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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
犬と人の架け橋でありたい、私が犬に関する様々なお話、大好きな旅の話、子供たちのお話などを、マイペースにお届けしています。
より具体的なトレーニング、しつけ、アニマルコミュニケーション、ペットロスについては、メンバーシップでお話ししています。
メンバーシップの皆様へお知らせです。本日16時30分頃から17時30分頃の間のどこかで、メンバーシップ限定週1ライブを行っていきたいと思います。
さて、今回は前回の続き、災害時のペット対策②、飼い主がすべきこと、平常時の準備、ということでお話をしていきたいと思います。
各市町村によって、災害時のペット対策ガイドラインが出されています。
中身は多少異なるかと思いますが、基準とされているのは、環境省が提示している、人とペットの災害対策ガイドライン一般飼い主編というパンフレットになります。
今回は、横浜市のペット災害対策ガイドラインから、平常時と災害発生時に飼い主がすべきことをお話ししていこうと思います。
長くなりますので、今回は平常時の備え、というところでフォーカスを当てていきます。
平常時の備えとして推奨されていることについては、
①飼い主の命じ・しつけ・健康管理
②動物用避難用品の確保
③動物の緊急時預け先の確保
④拠点の場所・避難経路の確認
災害発生時の飼い主の対応としては、
①避難先・避難方法の判断とペット同行避難の実施
自宅が損壊し在宅できない場合など
②拠点のペットの一時飼育場所での飼育・衛生管理
③拠点で決められたペット・飼育・衛生管理のルールの遵守
と記載があります。
まず、平常時の備えから見ていきましょう。
飼い主の命じというところでは、
マイクロチップの装着・犬観察票の命じが推奨されています。
ただし、有事の際に迷子になった場合、
観察票から飼い主さんを割り出すための手続や
マイクロチップの読み取りまでに時間がかかるということは
想像に固くありません。
どれか一つだけ行っておけば大丈夫ということではなくて、
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犬や猫であれば、首輪の裏に飼い主さんのヒントとなる情報、
犬・猫の名前などを記載しておくといいでしょう。
首輪の後ろに飼い主さんのヒントとなる情報が書かれる場合には、
個人情報にも十分配慮をしてください。
また、犬・猫以外の小動物では、
足輪や耳輪が観察や迷子札の代わりになることがあります。
しつけも重要とされています。
特に犬・猫で共通することは、
人に鳴らす、物音に鳴らす、キャリーバッグやケージに鳴らす、
体をどこでも触らせることに鳴らすということが推奨されています。
そして犬では、吠えをコントロールできるようにしておくこととされています。
クレートのトレーニング、ケージのトレーニングは、
総称したハウストレーニングとも言われますが、
これはとても大切なんですが、
ご自宅でワンちゃんと暮らしていらっしゃる方で、
一生クレートを日常的に使い続ける方の割合というのは、
驚くほど少ないです。
ケージは置いてあるけれど、
持ち運びできるタイプのハードなクレート、
プラスティック等でできているクレートは使っていません。
重いし、キャリーバッグやスリングで十分でしょうという飼い主さん、
特に小型犬の方は多いと思うんですが、
避難所での所定地域では、
いわゆるペットのためのパーソナルスペースを確保することは困難を極めます。
動物同士の距離が近くなるほど不安やストレス、
苛立ちから問題行動が増えていきます。
そんな時、いつも使っていて慣れている移動可能な自分のお部屋が
そこにあるだけで動物さんたちの心持ちはだいぶ異なってきますよ。
クレートトレーニング・ハウストレーニングは、
初期の導入でいかに良いイメージをつけるかというのが大切です。
クレートトレーニングや具体的な防災のトレーニングについては、
1月26日金曜日夜8時20時より
ペットと防災、国も推奨する犬のしつけとは?という内容で
インスタグラムのコラボライブを予定しています。
うちは猫だから!という方もいらっしゃると思うんですが、
クレートトレーニング・ハウストレーニングは、
猫ちゃんでもとても大切なトレーニングになります。
基本的なしつけの方法は同じですので、
よろしかったらこちらもご覧いただければと思います。
お相手はドリーミングサロンシエロのアカネさんです。
また改めて告知をしたいと思います。
個人的には犬に関しては、
けがや不調の際には診察を受ける必要がありますので、
その時に怯えて噛まないように
口輪をつけるトレーニングも平常時からやっておいて損はないと思っています。
年明けから犬の保育園でも楽しい気持ちで
口輪を導入するトレーニングを開始していっています。
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この辺りのしつけ・トレーニングは一長一短にできるものではなく、
継続しなければ忘れてしまうということも多くあります。
また、普段はできていても、
有事の際には恐怖や不安がかってできないということも十分あります。
それでも、普段からやらないよりやったほうが確実に
ペットたちの心身の健康に役に立つものです。
