スピーカー 1
そんなやつだったよね。で行ったり来たりするみたいな。
スピーカー 2
ねじ巻き鳥クロニクルもそんな話だよね。井戸の中でなんか。
スピーカー 1
渡辺昇だっけ。
スピーカー 2
そんな名前だったような気もする。
渡辺、あれ渡辺君って言われてたのそれ。
スピーカー 1
それはノルウェーの森だ。
スピーカー 2
ノルウェーの森だよね。
スピーカー 1
ノルウェーの森、緑が出てくるやつでしょ。
スピーカー 2
うんそう、ねじ巻き鳥クロニクルは。
スピーカー 1
渡、なんとか登るっての出てこなかった?
スピーカー 2
岡田通るじゃん。
あ、違う、渡谷登るだ。
渡谷登る。
あ、惜しいね渡辺登る。
スピーカー 1
惜しいね。
スピーカー 3
渡辺通るって言ってる。渡辺通るは俳優さんだよね。
スピーカー 1
先日ね、亡くなられましたね。
うん、そうだね。
ご冥福をご祈りします。
スピーカー 3
はい。
スピーカー 1
ということでね。
で、村上春樹を語ろうよ、今夜は。
スピーカー 2
うん、語ろう。
スピーカー 1
新作も出たことだし。
スピーカー 2
うん。めっちゃ分厚いね、新作。
スピーカー 1
あれでもさ、あれ別に上下とかじゃないでしょ。あれで一冊でしょ。
スピーカー 2
一冊なんだけど、すごい分厚かったよ。
スピーカー 1
でもねじ巻き鳥とかさ、3冊くらいになってなかった?確か。
なったな。
文句になってると、上中下とかね。
スピーカー 2
1984もなかったしね。
スピーカー 1
ねじ巻き鳥とかなんかさ、読んだときさ、あの、モノンハンだっけ?なんかモンゴルの。
スピーカー 2
モノンハン。
スピーカー 1
なんか川を剥ぐみたいな描写出てくるやん、なんかすごい。
スピーカー 2
うん、あったね。
スピーカー 1
うん。
あれ4年かけて描いたって言っててさ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
今でもなんかその感想覚えてるんだけど、4年で描けるんだと思った。
うん。
スピーカー 2
ね。
あれはすごいよね、なんていうか。
すごかったね。
かなり調べて描いただろうねっていう感じは。
スピーカー 1
そうだね、そうだね。
意外とあとなんだっけ、国境の南太陽の西とかあるじゃん。
スピーカー 2
これある、これ覚えてないな。
スピーカー 1
怖いのよ、なんだかその話結構。
スピーカー 2
どんな感じなの?
スピーカー 3
なんか怖かったなーって感じ。
スピーカー 1
いやいやいやいやいや。
スピーカー 2
いやいやいや。
スピーカー 1
ね、でもなんか村上春樹も若い頃読んだけど、もう覚えてないね。
なんか好きだったやつある?俺あのカンガルービオリ好きだったよ。知ってる?
スピーカー 2
知らない。短編?
スピーカー 1
うん、カンガルービオリ。
スピーカー 2
知らないわ。
スピーカー 1
4月のある晴れた朝に100%の女の子と出会うことについてみたいな。
スピーカー 2
その書き出しは知ってんの?
スピーカー 1
そうそうそうそう。
スピーカー 2
書き出し?タイトル?
スピーカー 1
タイトルだね。
スピーカー 2
タイトルか。
うん。
まあちょっとなんか今読むと微妙かもしれないね、当時の。
スピーカー 1
でも短編めっちゃうまいなと思うよ。
うまーっと思った、読んでて。
なんか小説っていうそのフォームというか、アートの手法を信じてるんだろうなっていう感じがする。
小説にできることがあるっていうのをなんかすごい信じてるなって感じする。
スピーカー 3
なんか俺の中では小沢賢治と村上春樹が好きな人はすごいなんか重複率が高いような気がする。
スピーカー 1
なんかちょっと分析してよ。
スピーカー 3
中二病なんだけどオシャレっぽい。
スピーカー 1
村上春樹読んでなかったの?
