ポッドキャストの紹介
寝落ちの本ポッドキャスト。 こんばんは、Naotaroです。
このポッドキャストは、あなたの寝落ちのお手伝いをする番組です。 タイトルを聞いたことがあったり、実際に読んだこともあるような本、
それから興味深そうな本などを淡々と読んでいきます。 エッセイには面白すぎないツッコミを入れることもあるかもしれません。
作品はすべて青空文庫から選んでおります。 ご意見ご感想ご依頼は、公式エックスまでどうぞ。
寝落ちの本で検索してください。 最近、投稿本もご用意しました。合わせてご利用ください。
それと最後に番組フォローもどうぞよろしくお願いします。 さて今日は、
泉鏡花さんの 外科室
を読んでいこうかと思います。 初めて読みますね、泉鏡花さんね。
今日はちょっとすいません、鼻声ですね。 花粉症が治ってきたかなと思ったら、風邪を引きまして、ちょっとね、咳とか出るんですけど、
皆さんもお気をつけください。 なんか100日咳がどこかで流行っているとかいうニュースやってたなぁ。
今日読む泉鏡花さんですが、
日本の小説家、明治後期から昭和初期にかけて活躍。 夜行巡査、外科室で評価を得、これ今日読みます。
荒野ひじりで人気作家になる。 小崎紅葉に支持し、他の主要作品に商用狂言、不敬図などがあるということです。
ちょこちょこ出てきますね、小崎紅葉。 小崎紅葉に支持しっていう。
人何人かいたなぁ。 いずれは小崎紅葉も読まなきゃいけないんでしょうが、みんなの先生ということは、
それだけ時代が古いので、 文章も古くて読みづらいんだろうなぁ、と知り込みしそうな感じもします。
あー調べてみたら金色矢舎の人ですね。 なるほど、タイトルは知ってるなぁ。
なんか女の人のこと蹴ってるのが、どこだっけ、熱海か、 温泉街の、ありますよね、有名な像が。
なんでこの男の人、女の人を足毛にしようとしてるんだろう、みたいな銅像が。
それは確か金色矢舎のモチーフだったと思いますが、 ああそうですか。
で、今日読むのは、そのお弟子さんの泉京華さんが書いた下下室ですね。
文字数が8000文字ぐらいだったんで、おそらく読み終わりまでに30分かかる前という想定です。
上段と下段、大きく2つのパートに分かれてそうですね。
それでは参ります。 下下室。
上。 実は好奇心のゆえに、
しかれども与は、与が得したるを力として、 ともかくも功実を設けつつ、
与と兄弟も畳ならざる医学士、高峰を敷いて、 それの日、東京府下のある病院において、
彼が当を下すべき岐船伯爵夫人の手術をば、 要して見せしむることを余儀なくしたり。
その日午前9時すぐる頃、家を出て病院に湾車を飛ばしつ、 直ちに下下室の方に赴くとき、
向うより倒廃してすらすらと出来たれる家族の小間遣いとも見える、 美名良き女2、3人と廊下の半ばに行きたがえたり。
見れば彼らの間には、皮膚きたる1個7、8歳の娘を要しつつ、 見送るほどに見えずなれり。
これのみならず玄関より下下室、下下室より2階なる病室に通う間の長き廊下には、 フロックコート着たる紳士、制服つけたる武官、あるいは羽織袴の入出しの人物、
その他岐夫人礼上等、いずれもただならず気高きが、 あなたに行き違い、こなたに落ち合い、
あるいは遊観し、あるいは泊まりし、往復あたかも居るが如し。 与は今門前において見たる数台の馬車に思い合わせて、ひそかに心にうなずけり。
彼らのある者は鎮痛に、ある者は気づかわしげに、 あたある者は慌ただしげに、いずれも顔色穏やかならで、
せわしげなる小刻みの靴の音、ゾウリの響き、 一種赤白たる病院の高き天井と広き建具と、長き廊下との間にて異様の響音を響かしつつ、
うたた隕山の趣をなせり。 与はしばらくして外科室に入りぬ。
時に与と相目して身辺に微笑を浮べたる医学士は、 両手を組みてやや仰向けに椅子に寄れり、
