デカゴンの急成長
こんにちは、no topicです。このポッドキャストは、生成AI電話、ノーコールAIを提供するノーコール株式会社CEOの林が、AIや経営についての学びを発信する番組です。
今日のテーマは、最近シリーズCラウンドで140億円を調達したカスタマーサポートのプロダクト、デカゴンAIについて話していきたいと思っています。
このポッドキャストを、ちょっと新しい取り組みとして、今、私がバーっとディープリサーチだったりで調べてきて、ノートブックエレメントに入れたんですけど、
このノートブックエレメントのポッドキャスト機能を使いながら、こうある種、対話形式で、私がちょっと止めながら喋ってみたいなと思っているので、
ちょっと実験的にどういう形になるか聞いていただければなと思っています。
そうですね、昨今結構11XAIとか、すごい時価総額ついてたけど、本当はロゴで出てた企業全部POCだけでやってて、
実際はその後チャンしてて、全然嘘の数字でしたみたいなところあったと思うんですけど、
どうやらこのデカゴンは本物っぽい。本物のガチですごいAIプロダクトっぽいので、概要だけかもしれないですけど深掘っていってみたいなと思っています。
今回あなたが共有してくださった資料、非常に興味深かったですね。
本当に。
設立からまだ2年弱くらいですか。それで評価額10億ドルでの資金調達交渉中っていうAIスタートアップデカゴン。
そうですね、驚異的なスピードです。
評価額が15億ドルっていうことなんで、大体日本円だと2150億円ですね。
なのでシリーズCで2倍のユニコーンみたいな感じですよね。
デカコーンの5分の1、デカゴンだけに。
でもこのままいくとデカコーンになりそうなスピードですよね。
デカゴンがどうしてこんなに急成長しているのか、彼らの言うAIエージェントって何が違うのっていうところ。
あとこれが顧客サポート、さらに言えばあなたの仕事やビジネスにどう関わってくるのか、資料をちょっと深掘りしながら一緒に考えていきたいなと。
技術と顧客ニーズ
資料を見るとデカゴンのポイントって単なる応答するだけのチャットボットじゃないんですね。
払い戻しとかサブスクのキャンセルとか結構複雑な業務をAIが自立的にやっちゃう。
AIエージェントと呼んでいる、そこが特徴的ですよね。
なるほど。その創業者のお二人、ジェシー・チャンさんとアシュイン・スリニバスさん。
過去に会社を売却した経験のある、いわゆる2度目の起業家だって資料にはありますけど、その経験って具体的にデカゴンのどこに生きてる感じですか。
それはすごく大きいと思いますね。
資料から読み取れるのは、彼らが前回の経験から学んで、技術がすごいから始めるんじゃなくて、お客さんが本当にお金払ってでも解決したい課題って何だろうっていうのを決定的に探した点ですね。
だからいろいろな企業にヒアリングして、既存のカスタマーサポート、特に古いチャットボットへの不満がすごく大きいってことに気づいたわけです。
なるほど。技術起点じゃなくて顧客の痛みから入ってるんですね。
この技術起点じゃなくて顧客の痛みから入るっていう点はめちゃくちゃ共感していて、デカゴンほどの売り上げにはまだなってないんですけども、
うちも本当に同じようなところ、まさに同じような感じで、プロダクターアウトじゃなくてマーケットイン、マーケットにどんなペンがあってどんな需要が求められているのかっていう中で、
やっぱりこのチャットボットを設置しても、そもそもチャットボットを開いてもらえないし、開いたとしても回答率がみたいな問題があって、みんな結局電話をかけてきますって言って、
私たちは電話側にAIを持ってきたんですけど、なのでユーザーのワークフローを変えずにそのワークフローの中にAIを組み込むっていうことをすることで、
より極端にマーケットインしていこうとしているわけですけど、デカゴンもやっぱり同じようなUSでのペインっていうのを解決するために、
AIエージェントでそこを仕組み化していこうとしているということなんですね。
