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こんにちは、横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
こちらの番組では、たくさんのワンちゃんや飼い主さんと関わってきた私が、
日本の犬と飼い主さんのQOLをあげるおテーマに、犬のあれこれについて、私個人の見解からお話ししています。
時には子育てメタや、留学時代や旅行の思い出などのお話もお届けいたします。
今回は、お散歩についてのお話です。
皆さんのワンちゃんは、お散歩の時、どこを歩きますか?
飼い主さんの隣?前?後ろ?それとも左右をうろうろ?前後をうろうろ?
お散歩は、トレーニングやしつけの相談で、飼い主さんから尋ねられることが多いです。
その中にはいろいろなお悩みがありますが、私が飼い主さんのお話を聞いて思うのは、
犬ってこうやって歩くものだ、というイメージが先行しているんだなぁ、ということです。
これは特にワンちゃんを初めて飼われた飼い主さんに多いです。
お散歩の時、犬は左側で飼い主より前に歩かせない方がいいんですよね。
つけの指示で歩かせるんですよね。
など言われることもあるので、何でそう思いますか?と尋ねると。
え?だって犬側は人より前に出て歩くと犬の方が偉い。
主人を疑えていると勘違いすると聞いたので、という回答が返ってくることもまだまだ少なくはありません。
この都市伝説がいつから定番イメージとなったのかは定かではありませんが、
よく考えると犬と人、2万年以上共に暮らしてきた歴史の中でリードをつけるようになったのは、ごく最近の頃なんですね。
確かに状況や用途、職業によって人より前後に行ってはならず、
人の隣にぴったりとついて歩かなくてはならないという場合もあります。
警察権、軍用権、一部の狩猟権、そして盲導権などももちろんそうですよね。
ちなみに狩猟権の場合、用途によって歩き方、動き方は変わり、それぞれに特徴があります。
スパニエルやコッカーと呼ばれる犬たちは、茂みの中を左右に大きく動きながら人より前に進み、
水鳥や茂みの中にいる小動物、鳥たちを飛び立たせるのが仕事です。
ポインター、セッターたちは静かに人より前に進み、獲物を見つけると止まって、
ポイントやセットでその場所をハンドラーに知らせるのがお仕事になります。
ですので必然的に左右前後に離れていきがちな行動をとりやすいんですね。
レトリーバーたちはスパニエル、コッカー、ポインター、セッターたちが見つけた獲物を
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ガンと呼ばれるハンドラー、人間がですね、銃を持った人間が撃ち落とした後、
ハンドラーの指示で回収し、人間の元に持ち帰るのが仕事ですので、
それまではハンドラーの隣で他の犬たちの仕事に邪魔にならないようにぴったりと寄り添って歩きます。
そのため人と意思を合わせて隣で歩くことを容易に習慣化しやすい研修とも言えます。
特に純血種と言われる子たちはこうした正徳的行動パターンが強く現れることが時々あります。
なので犬にリードをつけて外に散歩に出たら自然と隣を歩いてくれるということは一概には言えないんです。
純血種でなくても犬にとってリードは不自然で、自分の行動を制限するものの一つです。
そこに引っ張るなどの圧力が加わればさらに不快さを覚えてしまう原因にもなります。
とはいえ車社会、地域密着、人口も健康、犬の数も数百年前とは比べ物にならないぐらい増えた現代において、
犬自身の安全と社会の安全、ルールのためにもリードは必須です。
条例や法律で定められている場合もあります。
年間何十頭もの犬たちが飼い主さんがリードが手からうっかり外れたり、
首輪やハーネスが抜けて脱走して車に跳ねられたり、迷子になってしまうという事件が起きています。
リードをつけなくてならないのでは、どのようにあることが犬と人の双方にとって良いのでしょうか。
服従訓練、いわゆるオビリエンスというものでトレーニングでつけというのは必須科目です。
これはぴったりとハンドラーの左の太ももに犬が張り付いたように共に行動し、その位置をずらした場合には原点対象となります。
ですがこのつけの状態で日常のお散歩をしている子を見たことがありません。
これもまた不自然な姿だと私は思うので、厳密なつけや脚足行進と呼ばれる訓練用語は自分のトレーニングでは基本的には行っていません。
つけの位置、人の左右の位置に来るということを教えることはありますけどね、
特に家庭系のしつけにおいては私は必須科目だと思ってはいません。
私が犬の散歩において大切にしていることはラッキーゾーンの距離感です。
このラッキーゾーンというのはリードをつけていてもリードが張らない距離で完全なる造語ですね。
勝手に私が名乗っている言葉です。
飼い主さんに犬は人の左側を飼い主の前に出ないように歩かせるんですよねと言われたら、私はラッキーゾーンの中で歩いてもらえるようにしましょうと答えています。
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リードが張らなければ前だろうが後ろだろうが右だろうが左だろうが構いません。
ただ人の前後左右を中央無人にうるうるされるとリードが足に絡まったりして危ないので、
右なら右、左なら左、どうしても左右に行きたい場合には一度リードを持ち帰るようにしています。
また絡まり防止やリードの張りによる異常を犬に察知してもらうために伸びつじ爪する伸縮リードは使いません。
まるでラッキーゾーンにいる間はリードが存在しないかのように歩く、それを目標にしましょうと話してアドバイスをしています。
リードが張ることのない空間でお散歩をしているとリードが張った時に犬はあれ?おかしいな?何か用ですか?と異常を察知するようになります。
例えば犬はまっすぐに行きたいけれど私は右に曲がりたいという時、当然曲がり角でリードが張りますよね。
ここで犬を右に越させるためにリードを引くことが多いと思いますが、私はそれをしません。犬はまっすぐに行きたい、私は右に行きたい。さあどうしましょう?
つけという言葉もかけません。リードが張ることイコール異常事態であるとわかっている犬は私の顔を見て聞いてきます。
え?こっちがないの?と。
ううん、今日はこっちに行きたいんだ。来てくれる?私は答えます。
この間私は動かずリードは私たち2人の意思の総意で張ったままです。
仕方ないな。まっすぐ行こうとしても先生が動いてくれないんじゃ。しょうがないな。じゃあ右に行くよ。
とワンちゃん。ありがとう。じゃあ右に行こうね。これで交渉成立です。
ここで大切なのは、来てほしい方向に犬を引っ張るというのではなく、犬の行きたい方向に私は動かない。私の来てほしい方向にのみ犬が動くことができるということです。
これを犬に自ら選ばせます。犬は強制されているわけではなく、自分で選択しているわけです。
行きたい方向に行けないというストレスは、私の方に来てくれた時にたくさん褒められて、何なら来てくれたことに対して、お礼におやつをもらえることで軽減・解消されます。
もちろん100%引っ張りがなくなるということではありません。あるいは何だろう、あっちに行きたいな、匂いを嗅ぎたい、逃げたいというような引っ張りは犬の意思の表れの行動です。
人間の意思とは違う行動をすることが全て悪い、全て問題である、というように捉えるのは違うな、と私は思います。
これを繰り返し繰り返し行うことで、ラッキーゾーンで歩く快適さとリードが張った時の不快さが際立つようになります。
かなり引っ張りが強い子や、自由気まま、本能のままに行動してくる子犬ちゃんたちは、まずこのラッキーゾーンで歩く快適さを教えていきます。
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人の近くで歩くことの快適さ、リードが張らない、圧力がかからない場所で歩くことを教えていきます。
ラッキーゾーンで快適に歩くためには具体的にどのようなトレーニングをしていくのか、そちらも次回は配信をしていきたいと思います。
最後まで聞いていただきありがとうございました。