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2025-10-01 28:04

【実践者に聴く】ソニーから経営学者に転身した長内さんのmyリスキリングストーリー【ゲスト:柿内秀賢(Reskilling Camp Company代表)・長内厚(早稲田大学ビジネススクール教授)】[#063]

【実践者に聴く】

リスキリングやキャリアづくりの実践家をお招きし、社会人の学びのコツなどについて幅広く聴いていきます。


<今回の内容>

  • 『ひとりぼっちの社員』の現状と見解
  • 『ダイナミック系パビリティ』と『オーディナリー系パビリティ』
  • 優良企業ほど変化に弱い?
  • 経営学という学問へ進んだのはなぜ?
  • 将来のシナリオを考えるときに必要な能力は?


<出演>

桜井陽(NIKKEIリスキリング編集長)

柿内秀賢(Reskilling Camp Company代表)

長内厚(早稲田大学ビジネススクール教授)


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サマリー

リスキリングの重要性とその実施方法について、経営学の視点から深い議論が展開されています。ソニーから経営学者に転身した長谷教授は、組織内でのリスキリングの課題や新しい能力の活用方法を明確に伝えます。長内さんは、ソニーから経営学者に転身した際の体験を語り、ダイナミックキャパビリティの重要性を探ります。特に、自動車産業のEV化を例に挙げ、新しい技術への適応と組織のリスキリングが企業にとってどれほど重要かを論じています。長内教授は、経営学において必須の柔軟性と遊び心を持つことの重要性を強調し、企業が試行錯誤することを奨励しています。また、リスキリングの観点から、新しいチャレンジの試みが未来の選択肢を生む鍵であるとされています。