スピーカー 2
読んでたよ。
スピーカー 1
なんかさ、俺らの頃ってさ、村上春樹って好きとか嫌いとかじゃなくて、抑えとかなきゃいけないみたいな感じあったよね。
そうだよね。
やっぱりその、存在が全然大きいっていうかさ。
スピーカー 2
なんか若い人と話して、村上春樹とか好きなんですか?とかって言われるんだけど、好きとか嫌いとかじゃない感じだったじゃん、もう。
スピーカー 3
村上春樹ぐらいは読んどかないとオシャレじゃないなっていう感じだったよね。
スピーカー 1
いやなんかさ、何だっけな、福田和也だっけ?なんかいるやん、文芸評論家みたいな。
スピーカー 2
福田和也はいたよね。
スピーカー 1
福田和也だ。
福田和也が、村上春樹は夏目漱石みたいなもんだからっつってて。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
それを真に受けて。
スピーカー 2
通るべきものってこと?
スピーカー 1
いやなんかその、日本語の文学っていうものを考えたときの存在感の大きさじゃない?
夏目漱石なんてお札になってるからね。
夏目漱石もなんか好きだったな結構。一時読んでたな。
スピーカー 2
あれちょっと通じるものがあるかもね。
スピーカー 1
そうだね、そうだね。
スピーカー 2
意外と愛だの恋だのの話してるしね。
スピーカー 1
愛だの恋だの。でもなんかさ、村上春樹ってやっぱりなんか海外の文学読んでるみたいな感じのさ、セリフの言い回しっていうとこだけじゃなくて。
スピーカー 2
いやそうそう、そういうとこも含めてちょっと小沢賢治とか。
スピーカー 1
気に入った。
スピーカー 2
小沢賢治っていうのはフリッパーズギターだから。
スピーカー 1
いやだからそこを結んでたのが柴田本幸だって話だよね。
スピーカー 2
ってなるよね。
スピーカー 1
後ろで全部操ってたのが結局柴田本幸だったっていう。
スピーカー 2
黒幕がね。
スピーカー 1
操ってたっていうよりかはそのなんていうの。
おしゃれなのがきつく叫ぶ。
アメリカ文学みたいなものが通想低音として流れているということですよね。
村上春樹で言うとさ、イエローページって知ってる?
スピーカー 2
知らない。
スピーカー 1
黄色い冊子の村上春樹研究本みたいのがあってさ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
それ結構面白いんだけどさ、読んだことない?
スピーカー 2
ないです。存在も知らない。
スピーカー 1
那也を訳っていう話知ってる?
スピーカー 2
うん知ってる。映画化もされたじゃないかな。
スピーカー 1
ホタル那也を訳その他短編っていう文句になってると思うんだけど。
那也を訳ってどういう話か覚えてる?
スピーカー 2
あのー映画化されたやつだよね。
スピーカー 1
映画化されてたと思う。
スピーカー 2
韓国でね。
スピーカー 1
そう、そうかな?
うん。
スピーカー 2
それを見たよ。
スピーカー 1
なんかさ、那也を訳男が出てくるわけよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、なんか話の中でなんか女性とかもなんか出てきて。
で、那也を訳男はなんかこっそりと実は僕は那也を焼いてんですよという話をしてくれてさ。
で、次はここの那也を焼こうと思ってるみたいな話とかをするんだけど。
で、その話はちょっと前後するんだけど、そのイエローページ。
イエローページでいいのかな?分かんないけど。
黄色い表紙の村上春樹研究本の何冊か出てて。
で、それって作品をさ、いろんな角度から研究してこういう解釈もあるよね、こういう解釈もあるよねっていうのをやってるんだけど。
スピーカー 2
その那也を訳の話ってさ、結局何も起こらずにいつも通り女性がいなくなって終わるんだけど。
スピーカー 1
男性じゃなかった?
いなくなるのは女性。
那也を焼いてる人もいなくなる。
那也を焼いてる人もいなくなるし、彼と付き合ってた人だとか誰か忘れたけど、女性の登場人物もいて、その人もいなくなるんだけど。
スピーカー 2
で、その那也を焼くっていうのは実は女性を殺すっていうことのメタファーになってるっていう話をしてて。
スピーカー 1
で、それ、那也を焼くを読んだ子供がこの話実はすごい怖い話じゃないっていう話をしてて。
那也を焼くって言ってるんだけど、それは物理的に那也を焼くっていうことじゃなくて、女性を殺すっていうことを理由として表現してるんだみたいな。
っていうふうに見るともう完全にそういうふうに読めるのね。
スピーカー 2
そういう、ある特定の人物というか作品というかさ、
それにめっちゃ詳しい人たちが寄ってたって考察したタイプの本、好きだよね。
スピーカー 1
あれ、俺?