今にはじめぬことながら、ほとんど我が国の上流社会全体の貴重に関すべき、 この大いなる責任を担える身の、あたかも晩餐のむしろに臨みたる如く、
平然として冷ややかなること、おそらく彼の如きは稀なるべし。 助手三人と、立合の医学士一人と、
別に赤十字の看護婦五名あり。 看護婦そのものにして、胸に勲章を帯びたるも見受けたるが、 あるやんごとなきあたりより、特に下したまえるもありぞと思われる。
他に女将とてはあらざりし、 何が思考と、何が思考と、何が思白と、皆立合の親族なり、
しかして一種敬意をすべからざる御持ちにて、 修善として達したるこそ、両者の夫の伯爵なれ。 室内のこの人々に見守られ、
麻酔と秘密の葛藤
室外のあの方々に気遣われて、治療も数うべく、明るくして、しかも、 なんとなく凄まじく侵すべからざる如き感あるところの下化室の中央に据えられたる、
手術台なる伯爵夫人は純潔なる白衣をまといて、 紫外のごとく横たわれる、顔の色あくまで白く、鼻高く、おとがい細りて、 手足は両らにだも絶えざるべし。
唇の色すこしくあせたるに、玉のごとき前歯かすかに見え、 目はかたく閉ざしたるが、眉は思いなしかひそみてみられつ、
わずかにつかねたる頭髪は、ふさふさと枕に乱れて台の上にこぼれたり、 そのか弱気に、かつ気高く、清く、尊く、
麗しき美女の面影を一目見るより、弱、立然として寒さを感じぬ。 医学士はとふと見れば、彼はつゆほどの感情も動かしおらざる者のごとく、
巨神に平然たる様あらわれて、椅子にすわりたるは、室内にただ彼のみなり、 その痛く落ちつきたる、これを頼もしといわばいえ、
白釈夫人のしかき容態を見たるよが目よりは、むしろ心にくきばかりなりしなり、 折からしとやかに頭配して、静かにここに入れ来たれるは、
さきに廊下にて行きあいたりし、三人の腰もとの中に、ひときわ目立ちし女なり。 外、
木舟白に打ち向かいて、沈みたる御長もて、 午前、
ひい様は、よよお泣き止みあそばして、別室におとなしをいらっしゃいます。 白は物岩でうなずけり、
看護婦は我が医学士の前に進みて、 それではあなた、
よろしい、と一言答えたる医学士の声は、このとき少しく古いお帯でぞ、よが耳には達したる。 その顔色はいかにしけん、にわかに少しく変りたり。
さてはいかなる医学士も、すわという場合に臨みては、 さすがに懸念のなからんやと、よは同情を表したりき。
看護婦は、医学士の胸をりょうして後、かの腰もとに立ち向かいて、
もう何ですから、あのこと、ちょっと、あなたから。 腰もとはその意を得て、手術台にすり寄りつ、ゆうに膝のあたりまで両手を下げて、しとやかに
立礼し、 奥様、ただいまお薬を差し上げます。どうぞそれをお聞きあそばして、いろはでも数字でもお数えあそばしますように。
白尺夫人は答えなし。 腰もとは、おそるおそる繰り返して、
お聞き済みでございましょうか。 ああ、とばかり答え給う。
念をして、 それではよろしゅうございますね。
何かい、眠り薬をかい。 はい、手術の済みますまでちょっとの間でございますが、下死なりませんといけませんそうです。
夫人は目して考えたるが、 いや、よそうよ、
と言える声は半然として聞えたり、一度顔を見合わせぬ。 腰もとは、さとすがごとく、
それでは奥様、ご了示ができません。 ああ、できなくってもいいよ。
腰もとは、言葉はなくて帰り見て白尺の色をうかがえり、 白尺は前に進み、
奥、そんな無理を言ってはいけません。 できなくってもいいということがあるものか。わがままを言ってはなりません。
黄尺はまた傍らより口をはさめり、 あまり無理を言い合ったら火を連れてきてみせるがいいの、早くよく並んでどうするものか。
はい。 それではご特診でございますか。
腰もとはその間に終戦せり、 夫人はおもげなるかぶりを振りぬ。
看護婦の一人は優しき声にて、 なぜそんなにお嫌い遊ばすの?
