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2025-05-27 12:54

236 単元 「星新一ランド」について語る。

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前任校で取り組んだ単元「星新一ランド」について語ります。

いつか、この単元は何らかの形にしたいと思います。  

#星新一 #単元 #優劣が見えにくい #楽しく学ぶ

サマリー

このエピソードでは、単元「星新一ランド」における教育アプローチが語られ、生徒が興味を持って学ぶ工夫が特徴です。星新一のショートショートを活用し、生徒は自らの役割を持ちストーリーを発表することで、学びの楽しさを再発見しています。特に、中間発表会を通じて生徒間の意見交流が活発になり、学びが深まっています。

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皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。
この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
星新一ランドの背景
今日は236回、単元 「星新一ランドについて語る」というタイトルでお届けしたいと思います。
この星新一ランドというのは、全人口で取り組んだ単元になります。
そもそものきっかけは、全人口では、ちょっと言いにくいんですけれども、
進学校の二番煎じのような、そういったシラバスによって、生徒は興味・関心を失ってしまって、
自分たちに全然フィットしていない学びを、いわば押し付けられて、学ぶということを諦めた様子が、私には伺えました。
どんな内容だったかというと、学校設定科目、国語研究とかいうのがあるんですね。
最初に赴任した時に、その国語研究のシラバスが、問題集を順番にやるという、
全く生徒自体に合わない設定で、これで国語の力がつくんだというような、そう言わんばかりの、そういった内容になっていたわけなんですね。
それはちょっと違うだろうと思った私は、国語研究の内容をガラッと変えて、
もう本当に、単元構想をして、子どもたちに課題を持たせて、それを解決していきながら、
読む、聞く、話す、書くを回しながら、生徒が生き生きできる、そういったタイトル、そういった内容、
そういった導入で仕掛けたのが、今回の単元構想になります。
これね、だいぶ前に、2年か3年前、4年くらい前かもしれない。
Xで、ちょっとかっこいい感じで、この単元構想の前につぶやいたんです。
教室という自己肯定感の得られない場に晒されて、もう学ぶことは自分を傷つけることなんだと、
諦め、投げ出した生徒たちに、少しずつ関係を結び、試行錯誤を繰り返しながら、
優劣の見えにくい課題を与え、自分らしさを称えて、彼らの学びを取り戻していく。
そんな1年だった、というかっこいいタイトルで、Xで発信しまして、
それで、単元構想について、ちょろちょろっとつぶやいていた日々がありました。
その時の生徒実態というのは、やっぱり学力があまりない。
そして、学ぶことにとても背を向けている。
学校で来るだけで、いっぱいいっぱい。
授業がわからないというような、本当に学ぶことから背を背けてしまっている生徒実態が見えたわけです。
これじゃあ、生徒をかわいそうだということで、
当時の先生たちに、こういうふうなことをしようと。
ワクワクできるようなものにしようと。
こういうふうに呼びかけて、考えに考えたのが、星新一ランドという、そういう単元でした。
授業の実施方法
ことの発端を深く深く振り返ってみると、
私が初任校で教えた時に手応えがあったのが、
実は星新一さんの福を着たぞうという教科書教材だったんですね。
なかなか生徒に合う教材がないと思っていた時、
この福を着たぞうという、この作品、生徒すごく面白がって、
私も本当にこの福を着たぞうというのが教えていて楽しいなという思い出がありました。
当時、この星新一のいろんなショートショートを読ませて、
それで来るべき未来について考えるみたいな、
そういうふうな授業をしたというのが私の頭の片隅にあって、
いわばそれをリバイバルして、さらにバージョンアップしたのが、この星新一ランドという単元になります。
星新一ランドというこのネーミングはなぜ思いついたかというと、
小学校の先生で絵本の取り組みをした人がいて、
絵本ランドだったかな。とにかく小学校の生徒たち一人一人に絵本というものをレポートする。
その取り組みをお話しランドを作ろうみたいな単元で発表された先生のその発表がすごく頭に残っていて、
もう私もこのランドっていうのを使いたいって思ってたんですよ。
とうとう使える日がやってきました。
星新一っていうのショートショートいっぱい発表している人、
その星新一のショートショートを一人一つずつ担当して、
それを集めて星新一ランドっていうお話の国を作ろうという単元を構想したんです。
じゃあその大まかな取り組みの様子についてお話をしますね。
まず最初に、星新一って知ってるっていうところからスタートして、生徒知らないわけです。
これから短いお話、星新一のショートショートを読むから、
最終的にみんなで一人一つずつ読んで、星新一のお話し集、星新一ランドを作ろうと、
こういうふうに発表してスタートするんですね。
そこは生徒はポッカーンとして、今まで問題集で授業していたのに突然、
星新一ランド?何それ?ということで、多少の驚きとそしてワクワク感を持って始めることになりました。
で、星新一を一個まず読んでみようということで、生活維持賞っていうショートショートを読ませたんですね。