スピーカー 2
うん。なんか小沢賢治でもそういう話してた。
スピーカー 1
でもなんかよくあるのはさ、なんだっけな、
夏目漱石の心あるじゃん。
あれも実はボーイズラブの話だとかっていう読みがあるよね。
スピーカー 2
ああ、そうか。女の子を撮られた話じゃなくて、男の子を撮られた話だったっていうことなんだね。
スピーカー 1
だったかな。ちょっと忘れちゃったんだけど、こういう読みもできるよねっていう。
スピーカー 2
そういうのって、なんていうか、結構いろいろあるじゃん。
それこそ窓川麻衣科の考察とかってすごかったけど、
たぶん、本当にそういう意図で作ったり仕込んだりしてるものもあれば、
そうじゃないものもあったりするっていうレベルに、
スピーカー 1
これはこういうあれじゃないかとか、これの伏線だったんじゃないかとか、
スピーカー 2
すんごい掘り下げてやってたけど、
村上春樹のやつとかはどうなんだろうね。
スピーカー 1
どうなんだろうね。村上春樹自体が言ってんのは、
どこまでが意図して書かれたか、どこまでが意図してないのかみたいなことはもう関係ないと。
テクストが書かれた時点で、そのテクストを書いた人間も含めて、
テクストに対して全員同じ状態にあるっていうような言い方を本人はしてるけどね。
スピーカー 2
かっこいい言い方だね。
スピーカー 1
かっこいいよね。
スピーカー 2
かっこいいよね。俺も作家だったらそう言いたい。
明かしちゃうと、ひょうざめなところもあるし。
どうでしょうね。ご想像にお任せします。もうつまんないしね。
スピーカー 1
意図して書いたかどうかは関係ないっていうことなんじゃない。
もう書かれてしまって、そういう読みが可能になった時点で、
それは書いてあるっていうことと一緒じゃんっていうことなんじゃない。
書いたかどうかと別で、読むことが可能だったって時点で、
そこに意図を持って書かれたかどうかと別にして、そういうメッセージが書かれているっていう。
スピーカー 2
浮かび上がっている以上は、
そう受け取った人にとってはそうなんじゃないのっていう。
スピーカー 1
そういうこと、そういうことっていうものなんじゃないですかね。
スピーカー 2
作家がそういう意図がなかったって言ったところで、
そんなことも全員読んだ。
スピーカー 1
意図があるかどうかは関係ないと。
そうそうそう。
風の歌を聴けの分析もめっちゃ面白くて、
風の歌を聴けってさ、すごい時間が全部明記してあるのね。
何月何日の、何年の何月何日の出来事だったっていう。
で、それをプロットしていくと辻褄が合わないとこが出てくるんだって。
で、それで分析してたのは、
これは全部が実際に起こったことじゃなくて、
こっからここのはある種異界っていうか、
現実で起こったことと、
予味の国じゃないけどさ、
そういう別の空間で起こったってことが書かれているから、
この時間軸に落とし込んだ時に辻褄が合わなくなってんだって。
辻褄が合わなくなっているところを辻褄が合うようにプロットしていくと、
ここの部分は実は同じ時間軸じゃなくて、
違う空間で起こっていることなんじゃないかみたいな、
そういう分析していってさ、面白いよね、そういうのね。
スピーカー 3
面白いけど、めっちゃ時間ある人だよね、その人。
スピーカー 1
ちょっとせっかくだからその本を紹介しようかな。
スピーカー 1
村上春樹、イエローページですね。
まんま。
スピーカー 2
何冊か出てるな、これ。
スピーカー 1
そうだね、何冊か出てた気がする。これ面白かったですよ。
加藤さんのやつですね。
パート2もあって、あんま構造がわかんないな、全体の。
なんか文庫にもなってたりするからね。
村上春樹の本だけ読んで、何が面白いんだろうってなったら、
このイエローページも一緒に当たると、なるほどと。
スピーカー 2
だから今の時代、そこまで時間をかけて読み込むっていうことがね、
なかなか難しいよね。
スピーカー 1
あれ読んだ?羊を巡る冒険。