ちっとも嫌なもんじゃございませんよ。 うとうと遊ばすとすぐすんでしまいます。
この時、夫人の眉は動き、口はゆがみて、瞬間苦痛に絶えざるごとくなりし、 半ば目を見開きて、
そんなに強いるなら仕方がない。 私はね、心に一つ秘密がある。
眠り薬は上事を言うと思すから、それが怖くってなりません。 どうぞもう眠らずにお了事ができないようなら、もう、もう治らんでもいい。
よして下さい。 聞くがご特訓は、白石夫人は、
意中の秘密を夢うつつの間に人につぶやかんことを恐れて、 死をもてこれを守ろうとするなり、
夫たる者がこれを聞ける境中いかん。 この言葉をして、もし平然にあらしめば必ず一場の憤怒を引き起こすに遭いなきも、
病者に対して看護の地に立てる者は何らのこともこれを不満に着せざるべからず。 しかも我が口寄りして、あからさまに秘密ありて人に聞かしむることを得ず、
と断固として言い出せる夫人の境中を恐れば。 白石は御子として、
「わしにも聞かされることなんか?」 「え?」 奥。
はい。誰にも聞かすことはなりません。 夫人は欠然たる者ありき。
何も麻酔剤を嗅いだからって、上事を言うという決まったこともなさそうじゃのう。 いいえ。こんなくらい思っていればきっと言いますに違いありません。
そんなまた無理を言う。 もうごめん下さいまし。
投げ鶴が如く書く言いつつ、白石夫人は寝返りして横にそむかんとしたりしが、 やめる身のままならで歯を鳴らす音を聞こえたり。
ために顔の色の動かざる者はただあの医学士一人あるのみ。 彼は先にいかに試験。
ひとたびその平成を失せしが、いまやまた自弱となりたり。 公爵は十面作りて、
岐船、これは何でも姫を連れてきてみせることじゃのう。 何もでもこの可愛さにはが折れよう。
白石はうなずきて、 これ、綾。
は、と腰元は振り返る。 何を。
姫を連れて来い。 夫人はたまらずさえぎりて、
手術の始まり
綾、連れてこんでもいい。 なぜ眠らなきゃ了事はできないか。
看護婦は急したる笑みを含みて、 お胸を少し切りますので、お動きあそばしちゃ危険でございます。
何、私はじっとしている。動きはしないから切っておくれ。 与はそのあまりの無邪気さに、覚えず心肝を禁じえざりき、
おそらく今日の石灰術は目を開きてこれを見るものをあらじとぞ思えろうや。 看護婦はまた言えり。
それは奥様、いくら何でもちっとはお痛みあそばしましょうから。 爪を劣れあそばすとは違いますよ。
夫人はここにおいてぱっちりと目を開けり、気も確かになりけん。 声は凛として、
刀を取る先生は高峰様だろうね。 はい、外科課長です。いくら高峰様でも痛くなく起きり申すことはできません。
いいよ、痛かないよ。 夫人、
あなたのご病気はそんな手軽いのではありません。肉を削いで骨を削るのです。 ちっとの間ご辛抱なさい。
臨検の医薬師は今初めて書く言えり。 これ到底肝運調にあらざるよりは耐えうべきことにあらず。
しからに夫人は驚く異論なし。 そのことは存じております。でもちっともかまいません。
あんまり大病なんでどうかしよったと思われる。 と、伯爵は修膳たり。
皇爵は肩腹寄り。 ともかく今日はまあ見合わすとしたらどうじゃの。
あとでゆっくりと言い聞かすがよかろう。 伯爵は一義もなく。
衆皆これに同ずるを見て、かの医薬師は遮りぬ。 一時遅れては取り返しがなりません。
