敵にしてるっていうのって、
彼らのサイトに行くとマニフェストページがあるんですよ。
マニフェストページに明確に、我々はコーポレートマーケティングを嫌いだっていうのを言ってるんですよね。
みんなと同じように嫌いですっていうのを言ってるので。
草野 みき
めっちゃマーケティング上手い会社ですけどね。
宮武 徹郎
そこら辺はやっぱり、そういう設定っていうか、悪役の設定っていろんな形があって、
必ずしもそれが人とか明確な会社とか既存の競合先じゃなくてもできるんですよね。
それが多分一つすごい重要なポイントあるっていうところと、
あと、これもさっきストーリーテリングの中で話したことと若干似てると思うんですけど、
ヴィランを作るときって比較対象になりやすいと思うんですけど、
ユーザーに比較させるのは間違いだと思うんですよ。
スタートアップ側から考えると。
草野 みき
新しい選択肢が見つけてしまうみたいな。
宮武 徹郎
そうですね、新しい選択肢とか。
考えすぎると、結局既存の大手の方がリソースとか持ってるので、
全機能とかに関して言うと、より細かい機能を持ってたりとかする可能性ってあるので、
例えばB2Bのソフトウェアとかに関して言うと。
草野 みき
一時期すごいLPに自分のサービスと他の他社サービスみたいなのコンペティターみたいなの出して、
○×でみたいなやつありましたけど、
これ入れてもいいのになみたいなパターンとかありますよね。
これ全部○じゃないみたいなのありますけど。
そうですね。
宮武 徹郎
ストーリーテリングの中で、より判断を強制させるっていうのってすごい重要だと思うんですよね。
それに対して比較させる時間をめちゃくちゃ与えてしまうと、
たぶん負けてしまう可能性って全然あったりするので、
AかBか、Bはこういう完全新しい世界を作り出すんですよっていうのを言った方が、
一般的に言うとそっちの方がユーザーが選びやすくなるところで、
場合によっては選ばない人も全然いると思うんですけど、
それはそれで良くて、
特に新しいものを作ろうとしているとか、イノベーティブなものを作ろうとしている中で、
全員が理解するっていうことを期待してはいけないと思うんですよ。
後々理解してくれるっていうところで、
まず最初に大事なのは信者を集めることなので、
重要なのって今の現状に納得しているのかっていうところなんですよね。
今の現状に納得していなかったらこのサービス使ってくださいっていうところと、
そのサービスを使った後に明確に見る世界が変わるはずなんですよ。
そこまでの体験を作っていればですけど、
それを作っていればすごい良いサービスを作りやすくなる。
ストーリーが本当にフィットするっていうところですね。
Uberとかは多分これがすごい良い事例だと思うんですけど、
よくマジックモーメントって呼ばれる瞬間とかだと思うんですけど、
出る時に払わなくていいって知った瞬間に、
今までの交通手段の考え方が全部変わるみたいな。
これはあるVCが言ってた話ですけど、
全員が市場の中でリンゴしか売ってなかった場合、
自分は5倍から10倍良いリンゴを売るべきではないと。
誰も売ってないバナナを売るべきだと。
そこで、全員バナナは好きじゃないかもしれないですけど、
徐々にそこの信者を増やしていくと、
もう完全にそこで市場を作りに行くの方が良いんじゃないかっていうのを言ったりしてるので。
なので、この比較をさせないっていうのってすごい大事だなと思う中で、
さっき話したMac VS PCってAppleのCMがあったと思うんですけど、
これって一見その比較対象にすごい見えやすいんですけど、
完全にそうではないと思っていて、
もちろん比較してる部分は全然あったりすると思うんですけど、
Appleが作ろうとしてる世界観が違いすぎて、
それを出してるっていうところだと思うんですよね。
なので、PCを使う人とか使い方を根本から考え直してくださいっていうところを見せようとしてるのかなっていう。
草野 みき
Macって呼んでください。PCとかではなくて。
宮武 徹郎
そこの、そういう部分もあれば、
あとはさっき言ったようなより明確なストーリーになる、
そのAかBかみたいな話って、
100ぐらいのブランドがあるかもしれないですけど、競争相手として。
でも、AかBかしか出さなければ、その2つの世界しかないみたいに見えちゃうので、
そうすると強制的にどっち派に行くかみたいな話になる。
これは個人的に政治に関してはすごい嫌いですけど、
プロダクト作りに関してはすごい良いと思ってるので。
草野 みき
オリポップ、BDTCのブランド、
新しいブランドとコカ・コーラ、VSとか、
そんな二強になってんだみたいな。
もうペプシとコカ・コーラじゃないんだみたいな。
それぐらいのライバル感になってんだみたいな、思っちゃいますよね。
宮武 徹郎
そのストーリーがちゃんと普及できれば、本当にそうユーザーが思うので、
それをしかもメディアがピックアップして、それも出して、
より多くの人がそう思って、それがどんどん加速していくっていうところですよね。
なので、このヴィランの重要性っていろんなところであると思うんですけど、
Appleに関してはすごい面白くて、
くさなさんもApple TVプラスいろいろ見てるので、
そこでの主観も教えて欲しいんですけど、
Appleってすごい自分たちがヴィランじゃないように見せようとしてるんですよね。
これって明確にある映画監督が言ってる話で、
ライアン・ジョンソンさんっていう方で、スターウォーズのエピソード8とかも作った人なんですけど、
AppleはヴィランにApple商品を使わせないっていう。
これはライアン・ジョンソンさんが、ナイフズアウトっていう映画を監督しているんですけど、