スピーカー 2
いや、その辺はね、全部読んでるはずなの。
スピーカー 1
読んでるよね。みんな読んでたもんな。みんな読んでたよね。
羊を巡る冒険もさ、長いお別れみたいな感じでさ、
探偵モノみたいな感じの構成になってるじゃん。
構成になってるんだけど、北海道に羊探していくみたいなさ。
で、それで探偵モノで次どうなるんだろうってどんどん読ませるんだけど、
最後にいきなり羊男みたいなさ、ファンタジーみたいのが出てきて、
普通に読んでると、え?ってなるのね。
なんかこう、いきなり魔法みたいのが出てくるみたいなさ。
え?みたいな。
これリアルな小説だと思ってたら、急にそういうファンタジーみたいなの出てくるから。
スピーカー 2
羊とかネズミとかね。
スピーカー 1
そうそうそう。なんやろうなと思ってたら、
計算された空転みたいなことを書いてて、イエローページに。
未だに計算された空転っていう、すげえ言葉だなと思うんだけど、
ここで、わざとはしごを外しに来てるんですよ、みたいなことを書いててさ。
スピーカー 3
なるほどと。
スピーカー 2
そういう分析する人すごいよね。
スピーカー 1
すごいよね。だから文学部みたいなことなのかな。
スピーカー 2
多分、それこそ作者が意図してないようなこととかもいろいろはみしてさ。
ものすごいくだらない作品も、そういう人がやろうと思えば、
めちゃくちゃ価値のある作品に仕立て上げられるんじゃないかって思ったりもするから。
俺が小説を書いた暁にはそういう人に肉付けほしい。
スピーカー 3
計算された空転って言ってもらえたら、そういうことかみたいな。
スピーカー 1
アメリカだと、作家の方は定学歴とは言わないんだけど、
作家より批評家の方がインテリなんだって。
作家は自分で一時的に物を作る人じゃん。
スピーカー 2
思うままにね。
スピーカー 1
クラフト、自分の思いで作るっていう。
批評家の方はいろんな知識を知ってて、いろんなインプットしてて、
じゃないと分析できないからっていうような構造になってるって聞いたことあるけどね。
スピーカー 3
そう思うわ。
スピーカー 1
村上より短編がめちゃめちゃうまいよね。
東京奇談集かなの、ハワイのどっかで息子がサメに足食われて死んじゃって、
その遺体を引き取りに行くっていう話があるんだけど、
幸っていう女の人。
それとかもうむちゃくちゃうまいなーっていう感じしたけど。
スピーカー 2
うちの本棚にはあるけど、覚えてないなー全然。
スピーカー 1
うまいなーと。
だからそうだね、その辺は本当にめちゃめちゃうまいなって感じするし、
カンガルー日和とかはある種、終作みたいな感じだから、
小澤賢治で言うとフリッパーズ時代の作品とかを見てるみたいな感じするよね。
スピーカー 2
あの辺りの初期のやつは。
なんかさ、家に本棚とかあるじゃん。
昔買った小説とかいっぱいあるんだけどさ、
それをなんか手に取って読み返すことなんてないと思うのよ。
なくなったよね。
スピーカー 1
っていう時にさ、あれいるのかなと思って。
スピーカー 2
あのね、俺子供できた時に全部実家に送ったよ。
実家に送るね。
それって一時的な、どうせより読まなくなるだけじゃん。
スピーカー 1
なんかさ、でもなんだろうな、こう何回か引っ越しを繰り返しながらさ、
それでも手元に残ってる本たちってあるじゃん。
で、それはなんかさ、なんだろうな、
アイデンティティの一部みたいなもんだと思うわけですよ。
そうだよねー。
スピーカー 2
全部じゃないまでも結構あるから、
もうちょっとフィルタリングしてもいいかなと思うんだけど。
スピーカー 1
俺だからその、結婚して子供できて、
部屋バンって借りる時に一人暮らしのところから映る時に結構フィルタリングして捨てたのと、
あとこれはもう絶対捨てられないなというやつはまとめて実家送ったりとか、
その中のほんと一部は今の部屋持ってきたりとかしてるね。
スピーカー 2
その選びに、選び抜いた本とは何なの?手元にあるやつは。