リスキリングの実践
聴くNIKKEIリスキリング
こんにちは、NIKKEIリスキリングMCの桜井洋です。
この番組では、ビジネスに役立つ楽しいリスキリング情報を提供いたします。
今回は、リスキリングやキャリア作りの実践家をゲストにお招きし、
社会人の学びのコツなどについて幅広く聴いていく【実践者に聴く】シリーズです。
ゲストは、パーソルイノベーションリスキリングキャンプカンパニー代表、柿内秀吉さんと
早稲田大学経営管理研究科教授の長谷智さんです。
2本目は、既存事業を遂行する組織と新しい事業を生み出す組織、
この2つの組織におけるリスキリングの話や
長谷先生がソニーを飛び出して経営学者に転身した理由などを聞いています。
それでは本編、どうぞ。
はい、では前回に引き続き2回目でございます。
2回目は、柿内さん、ほっとしました?
柿内 片鬼が降りて、また戻りますけどね。
研究員の話。
では、2回目の主役は長谷先生にやっていただきたいと思っております。
長谷 よろしくお願いします。
早稲田大学のビジネススクールの教授でいらっしゃいます。
まさに経営学の専門家でいらっしゃるので、
僕、前回最後の方に出てきた社員が荒野に一人ぼっちで戦っていると。
この状況を何とかしたいと。
そこにきっとリスキリングっていう補助線がうまく入ってくるんじゃないかなという、
そういうようなお話で初回終わったんですけど、
ここをですね、もっと経営学的な視点で持って深めたいなと思って。
なぜなら僕自身もですね、3回目でちょっとお話できればなと思いますけど、
荒野に一人ぼっちの時間が結構長くてですね、
新入社員の時からそうなんですよ。
いきなり前、35人記者だったんですけど、ほぼほぼ7割8割東京勤務。
2割5割が大阪勤務の中で、一人ぼっちで福岡勤務でした。
たった一人だったんですよ。
もう九州一人だけとか、そういうところから始まってるんで。
3回目またそのあたりの話もしたいなと思いますけど、
荒野に一人ぼっちの社員結構日本企業の中でとても多いかなと思います。
いろいろね、営業現場で一人でなんとかせえと言われたりとか、
技術の中でもそうかもしれないですよね。
なんとか一人で頑張れと。
その後に、組織の中でそれがうまく回収されていけばいいですけど、
そのままになっちゃったりするんで。
このあたりの現状とどうしていったらいいかというところをですね、
ちょっと長谷先生にマイクをバトンタッチいたしますので、お願いいたします。
バトンタッチ。
タッチしちゃいました。
荒野に一人ぼっち状態はピンチじゃなくてチャンスなんだと思うんですね。
まずその個人の話で言えば、
前回ダイナミックケーパビリティ、変換のための能力が必要だってお話をしたんですけど、
従来の連続的な中で使われる能力のことを、
ダイナミックケーパビリティに対してオーディナリーケーパビリティって言い方をするんですね。
ちょっと今噛みましたけど。
オーディナリー。
オーディナリーケーパビリティ。
オーディナリーケーパビリティでやってられる範囲のときには、
一人ぼっちになることってないわけですよ。
要するに状況の変化があって、その変化の局面にポツンと立たされている状態が、
荒野に一人ぼっちなんだと思うんですよね。
これを一人で何とかできたとしたら、
それって個人にすごく能力がある、センスがあるということになると思うんですけれども、
それをうまく回収する組織の能力が、日本企業って割と足りないんじゃないかと思うんですよね。
要するに、国軍奮闘して戦っている人がどういうやり方をしているのかで、
多分今までとは違うやり方をしないといけないわけですよね。一人ぼっちですので。
そうしたときに、そのやり方をうまく拾い上げて、
次のケーパビリティにつなげてあげるというのが、
本来ダイナミックケーパビリティとしては必要なことなんだと思うんですよ。
要するに、今までとは違う能力を次に生かすということですよね。
でも日本の企業の場合はどうしても、人材というのは育てるものであるという思いが強すぎるんだと思うんです。
もちろん育てる必要なんですよ。
経営のいいところの一つは、やっぱり企業がしっかり人材を育てる、長期的に育てるということはあるんですけれども、
ただそれが思いが強すぎて、外れたことをする一人ぼっちの人間が何か変わったことをし始めると、
それは今までのやり方と違うやり方をしている。
これはかわいそうな人だから、今までのやり方に染めてあげなきゃいけないという思いが強すぎて、
なかなか新しい能力に入れ替わることを阻んでしまってるんじゃないかなという気がするんですよね。
かわいそうな人に認定されて、そこで染めるという方に行っちゃうんですよね。
本当はかわいそうな状態じゃないはずなんです。
本当はヒーローになるはずなんですけど、それをかわいそうに認定しちゃうのが失敗する組織なのかなって。
失敗する組織というのはダメな組織じゃないんですよ。