一体あなた方は病を軽蔑しておられるからどっちやかん。 感情をとよかく言うのは戸足です。
看護婦、ちょっと抑えもうぜ。
手術の緊張
いと、おごそかなる命のもとに五名の看護婦はばらばらと夫人を囲みて、 その手と足とを抑えんとせり。
彼らは福寿をもって責任とす。 単に医師の命を那に放ずればよし。あえて他の感情をかえりみることを要せざるなり。
あや、来ておくれ。あれ。 と、夫人は頼りる意気にて腰元を呼び給えば、あわてて看護婦を遮りて、
まあ、ちょっと待って下さい。 奥様、どうぞ五感にあそばして。
と、やさしき腰元はオロオロを声。 夫人の面は壮然として、
どうしても聞きませんか。それじゃ治っても死んでしまいます。 いいからこのままで手術をなさいと申すのに。
と、真白く細き手を動かし、かろうじてエモンを少しくつろげつつ、 たまのごとき凶暴をあらわし、
さあ、殺されても痛からない。ちっとも動きはしないから。 大丈夫だよ。切ってもいい。
決然として言い放てる。辞職共に動かすべからず。 さすが好意の恩美として意見あたりを払うにぞ。
慢動ひとしく恋を飲み、高きしわ吹きをも漏らさずして、 積善たりしその瞬間。
さきより人の身動きだもせで、支配のごとく見えたる高みで、 軽く剣を起して椅子を離れ、
「看護婦、メスを。」
「ええ。」と看護婦のひとりは目を見張りてためらえり。
一度ひとしく愕然として医学士の面を見守るとき、 他のひとりの看護婦は少しくふるえながら、消毒したらメスを取りてこれを高峯に渡したり。
医学士は取るとそのまま靴音軽く頬を移して、つと手術台に近接せいり。 看護婦はおどおどしながら、
「先生、このままでいいんですか?」
「ああ、いいだろう。」
「じゃあ、お押さえ申しましょう。」 医学士はちょっと手をあげて軽く押しとどめ。
「なに、それにも及ぶまえ。」 言うとき早くその手はすでに患者の胸をかき開けたり、
夫人は両手を肩に組みて身動きだもせず、 かかりしとき医学士は、近岡ごとく、
真珠厳粛たる御頂もて、 夫人、責任を負って手術します。
時に高峯の風采は一種神聖にして、 侵すべからざる異様のものにてありしなり。
「どうぞ。」 と一言答えたる夫人が蒼白なる両の頬に吐けるがごときべにを打ち押しつ、
じっと高峯を見つめたるまま、 胸に臨めるナイフにも眼子をふさがんとはなさざりき。
と見れば、雪の寒黄梅。 血潮は胸よりつと流れて、さと白夜をそむるとともに、
夫人の顔はもとのごとく糸青白くなりけるが、 果せるかな自弱として足の指をも動かさざりき。
ことのここに及べるまで、 医学士の挙動を妥当のごとく迅速にしていささか感なく、
白尺夫人の胸を裂くや、一度はもとより、 かの医学士に至るまで、言葉をさしはさむべき寸劇とてもなかりしなるが、
ここにおいてか、罠なくあり、面を覆うあり、 疎外になるあり、あるいは神戸をたどるあり、
世のごとき我を忘れて、ほとんど心臓まで寒くなりぬ。 3セコンドにして彼が手術は早その過境に進みつつ、
過去の思い出
めす骨に立つとおぼしき時、 アッと深刻なる声を絞りて、
二十日以来寝返りさえも得せず聞きたる夫人は、 がぜん機械のごとくその半身を跳ね起きつつ、
戸を取れる高峰が、寝ての甲斐なに両手をしかと取りすがりぬ。 痛みますか?