飼い主さんによる平常時の備え、
その2、動物用避難用品の確保、
こちらについてお話をしていきましょう。
こちらのガイドラインでは、
フード、水、食器、薬、ペット用品、
飼育手帳、少なくとも5日分以上のフード、
できれば7日分、ペットシーツ、新聞紙、リード、
糞尿の処理用具など、日々のお世話に欠かせない用品、
そして、この飼育手帳というものなんですけれども、
こちらには飼い主の連絡先、ペットの写真、
ワクチン接種状況、健康状態、治療中なら治療内容、
服用中の薬品名や検査結果などを記載しておくと良い、
と言われているものです。
この飼育手帳、いろんなところで、
具体的に名前を挙げてしまうと犬の気持ち、
フロックとしてついてきたこともありますけれども、
こちらのガイドラインにも、
こんなふうにご自身でも準備ができますよ、
というふうにモデルが記載されていますので、
ダウンロードしていただいて、そちらを印刷していただいて、
実際に記入して使うということもできると思います。
また、これはあくまでも最低限必要なもので記載されていますので、
そのワンちゃんやネコちゃんによって、
他に必要になるものは全く違ってきますので、
ワンちゃん用、ネコちゃん用の、
または他のペットさん用の非常用持ち出し袋というのは、
作っておかれると良いと思います。
そして、これは今日にでもすぐに準備ができるものだと思います。
食べるもの、おやつやフードにつきましては、
賞味期限や消費期限の確認も忘れないでください。
また、普段手作り食や生食を食べているというペットさんでも、
災害時にいつもと同じフレッシュなものを入手したり、
調理するということは困難にある可能性があります。
ドライフードだけだと食べないという場合には、
持ち運びや長期保存に便利なフリーズドライの素材を緊急需要に用意して、
それをドライフードにかけてあげるというのも方法の一つです。
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私もボランティアでの経験がありますが、
災害時に飼い主さんと離れ離れになり、また離れて暮らす必要が出た場合に、
施設に収容されているペットさんに対して、
一頭一頭特別扱いというのは非常に難しい場合が多いです。
持病などの関係で特定のものが食べられない、
アレルギーがある場合には、それが分かるように明示をしておくこと、
また、療法食など特別食が必要なペットの場合には、
普段から多めにストックして、
お家族や周囲の方にもシェアをしておくことが必要でしょう。
この後の配信でもお話ししたいと思いますが、
避難拠点において、動物は基本的には人間とは離れた場所での飼育管理が多いです。
その中でも、大型犬やケージに入れない犬などは、
軽留して飼育することが求められたり、
一時的に何か食いなどを打って、ここに軽留してくださいと求められることもあります。
そういう場合には、避難所などでは伸縮リードの使用は大変危険です。
防災グッズには伸縮リードではなく伸縮がしないリード、
そして普段使っているものより気持ち太めのリードを用意しておきましょう。
また、災害時には車が使えないという可能性は多いにあります。
小型から中型の犬は、抱っこしてキャリーに入れて同行避難することが可能ですが、
それ以上のサイズになると歩いて避難所まで行かなくてはいけないということが出てきます。
この時、地面の状態がとても悪いことが懸念されますので、
犬用の靴や靴下の準備、そしてそれを履くこと、履いて歩くということのトレーニングも
普段からしておいたほうがいいと思います。
避難拠点について、ペットだけ離れたところで飼育管理しなくてはならない場合、
いつもは一緒にいてくれた飼い主さんと離れ離れになること、異常事態、異常な雰囲気に動物たちは怯えてしまいます。
普段からクレートやケージで安心していられるトレーニングは欠かせませんが、
避難拠点に等数分のクレートが用意してあるという可能性はものすごく低いと思います。
動物さんにしても、使い慣れたクレート、空間のほうが安心します。
ぜひクレート、キャリーは一家に一台あるといいでしょう。
その中には飼い主さんの匂いのしみついたものや、そのペットさんがお気に入りの毛布、ブランケットなどを置いて
安心できるいつもの環境を整えてあげられるというのが、クレートやケージの一つの強みでもあると思います。
それでは次は、平常時に飼い主さんができる備え3番、動物の緊急時預け先の確保についてお話をしていきたいと思います。
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これはガイドラインにおいて推奨されている飼い主さんのチェックポイントの一つなんですが、
あらゆる準備の中で一番難しいと言えるものかもしれません。
というのも、緊急時のペットの預け先の確保というのはあくまで平常時に決めておくものですよね。
平常時に決めておいたとしても、その被害の大きさによっては預け先の受け入れや、
そもそも動物さんをその預け先まで運んでいく、輸送するというだけでも難しい場合があるからです。
ガイドラインでは、ペットの預け先の一例として、ペットが慣れている親戚や知人、友人、動物病院、民間団体の施設などと記載があります。
また、特に大型の動物、危険な動物、特殊な動物、専用の飼育設備が必要な動物とペットとして飼育している方は、
災害が発生してから一時、預け先を探すことが非常に困難です。
