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皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道ス黒瀬直美です。
この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育について、ゆるっと配信しています。
今日のタイトルは、その言語活動に必然性はあるのか、というちょっとなんかねえらそうなタイトルになってしまったんですけれど
現行の学習指導要領から、現場でしきりに言語活動の取り組みが行われていると思います。
でもね、過去にこの言語活動を取り入れた教育現場では、這い回る教育という風に言語活動が空転した過去を持っております。
という風に、這い回る教育という批判を受けた、そういう言語活動の空転を何とか有機的なものにするにはどうしたらいいのかというのを、またまたゆるっと語りたいと思います。
今の言語活動が花盛りですよね。パフォーマンス課題という風に言われるようになったので、このキーワードを現場ではイメージしながら言語活動を仕掛けていることと思います。
私もそういう気持ちでやってはいるんだけれど、できるだけその言語活動が生徒にとって興味関心があり、それからその教材にとっても内容的に深い関わりがあり、
そしてさらに生徒が必然性を持ってその課題に取り組むことができるのかっていうのをよく考えながら取り入れるようにしているんですけれど、
とある本をこの間買ったんですけど、それを開けてみてちょっと残念な気持ちになったんですね。その本についてはもうあまり語りませんけれど、
実践例を取り出すと本がわかっちゃうんで、実践例を少し変えながら、こんな実践でこういうところが残念だったっていうのを語りたいと思います。
まず奥の細道をやるときにどんな導入にするのかなと思ってパッと見たら、
気候群についてどういう印象を持っているかとか、松尾場所について知っていることはないかっていう導入でスタートしているというね、そういう指導案だったんですね。
考え込んでしまいましたね。これで生徒は生き生きするんだろうか。
私だったらちょっとね、生き生きする生徒に出会ったことないですよね。
私だったらどういうふうに入るかな。例えば、旅したことあるとかいう感じでいろんな旅をした経験を語らせたりしながら、
実はこんなところを旅してこんな歌を読んだ、俳句を読んだ人がいるんだよとかって言いながら、その旅と結びつけながらやるかなと思うんですけれど、
この指導案の最後のパフォーマンス課題、言語活動は、その俳句の前書きとかね、
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そういうのをちょっとアレンジしてつぶやきに変えようっていうようなパフォーマンス課題だったんですね。
これはしっかりその俳句の読解を通じて、生徒の理解を吐き出すというか表現させるっていう意味では、とても考えられた言語活動だなと思いましたね。
なので、導入が全然工夫がないのにびっくりしたというか、ちょっと残念だったという気持ちを持ちました。
その本には他にもいろんな言語活動がいっぱい入っていて、だいたい導入が本当にびっくりなんですけど、
例えば、源氏物語の導入どうなのかなと思ってたら、源氏物語は何時代に書かれたとか、概要説明から入っているわけですよ。
これは文学部っぽい思考なのかなとも思うんだけど、私だったら源氏物語っていうタイトルでみんな知ってるという感じでね。
生徒の関心から言って、源氏物語と現実の生徒の着地点がなかなか見つかりそうにないから、
キャラクターをね、こんなキャラクターなんだよって、光源氏ってこういう人なんだよって。
そうしたら興味関心を抱きますよね。うわ、そんな話だったのかということで。
そういうふうに登場人物を具体的に出して、その人物の魅力に引き合わせてそこから結びつけるとかいう導入もあっていいんじゃないかなと思ったけど、
いきなり概要説明かよというツッコミを入れたくなるような指導案でした。
その指導案のパフォーマンス課題、言語活動は結局、自分にとって印象に残った人物の人物紹介の発表だったんですね。
これは生徒も興味があると思うんですよ。だからその人物像の紹介をやるんだったら、導入もそれにそうした導入しかけるべきだと私は思いますね。