だからMVP、ミニマムバイアブルプロダクトから始めてお客さんのフィードバックでどんどん良くしていくっていう。
そのアプローチもその現れってことですかね。まさにそうだと思います。
技術的なところで言うと、鍵はやっぱりエージェント型AIっていうところですね。
エージェント型。
もちろんオープンAIとかアンスロピックとか最新のLLMは活用してるんですけど、自社のデータでファインチューニングもしてて、
でも一番違うのはAOPS、エージェントオペレーティングプロシージャーズっていう考え方と、
それによって実現される透明性と管理のしやすさへのこだわりですね。
AOPSですか。それはどういうものなんでしょう。もう少し具体的に言うと。
ビジネスモデルの特徴
はい。このAOPSっていうのが肝でして、簡単に言うとAIの行動マニュアルみたいなものなんですよ。
行動マニュアル。
企業側がこういう問い合わせが来たら、この手順でこの情報を見てこういうふうに判断しなさいみたいに、自然言語で指示したり修正したりできるんです。
へー。
これがAIが中で何やってるか分からないっていうブラックボックス問題を解消する大きな理由になってるんですね。
あーなるほど。AIの動きが見えて、しかも修正とかもできる。
そうですそうです。
要するにAOPSですかね。
AOPSですかね。は結構プロンプとエンジニアリングを使ってお客さんの、というか社内の業務フローだったりお客さんからの問い合わせに対するワークフローに自然言語で合わせていきましょうっていう話なのかなって理解しました。
結構今AIエージェントをやるとするとやっぱそっち側になっていくかなと思っていて、そっち側というのはそのAIについてあなたは何をやるべきだよみたいなことをちゃんとコンテキスト込みで教えてあげるっていう形。
ただ将来的には何をやるべきだよってコンテキスト込みで教えてあげなくても全体のコンテキストを取り込んで何をやるべきかを人間よりも高い制度で判断してほしいなと私的に思ってはいるし、
弊社ではそれができるような環境をやろうとしてるんですけど、お客さんの特にエンタープライズのところに入れていこうとすると、
全てのデータがドキュメント化されているわけがないんですよ。だからこそ俗人化されたものっていうものも含めてプロンプトエンジニアリングでマーケットにしていくっていうところが、
今のAIエージェントで売り上げを上げるためには最適解なのかなっていうのは聞いてて思いました。ただそのプロンプトエンジニアリングしてコンテキストを渡す中でも、
それがお客さんにとって使いやすいUI UXになっているっていうことはめちゃくちゃ重要だし、それどうやってるのかすごい気になりますが、
多分ちょっとそこまでの情報はインターネット上に出ていなさそうですね。はい続きを聞きましょう。
だから企業も安心して自社の業務に深く組み込めると。
それは確かに導入のハードル下がりますよね。それで実際に導入した企業ではその効果っていうのはどうなんですか。
資料に具体的な数字とかって。
出てますね。しかもかなり劇的な数字が、例えばクレディット会社のビルト、ここだとサポートチームが数百人規模だったのを65人にまで削減できたと。
数百人から65人。
それで月間で数十万ドルのコスト削減になったという話ですね。
資料にそう書いてあるとはいえ、これはちょっとインパクトすごいですね。
私も同じこと言いたいですね。資料にそう書いてあるとはいえインパクトすごいですよね。
数百人のカスタマーサポートが65人になるっていうところが、これ発表していて、お客さんも、ビルトの人も見れる状態になってるんで本当のことなんだと思うんですけど。
これぞAIみたいな事例ですよね。
AIだから人間の労働を完全に代替して業務を自動化してるみたいなところは、これぞAIっていう事例ですごく、
私たちの求めてた先生へのアプリケーションこれだよねっていう爽快感がすごいありますよね。
あとフィットネス企業のクラスパスの例だと、予約1件あたりのコストをなんと95%も削減したと。
95%!?
