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スピーカー 1
うーん、なるほど。効果はあるけど現場の負担とかリスクも考えないといけないわけですね。
スピーカー 2
そうなんです。
スピーカー 1
環境に良い取り組みを進めるには何か後押しする仕組みが欲しいところですけど、資料にJクレジットっていう言葉が出てきましたね。
これはどういう?
スピーカー 2
Jクレジットですね。これは温室効果ガスの排出削減量とか吸収量をクレジットという形にして国が認証する制度なんです。
スピーカー 1
クレジット。
スピーカー 2
例えば企業が自分たちの排出削減目標を達成するために、中越延長みたいな取り組みをしている農家さんからその削減分のクレジットをお金で買うみたいな。
スピーカー 1
ああなるほど、企業が買う。
スピーカー 2
そうです。市場の原理を使って環境への取り組みを経済的な価値に変えようという取り組みですね。農家さんにとっては新しい収入源になるかもしれないと。
スピーカー 1
それは良い仕組みに聞こえますけど。
スピーカー 2
ただですね、資料によると現状では元々ある補助金とかとこのJクレジットを合わせてもですね、農家さんの収入への上乗せ効果っていうのはまだちょっと限定的で、だいたい2%程度じゃないかという分析なんです。
スピーカー 1
2%ですか。それだとちょっとインセンティブとしては弱い気もしますけど。
スピーカー 2
それが今の課題、大きな壁になっているということですね。
スピーカー 1
なるほど。技術的な可能性は見えているけど、経済的なメリットがまだ小さいと。じゃあ将来はどうなんでしょうか。このままなんでしょうか。
スピーカー 2
いや、そこがですね、まさにこれから。というところで、資料では将来的な展望も示されていて、2030年とか2050年とか、国の環境目標がこうだんだん厳しくなっていきますよね。
スピーカー 1
はい、そうですね。
スピーカー 2
そうなると企業ももっと排出量を減らさないといけなくなる。自社だけではなかなか難しいとなったときに、このJクレジットみたいなカーボンクレジット、これの需要が高まるんじゃないかと。
スピーカー 1
ああ、必要とする企業が増える。
スピーカー 2
そうです。需要が高まればその価値、つまりクレジットの価格が上がる可能性があるわけです。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
そうなれば、農家さんにへのインセンティブも増えて、理論上はですけど、環境に配慮した稲作が経済的にもより魅力的な、儲かる農業に変わっていくかもしれないと。
スピーカー 1
儲かる農業。
スピーカー 2
ええ。農林水産省も2040年までに、この中干延長の技術を全部の稲作面積の38%くらいまで広げたいという目標も持っていますし。
スピーカー 1
なるほどな。環境への配慮が単なるコストじゃなくて、ちゃんとした経済的なメリットにつながる未来、それが見えてくると取り組みも一気に進むかもしれませんね。
スピーカー 2
ええ、そう期待したいですね。
スピーカー 1
毎日食べているお米が、そんな未来へのある意味、鍵を握っているかもしれないと思うと、なんかちょっと見方変わりますね。
スピーカー 2
そうですね。今回の資料から見えてくるのは、やっぱり私たちが食べる食料を安定して作ること、それから地球環境を守ること、そして農業という仕事を経済的にも続けていけるようにすること。
この3つの大事な要素のバランスをどうやって取っていくのかっていう、非常に根本的で複雑な問いかけなんですよね。
スピーカー 1
食料、環境、経済、ほんと全部つながってるんですね。
スピーカー 2
ええ、まさに社会全開で考えていくべき課題だと思います。
スピーカー 1
日々口にするお米一杯のその裏側にある、こういう大きな構造、これを知るとまた違った視点でできますね。
この状況を変えるために、あるいは支えるために、あなた自身には何ができると思いますか。
そんなことをちょっと立ち止まって考えてみる、そんなきっかけになったら嬉しいです。