質問にすぐ答えることは不誠実
にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回お話しするのは、
質問にすぐ答えるのは不誠実だ、というものです。
木曜日は日頃考えていることを適当に話しています。
人に何かを教えるのって難しいですよね。
何も知らないところに、いちからいろいろ指導していくみたいな、むちゃくちゃ難しい話をしているのではありません。
質問に答えるという、わりとよくあるシチュエーションのことです。
質問している人にとっては、すぐに答えを知りたいところだろうけど、
単に答えだけをもらうのを習慣にしてしまうと、似たような質問をたくさんして学習する必要があって、
それはそれで、とても効率の悪い学び方ということになるのです。
まあね、そういう学びのスタイルが絶対に悪いというわけでもないのですが、
少なくともある程度の知識がついたところで、このやり方をするのはよくありません。
自分で学ぶことができる人は、試行錯誤的にためた知識の量がある程度になると、
それを整理したり、体系化したりするものです。
その時には、なぜそうなるのか、なぜそうするのか、という疑問に対する答えが必要です。
これに答えるためには、質問者の持っている知識や、本当に聞きたいことは何かを探る必要があります。
これは結構大変だし、まあまあめんどくさいのです。
めんどくさいので、適当に答えだけを教えておしまいにする人もいて、
質問の本質を追求する必要性
そういう人は教える立場になってはいけないと思うのです。
逆に、教える立場になってしまったら、質問の本質を掘り下げる努力を惜しむようではいけないのです。
どんなお仕事でも、ある程度の期間働いたら、誰かを指導するという立場になるものです。
実は、この立場になった時が難しいのです。
指導する立場になるということは、現在自分が持っている現場の仕事の他に、教えるという仕事が増えるということになります。
これを現場をやりながらやっていくのは大変なものなんです。
そして、自分が覚えてしまった現場の業務をやり続けるのはとても楽なことなのです。
よく面倒を見るって言いますけど、この言葉は文字通りに受け取る必要があるものです。
今やっている仕事の他に面倒事が増えるのです。
実際問題、現場の仕事をそのままやるのは無理だと考える必要があります。
教える側の人がここを分かっていないことが多いのです。
誰かの面倒を見る必要があるなら、今の業務を減らさなければなりません。
減らして時間を作るのです。
この時に乗り越えなければならないことは、現場仕事をやらないことに対して罪悪感みたいなものを感じる心です。
なんとなく周りからサボっているように見られているのは、居心地の良いものではありません。
でも、現場仕事で手一杯になっていたら、誰かを育てることはできないのです。
それはなぜかというと、育てる相手のいろいろな側面を掘り下げる必要があるからです。
これは現場仕事とは全く違うと考えなければなりません。
質問に真摯に答えるというのはそういうことです。
いつもサボっていて、何か聞くとくどい話になる人。
こう思われるのはなかなかつらいですよ。
でもそうしないと、不誠実な回答をする人になってしまうのです。
今の企業や組織には、そういう人を作る余力がなくなっているかもしれません。
そういう視点で自分や組織を見直してみましょう。
自分はどうしたら現場仕事を減らすことができるのか、ちゃんと考えましょう。
ITを活用するのはそのためなのです。
こんなふうに誠実に質問に答えられる人がいない組織は先がないし、
そういう人が増やせない組織は衰退します。
さて、あなたは今どのような立場にいると思いますか?
今回は、質問にすぐ答えるのは誠実だ、という話をしました。
今日はここまで。
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今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。
ではまた。