はい。こういうはっきりしたROI投資対効果があるからこそ、設立してたった1年ちょっとでARR、年間計上収益が60万ドルから1000万ドル超にまで急増したんですよね。
なるほどな。
だから今回のシリーズCの交渉で評価額15億ドルっていうのも納得できる数字かなと。
その成長を支えるビジネスモデルも面白いですよね。解決ごとの課金っていう。
成果報酬型ですね。
結果が出なきゃ費用は発生しないっていうのは顧客からしたら安心感ありますよね。
そうですね。成果とインセンティブがちゃんと連動してる。ただもちろん市場にはセールスフォースみたいな巨人とか、
あと元セールスフォースの共同CEOが率いるシエラとか、強力なライバルもいるわけじゃないですか。
いますね。
その中でデカゴンはどうやって差別化してるんでしょうか。
ちょっと差別化の話に行く前に、今の課金形態のところ。
ここがめちゃくちゃAI、生成AIのビジネスモデル、アプリケーションのビジネスモデルとして超重要なところだと思っていて、
解決ごとのモデルって言ってましたけど、正確に言うと会話ごとの重量課金モデルと、
解決ごとの成果課金みたいなところが2種類あるみたいですね。
会話ごとのボリュームで発生するトークン数で課金していきますみたいなことは、
一般的というかこれまでもあったようなところだし、うちもこっちなんですよ。
ただやっぱりやりたいのは、課題解決ごとにお金をもらうっていう。
何がいいかっていうと、導入のハードルがまず低いですと。
そもそも御社の売上だったりコストダウンのどちらかにならなければお金いただきませんと。
多分なったとしたらお金いただくんですけど、それって人がやるよりも安いですよっていう形になるので、
導入のハードルも低いし、そこのユニットエコノミックさえ社内で証明されてしまえば、
もうガンガン入っていきますっていう状態になるわけですよね。
人間と違ってクビにもすごくしやすいですし、
そういった意味でも経営の意思決定としても企業側としても、
課題解決型でも持ってこられると早く意思決定できるし、
会社側としてもデカゴンとしてもたくさんグッドクロスできますっていうことなんですけど、
難しいのが課題の解決を何とするかっていうところが、
カスタマーサポートのビジネスモデル
例えばカスタマーサポートの今回なんですけど、無限にあるわけですよね。
うちもそうで、電話でアポイントメントを取りますとか、
リマインドしてちゃんとお客さんに来てもらいますみたいなところをやってるわけですけど、
パターンが無限にあるわけですよ。
これを、いちいち一社ごとあなたの目標とするものはこれなので、
これを一件取るためにこれだけの料金いただきますねっていうのを、
一社ごとにカスタマイズするっていうのが、あんまり現実的だと思えてなくて、
だから私たち重量課金でやってるんですけど、
このデカゴンは一体どうやってこの課題解決ごとの成果報酬にしてるんだろうなっていうのが、
めっちゃ気になりますね。
ただこれがあるべき姿だなとすごく思っているし、
結果的に言うと重量課金よりも、
この成果報酬というか課題解決方の方が数倍単価は取れると思うので、
企業も顧客もみんなハッピーモデルだと思うんですよね。
ちょっとそこのビジネスモデルっていうところが公開されてはないんですが、
今後深掘って調査したいなというところですね。
そうですよね。そこ気になります。
資料によるとデカゴンは競合との性能比較テスト、いわゆるベイクオフってやつですね。
ベイクオフ。
複数の製品を同じ条件で直接試覚するテスト。
これで勝ってると主張してるみたいです。
特に強みとしてるのが複雑な問い合わせへの対応の精度、
それとさっき話に出たAOPSによる現場での使いやすさとか管理のしやすさ、
この辺りみたいですね。
なるほど。単に機能が多いとかじゃなくて、
特定の業務での精度と実際に現場がちゃんと使えるか管理できるか、
そこが勝負の分かれ目になってると。
そういうことだと思います。
既存のツールに満足してない、特定の課題を抱えてる企業をうまく捉えてる戦略なのかなと。
なるほど。
共有性みたいなところはさっき言った通りのところかなとは思ってますね。
ちゃんとお客さん側で使えるUI UXを整えていくっていうことと、
