2020-06-02 17:52

第39回 【ラ・サール編】名門中学の子供たちは何を学んでいるのか?

直希先生からみた名門中学の勉強内容をご紹介していきます。
最終回となる今回は、鹿児島の名門ラ・サール編です。
全国から英才が集結するラ・サール。塾通いなどが不便なこの地で大学進学で高い実績を誇る教育プログラムなどについてお話し致します。
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こんにちは。年間指導時間2000時間のプロ家庭教師、直希先生が教えるここだけの勉強メソッド。
今回もですね、中学受験の子供たちは、学校で何を学んでいるのか、ラ・サール中学についてお話ししようと思います。
6割が寮生活。本当の塾いらずを体現。校名はセージャン・バティスト・ド・ラ・サール氏に由来します。
1651年、フランスに生まれ、学校教育による社会の改革を志した人物です。
氏になって転職として教育に従事する人が集まったのがラ・サール界であり、世界80カ国に1000以上の各種の学校があります。
日本にももう一つ、函館ラ・サールがあります。フランスの英雄シャルル・ド・ゴールも、キューバのフィレル・カストロも、映画俳優ブルース・リーもラ・サール出身です。
1970年代に、鹿児島・羽田便が就校すると、それに合わせるように東大への進学者が増えました。
医学部進学者も非常に多いです。その進学実績が評判となり、全国から生徒が集まるようになりました。
地元出身者以外の6割以上の生徒が、学校敷地内にある寮から入っていきます。
中学生は6人から8人の部屋の生活になっていきます。高校生になると4畳ほどの個室が与えられます。
寮内には生活する部屋とは別に、各生徒用の学習机がずらりと並ぶ自習室があります。
中学生は義務学習として、毎日最低3時間の勉強をしなければいけません。
携帯電話もパソコンもiPadも持ち込み禁止になっています。今のときなかなかストイックだと思います。
ちなみに中学生の寮の月額は71,000円、高校生は72,000円。
高校3年生になると寮を出て、指定下宿で生活をすることになります。
転校や義務学習、そういった自習などは比率とも減っていきます。
ほとんどは学校だけではなく、塾や予備校を活用しながら大学受験に挑んでいるのが実態です。
基礎学力や教養は学校で、受験テクニックは塾とか予備校でというスタイルが定着しています。
しかし、ラサールでは少なくとも寮は塾や予備校に通えないですよね。
どのように受験明記をしているのか、その答えが集テストなんです。
高2、後半になるとラサール名物の集テストが始まります。
受験科目について、毎週範囲が指定され、平常の授業の中でテストを行います。
テストのたびに全員の住院が出されます。
このテストこそがラサールの進学力を支えています。
高3になると毎週月曜日と木曜日と土曜日の午後2時間、その2時間が集テストの時間となります。
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毎週コースコツと集テスト対策をしていれば、それがそのまま大学受験対策になる仕組みとなっています。
だからラサール生は自習生も含めて塾や予備校にほとんど通っていないんです。
昨今、塾いらずを目指す私立就校一貫校が増えていますが、ラサールこそその草脇であり、極みと言っていいと思います。
集テスト及び進学指導については後ほど話していこうかなと思います。
続いて1週間で10枚から15枚の演習プリントをやる交互文法についてもお話していきます。
わざわざ交互文法をやる学校は少ないですが、ラサールでは中1で週2コマの交互文法があります。
ちなみに中2で交互文法は中3で古文、漢文をやる。
副校長の谷口先生は中1の交互文法を担当しています。
中1の最初の授業では、「君の日本語のセンスは?」というプリントを配布するんですが、
その文において言葉使いがおかしいと感じるものに罰をつけ、どこがおかしいかを指摘するというものです。
普段無意識に使っている日本語に文法があるという事実は意外に自覚しづらいです。
言葉にはルールがあることを気づいてもらうためにこのプリントをやらせるとおっしゃっています。
教科書は私たちの国文法、定規格につかむ文法の学習、そういったものを毎年変えて使っています。
寮生が多いため、回答が出回ってしまうのを避けるためだと言っています。
1学期の中間試験までに形容詞、形容動詞、6月の実力考察までに動詞、期末試験までに言葉の単位、文の成分という具合に進みます。
新しい単元に進むために最初の2コマくらいで教科書を使った解説授業を行い、その後5コマから6コマはひたすら演習プリントを行います。
先生が作成した手作りプリントです。そしてその量が半端ではないです。
1回の授業で平均6枚から7枚配られていて、次の授業までの宿題となります。
いやもうこれは宿題ではないですね。
次の授業でやるものとして配られたプリントを当然のこととして予習として使うスタンスです。
形容詞だけで27枚、動詞では36枚、助動詞では52枚、単元ごとに徹底的に演習をこなします。
