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こんにちは、横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
こちらの番組では、たくさんのワンちゃんや飼い主さんと関わってきた私が、
日本の犬と飼い主さんのQOLをあげるテーマに、犬のあれこれについて、私個人の見解からお話しています。
時には子育てネタや、留学時代や旅行の思い出などのお話もお届けいたします。
今回は前回の続きで、Lさんからのご質問レターへのお返事配信となります。
とても元気で活発、飼い主さんのことが大好きなワンちゃんの、
お散歩の興奮を抑え落ち着かせるためにできることについては、一つ前の配信をお聞きくださいね。
今回は、帰宅時の甘噛み飛びつき興奮を落ち着かせるためにできることについてお話したいと思います。
お散歩に行く前の興奮と、お留守番から帰ってきた時の帰宅時の興奮、
どちらの方が、よりワンちゃんを落ち着かせるのが難しいと思いますか?
正解は、長時間のお留守番の後、帰宅時の興奮です。
ワンちゃんがどのようなシチュエーションで、お留守番をしているのかは分かりませんが、
元気で活発な若いワンちゃんにとって、長時間のお留守番ほど退屈な時間はありません。
こちらのワンちゃんは、10時間以上のお留守番をする日もあるということでした。
ここで犬の1日についてお話ししますね。
人間の1日と犬の1日は違います。
これは感覚的なものはもちろんですが、命の時間としても相当な違いがあります。
頑張っても犬たちは20年生きることは稀です。
私たちは80歳まで生きるとしても、単純に命の時間は人間の4倍の速さで犬たちは経過していくんですね。
となると、ワンちゃんの1日は人間の4、5日あたりに相当します。
また、もうすぐ3歳というプードルのワンちゃんは、人間の年齢で言えばだいたい20代前半です。
小型犬は最初の1年でだいたい人間の20歳相当に成長し、その後だいたいは1年で4歳ずつぐらい年を取ると言います。
これは個体差や犬種の差もありますけれどもね。
大型犬は最初の1年で15歳前後、その後は1年に7歳ずつ年を取っていくと言われます。
もちろんこれは人間の感覚での時間ですが、それだけ犬の肉体年齢、命の時間の速度は早く過ぎていくんです。
1日に10時間のお留守番をするということは、20代中盤、前半から中盤の体力と活力のある元気なお若者が2日近く自宅に引きこもるということに他なりません。
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もちろん遊び相手もスマホもパソコンもゲームもテレビも読書もおやつもない状態です。
これ、ご自身の身に置き換えた時にどう思いますでしょうか。
誰かが帰宅したら、「うわ、やっと帰ってきたんだね。おかえり。待ってたよ。退屈だったんだ。遊んで遊んで。ねえねえ、何して遊ぶ?」ってはしゃいでしまうワンちゃんの気持ち、わからなくもないですよね。
とはいえ飼い主さんは朝早くからお仕事でやっと終わって疲れて帰宅し、ご飯を作ったり着替えたり、お風呂の用意や洗濯物を入れたり、明日の支度をしなくちゃとやることは山積みです。
ここに家族やお子さんがいらっしゃるようならさらにお忙しいという気持ち、こちらもよーくわかります。
それではこの両者のジレンマはどのように解消したらいいんでしょう。
唯一待ち焦がれて飼い主さんが帰宅したとなれば、これは興奮するなという方が難しい状況ですし、私自身はここで興奮するなというのは正直ちょっとかわいそうな気もしてしまいます。
放っておいてもあと10年もしないうちに帰宅してもワンちゃんはだいぶ興奮することはなくなるので、今だけの楽しみと思ってしまうこともあるんですが、ここではトレーナーという立場ですからそんなこと言ってはいけませんね。
はい、ということでここでは多少の興奮は多めに見て、天髪でシャツに穴を開けることをやめてもらうことを目的に方法をお話ししていきたいと思います。
帰宅後の飼い主さんに飛びついて服を噛み、穴を開けてしまうというのは、そのことについて飼い主さんの反応が一番大きく得られるからワンちゃんが学んだ手法だと思います。
ですので他のことでも飼い主さんの大きなリアクションをゲットできるよということを教えていきましょう。
ワンちゃんがフリーの状態でお留守番をしているようなら、ぜひリビングだけなど居場所は制限しましょう。
玄関からリビングに至るまでの空間は準備空間として確保していただきたいので、リビングのドアは閉めておいていただいた方がいいと思います。
これリビングじゃなくても、どこでもそうなんですけれども玄関からワンちゃんがいるお部屋に入るところをちょっと準備期間としてワンちゃんがそこに入れないようにしておくことが準備の段階で大切です。
