お散歩の基本
こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
犬と暮らすって最高!をテーマに、愛犬との毎日をもっと楽しみたい!飼い主さんに向けてお届けしています。
現在、夏休み特別ワークショップ、子どもの共感力を育てよう!
動物たちからの暗号、ボディランゲージを解いていこう!という、夏休みの小学生向け
ワークショップの募集をしております。
子どもの頃から、表情や仕草、それによって気持ちを伝えたり、相手が何を思っているのか気づかったり、そこに共感をする、
そういった経験を、クイズやワークショップを通して楽しく学んでみませんか?
詳細は、概要欄に載せてあります。
さて、今回は、多くの人が疑問を感じるであろう、お散歩に対するテーマです。
ドッグトレーナー歴20年以上、これまでに800頭以上のワンちゃんとご家族に向き合ってきた経験から、
よくいただくご質問やお悩みへのアドバイス、愛犬との暮らしが豊かになるヒント、
これからお迎えしたい方から、シニア犬さんにも役立つお話を、
ハッシュタグ1番から7番のフェーズに分けてお話ししています。
今回は、ハッシュタグ2パピー、ハッシュタグ3セイケンの飼い主さんに、
特にお役に立つ内容になっていますので、ぜひ最後まで聞いてみてくださいね。
犬の散歩のメリハリ
今回いただいたご質問は、こちらになっています。
3ヶ月でまだまだ未熟ではありますが、道では横について歩く練習をしていて、
公園などぴろぴろした場所についたら、犬が行きたいようにさせて欲求を満たしてあげたいなと思っています。
ただ、道と目的地やその区別をどのように犬に理解させたらいいのかなと悩んでいます。
何が犬にとってわかりやすく、ついここはついて歩く場所だよ、
ここは自由に匂いを嗅いだり散策していい場所だよという区別ができる方法があれば教えていただきたいと思います。
というご質問をいただきました。
こちらは現在私が行っている、自身初のオンライン講座、
愛犬が夢中になる魔法の講座の受講先生よりいただいたご質問です。
許可を得て、今回は皆さんにこの配信を通して少しお話をしていきたいと思います。
飼い主さんはとてもワンちゃんに対してご理解のある方で、
お散歩中に犬に匂いを嗅がせてあげたり、自由に散策をさせてあげるということで、
犬という生き物自身の欲求が満たされることが大切である。
このことを行動学に基づいた匂い嗅ぎ、散策の必要性を十分にご理解されているんですよね。
その反面、今は住んでいる周りの道幅も狭いし、
人や車も来るからよそ見しないで、リードを引っ張らないで、
飼い主の横について歩いてきてほしいというような状況や場所もあり、
犬に今は横についてしっかり歩くという場所、時間、
ここでは匂いを嗅いだり、少し自由に散策をしていいよという場所、時間、
その区別をしっかり伝えることができるでしょうか、というとてもレベルの高いご質問だと思います。
おっしゃる通り、犬にとって散歩というのは運動のためだけでも、
エネルギー発散のためだけでも、ましてや排泄のためだけでもないんですよね。
犬たちにとっては、お散歩で外の世界に足を踏み入れ、
匂いという情報源にアクセスすることで、
本能的な欲求を満たす、そういった大切な行為でもあるんです。
社会生活を営む犬にとって、他者や外の世界との交流の方法は匂いであるため、
自由に匂いを嗅ぐという行為は、ちょうど私たちにとって、
視覚を使って目でSNSや周りの情報を得たり、他者と交流をしたり、
世界の情報を視覚によって集めたりするという行為に似ているんですよね。
そのため、匂いを嗅ぐということで犬はリラックスをしたり、
匂いを嗅げないということで逆にストレスを感じることがあります。
そうです。私たちは視覚優位の世界に、犬たちは嗅覚優位の世界に生きているんです。
それを踏まえて、この質問に立ち戻ると、そうはいっても匂いを自由に嗅いだり、
少し前後左右にうろうろ散策をして、
いい時間としっかり横について歩く時間の区別、どうやって教えたらいいかなと思いますか。
いくつか方法がありますが、ここでは一つ手っ取り早い方法をお伝えします。
それは何かというと、リードを変える、またはリードの長さを変えるということです。
え?と思われた方も多いと思うのですが、
リードを少し長くして自由に匂い嗅ぎをしていい場所にたどり着いたら、
その場でリードを少し長めのものに変えてしまいましょう。
