愛犬との旅行の考慮
こんにちは。4日まで15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
お迎えからお見送りまで、一生に寄り添う犬との暮らしパートナーとして、
愛犬との毎日をもっと豊かに暮らしたい飼い主さんに向けてお届けしています。
ドックトレーナー歴20年以上、これまでに800頭以上のワンちゃんとご家族に向き合ってきた経験から、
犬との暮らしが楽しくなるヒントを、ハッシュタグ1番から7番のフェーズに分けてお話をしています。
さて今回は、実際に寄せられたご質問に対して、私なりの視点でお答えしていこうと思います。
ハッシュタグは、2番パピー、3番成犬になってくるかなと思います。
今回寄せられたご質問は、
沖縄旅行に家族で行きたいんだけれども、愛犬を連れて行くのは難しいでしょうか?
というご質問でした。ご質問いただいた方、ありがとうございます。
さて、このご質問なんですけれども、いくつかヒントが隠れていると思います。
注意したい点というのは3つあります。
1つ目は、愛犬さんと旅行に行くということで、
そして沖縄ということ、それからご家族全員でお出かけされる、この3つの点なんですよね。
そろそろ年末の足音も考えたくもないんですけど、聞こえてくる頃になってきますので、
冬休みのご予定なんかを立てられている方もいらっしゃると思います。
もう今年が終わるまで、恐ろしいことにあと2ヶ月ちょっとしかないという状況ですからね。
そのためにこのご質問をいただいたわけなんですけれども、先ほど申し上げた3つのポイントに沿ってお話をしていきたいと思います。
1つ目は、愛犬さんと旅行に行くということになります。
このご質問のいただいたワンちゃんがどのぐらいの年齢で、
そしてどのぐらいこういった宿泊を伴う旅行をご家族とされてきたか、
これによってその旅行を楽しめるか楽しめないかということが変わってくるということになります。
これはですね、やはり年を重ねた上で、今まで一度も、例えば7歳とか8歳とか10歳とかになってから、
今まで一度も宿泊を伴う旅行に行ったことがないのに、そこから行こうとなると、
結構ね、このワンちゃん自身の非日常感というのがスケールが大きくなってしまうので、
ストレスを感じてしまうという可能性は多々あります。
ですので、沖縄旅行に一緒に連れて行くかどうかということを考えるときには、
まず今までどのぐらい一緒に旅行に行った、夜を越したことがあるキャリアがあるのかどうか、
ここを考えてあげてください。
なぜなら、犬の体感時間というのは人間の体感時間と全く違うからなんですよね。
たかが一泊二日だとしても、犬にとっては四泊五日とか五泊六日ぐらいの間隔になるということです。
さらにですね、今まで人間の間隔で言えば何十年間もお家以外のところで夜を過ごしたことがないというワンちゃんにとって、
突然知らないところに連れて行かれて、何泊もお家ではないところで寝なくてはならないというふうになると、
かなりストレス度合いが高くなってきてしまう。
その結果、いつもはしないような問題のある行動を起こしたり、排泄の疎走をしてしまったり、
夜、わんわん鳴いてしまったり、一番最悪だなというのは体調を崩すということですよね。
特に年齢が上がってくるとこのストレスが体に出やすいので消化器系の不良を起こしてしまったりということはよく聞かれることです。
これをもし聞いてくださっている若いワンちゃんの飼い主様がいらっしゃって、いつか一緒に旅行に連れて行きたいなと思う場合には、
まずは近場の半日とか日帰りとかの遠出、その非日常的な遠出をワンちゃんと飼い主様で楽しむというポジティブなイメージ、
そして記憶を作っておいていただければと思います。
沖縄旅行の特異性
2番目。2番目のポイントは沖縄旅行であるということなんですよね。
これが何を意味するのかというと、沖縄に行くとなると1泊2日で沖縄に旅行に行くという方はほとんどいないんじゃないかなと思います。
少なくとも2泊3日、大体3泊4日ぐらいがセオリーなのかなというふうに考えているんですけれども、皆さんは沖縄に行かれるとしたらどのぐらいで行かれますか?