「いいえ、あなただから、あなただから。」 かく言いかけて伯爵夫人はがっくりと仰向きつつ、
精霊きわまりなき最後の眼に黒首をじっと見守りて、 「でもあなたは、
あなたはわたくしを知りますまい。」 言う時おそし、高峰が手にせるめすを片手に添えて、
父の下深くかき切りぬ。 医学士は真っ青になりておののきつつ、
忘れません。 その声、その息、その姿。
その声、その息、その姿。 伯爵夫人はうれしげに、いとあどけなき笑みを含みて高峰の手より手を離し、
ばったり枕にふすとぞ見えし、唇の色変わりたり。 その時の二人が様、
あたかも二人の身辺には天なく地なく社会なく、まったく人なきがごとくなりし。 下、
数うれば早九年前なり。 高峰がそのころはまだ医学大学に学生なりし身切りなりき。
ある日夜は彼とともに小石川なる植物園に散策しつつ、 五月五日、つづじの花盛んなりし。
彼とともに手をたずさえ、 放送の間を出つ入りつ、
園内の公園なる池をめぐりて、先そろいたる富士を見つ。 帆を転じて賢なる筒子の丘に登らんとて、
池に沿いつつ歩める時、彼方より来たりたる一群の観客あり。 一人洋服の衣出たちにて煙突棒をいただきたる畜然の男を前衛にして、
中に三人の婦人を囲みて、後よりもまた同じ様なる男を来たり、 彼らは貴族の御舎なりし。
仲なる三人の女たちは一様に深張りの日傘を差しかざして、 裾さばきの音いとさやかにスルスルと練り来たれると行き違いざま高峰は思わず後ろを見かえりたり。
見たか。 高峰はうなずきぬ。
うーん。 かくて丘に登りて筒子を見たり。
筒子は美なりしなり、されどただ赤かりしのみ。 片わらのベンチに腰かけたるアキュードていの若者あり。
よしさん、きょうは言うことをしたぜな。 そうさね、たまにはお前の言うことを聞くもいいかな。
浅草へ行ってここへ来なかったろうもんなら、拝まれるんじゃなかったっけ。 のにしろ三人もそろってら、どれが桃やら桜やらだ。
ひとりは丸まげじゃないか。 どのみち早ご相談になるんじゃなし、丸まげでも即発でも、ないし釈摩でもなんでもいい。
ところであのふうじは、ぜひぶんきんと来るところを一応と出たな。 どういう気だろう。
一応、うかてんがいかんかい? うーん、わりいしゃれだ。
なんでもあんたがたがお忍びで目立たぬようにという腹だ。 ねっ、それ真ん中の水際が立ってたろう。
いまひとりが陰武者というのだ。 そこでお飯物はなんとふんだ?
藤いろとふんだよ。 え、藤いろとばかりじゃ本読みがおさまらねえぜ。そこのようでもないじゃないか。
まばゆくってうなだれたねえ。おのずと頭があがらなかった。 そこで帯からしたい目をつけたろう。
ばかおいわし、もったいない。みしや、それともわからぬ間だったよ。 ああ、のこり惜しい。
あの、また歩きぶりといったらなかったよ。 ただもうすーっとこう霞みにのっていくようだっけ。
すそさばき、妻はずれ、なんということをなるほどと見たわ、きょうがはじめてよ。 どうもお育ち柄はまた格別違ったもんだ。
あれはもう自然天然とうんじょうになったんだな。 どうして下界のやつばらがまねよったってできるもんか。
ひどくいうな。 ほんのこったがわしはそれご存じのとおり、中尾三年間こんぴらさまに立ったというもんだ。
ところがなんのことはない。肌まもりをかけて夜中に土手を通ろうじゃないか。 ばちの当たらないのが不思議さね。
もうもうきょうというきょうは発信きった。 あの滑ったどももどうするものか。
みなさい、あれあれ、ちらほらと、こうそこいらに赤いものがちらつくがどうだ。 まるでそらゴミか、うじがうごめているように見えるじゃないか。
ばかばかしい。 これはきびしいねえ。
じょうだんじゃない。あれ見な。 やっぱりそれ手があって足で立って着物も羽織もぞろりとおめしで、同じようなこんもり傘で立っているところは、
はばかりながらこれ人間の女だ。しかも女の心臓だ。 女の心臓にちがいはないが、今おがんだと比べてどうだい。
まるでまってくすぶって、なんとか言っていいがよごれきっていいらあ。 あれでも同じ女だってさ。はっ、聞いてあきれない。
おやおや、どうした大変なことを言い出したぜ。 しかしまったくだよ。私もさ、今まではこうちょいとした女を見ると、ついそのなんだ、
一緒に歩くお前もずいぶん迷惑をかけたっけが、今のを見てからもうもう胸がすっきりした。 なんだかせいせいとする。いらん女はふっつりだ。
それじゃあ生涯ありつけまいぜ。 元気したやら、みずからは。とあのひいさんが言いそうもないからねえ。
バチがあたら、あてこともない。 でもあなた、やあと来たらどうする?