必ず事前に確保しておきましょうと記載があります。
補足をあえてするとしたら、噛み癖や吠え癖が強い、重大な持病がある、特別なお世話や介護を必要とする犬猫の場合にも、
同じように預け先の確保は難しくなると思っておいていただきたいと思います。
これは次のテーマである地域防災拠点編でもお話をしますが、
防災拠点においてペットを受け入れ可能とあったとしても、犬猫に限ると記載がある場合もあるんですよね。
また、ヘビさんとか一部のトカゲさんなどは、息を必要とする場合ですよね。
そういった爬虫類ですとか、温度管理が必要な動物の場合は、
愛してやまない方にとっては大切なペットですが、知識のない方ではお世話そのものが難しいので、
預かりがなかなかしてもらえないということが往々にしてあります。
親戚や動物好きのお友達が預かってくれるといったとしても、
被災範囲が広く、共に被災した場合にはその地では頼めないかもしれませんので、
そもそも遠く離れている場合には、そこまでの輸送経路の確保も大きな仕事になります。
一人暮らしの方にとっては、飼い主さんが不在時にペットは一人ぼっちで被災してしまうということを想定しておきましょう。
もちろんご家族の方でも日中でお仕事に行かれていたり、通勤や通学で誰も家にいないということは、
かなりの確率であり得ると思います。
ご自身が帰宅難民になったときに、誰にペットの様子を確認してもらうのか、
お世話を一時的にしてもらうのか、鍵はどうするのか、
少なくとも一人は周囲で確保をしておくということをお勧めしたいと思います。
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ガイドラインでは、この際、一時預け先を確保する際の注意事項として、
後日トラブルが生じないように、預かりの条件、期間、費用など、事前に確認をしておきましょうという一文があります。
たとえ事前に契約を交わしていたとしても有事の際に、双方が健康帯で契約の履行が可能な状態かは分かりませんが、
少なくとも事前に契約書を交わしておくということは必要になってくると私も思います。
悲しいことですが、震災後、大規模災害の後のペットを巡るやり取りの中では、
多くの詐欺まがみのことが横行している事実というのは、山ほど過去にもあります。
だからこそ、もしペットの一時預かりを頼まれるのであれば、日頃からしっかりとその方との信頼関係を築くこと、
関係性や価値観の近い方を選び、ペットさん自身にもその方に慣れ親しんでもらうことが必要です。
また、頼める相手は個人のほか、社会的信用度の高い施設や団体などを事前にチェックしておき、
個人の方がダメな場合の次の預け先として探しておくということも必要だと思います。
そういった場合でも、定期的にコミュニケーションを取ったり、情報のチェックをしておく、
ペットの情報を共有しておくということも必要になるでしょう。
都市部では、隣人同士の関係が希薄で、友人の時に頼れる親族もいない、
このような災害時の飼い主とペットの孤立を防ぐ目的で、平常時から飼い主さん同士の協力体制が求められる。
これは、おそらく横浜市のガイドラインだけではないと思います。
これは、自分で自分を助ける自助のほか、お互いに助け合う協助の部分で力を発します。
ガイドラインでは、ペットを飼育する飼い主さん同士の平常時からの協力体制、
情報共有及び定期的な避難訓練や避難経路の確認というものが推奨されています。
というのも、人命救助が優先の災害現場では、災害発生時の後のペットはまず、
飼い主さんご自身がペットの安全と世話、その人材を確保すること、
それから、飼い主さん同士が協力して地域周辺のペットたちの安全や生活維持のための活動を行うこととされているのです。
つまり、逆を言えば、公的支援や民間の支援団体の援助が個々のペットさんたちに届くまでにはそれなりの時間がかかるので、
それまで飼い主さん同士でペットたちを守り抜いてくださいね、ということに他なりません。
そのため、地域住民や個数の多いマンションなどでは、
飼育の会など、その地域周辺のペット個体数管理や情報共有、
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飼育ルールや講習衛生、マナー尊種のための組織をつくることが望ましいとされています。
以上が、災害時のペット対策ガイドライン、飼い主編、平常時にできることに定められている1番から3番、1部4番までの内容となります。
今回は特に横浜市のものを参照にしました。
基本方針はどの市町村でも変わりないと思いますが、
ご自身でご自分の市町村のペット対策ガイドラインを知りたい場合には、
例えば、私であれば横浜市ペット防災ガイドラインなど打ち込むとすぐにヒットしますので、
横浜市のところを他の市町村、お住まいの市町村に変えてチェックしてみてくださいね。
もしご実家で少しお年を召したご両親がペットさんを飼われているという場合には、
代わりにチェックをしていただいて、こういうふうになっているけど知っているという感じで、
ご確認をとっていただくのもいいと思います。
それこそがペット防災の第一歩だと私は思います。
次回は飼い主さんの平常時の備えの中の1番最後のポイントですね。
4番の拠点の場所、避難経路の確認とともにですね、
飼い主さんがすべき発生時、災害発生時に必要な飼い主さんの対応について解説をしていこうと思います。
かなり長くなってしまいました。最後まで聞いていただきありがとうございました。