家族が全員で沖縄旅行に行くとなるとやっぱり1泊2日よりは長い時間になってくるので、
この1泊2日以上の2泊3日、3泊4日というふうになったとき、長くなれば長くなるほどワンちゃんのストレス度合いというのが高まってくる。
これはもう絶対に必須なんですよね。
さらに沖縄に行くということは必ず飛行機に乗らなくてはいけないという作業が出てきます。
ここが今回のご質問の中の一番のハードルになるんじゃないかなと思います。
なぜかというと、今現在日本の旅客機、各空港会社では客室に動物を持ち込むことができないんですよね。
そのためにワンちゃん、ネコちゃん、ペットさんは荷物預かりの場所で、
クレートと呼ばれる持ち運び可能な入れ物に入れられて飼い主さんとお別れして、
貨物と一緒に運ばれ、もちろん空調は効いた状態なんですけれども、
そして飼い主さんがお荷物を受け取る場所でやっと受け取れるという形になります。
私は横浜に住んでいますので、沖縄に行くときには羽田空港を利用するんですけれども、
羽田空港に着いてから沖縄の那覇空港でワンちゃんを受け取るまでの時間というのは、
どんなに早くても4時間以上になると思ってください。
となると、この4時間以上をクレートと呼ばれる小さなケースに入りっぱなしであるということなんですよね。
ここにワンちゃん自身が不満やストレスをものすごく感じてしまうようであると、
その後の旅の印象だったり、クレートに入るという印象がすごく悪くなってしまいます。
そもそもこのご質問をいただいたワンちゃんにですね、
今までそういったクレートなどを日常的に使ってお出かけをしたりお留守番をしたり、
そこで数時間を過ごすということはありますかと伺ったところ、
子犬のときにはお家に連れてくるのに使ったり、車の中で暴れてしまうのでそこに入れたりはしてましたけれども、
大人になってからは捨ててしまいましたというお話だったんですよね。
となるとそのクレートへの印象というのがリセット、ゼロベースになっている可能性もありますので、
もう一度このクレートで一人だけで長い時間を過ごすという練習が必要になってくるわけなんですよね。
これも沖縄に旅行に行くときにとても重要なポイントになってくると思います。
家族旅行の課題
そして3つ目のポイントはご家族全員で旅行に行かれるということなんですよね。
これがどうしてポイントになるのというと、実は私も過去愛犬みことさんを連れて沖縄に行ったことがあるんです。
実は経験済みなんですよね。
そして私の経験上ではもう二度とみことさんを飛行機に乗せるのはやめようと思ったんですけど、
これは私の所感ではあるんですけど、
当時私は5人家族、5人家族プラス犬ということで沖縄旅行に出かけました。
となるとそもそもが5人でパッと行って入れるお店や飲食店というものが少なかったり、
そこにかつ犬もOKというところが本当に少なかったんですよね。
例えばカフェでテラス席とかショッピングモールのフードコートのテラス席とかだったら大丈夫なんですけれども、
そうは言っても5人全員で移動するということで、なかなかそれだけでも席が見つかりづらい。
さらに犬連れとなると入れる店舗や行ける場所、観光地なんかもほぼ犬は入れませんということだったので、
結果どうなるかというとみことさんと一緒に旅行に行ってもですね、
みことさんはクレートが大好きで自分で入って中で横倒しになって寝るぐらいリラックスできる子だったのでよかったんですけれども、
結局はクレートに入れて誰か1人と一緒に車の中でお留守番している、
そしてその1人が誰かご飯が終わったら交代して食べるみたいな、そんな感じのことが多かったんです。
これは沖縄に関わらずのことなんですけれども、ワンちゃんと入れる飲食店というのはまだまだ少ない印象があります。
犬連れのメッカと言われるような場所、例えばこの辺りであれば伊豆の方、伊豆高原の方とかね、
那須高原であるとかね、軽井沢であるとか、そういったところは比較的ワンちゃん連れウェルカムだったりするので、
ワンちゃんもいいですよというお宿ですとか、レストランっていうのが多いんですけれども、
もしワンちゃんを連れてどこかご旅行に行かれるという際はですね、その周辺にどこか行きたい場所や食べたいレストランなんかがあったら、
その場所がワンちゃんがOKかどうかということを調べておく必要があります。
さらにですね、最近は涼しくなってきましたけれども、あまりに暑い夏の時、そしてあまりに寒い冬の時っていうのは人間がつらいですよね。
はい、もちろんワンちゃんもつらいんですけれども、人間もワンちゃんも共に照らすだけで食べるっていうのはしんどいと思いますので、
そうなると行ける場所、そして行ける季節がかなり限定されてくるのが、残念ながら今のイヌ連れの旅行かなというふうに思います。
さらにさらにですね、ワンちゃんのウェルカムの場所だったりしたらまたちょっと違うのかもしれないんですけれども、
私も美琴さんが現役時代はいろんなところに美琴さんと行って宿泊をしたりしたんですけれども、
日中例えばどこかの観光地に行くとして、そこはワンちゃんが入れないから、
じゃあ美琴さんだけお部屋のサークルだったり、クレートの中でお留守番しててね、2時間ぐらいっていうのができないところの方が多いんですよね。
これは私はですね、自分自身が動物関連事業者であるということからもわかるんですけれども、
ペットをお部屋に置いて飼い主さんだけお出かけされるってなった時に、そのペットに何かがあった時の責任問題、これが問われることになってしまいます。
やはり荷物を部屋に置いておくのと違って、ワンちゃんというのは生き物ですよね。
なので結局連泊することであっても、ワンちゃんはお部屋に1人で置いていかないでくださいというところの方がほとんどになります。
そのためですね、日中どこか観光地に行きたいとか何かアクティビティを楽しみたい、それにワンちゃんが同行できるかどうかということもしっかりと下調べをしておく必要があるかなと思います。
旅行計画のポイント
中には犬や猫の専門家がその施設にいて、その専門家のもとでお預かりをしてくれるというようなサービスもありますので、そういったところをどうしてもという場合には利用されてもいいんじゃないかなと思いますが、
ワンちゃん連れの旅行というのは、今回は沖縄ということを考えられているということだったので、まずは飛行機のハードルですよね。
クレートに入ったことがない、長年入ったことがないということであれば、どうしても連れて行くということであれば、まずはクレート自体に慣れておく。
少なくともその中で4時間は排泄もせず、横になって寝られるぐらいリラックスできるというトレーニングを今からする必要があるかなと思います。
そしてですね、これは沖縄にかかわらず、ご家族全員での移動、そしてワンちゃん連れの移動ということは、大人が2人だけとか1人旅であるとかっていうよりもかなり制約が多くなってくるので、そこも踏まえて旅行の計画を立てていただければいいんじゃないかなと思いました。
そろそろね、冬休みの旅行の計画などを立てられる人も多いんじゃないかなと思ったので、ワンちゃんを連れて旅行に行きたいよという方の何か参考になればと思います。
それでは最後まで聞いていただきありがとうございました。