授業はひたすら答え合わせとなります。
席順に生徒を当てて答え合わせする。
6枚から7枚のプリントを50分で答え合わせするからかなりテンポよく進めないといけません。
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生徒たちも机の上のプリントから一時たりとも目が離せないです。
間違えたところは自分で復習しておくことになっています。
試験前には過去2年分の過去問と回答を渡し、自習させます。
試験では6割取れないと追試が待っています。
追試でも7割取れないと補修が待っています。
できるまでどこまでも追いかけるのが先生の口語文法だとおっしゃっています。
続いて年間1700枚、名物新聞プリントについてもお話していきます。
谷口先生は長年現代文を教えていた
復興朝食についてから中一の口語文法を担当するようになりました。
口語文法は日本語の入り口だと捉えています。
中一にとって口語文法を学び、しっかりとした日本語力を見つけることは
6年間のあらゆる学習の基礎となると考えています。
だからこそ形の上で文法を覚えるだけではダメだとも考えています。
そこで谷口先生は演習プリントとは別にプリントを十数枚配布します。
全国誌、地方誌を含め、あらゆる新聞から生徒たちに読んでほしい記事を
切り張りして作ったものだと言っています。
1年間で配布する量は1700枚にもなります。
先生はこのプリント作成を数十年間ライフワークのように続けてきたと言っています。
いわば谷口先生名物だと言ってもいいでしょう。
もともとは、行政は新聞を読む機会が少ないので、それを補うために始めたとおっしゃっています。
ラサールでは卒業10周年、20周年などの節目の年に、
学校に集まり当時の担当の先生に授業をしてもらうという伝統もあります。
この間、教え子たちが集まり授業をした時には
先生、新聞のプリントはまだ続けているんですか?と言われましたよと教えているみたいです。
続いて、英語専用教室で学ぶ口語英語についてもお話ししようと思います。
今でこそ、使える英語を教えようという働きが全国の学校に広まりつつあるが、
他のミッション級スクール同様、ラサールはもともと使える英語の教育に力を入れてきました。
中1の英語は週7時間、そのうち2時間はネイティブによる口語英語です。
4人の専任の先生と2人の非常勤のネイティブ教師がいる。
ネイティブ教師が授業を行う専用の教室もあります。
ネイティブ教師の授業は1クラスを半分に分割し、20数名の少人数制で行われます。
英語専用教室の壁にはサッカーのレベリカユニフォームが飾られていたりして、
教室全体が楽しげなムードです。
入学時点では全く英語をやったことのない生徒もいますが、
英語だけで授業を進めていきます。
生徒もパニックなら、先生も大変です。
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しかし、だからといって甘やかさない。
そうして1学期を過ぎた頃、どの生徒も英語だけの授業に慣れていきます。
毎回の授業の最初には英語の歌を歌います。
中1の1学期にはBeatlesのLove Me Do、Ben E. KingのStand By Meを練習します。
歌った振りでは済まされない。
ソングチャレンジとして歌のテストがあります。
歌がうまく歌えれば、ボーナスポイントとして成績の得点が上乗せされる仕組みです。
教科書にはケンブリッジの教科書を使っています。
教科書のスキットを利用して新しい単語を覚えたり、会話のパターンを練習したりします。
続いてリスニング能力は全国トップ10に入るはずという話をしていきます。
リーディングの練習には絵が多いPellet Treasureを使用します。
英文を読むのは誰でも大変です。
しかし絵の多い読み物ならイメージが湧きやすいという理由です。
2学期以降でも課題図書を自分で読むことは宿題になります。
課題図書についてのテストも行われるので、読んだ振りでは済まされません。
年間で約7から8冊の用書を読むことになります。
リスニングに関しては、1学期にはケンブリッジ英研、
ヤングラーナーズのスターターズ、
そして2学期にはフライヤーズ、
3学期にはムーバーズに相当するレベルの挑戦をしていきます。
中2では同じくケンブリッジ教科書の英研の研と相当レベルとしては英研3級ですね。
中3にはペット相当レベルの英研2級。
中3時点ではラサールのリスニング能力は全国の学校でトップ10に入るはずと
ホーリングワークス先生は胸を張っておっしゃっています。
英語の4技能の練習をしつつ、学年ごとにプロジェクトと呼ばれる課題が出されます。
各学期の目玉になっています。
1学期のプロジェクトはマイファミリー、家族に英語でインタビューし、
それをレポートにまとめるという形式になっています。
両の生徒たちは電話でインタビューしなければいけないのでかなり難しいです。
ホーリングワークス先生の授業はいかにも楽しい、しかし同時に厳しさも感じられます。
一般のネイティブの教室の授業にありがちな
英語ができた気になればいいという雰囲気ではない。