スピーカー 1
でも文学結構好きだったから、
なんだろうな、それこそ柴田基行さんの翻訳したやつとかをさ、
愛の見切り発車っていうね、本があって、
ブックガイドみたいなのがあって、
なんかさ、俺そういうガイドみたいなの結構好きなのよ。
一冊持って。
そうそう、それを買って、いろんな紹介してるからそれ見ながら読んでいくっていうさ。
スピーカー 2
文芸レアグルーブとか流行ったな。
スピーカー 1
そうだね、だからその辺、知ってる知ってる、聞いたことある。
なんかさ、レコードディグルみたいなカルチャーとちょっと近かったのかもしれないね。
スピーカー 2
そうだね、百年の孤独っていうやつもあって面白かったよ。
スピーカー 1
なんか俺もそれ持ってる気がするんだ、誰だっけ?誰とかじゃないんだよ。
スピーカー 2
誰っていうかそのブックガイドだよ。
スピーカー 1
ブックガイドか、百年の孤独読んだ?
スピーカー 2
読んだよ。
スピーカー 1
なんかさ、最近のやつってさ、もう掛け絵図ついてたりするよね。
スピーカー 2
ついてたと思う。でもついててもわけわかんない。全部同じ名前だからね。
スピーカー 1
あのさ、池沢夏樹さんがさ、池沢夏樹でよかったと思うんだけど、
世界文学全集っていうのをカバーでから出したんだよね。こんな分厚い。
スピーカー 1
そうだね。まあ柴田本幸で言うとあれじゃない?やっぱなんだっけ。
ゴースト、幽霊たちとか。
ポール・ウォースター。
ニューヨーク三部作の。この間もこの話したな。
ポール・トマス・アンダーソンじゃなくて。なんだっけ。
スピーカー 3
ポール・ウォースター。
スピーカー 1
ポール・ウォースター。ポール・ウォースターね、孤独の発明ってやつがすごい怖くて好きだった。
スピーカー 2
それ読んでないかもしれない。わからんな、覚えてない。
こんなさ、読んだかどうかも覚えてないものって読んだ意味あったんだろうかね。
スピーカー 1
あったんじゃない?
スピーカー 2
何かにはなってんのかな。
スピーカー 1
何かにはなってると思うよ。
スピーカー 2
そうかな。だと信じたいね。
スピーカー 1
てかさ、よかったよね。やっぱ若い時にそうやって背伸びして読んだりするのすごい大事だなと思うけどね。
スピーカー 2
だったかもしれないし、何の意味もなかったかもしれないけど。稲中卓球部だけ読んでても同じだったかもしれないけど。
スピーカー 1
だからさ、村上春樹で言うとさ、カート・ボネガットだっけ?とかの漢字がすごい強いじゃん、初期のやつとかって。
で、一番、風の歌を聴けだけさ、英語で出してないもんね。日本だけでしょ。
そうなんだ。
何かね、あったんだけど、何かすごいこう日本で発売する用のやつだけだった気がする。
いやいやいや。
スピーカー 2
日本文学から世界文学について熱く語る会話ぐらいで大丈夫ですか?
スピーカー 1
池沢夏樹さんもよかったよね。
スピーカー 2
あんまり俺、なんか池沢夏樹さん個人のなんかアイデンティティというか、存在を強く感じたことがないんだけど。
スピーカー 3
なんかね、俺、君のための薔薇だっけな。君のための薔薇っていうのと、あと芥川賞取ったやつ。
スピーカー 2
池沢夏樹って芥川賞取ってるんだ。
スピーカー 1
取ってると思うね。君のための薔薇よかったよ。
まあよかったけど、なんかめちゃめちゃ上手いかっていうとそんな感じでもないから。
スピーカー 3
読んだことないかもしんない。この人の人生。
スピーカー 1
あとね、ハワイ気候って言って、ハワイの歴史とかをね、書いたやつがあって、それもよかったですよ。
スピーカー 2
スティルライフね。
スピーカー 1
あ、スティルライフだ。スティルライフは読んだね。スティルライフさんはもういかにも芥川賞取りそうな、その年代の頃に。
スピーカー 3
いかにも芥川賞取りそうな作品は俺結構好きだけどね。
スピーカー 2
結構読んでるよ。最近も芥川賞取ったもの。
スピーカー 1
あ、ほんと?