犬にとっては、一度止まってリードが変わるということで意識が変わります。
あ、この場所でリードが付け替えられたということは、
ここからはこのリードの範囲内で自由に動いたり、匂いを嗅いでいいんだ、
ということが犬に伝わるためには時間は要しません。
ただリードを変えるときに、もともと付いているリードを外してから新しいのを付けると脱走などのリスクにつながりますので、
必ず新しいリードを装着してから元のリードを外すという方法をお勧めします。
また興奮している犬のリードをそのままの状態で変えるというのではなくて、
リードを変えて自由時間を楽しむ。
その前にきちんとお座りや待てなどワンちゃんの動きを止めて、
それができたらご褒美的な感じで散策の時間が与えられるというような
ルールをしっかりつけてあげることでもワンちゃんの意識はしっかり変わってくれます。
もし2本も3本もリードを持ってきたくありませんという方は、
少し長めのリードを1本ご用意いただくといいでしょう。
私は通常時は2メートルぐらいのリードでお散歩に出ています。
保育園生たちは2メートルから3メートルのリードです。
犬の大きさにより多少異なりますが、
横をあまり離れないで歩いてほしい場所ではリードの長さを短くし、
それ以上行けないようにしておくということ。
リードが張りすぎるようなら止まるということを行っています。
ちなみに市販されている一般的なリードの長さというのは
だいたい1.2メートルから長くても1.5メートルぐらいの長さになります。
公園や広場などを散策させてもいいよという場所について、
そしたらリードを緩めて、2メートルのリードだったら2メートルいっぱい使ってもいいですし、
行っておいでと声をかけるようにしてからリードを長くするということをしています。
この際にカチッと留め金がついている伸縮リードなどを使うと
いいんじゃないのと思われる方もいらっしゃるんですけれども、
私自身は伸縮するリードというのはストッパーでお勧めしていません。
なぜかというと、このストッパーをかけ忘れてしまったりとか、
かけたつもりでかけていなくてビヨーンとね、
本来ならちゃんと歩いてほしいところなのにリードが伸びてしまったりすると
ワンちゃん自身の意識もメリハリがつかなくなっちゃうんですよね。
さらにいつも伸縮リードのストッパーをかけないという歩き方、
犬が引っ張ったら伸縮リードの2メートルとか5メートルとかの長さの分だけ行けるようになるというリードの使い方だと
犬にとってリードが張るイコールここが限界値であるという境界線の明確さが伝わらないです。
そのためですね、私は伸縮リードの使用というのはお勧めしていません。
この長さの時は一緒に歩くフェーズだよ。
この長さの時は少し自由に動いてニューを飼いでもいいよというメリハリ。
これはですね、犬は人が思っているよりリードの長さとその長さの中で自分はどこまで許されているのかということに敏感なんですよね。
なので私がお勧めする方法は伸縮リードではないリードを使って
一緒に歩くときはリードを短くして、その短いリードの範囲内でリードが張ってしまったら立ち止まったり
それ以上行けないように行動を制限する。
そして広場や自由に散策をしていいよという場所に着いたら
よしとかOKとか言っておいでという言葉をかけて
ワンちゃんの意識を切り替えてリードを持っているリードの長さをいっぱいに伸ばして散策を楽しませてあげる。
このメリハリをしっかりつけるということでワンちゃんにとって伝わりやすくなると思います。
飼い主との共通認識
いかがでしたでしょうか。
今回は犬にお散歩のメリハリをどう伝えるという質問に対して
ついて歩くときと自由に散策するときのリードの長さまたはリードそのものを変えるというお話をしてみました。
1本のリードで広場で行くときも
2本のリードで広場に着いてからリードを付け替えるときも
犬主のおすすめは一度お座りなどをさせて
ワンちゃん自身の意識をきちんと飼い主さんに向けた後で
行っていいよここから自由時間だよという声かけをする
そのことでワンちゃんと共通認識を持つ
この掛け声というのが非常に大切だと思っているので
このアクションもぜひ行ってみてください。
ということで今回は
ハッシュタグ2番パピー
ハッシュタグ3番セイケンの方に向けて
お散歩テーマでお話をさせていただきました。
今回も最後まで聞いていただきありがとうございました。