得点して優秀な企業ほどそうなりやすいんだと思うんですね。
優秀な企業ほど効率よくしっかりとして社員をマネージすることが得意なので、
今までのやり方に合ったやり方、以外のやり方をしているのを異分子と見なして、
それを矯正して今までのやり方に合わせてより効率的にするというのはものすごく長けてるはずなんですよ。
だから有料企業と言われている会社ほど、実は変化の局面では弱くなる。
これはレオナウド・バートンという学者が、中核的な能力はコアリジリティ、中核的な硬直性になるという議論を92年にしているんですけれども、
ダイナミックケーパビリティとオーディナリーケーパビリティ
そういうような話なんだと思うんですよね。
これリスキリングの文脈でいった場合、どういうふうに捉えていけばいいんですか。
まずリスキリングをしようと思っている会社そのものがリスキルしないといけないんですよね、組織自体が。
その上で新しい組織のやり方、新しい組織の状況に合わせた形で社員をリスキルしなきゃいけない。
そのためにはまず違う能力があることを認めて、違う能力がある人にリスキリングを任せるということも必要なんですよ。
今までのやり方で今まで通りやるんだったら社内で学ぶのでいいわけなんですよ。
じゃなくてリスキリングするときにはその組織を客観的に見ている第三者に委託するというのは結構重要なポイントだと思います。
若干戻りません。組織がリスキリングをまずしてというお話でしたけど、
組織のリスキリングって新しいスキルを身に付けるとか何とかというよりも、
組織としての社員への眼差しを変えるという感じですか。
そもそも何を変えなきゃいけないのかっていうのを組織が明確に理解して、
どういう方向性に社員を変えたいのかっていうのが間違ってない方向性にしないといけない。
オーディナリティ・ケイバビリティが強い組織であれば、今までのやり方が正しいという前提で、
その範囲内でリスキリングをさせようとしちゃうと思うんですけども、その枠の外に本来目指すべきリスキルがあるのかもしれない。
そういう時に組織自体がもっと幅広い視点で、社員のリスキリングというものを考えないといけない。
自分たちの考えている枠の外に答えはあるのかもしれないよということにどうやって気づくのか。
そこが重要なんだと思うんですよね。
自分たちの組織がオーディナリティ・ケイバビリティに染まっているんじゃないかということをまず認知して、
その上でダイナミック・ケイバビリティの方に踏み出すという決断をするということですかね。
そうですね。認知して、察知して、再配置していくということが重要なんだと思います。
そのあたりは閣議員さんがやっている、あるいはやろうとしていらっしゃることでしょうか。会社として。
例えば、最近よくご存じいただくケースで言うと、経営効率を上げましょうと、そのために営業利益率を上げましょうと。
だから、例えば在庫を30%減らしましょうみたいなことがあったときに、そこにAIとかデジタルを使ってやっていくんだみたいな話があったときに、
アプローチが2つぐらいあるんじゃないかなと思っていまして、オーディナリティ・ケイバビリティを強化する方向性で言うと、
在庫管理が結構俗人化している。このベテランの社員さんしかわからないところが結構あるよねみたいなところを
いかにデータ化して、そうじゃない人にもわかる形にすると平準化していったりとか、全体の問題がよりクリアになって、結果的に在庫が減っていくよねっていう、
今までの生産管理の技をデジタルでレベルアップするとか、そういうこと方向性がありますよね。
今までのオーディナリティをダイナミックの方に持っていったってことですね。
オーディナリティをさらに強化する。デジタルで強化する。
それをダイナミックの方向で考えると、例えば在庫管理みたいなところも大部分を自分たちで在庫を抱えるんじゃなくて、
サードパーティーの皆様とかいろんなところと組んで即時調達できるようにデジタルを使ってやっちゃえば、
在庫管理っていう概念自体が徐々になくなるよねみたいな形に、例えばするとか、在庫管理の勾配の方を変えるとかですね。
みたいな形でいくと、エコシステム的な観点でいろんな人を巻き込んで、より儲かる仕組みを作るんだみたいな話。
ここまで発想を飛ぶとですね、デジタルA使ってるんですけど、めっちゃ発想飛んでますねみたいな話になると思うんです。
これがダイナミックキャパビリティを強化する方向性のリスキリングだと思うんですけど、
どういう方向性でやるのかみたいなことも結構同じリスキルでも違うし。
確かに。確かに違うし、実はこれどっちかっていう話でもないような気がしてきたんですけど。
そこがポイントだと思います。
ポイントですか。
どっちかではない。両方必要なんですよ。
これオーディナリティキャパビリティって、要は既存の資源を活用してそれを伸ばしていく戦略なんですよね。
そのために必要な能力。それに対してダイナミックキャパビリティって変化に備えて様々な探索をする能力なんですよ。