おそらくワンちゃんは空腹状態にもあると思います。
食欲がある子であればぜひ試していただきたいのは、フェイスタブルを半分に折りたたみ、その折り目にご飯やフードを入れて軽く結び目を作ります。
それを2つほど作って玄関の靴箱の上などワンちゃんが手が届かないところに置いておきましょう。
帰宅したらまず玄関前に荷物を置いて、ご自身の荷物ですね。
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代わりにそのタオルを2本両手に持ってワンちゃんがいるお部屋に入ってください。
ワンちゃんは喜んで飛びついてくると思うので、その時にそのワンちゃんの顔の前にこのタオルを出して少し遊ぶように振ってあげてください。
両手で1本ずつ持って振るとより良いでしょう。
帰ってきた飼い主さんとワンちゃんは遊んでほしい、かまってほしいという気持ちがいっぱいなんです。
それをただただ静かにしなさい、落ち着きなさいというだけではちょっとかわいそうなので
じゃあ私ではなくてこのタオルで遊んでねと飛びつき興奮する対象を変えてもらいましょう。
もしタオルには目もくれず飛びつき噛みつきが発生してしまうようなら
タオルを1つだけワンちゃんがいるお部屋に置いて、1つは持って廊下にもう一度出ましょう。
ワンちゃんが置いてきたタオルの匂いを嗅ぎ始めたらまた静かに入ります。
タオルの匂いを嗅いだり中に入っているフードやおやつを取り出そうとしている時には褒めてあえて手を出しません。
ここにあるのはわかっているんだけど、このおやつご飯取り出さないよという場合にはそっと広げてヒントをあげましょう。
1つ目のタオルが終わったら2つ目のタオルも同じように宝探しをさせてあげます。
タオルで宝探しをしている間にもタオルの端を持って動かしたり追加のおやつを反対側から突っ込んであげたり
すごいね上手だねと褒めてあげたり、とにかく意識をタオルに集中していることが望ましいという状態がわかるように導いてあげてください。
もし興奮して途中で飛びついてきたらまた外に出ましょう。
タオルは置いていってあげてください。
長時間の留守番した後のワンちゃんは体もですが精神的にも退屈していますから
ここでちょっとした精神的作業を与えてあげることで意識はそちらに集中しやすくなります。
2つ目のタオルの宝探しが終わらないうちに1つ目のタオルに追加のご飯を入れてあげてください。
こうして夕ご飯はながら食べをさせることをお勧めします。
タオルの他にチーク玩具や固めのペットボトル、箱やトイレットペーパーの芯を組み合わせたトリックボックスなど何でもいいです。
一気に出てこない動くようなチーク玩具は犬にとって集中するものの1つです。
前回お話ししたように犬の興奮する要素は動きと音です。
止まっているより動くものの方が断然ワンちゃんにとっては面白いんです。
ご飯の入った動くおもちゃがいくつも見えるところに用意されていることでワンちゃんの意識も体もそちらの方にフォーカスされていきます。
この子は刺激に飢えていますからフードボールにご飯を入れて待てをさせて一気に夕ご飯を食べさせるなんて退屈な食べ方をしてしまうともったいないですよ。
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あらゆる楽しい遊び食べができるように毎晩違うおもちゃや違う食べ方をしてあげてもいいと思います。
人間の子は食事中に遊ぶと怒られますが犬にはそのルールは適用されません。
どうせ食べるなら楽しみが倍増した方がいいじゃないですか。
フードボールにフードを入れなくてはいけないというルールはないんです。
お散歩の時の興奮を落ち着かせる。前回の配信でもお話をしましたが、何も言わずに待つ。
おとなしく落ち着いてもらうまで無視をするという方法はこの場合得策ではありません。
別のことを学んでしまう可能性がありますし、第一、忙しい飼い主さんはそんなに悠長に待っていられないと思います。
ですので、ここではいかに飼い主さん自身をターゲットにさせず、日中充電していた温存していたエネルギーを発散させるかという方法についてお伝えしました。
いかがでしたか。よろしければお家で取り入れてみてくださいね。
また、具体的に方法がわからない、もう少し具体的なアドバイスが欲しい、実際にやってみたけれどもちょっとよくわからなくなってしまったアドバイスが欲しいといった方は
個別のカウンセリング、しつけ相談もオンラインで行っておりますので、ぜひDMや公式LINEでお問い合わせくださいね。
ということで、Lさん、今回はレターでの質問ありがとうございました。お役に立てたら幸いです。