スピーカー 3
うん。
スピーカー 1
なんかでも読まなくなったな。読まなくなったね、俺は。
あの文芸春秋に載るじゃん。伝聞。取ったとき。
スピーカー 2
割と毎年買ってる。
スピーカー 1
あ、ほんと?
最近だと何がこう有名なの?
スピーカー 2
何年か前だけど、コンビニ人間とか。
スピーカー 1
あ、コンビニ人間ね。
スピーカー 2
うん、すげー得意だった。
スピーカー 1
本買ったけど読んでないわ、それ。
スピーカー 2
あ、ほんと?
スピーカー 1
うん。
スピーカー 2
気持ち悪い面白いよ。
スピーカー 1
なんかさ、こう、日本文学のさ、なんかこう、なんだろうな、謹慎勾配感っていうかさ、なんかこう、狭いところでやってる感じがどうしてもあるよね。
スピーカー 2
いや、あんまり俺そんな文学を知らないから。海外文学はそうじゃないのかとかって言われると。
スピーカー 1
そうだね。なんかさ、なんだろうな。やっぱりなんかこう、違う言語とか違う文化に開かれてないと、なんか新しいものも出てきづらいのかなーって思ったりするけどね。
スピーカー 2
アメリカ文学からは新しいものがバンバン出てきてんの?
スピーカー 1
アメリカ文学自体が新しかったんじゃない?日本人にとって。
スピーカー 2
アメリカ人にとっては。
スピーカー 1
知らない、それは。
だからさ、日本文学も、なんかフランス人とか読んだらすげーみたいになるのかもしれないね。
スピーカー 2
まあそうだよね。
スピーカー 1
こんなところに宝の山が、みたいになるのかもしれない。
スピーカー 2
だってアカデミー賞とかもね、最近ちょっとさすがに変わってきたけど、ずっと閉鎖的なおじいちゃんたちが、白人のおじいちゃんたちが決める賞だみたいな感じで。
スピーカー 3
だからどこの業界もそうなんじゃないですか。
スピーカー 1
そうね。あと堀江俊幸さんとか好きだったけど、日本文学で言うと。熊野敷石で芥菓子を取ってる気がするけど。
スピーカー 2
穂坂和志とか。
スピーカー 1
穂坂和志ね。穂坂和志はプレーンソングですよ。
それだとカンバセーションピース。穂坂和志って読むとさ、自分も小説書けるんじゃないかと思うよね。
スピーカー 2
なんかあれだよね、小説入門みたいな本出してるよね。
スピーカー 1
そうそう書きあぐねている人のための小説入門みたいなやつじゃなかった?
スピーカー 2
それもうちにある気がする。
スピーカー 1
読むよな、あれは絶対。
書けるかもしれない。
スピーカー 3
穂坂さん、思うよね。
スピーカー 1
穂坂さんの小説感みたいのってやっぱりちょっと面白いよね。
小説を読んでる時間の中にしか小説なんて存在しないんだみたいな話とかさ。
読まなくなったよね。
俺、穂坂さんの講演会行ったことあるんだよね。大学時代に。
スピーカー 2
どうだった?
でね、質問したのよ、俺その時、穂坂さんに。
スピーカー 1
で、穂坂さんのホームページか何かにその講義録みたいので載っててさ。
俺の発言も載ってたよ、ちゃんと。
スピーカー 2
爪痕残したね。
スピーカー 1
爪痕残したよ。
何の質問したの?
穂坂さんがその時出してた本が別の作家のタイトルとすごく全く一緒だったのね。
で、穂坂さんってセーブって企画やってたの、昔。
スピーカー 2
セーブ?
スピーカー 1
そう、デパートって言うか百貨店のね。
スピーカー 2
企画?売り場とかの?