そう考えると探索と活用って量機器の戦略っていう話に出てくるキーワードなんですよね。
実はそこに対応している話で、量機器っていうのは両方必要なんですよ。探索と活用の。
ダイナミックキャパビリティの重要性
今までのものを伸ばしていく活用の能力と、新しいものを試行錯誤して探索していく能力っていうのを両方持って使い分けなきゃいけないっていう話なので、
実はダイナミックキャパビリティっていうのはその全体を含めて既存のものは既存のまま、
新しいところは新しいものにするっていう使い分けも含めてのダイナミックキャパビリティなんだ。
ダイナミックキャパビリティというのは、あの量機器の経営を実行するための考え方?
って言ってもいいと思います。
っていうことなんですか?
実は僕はそういう観点でこの研究を進めたいなと思っているんですよね。
そうなんですね。
はい。
発見ばっかりしてて、この中で。
そういうことか。
面白いですよね。
面白い。
そういう話だったんですね。
実は僕の現体験もそこにあって、僕学者になる前ソニーでテレビの商品企画の仕事をしてたんですね。
最初大ブラウン管事業部にいて、その頃90年代の終わりだったんで、僕桜井さんと同じ97年入社なんですよ。
平面ブラウン管テレビVEGAっていうのがすごい売れた時期で。
懐かしい。
ブラウン管イケイケの状態だったんですね。
そんな中で僕ポツンと誰にも望まれてないプラズマテレビの事業部に移されたんですよ。
荒野に一人ぼっち状態だったんです。
まさに。
本当に人数もすごい少なかったですし、数千人という事業部なのに片屋100人しかいなかったんですよ。
そんな中で新しいものを作んなきゃいけないという状況だったんですけど、
足元でブラウン管の収益というのがしっかり全体の事業を支えながら新しいものを探索する小さい組織があるというのは、
まんざら悪いことでもなかったんですよね。
新しい事業部は今までの事業部とは全く違う感覚で、お客さんの違いをまず感知する。
その中で正確に何をしなければいけないかという状況を補足する。
最後にそれを実行して、資源を再配置して実行するという。
ダイナミックケーパービーティーの3段階という風に言われているんですけれども、
それをしていくことができたので、割とフラットにスムーズにできた。
それを上司が割と組み上げてくれたんですね。
前回有機的組織、機械的組織という話をしたと思うんですけど、
割とうちの事業部長は有機的組織向きの人だったんですよ。
面白そうだからやってみろと。昔ながらのソニータイプの人で。
一方でブランカーの組織というのはソニーの中では珍しく機械的組織だったんですね。
上から下までカチッとしてて、確認のための確認のための確認のミーティングをしちゃうような人たちだったんですけども、
そこの2つのカルチャーが並存していた時期は割とうまくいってたんですよ。
後で一緒になってオーディナリーが勝っちゃう時期があって、
そうするとソニーのテレビは怪しい方向に行っちゃって赤字が増えていったという、また別のストーリーがあるんですけど。
そこはですね、やっぱり最初の話に戻るんですけど、組織がまずどの方向に向かわなきゃいけないのか。
両方大切だよね。両方うまく使い分けていかないといけないよね。
単に一緒くたにしちゃうといいことないよねって気づいてなきゃいけなかったのに、
それにうまく気づけなかった時期のソニーがあったっていう問題はあったんですよね。
そういうような問題意識を感じて、僕実は経営学の世界に入ってたっていうのが一番の現体験なんです。
ソニーとの関わり
現体験来ましたね。
来ましたね。
ソニー。
その現体験からして、うまくいかなくなってから出られたわけですよね。
うまくなる、このままでいくとうまくならなくなるぞっていうタイミングで、実は経営学の世界に入ったんです。
入ったんですよね。だからうまくならなくなった時に、会社の中でそれをどうこうではなくて、
経営学っていう方向に学問の世界に行ったっていうのは、これはどういう状況なんですか?
実はですね、全く偶然といえば偶然で、会社に戻るつもりだったんです。
そこの経営学で博士課程で博士論文を書いた時の知識を持って会社に帰る気だったんですね。
なんですけど、たまたまそのタイミングで、前職の神戸大学の先生からお誘いを受けて、
うちで準教授にならないかって話をいただいて、帰る気だったけどそういう道もあるのかっていう思いもあって、
ソニーの当時の上司に相談したんですよ。そしたら、せっかく博士まで取って、
うちに帰ってきて商品企画に戻るっていうのも一つだけど、別の立場からソニーを応援する、
サポートするような仕事をするのもいいんじゃないかっていうふうに上司に言われたんですね。
さっきお話しした、割と面白そうだからやってみろって言って、その上司その者の人なんですけど、
その人にそう言われて、だったらやってみようかなと。