これ実際読んでみるととても奥深い話で生徒も衝撃を受けるわけなんですけれども、
気づきや感想を出し合い、そして先生の方から読み深める発問をしたりなんかして、
その生活維持賞っていうショートショートにどういう意味が隠されているかっていうのを言わば、
シミュレーションとして予習するわけです。
で、生活維持賞っていうこのショートショート一編から、このショートショートを紹介するスライドを作ろうねっていうことで、
小学生でも分かるようにスライドを作ろうねっていうことでスタートしたわけですね。
そのモデルスライドの出来が結構生徒のやる気を左右するわけなんですけど、
モデルスライドを見て生徒はやる気を我全持ちました。
というのもあんまりハードル高くなくて簡単にできそうだし、
それからそのモデルスライドには分かりやすくストーリーを説明する人、
AさんBさんみたいに2人のキャラクターが掛け合いながらストーリーを説明するっていうね、
そういう本当にハードルが低くてなおかつ分かりやすいっていうそういう設定にしたわけですね。
そういうちょっとした工夫で生徒のやる気に火がつくっていうのは、
私の今までの取り組みの中から湧き出たものだと、私自身のここは本当に強みだと思うんですね。
そして生徒に一人一人自分の担当するショートショートを配ります。
ここも完全にランダムです。どこが当たるか分かりません。
長い短いもあるけど、自分一人一人に一個ずつのショートショートを渡すからねっていうことで、
一人一人担当が決まっていくわけです。
ここのポイントはやっぱり自分がここしか担当しないんだ。
自分だけがここを担当してるんだっていうそういう責任感。
それから他の人と比べられないという安心感。
同じ人と比べられるとどうしても優劣が見えてきます。
星新一ショートショートの授業
でもかけがえのない自分の担当なんだって思うと優劣見えにくい上に、やっぱり自分自身の自尊感情を刺激されます。
ということで自分の担当するショートショートを一つ受け取った後は、
モデルスライドを見ながら真似しながらスライドを作成していくということになります。
スライドを作成するということでいいなと思ったのは、
AさんとBさんという人が掛け合いながらストーリーを説明していくので、
まずストーリーがきちっと分かってないとできないわけです。
ストーリーをそのままペタペタね、下手すれば文章を貼り付けて、それで展開してしまうという文が出てくるところを
キャラクターを2人設定して、その2人が掛け合いながらストーリー説明していくということは、
本当にそのショートショートの内容が分かった上で紙くだけ説明しないといけないので、
でこの設定は本当に良かったなって思います
ということでスライドを説明するためには
登場人物2人に語らせる設定にしないといけない
ということはショートショートの内容を
かなり深く読み込まないとできない
ということで自然と星新知のショートショート
何回も何回も読む羽目になるわけですね
ということで生徒主体的に何度も何度も文章に
立ち返って読んでいく
読み深めるということになりました
でその次に行ったのは中間発表会です
当時は横並びの3クラスで展開していたんで
AAっていうグループ40人
B40人C40人で合計120人で横並びで授業展開していたんで
40ペンずつ作品を担当していきました
だからクラスの中のAっていうグループはある
書短編小説Bっていうクラスはその同じもの
Cっていうクラスはまた同じものっていうように
串刺しで同じ作品を担当していたわけで
クラスをまたいでの中間発表をしてみました
そしたらどういうことが起きたかっていうと
同じ担当者が同じスライドの進捗状況を見て
刺激し合うわけですね
刺激し合って あの人はこんなふうなことしてる
あの人はこういうふうなことしてる
私ももっと頑張りたいっていうふうに
クラスをまたいでの意見交流
スライド交流はとても良かったと思います
でまたクラスに帰ってヒントをもらいながら
自分のスライドを充実させていきました
でブラッシュアップが済んで発表練習をして
そしてクラスの中でグループを作って発表会を行いまして
ベストスライドを決定して
それで最終的にそのベストスライドを
もう一度発表してもらって振り返りをやったっていうのが
今回の星新一ランドの流れになります
中間発表会と生徒の交流
ということでかなりいろんな工夫を
随所随所に仕込んでいるんですね
多分今しゃべったこと以外にも
いろんな工夫が入っています
これをいつか何らかの形で
誰でも取り組みやすいような形式にしてみたいなぁ
と思っているわけですけれども
生徒が主体的になるちょっとした工夫っていうのが
まあいろいろと中に入っているっていうことなんで
これって本当にね
今までの経験が生きた単元だったと思います
ということで
単元についてお話をしてきましたけれども
この単元を横並びの先生と一緒にやった時に
お二方とも言っていました
先生誰一人寝ていません
みんなシーンと夢中になって取り組んでいます
私たちはすることがないです
感動して泣きそうですって言ったのを
今でも忘れられません
本当に生徒あれだけ学ぶっていうこと
背を向けていた生徒たちが誰一人寝ることなく
夢中でひたむきに言葉と向かい合っていた
あの時間本当に私自身の中では
思い出深い取り組みになりました
幸せなそういう経験をさせてくれてありがとう
生徒たちには感謝の気持ちでいっぱいです
それでは今日の配信はここまでです
聞いてくださりありがとうございました
またお会いいたしましょう
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