成人教師として生徒たちに本当に英語を使いこなせるようになってほしい。
その責任は自分にあるというふうに考えているんでしょう。
楽しげな表情の奥にプロの意識が滲み出ていると思います。
そして最後に学力評価の仕組みと進路指導についてお話ししようと思います。
通信部はないが毎回の試験の成績が直接保護者に届く。
一般的に各学期の修行式に手渡されるいわゆる通知表というものがありません。
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その代わり中学試験、期末試験及び年4回行われる実力考査の成績表が
保護者に直接届く仕組みになっています。
高校生の成績表には学年での順位が記されているが
中学生の成績表にはないです。
ただし度数分布は記されているので、学年における自分のおおよその順位はわかります。
中学の実力考査は内容的には中間試験や期末試験と同じようなものだと言われています。
1学期に2回、より頻繁に履修内容を定着させていくために行っています。
集テスト対策で志望校合格のための学力が身につく。
講義の後半から冒頭でも述べたような、ラサール名物集テストが始まります。
いよいよ受験モードに突入したことを生徒にも実感させるわけですね。
講義時点では原則的にA数国の3教科、それぞれ問題集が与えられ、試験範囲が決められます。
毎週1科目ずつ順番ゲストを行います。
校差になるとA数国リーシャーの5科目が対象になります。
毎週月曜日と木曜日、そして土曜日の午後に2時間ずつ集テストを行う時間があります。
生徒たちは年度の初めに配布された試験範囲を確認しながら、各地で対策を進めていきます。
各教科担当がこれだけやっておけば大丈夫という問題集をよりすぐり、
大学入試までに十分な学力が身につくように範囲を削り、スケジュールに落とし込んだものです。
これをもとに毎週の学習計画を立てていけば、おのずと志望校合格のための学力が身につくようになっています。
ちぐいらずの指導を長年行ってきたノウハウが凝縮されていると言えるだろう。
高校3年生では1学期と2学期を合わせて、各教科それぞれ10回の集テストがある。
生徒が大変なのはもちろんだが、問題を作り240人分の採点をする教員も大変です。
高3の担当教員は常に睡眠不足になります。
どっちが受験生だかわからなくなることもありますよと先生は言っています。
だからラサールでは2年連続で高3を担当するようなことはほとんどありません。
体がもたないですから。
高3の集テストと実力考査で合比が予測できるという話をしていきます。
ラサールには進学指導に使う指標平均点があります。
高3後期の5回の集テストの平均点と、高3の2学期の2回ある実力考査から出された平均点が、志望校合格の可能性を予測するために使われています。
過去の受験生の平均点と大学入試の結果をひも付けたデータが、ラサールの進路指導の最重要資料とされています。
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例えば東大理産の場合は、80点以上の平均点を取っていた生徒は、過去9年間で1人を除いて全員が現役合格していることがわかる。
V1の場合は平均点70点以上なら約7割の確率で一浪までに合格しているということがわかります。
もちろん東大だけでなく、各大学ごとにデータがまとめられています。
そして、集テストの成績と合比の結果はかなり相関があります。
それだけ大学入試の対策としての集テストの精度が高いと言えます。
集テスト対策をしっかりやれていれば、超難関大学の射程圏内に入るはずなんだが、最近の生徒は、集テストへの取り組みが少し甘くなってきていると先生はおっしゃっています。
現役で東大に行きたければ、集テストで70点以上取っておけとラサールは常識だと言います。
高2から分離クラスでクラス分けをします。
例年分系が2クラス、理系が4クラスになります。
最終的に現役生の約4分の1が東大を受験します。
同じく半年ぐらいが医学部を志望します。
浪人生には不合格体験記を書いてもらう。
浪人をすることになると、生徒たちのほとんどは各出身地に戻って予備校に通うことになります。
6年間文字通り新職を共にした仲間と別れ、孤独な戦いをすることになります。
そこで5月と10月に浪人激励会というイベントが全国で行われます。
降参の時に担任が全国各地方に飛んでいって、各地域の浪人生と食事をし、情報交換をし、激励するのが習わしです。
ユニークなのはその時に不合格体験記を提出させるのが面白い点だなと思います。
失敗談を後輩の判明教師として使わせてもらうんです。
自分だってまだ浪人生なのに、後輩のために我が失敗を晒すというのは、いかにも断志行為らしいです。
今回、名門中学の子どもたちは学校で何を学んでいるのかシリーズを終えたいなと思います。
今までありがとうございました。
また引き続き楽しんでいただければなと思います。
今日もありがとうございました。
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