あとはお客さん側でこういうタスクもこういうタスクもみたいなやりたいタスクがたくさん出てきたときに、
そこをしっかり整えれる機能数の多さみたいなところがあるんじゃないのかなと思ってます。
ただこれって結構、何て言うんですかね、
共有性としては弱いなとは思っていて、どちらも簡単に真似できるものだとは思ってはいるので、
今デカゴンがスピード勝負で勝ってるだけなのかなって、これだけの情報を見ると私は思っちゃいますね。
今回、こうして資料を読み解いてみると、デカゴンの成功の背景には、
やっぱり経験豊富な創業者のその顧客視点の発想があって、
それからAI導入の不安におこたえる透明性っていう技術的な工夫、
そしてそれを裏付ける圧倒的なROI、この辺がうまく組み合わさっている結果なんだなと。
まさにおっしゃる通りですね。
競合に対する戦略
技術がすごいだけじゃなくて、それがどうビジネスのかだれ解決につながっているか、
そこがはっきりしている点が市場からも投資家からも評価されているその確信部分なんだろうなと思います。
では最後にですね、あなたと一緒にちょっと考えてみたい問いなんですけど、
デカゴンみたいなAIエージェントが今後さらに進化して、
顧客サポートだけじゃなくて、もっと広い範囲の業務プロセスを自律的に、
しかも最初から最後までエンドツーエンドで処理できるようになったとしたら、
これって私たちの働き方とかビジネスの在り方を根本からどう変える可能性がありますか。
今人間がやっている仕事の中で、近い将来AIエージェントにもう完全に任せられるようになるものって、
具体的に何だと思いますか。
ちょっと考えてみていただけると嬉しいです。
はい、っていうのがノートブックエレメなんですけど、
ノートブックエレメって毎回なんか謎に問いの投げかけで終わりますよね。
なんかこういうテンプレートなんでしょうね。
そうですね、結局何だろうな。
Teamsとか、マイクロソフトのTeamsが手を伸ばしてやってくるとか、
Googleワークスペースがやってくるとか、むちゃくちゃありそうだし。
そうですね。
あんまりやっぱり今出てる情報だけでは、いかにしてデカゴンが勝ち切るのかみたいなところの未来はまだ見えないですね。
言うても、このマイクロソフトとかGoogleの持ってる顧客基盤だったり、
その持ってるお金みたいなところに比べると、
スタートアップの中ではデカゴンは飛び抜けてますけど、
とはいえ不景は飛ぶようなものなわけじゃないですか。
売上14億の時価総額2000億円って、本当にすごいし憧れますけど、
でもこれ、一体どうやって勝ち切るんだろうというか、
あまりにも王道を責めているがゆえに、
そこ、マイクロソフト、Google取りに来るんじゃないの?みたいな感覚がありますよね。
で、スイッチングコストもそれこそ成果報酬にしたら、
別にエージェントなんて何人雇っててもいいわけじゃないですか。
デカゴンもやればいいし、マイクロソフトもGoogleもみんなやって、
一番いいやつだけ選んで使えばいいわけなんで、
強豪性っていうか、三人称匹って合ってないようなものなんですよね。
今後その戦争がどうなるのかっていう、
アプリケーション領域は、LMMのアプリケーション例は今出てきたばっかりなので、
この1年、2年でどうなるような話ではないと思うんですけど、
ただ間違いなく大手は仕込んできているし、
そこに対して進行のアプリケーションレイヤーのプレイヤーたちが、
いかに強豪優勢を築き上げて勝ち切るかみたいな、
そういう勝負になってくるのかなと思ってますね。
最後ちょっとネガティブというか、そういう話をしましたけど、
いや、総論私としては、ノーコールもデカゴンになりたいなっていう思いですし、
この特に成果報酬での課金型っていうのは、
こういうよりホリゾンタルサービスになると難しいんですが、
そこのうまいプライシングみたいなところをちょっと研究していきたいなというところを思いました。
ノートピックでは私の日々のAIや経営についての学びを発信しています。
ぜひフォローして次回の配信を楽しみにしていただけると嬉しいです。
またお便りも概要欄にありますので、ぜひ配信の希望などお便りいただけると嬉しいです。
今回もお聞きくださりありがとうございました。