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2025-12-22 10:11

小説「別れを告げない」

ハン・ガン著「別れを告げない」を読みました。

サマリー

半顔作の小説「別れを告げない」は、チェジュ島の虐殺事件を背景に、女性たちの心の交流を描いています。作品の中で、トラウマを抱える主人公たちが過去の記憶を共有し、深い絆を築いている様子が描かれています。

作品の背景と設定
こんにちは、ninjinkunです。
マイクがついにかなり壊れてしまって、修理に出すことにしたので、しばらくはこのiPhone直録音でやっていこうと思います。
音質が変わってしまうと思いますが、声日記は音質なんでもいいなと思ったりすることもあるんですけど、
他の人の音を聞くときも、やっぱり音質で多少気になることはあるので、ある程度はちゃんとダイナミックマイクで録ってきたかったんですけど、
機材がないものはしょうがないので、しばらくこのスタイルで聞こうかなと思います。
今日はまた本を読みまして、半顔著「別れを告げない」を読みました。
この半顔の本は、私も何冊か読んでいて、ノーベル賞を一昨年ぐらいに取ったのかな?作家ですね。
韓国の作家で、この別れを告げないは、この半顔さんはかなり韓国のいろんな歴史、特に民主化に至るまでの割と黒い歴史を下敷きにすることがあるんですけど、
この作品もその一つでして、一番ベースになっているのは、チェジュ島の虐殺事件ですね。
これは歴史的には、1948年4月3日に起こったチェジュ島四三事件と呼ばれている事件で、
第二次大戦の終戦直後なんですけど、朝鮮が北と南に実質的にソ連とアメリカによって分かたれてしまって、
その時に一応民主化するというお題目があるんですけど、
本当は韓国、朝鮮人民としては、朝鮮全体で統一選挙を行いたいという気持ちがある人がかなりいたんですけど、
北が別の勢力になってしまったので、やむなく南だけで選挙を行おうということが決まりかけてたんですけど、
それにこのチェジュ島の人たちがめちゃくちゃ反対して、放棄を起こして、独立軍みたいな扱いになって、
そこにアメリカが、あの島は赤の島だと、つまり北に協力すると赤だと見なされるという時代だったので、
実際に武装を放棄したのは数百人ぐらいなものらしいんですけど、それに対して軍とか警察が派遣されて、
住民を皆殺しにするっていう、武装してる人もしてない人も女性も子供もめちゃめちゃ殺されて、少なくとも1万4200人と書いてあるな。
推定では2万5000人から3万人が殺されているという、そういう非常に精算な事件があって、
韓国の歴史の中で軍隊が自国民を殺しに来るっていう、めちゃくちゃな事件がいくつかあるんですけど、そのうちの一つ、非常に暗い歴史ですね。
物語の展開とテーマ
これが下敷きになっているんですけど、この作品自体は完全にフィクションです。
主人公は作家の共派、女性で、この人は別の公衆事件的なものの作品を書いた影響で、めちゃくちゃトラウマを負ってしまっていると、
結構いろんな悪夢を見たりすることに悩まされている人が主人公で、もう一人この人の友達のドキュメンタリー映画作家のインソンという人がいて、
この二人の物語になりますと、二人の女性ですね。
インソンの方が結構バックグラウンドが強くあり、この人はこのチェジュ島の出身で、しかもその親は虐殺を生き延びたサバイバーであると。
実際におじいさんおばあさんとかは殺されているし、家の周りに村がもともとあったんですけど、それも焼け払われて亡くなっている中でぽつんと暮らしているという、そういうバックグラウンドがある人で、
このインソンはお母さんの女で一つで育てられているんですけど、この人からかなり老後の介護をしているときに昔のチェジュ島事件のことを聞かされて、かなり記憶を引き継いでいるような立場になると。
時々二人ともそんなにめちゃくちゃ他人にベラベラ喋りたいタイプではないんですけど、二人はすごく心を開いて通じ合っているので、時々このインソンの方から共犯に対してこのチェジュ島の記憶が開いていくようなタイミングがあって、それを二人が共有していくようなことがわりと物語の核になっています。
あとはね、本当にいろんなシーンがあるんですけど、すごく大きなドラマが展開されているようでもあり、そんなに何も起こっていないようでもあり、なかなかね、どういう感じで生き続けたらいいのか、少し読み終わってもね、これはどういうことだったんだろうか、あれはどういうことだったんだろうかっていろいろ頭の中でぐるぐる回るような作りになっている作品。
というわけで、読んでくれというしかないんですけど、私としてはこのハンガンさんの作品はこれからもいくつか読んでいこうと思いますので、読めてよかったかなと思います。
劇中に出てくる吹雪のシーンがあるんですけど、これが本当に寒そうで、吹雪の中をキョンハが歩いていって、周りが暗くなってきて道を見失って、本当にあわや命の危機みたいなシーンがあってですね、ここのかきっぷりが本当に寒そうなんですよね。
韓国自体はかなり冬は寒くなる国ですけど、チェジュ島自体は結構あったかい場所として知られていて、韓国の中でもリゾート地扱いを今はされているらしいんですけど、そんなとこでも冬はすごく寒いということでね、吹雪のシーン、めっちゃ寒かったです。
読みながら僕もガタガタ震えるような、それぐらい気合が入って、自分も吹雪の中に突っ込んでしまったような、そういう読書体験を味わいました。
あんまりここまで吹雪について感じさせられた本って思いつかないんで、それだけでもこれはやっぱりすごい書き手だなと思いましたね。
という感じで、別れを連れないを読みました。
これも図書館で借りて読んだんですけど、やっぱり今半顔すごく人気っぽくて、結構待って読んだんですけど、やめてよかったかなと思います。
あとこの訳した人が斉藤麻里子さんという、いろんな韓国文学を訳している、このジャンルの非常に大化というかの方なんですけど、
かなり後の方で、チェジュ島の事件についての細かい解説とかを書いてくれていて、すごい助かるのと、
あとこの中でチェジュ島の方言というものが出てきて、これがまあ一つこの物語に重層性を与えているんですけど、
これを翻訳するのがめっちゃ大変だったっていうことが書かれてて、確かになっていう、韓国語から日本語に訳すんですけど、
韓国語の中の方言を日本語の何らかの方言に置き換える必要があるけど、かといって日本語の方言と、例えばこの中だと沖縄の方言が採用されているんですけど、
完全に一対一にすると、それはそれで韓国で起こったことという感じも出ないので、そこの調整、沖縄方言をベースにしながら、
もう少し韓国の言葉をルビーを振って入れたりとか、そういう風にして調整が非常に苦労して、それでも読者にはスラスラ読めるようにしなくてはいけないから、
確かにこれはすげえ難しい作業だなっていう、そういう翻訳文学の中の方言の扱いって、確かに結構難しいんだなっていうのが書かれていて、
これはこれで興味深く面白かったですね。
という感じで、別れをつけない良かったです。ありがとうございました。
10:11

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