正直なところ、わしは逃げるよ。 そこもか。
物語の導入
え、君は? 私も逃げるよ。と目をあわせずしばらく言葉絶えたり。
高見根、ちょっと歩こうか。 与は高見根とともに立ち上がりて、遠くかの若者を離れし時、高見根はさも感じたるおももちにて、
ああ、真の美の人を動かすことはのとおりさ。 君はお手のものだ。勉強したまえ。
与は餌したるがゆえに動かされぬ。 行くこと数百歩。
あの屈の大樹の宇都をたる木の下陰のやや薄暗きあたりを行く藤色の絹の橋を遠くよりちらとぞ見たる。
そのをいずれば竹高く越えたる馬二頭を立ちて、 すりガラス入りたる馬車に、
見たりのベッドを安らいたりき。 その後九年を経て病院のかの子と有島で、高見根はかの婦人のことにつきて、
世にすらことをも語らざりしかど。 年齢においても地位においても、高見根は質あらざるべからざる身なるにもかかわらず、
家を治る婦人なく、しかも彼は学生たれし時代より貧困一層禁厳にてありしなり、 世は多くを言わざるべし。
青山の墓地と柳の墓地とところこそは変りたれ。 同じ日に前後して相ゆけり。
ゴオヨス天下の宗教家、彼ら二人は罪悪ありて天に行くことを得ざるべきか。 1971年発行
門川書店門川文庫 荒谷ひじり
より独領読み終わりです むず
むずかしいこれ
難しかった そっか
ちょっと難しかったなぁ 泉強化さんはこんな感じか
ずっとこんな感じしんどいなぁ
なんとかザリキーみたいなものいいね そうですか
なんか若者同士の掛け合いもなんかちょっとよくわかんなかったしな 一部よくわかりませんでした
あれでしょ女の人見てワイワイ騒いでる男の会話でしょ これがわからなかったんですけど
ところであの風情は是非文均と来るところを一応と出たなぁどういう気だ 一応我転がいかんかい
悪い洒落だ全然わかんないんだけどこれ 文均高島田と書いて文均て振りがながってあるんです
どういう意味なんですかこれは 着物の模様とか帯の模様の話をしているのかな
なんかね今と違ってもしかしたらこういう時にはこういう 服を着るべきじゃないみたいなのがあったのかなという気もしますがわかれません
わかりませんね本当に だからこれ今日
賞味 20
25分いかないぐらいの 寸法だと思うんですけどその前後のこの僕の
ダベリーを抜いたらね 全部なんか倍ぐらい疲れた感じしますね
そうですか泉京子さん次読む時気をつけよう危ない 想定以上の疲労が来る可能性がありますねはい
じゃあ終わりにしましょうか 無事寝落ちできた方も最後までお付き合いいただいた方も大変にお疲れ様でございました
といったところで今日のところはこの辺でまた次回お会いしましょう おやすみなさい