スピーカー 1
あのね、これは俺らも微妙にその世代じゃないんだけど、セーブがその文化のさ、中心だった時代があるわけよ。
スピーカー 2
あることかね。
スピーカー 1
そうそうそう。で、そういう時代に、例えばわかんないけど、アンディ・ウォーフォルの企画展やろうとか。
多分そういうこと、なんかイベントをやったりとか、カルチャースクールやったりとか、多分そういうことをやってたと思うんだけど、
30過ぎぐらいで、そっから小説家に移ったみたいなことだと思うんだけど、
その企画やってた時代に一緒にやってた作家のタイトルと全く同じ本出してたからさ、これなんか影響を受けてるんですか?とかって聞いたら、
関係ないですって言われたっていうのはね。
スピーカー 3
それは関係あるかどうかは、その作品が世に出た時点でっていう話にはならなかったんだ。
スピーカー 1
いや、なんだろう、すごく尊敬してたみたいだから、なんかこう、影響を受けたのかなと思ってたんだけど、もうその作家のことはあんまり好きじゃないみたいな。
スピーカー 2
あ、そう。
スピーカー 1
うん。
スピーカー 2
どの作品だろうな。
スピーカー 1
それね、橋本さんなんだけど、橋本さんの生きる喜びっていう本があって、
生きる喜び。
で、細川さんの作品にも生きる喜びっていうのがあるのね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、その、なんかこうタイトル一緒じゃないですか?みたいな、なんかちょっとこうインスピレーション受けたとか、なんかそのあるんですか?みたいな、そういう話したら、
いや、もうあんま関係ないし、もう橋本さんはあの時こういう発言してからちょっと僕はどうかと思ってますみたいな話してて、はぁーみたいな。
いい質問難しいね、するのもね。
いい質問難しいよね。
スピーカー 2
いい質問だねって言うのは簡単だけどね。
スピーカー 1
ね、簡単だったら言ってほしいよね。
うん。
いやいやいやいや、でもまあ本、あとSFとかも好きだったな、なんかハードSFみたいな。
だからギリ3体読んでないんだよね、俺。
スピーカー 2
ああ、だからそれで言うと俺一番直近で読んだの3体だわ。
1冊目しか読んでないけど。
スピーカー 1
だから3体が出た頃にはもう俺の視力が読書に耐えれなくなってたっていう。
スピーカー 2
なるほどね、オーディブルで聞くしかないね。
いやだからなんかね、若いうちに読んどいた方がいいですよね、本2のはね。
そうだね。
スピーカー 1
でもSF好きだったな、結構。
SF割とあれだね、大人になってからいろいろ読んだね。
そういう感じですかね、小説界は。
スピーカー 2
パンパンとした回になったね。
スピーカー 1
そう?なんか90年代プレイリストみたいな回じゃない?
スピーカー 2
あったあったみたいなさ。
そんなにあったあったでもないしな。
スピーカー 2
やっぱり歌のようにはこうなんていうか、再生されないというかね。
そうだね。
スピーカー 1
どんな内容だっけ、ああそうだったかもなーぐらいの感じだもんね。
確かにね。
スピーカー 2
俺あれ好きだったわ、伊藤山明子。
スピーカー 1
わかんないわ。
伊藤山君わかんない?
伊藤山明子はね、海の仙人っていうのがあるんで、もうこれを読んでもらったら抜群ですね。
そうか。
あのね、美しいんですよ、すごい伊藤山さんも。
スピーカー 1
伊藤山明子。
スピーカー 2
伊藤山さんの作品もね。
スピーカー 1
この糸がね、糸を2つ並べて糸って読むんだねこれね。
スピーカー 2
そうそうそうそう。
伊藤山の糸。
すごいねこれね、1個でも同じ読み方なのに2個並べるんだね。
スピーカー 2
知らんかった。
スピーカー 1
It's Only Talkだっけな、そんなあったよね、デビュー作かな。
スピーカー 2
作品一覧はIt's Only Talk、これがデビュー作だね。
スピーカー 1
そう、それ出たから文学界の新人賞かなんか取って。
で、そうね、海の仙人は何か取ったのかわかんないけど、俺はそれが一番好きだな、綺麗で。
すごいビューティフルですよ。
小説ね。
で、最近ちょっとね、小説の話出たからちょっと考えてることがあって。