ということで、期待して買った本が実はちょっと私にとっては残念だったという、そういう本だったんですけれど、今度は別の本。
これも紹介してもいいんですけど、ちょっと残念だったという点も挙げる関係上も隠しておきますけど、とある本では言語活動を先行型だったんですよ。
どんなことかというと、言語活動そのものが目的。例えば絵本を作りましょうとか、あとはカルタを作りましょうとか、紙芝居を作りましょうとかっていうように、
言語活動を優先型で、まず生徒にこれを作ろうっていうふうに提示してスタートするっていうので、
これも果たして生徒の実態とか、何のためにこれを作るのかとか、必然性があるのかとか、
そのために相手をどういうふうな人に対してその表現活動をするという設定があるのかとか、そのためにどういうことを学ぶのかとか、
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そのテキスト、それを表現するための下地になるテキストはどういうふうにするのかっていうのがちょっと疑問でしたね。
たぶん生徒は絵本作ろうって言ったら嬉しそうに作ると思うんですよ。新聞作ろうって言ったら嬉しそうに作ると思うし、
カルタ作ろうって言ったら嬉しそうに作ると思うんだけど、果たして本当に必然性があるものなのかどうかを厳しく問いながらやるべきだと思いますね。
私も過去、アニメとか映画とか漫画とかの紹介スライドを作りましょうっていう取り組みをやったことがあります。
そのためにひねくり出した必然性っていうのは、日本のポップカルチャー、サブカルチャーを外国の人にも分かりやすく魅力を語れるようにしよう。
なおかつ自分たちがとても興味関心のあるそういうものをどうやって分かりやすく伝えたらいいかっていうのを勉強しましょうっていうことで設定したんですけど、
ちょっとそういうふうなことを抱き合わせるだけでも違ってくると思うんですね。
なのでやっぱり言語活動先にありきのそういう単元っていうのは果たしてどうなのかなと私自身も思っています。
特になんちゃら新聞とかを作ったりするじゃないですか。
なんちゃら新聞を作りましょうって言って、私が教えていただいているセラヒロアキ先生に、
私は過去大鏡の新聞を作りましょうみたいなことをやったって報告したことがあるんだけど、その時にも厳しくやりました。
何々新聞っていうふうに言うんだったら、新聞とはどういうものかを勉強しないといけないよって。
大見出しとかね、中見出し、小見出し、記事の構成、それから広告が入っているところも新聞にはあるじゃないですか。
だから大鏡やって新聞書かそうじゃなくて、新聞っていうものはどういうものなのかをちゃんと勉強して、
そこから大鏡のパフォーマンス課題に結びつけないといけないよっていうことを言われました。
ということなので、やっぱり言語活動ありきの、面白いからやっちゃえっていうようなのは、私自身、セラヒロアキ先生に色々教わったということもありまして、
少し考えて、本当にその生徒にとっての必然性、そして導入とそれからパフォーマンス課題がきちっと対応しているのかどうか、
そのためにその過程でどのように生徒を鍛えるのか、その鍛えたスキルを用いて最後のパフォーマンス課題を設定しているのかということを、
やっぱり考えながら授業をデザインしていかないといけないなと思っています。
この頃たくさんの言語活動が紹介されています。
私はそういうのを見るたびに、本当に導入と集結がこうしているのか、これ言語活動先行型じゃないのかっていうのを、
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セラヒロアキ先生のおかげでついつい厳しく見る癖がついてしまいました。
でも、これをなかなか現場で問うても、ちょっとドン引きされるだけなので、自分の心の中だけにずっと潜ませていたことなんですが、
この配信で気軽に自由にそういうことを発信できる場を得たので、今回気軽に自由に配信してみました。
周り回っては自分の実践に返ってくるので、私自身もそのあたりを厳しく自分に問いながらやっていかないといけないなと思っています。
とは言っても、気軽にやるコーナーっていうのも、お遊びコーナーっていうのも作って、そういうのをバーッとやるのもたまにはいいと思ってはいます。
ということで、今日の配信はここまでです。
聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。