だから僕はソニーのために経営学者になるっていうのをいつも公言してるんですけれども、
経営学者になって会社に貢献しようというふうに、ちょっと能力の使い方をスライドさせただけみたいな。
そうなんですね。その能力は、ちょっとうまくいかなくなったときに一回出て、経営学者になって、
どういうふうにソニーに還元させてもらったんですか?
それがですね、神戸大学って関西じゃないですか。
関西ですね。
なので関西の会社からはですね、いろいろ相談をされることがあったんですけど、
ソニーと関わる接点が少なくてですね、これはまずいぞと思って、
ワセダに移った。
ワセダはあれなんですよ、ソニーの創業者のイブカ・マサルさんの母校でもあって、
ちょうどワセダに移る前の年に大きな学会がワセダであって、
イブカ・マサルホールってところでですね、大きなその学会のイベントがあって、
イブカさんの名前ついたホールガンル大学っていいなと思って、そういう漠然とした気持ちからですね、
ワセダ、たまたま公募があったんで、受けたら採用になったんでワセダに移って、
こっち戻ってから外部アドバイザー、ソニーの外部アドバイザーやったり、
あるいはソニーって学校を持っているんですね、学校法人ソニー学園ってそこの仕事をやったりとかしてたりとか、
あるいはちょこちょこ、ソニーの経営企画の部門とかに呼ばれて講演をしたりとかっていうのをやったりしてるっていうのが最近ですね。
自動車産業のEV化
なるほど、ちょこちょこ。まさにソニーに貢献しようと思ったきっかけとなった出来事ですよね。
それって、ワセダ、イブカさんの母校であるワセダに戻られて、何となくのイメージですけど、
ソニーに限らずいろんな会社でも同じような問題があると思うので、そこへの提言というか研究というのもされてるなというふうに見させていただいております。
ありがとうございます。エレクトロニクスに限らず様々な産業で同じようなことが起きてるわけなんですよね。
そうした変化の中で、企業がうまく非連続な荒波を超えてですね、社員を荒野に独りぼっちにさせないようにするためにはどうしたらいいのか。
あるいはその独りぼっちになった人の能力をうまく次の能力に結実させるにはどうしたらいいのかっていうようなことをいろんな企業さんとも話をしてたり。
僕自身いろんな産業の調査とかをしているので、いろんな産業に対して同じような議論ってありますよねとか、この産業ではこういうような特殊事情がありますよねみたいなことを議論してたりします。
それは組織のリスキリングを進めているというか、そういうふうにも捉え直せますか。
そうですね、基本的に僕がやっているのは技術の大きな転換点に立ったときに組織がどう変化するかっていう話で、それっていわば組織のリスキリングそのものなのかもしれないですよね。
どうでしょう、最近の事例でお話ししやすいものであるとすると。
自動車産業のEV化なんかまさにそうだと思うんですよ。
EVにどう対応していったらいいのか。今までの自動車産業のやり方だと、来年期間100年続いてきた。
その来年期間の技術にバンと投資すればそれだけリターンがあった。
来年期間が続くっていう時代はこの100年ほとんど変わらなかったので、他の可能性っていうのはほとんど考慮する必要がなかったわけなんですよね。
優れた会社ほど新しい技術に対して今までと同じような対応をするので、今度はEVだと。
EVにドンと投資をして今までのものは打ち切ってしまえばいいっていう風に考えるわけですよ。
そうした会社は実はEVっていうのはまだ完成形じゃなくて、本当にEV万能の世の中になるかわからない。今まさにそうですよね。
最近そのEV化っていうのにちょっと遅れが生じてるっていう風になっている。
もう一回ハイブリッドとか見直されているという時期に、EVに突き進んじゃった会社の方が今苦労しているわけです。
欧州車メーカーなんかそうですよね。
でもそれっていうのは組織の能力が低かったからそうなったんではなくて、今までの自動車産業の当たり前の中で優れた会社だったからこそ、新しい状況に対して間違った対応をしてしまったんだと思うんですね。
なるほどな。優れた会社だからこうなるっていうところって、その優れたっていうのはオーディナリーにおいて優れたってそういうことですか?
そういうことなんです。今までの能力、今までの戦略の中で正しいとされてきたことを忠実に守っている会社。
これは本来有料企業であるはずじゃないですか。でもそういう会社ほど新しい状況には間違った対応をしてしまうってことなんですね。
そこからオーディナリーもダイナミックも両方だっていうところだと思うんですけど、逆に両方できているところ、自動車産業の中でも多分あると思うんですけど、
それはできているところとできていないところって何が組織の学習において違うんですかね。
まず余裕があるということですね。既存事業に余裕があるところの方がいろんなこと考えやすい。
だからうまくできている会社の一つにトヨタ自動車があるわけです。
トヨタ自動車というのはマルチパスウェイ戦略といって、様々な内燃機関以外の可能性、EVだけじゃなくて水素を使った燃料電池車だとか水素エンジンだとか様々なパワートレーンに投資をしている。
それができるのは様々なものに投資をする余裕があるからできているんですよね。既存事業がうまくいっているからこそそういう余裕があるわけなんですよね。
企業の柔軟性と遊び心
でも余裕がそんなにないところでも少なくともハイブリッドだけは残しておこうか。これができているのがホンダなんですよ。
ホンダはEV化を進めながらもハイブリッドも同時に進化させるということをもう2年前から言っているんですね。
実は2,3年前というのはまだEV全盛と言われていた時代で、もう1回ハイブリッドが売れるなんていうふうに誰も思っていなかった時代なんですよ。
その時にもしかするとこの産業においてはそんなに順調にEV化が進まないかもしれないですよという傾向を結構いろんなメディアで言ってきたんですね。
なんですけど割と優れた会社ほどEVで先に進んでしまうということがあって、結果としては様々なことをやっているトヨタの方が蓋を開けたら
EV化が遅れるので、だったらとりあえずハイブリッドで設けましょうということができてしまっている。
これはホンダも同じような状況にあるわけなんですよね。
先生の研究の中で先行きがわからない中では、いろいろなところに投資をしておくのが良しだという言い方しかあったと思うんですけど、それを実行しているかどうかという感じがしますね。
実行することを会社の中で前任するだけの理屈が必要じゃないですか。
その理屈がないと単に無駄遣いしているって話になっちゃうので、将来どういうふうな状況が考えられて何に備えておかなきゃいけないのかということが明確になっていないと余計なことをするというのは会社の中で認めてもらえないと思うんですよね。
そこがやっぱり組織の能力として今求められている、量機器としてあるいはダイナミックケーパービーティーを持つために必要な組織の能力というのはそこなんだと思うんですよね。
先生、僕らの質問していいですか。
将来どうなるかというシナリオみたいなものを考えるということがすごく大事なのかなということをお話し聞いて思ったんですけど、
それを考えるときに必要な力、能力みたいなものとどういったものになりますか。
やっぱり試行錯誤することを認める能力なんだと思うんですよね。
この方向で一つで行くっていうのではなくて、面白そうなものはとりあえずいろいろやってみるっていうのは、現場をどっかに会社の中に残しておくっていうような遊びを持たせる。
経営が苦しくなればなるほど遊びって持ちにくくなるんですけれども、そういうときこそ遊びを残しておくっていう必要があるんだと思うんですよね。
なるほど。遊びの中でシナリオというものがいろいろと複数生まれて、その解像度が上がっていった先に、これもこれはこういうふうにありえるよねってなって経営でちゃんと判断できる。そういう状況を持っていく。
そういうことなんですね。
だと思います。
リスキリングの重要性
こうやで一人ぼっちの話とつながっていくような気もしてるんですよね。この組織の今のお話っていうのは。なんだろう、つながる気はするんですけど。
意識的にこうやで一人ぼっちをいろんなところに作ってみるといいのかもしれないですよね。
作ってみる、そういうことですね。
一つ一つは小さなチャレンジなので、そういうチャレンジをいろんなところでやってみて、ある種オプション理論的にある程度いろんなものをやってみる。
時期が来たら判断をして、これは続ける、これは続けないっていうのを判断していくっていうような発想で進めていくっていうのは一つのやり方じゃないかというふうに思います。
ありがとうございます。
時間になっちゃった。
あっという間ですね。
あっという間なんですよね。
じゃあちょっと3回目でも引き続き僕の話もしながら、今のこうやで一人ぼっちの状況を人的に作っていく。
これって僕すごいリスキリング的な発想だなと思ってて、実践リスキリングじゃないですか。こうやで一人ぼっちの状況を意図して作るっていうのは。
今のこうやで一人ぼっちがすごく長かった話も含めて、3回目はさせていただければなと思います。
はい、では今日も最後までお聞きいただきありがとうございました。
そうだそうだ、これ前回言うの忘れたんですけど、ポッドキャストの詳細欄にメッセージフォームのリンクがありますので、番組への感想とか呼んでほしいゲストなどメッセージをお待ちしております。
では2回目も最後までお聞きいただきありがとうございました。
割いてはMCの桜井と、2回目の主人公。
はい、おさないです。
そして、柿内でした。
28:04

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