犬の吠えのメカニズム
こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
犬と暮らすって最高をテーマに、愛犬との毎日を、もっと楽しみたい飼い主さんに向けてお届けしています。
独トレな歴20年以上、これまでに800頭以上のワンちゃんとご家族に向き合ってきた経験から、
よくいただくご質問やお悩みへのアドバイス、犬との暮らしが豊かになるヒント、
これからお迎えしたい方から、シニア犬さんにも役立つお話を、
ハッシュタグ1番から7番のフェーズに分けてお話ししています。
今回は、いただいたご質問にお答えをしていこうと思います。
うちの子は、自分より大きな犬には吠えてしまいます。
自分より小さな犬には吠えないのに、どうしてでしょうか?というご質問をいただきました。
これはですね、多くの人が疑問を感じるであろう、
ハッシュタグ4番の問題行動の中でも、犬の吠えに対するテーマとなります。
ハッシュタグ4番問題行動、ハッシュタグ2パピー、
ハッシュタグ3政権の飼い主さんに特にお役に立つ内容になっていますので、
ぜひ最後まで聞いてみてください。
お迎え準備から最後のお見送りまで、
小型犬との一生に寄り添うドッグトレーナーとして、
この配信があなたの暮らしに寄り添う声のバイブルになりますように。
毎週木曜日にはインスタ同時ライブを行っています。
今週17日木曜日、朝9時10分からインスタ同時ライブ、
夏場と防止、室内でできるエクササイズパート2がテーマです。
さて、いただきましたご質問ですが、これは本当によかるご質問で、
特に小型犬によく聞かれる質問になります。
犬を飼っていない方でも、公園や町の中で犬が吠えているのを聞いたことはありますよね。
これは絶対数の関係でそうなっているということはあるものの、
その吠えているのは圧倒的に小型犬が吠えている率が高いということは、
お気づきになられるかと思います。
私の住む地域では犬を飼っている方が本当に多くて、
犬が吠えているとついついそちらの方向を見てしまうのは職業病なんですが、
吠えているほとんどは小型犬です。
大型犬の声がするときももちろんそちらを見てしまうのですが、
ここで皆さんに質問です。
私の知る限り屋外で知らない犬が犬に対して吠えているというケースで、
その理由はかなり明確に大型犬と小型犬ではっきりと分かれています。
つまり、大型犬と小型犬では吠えている理由がはっきりと違うこのケースがほとんどなのですが、
この違い、この理由は何だか分かりますか?
大型犬と小型犬の吠えている理由の違い、それは何でしょうか?
答えは、大型犬が吠えている理由の多くは要求吠えで、
小型犬が吠えている理由の多くが警戒吠えなんですね。
もちろん要求して吠えている場合もあるのですが、
そしてこれこそがご質問者様への回答のヒントになります。
大型犬の吠えのほとんどが、何々してほしい、何々してくれという要求吠えであるのに対し、
犬種の特性と行動
小型犬の吠えのほとんどは、あっちへ行け、こっちに来るなという警戒排除であり、
それは自分より大きな体の存在に対して顕著に出てきます。
なぜなら警戒というのは、自分より明らかに弱そうと見られる体の小さな犬に対して行う必要がないのです。
これは人間でも一緒です。
私は身長が約154センチという小さい体ですが、
ほとんどの世の中の人間は、私より大人は背が高い人が多いのです。
エレベーターや電車、行列や夜道などで、
自分よりもかなり体の大きな人が近くに来ると、やはり少し緊張します。
特に男性だったりすると、なおさらです。
ですが、同じシチュエーションでも、お子さんや私よりかなり小さくて小柄な細い女性などには、
こういった感情が起きづらいのです。
これは良い悪いということではなくて、動物が持つ自己防衛本能の一つです。
自分より大きな自分が知らない存在に対しては、警戒を示すこと。
自分より小さな儚げに見える存在には、警戒心を薄くしていいということ。
これは本能的な部分が作用するものです。
ですから、小型犬は大型犬には吠え、自分より小さな犬には吠えないという構図が正常でもあるのです。
ですが、ここで一つ疑問が出ます。
自分より大きな強そうな存在に対して警戒するのはわかるけど、吠えることないんじゃない?
攻撃されたらひとたまりもないのに、と思いませんか?
私だって自分より30センチ高い男性に行列で後ろに並ばれたときに、
怖いから近づかないでよ!なんてね、切れ散らかすということはありませんよね。
この小型犬が自分より大きな存在に対してだけ吠えるというのは、
犬という生き物の独自の特性も大きく囲われてくるのです。
多くの野生動物は、それがたとえ肉食動物であっても、
滅多に自分より大きな体の草食動物を狙うということはありません。
狙うときは集団化、かなり切羽詰まった飢餓状態であることがほとんど。
だからこそ、横浜動物園ズーラシアなんかでは、チーターとキリンを一緒のエリアに展示してあったりするのです。
ところが犬の悲しい差が、特に準血種といわれる犬種を持つ犬たちは、
この自己防衛本能、自分より大きな存在を怖いと相手を警戒する、そこから逃げる、避ける、服従の姿勢を見せるという行動よりも、
犬種特有の本能的行動を強化、選別されて繁殖をされてきたという弊害があるのです。
それは特に小型の愛顔犬種に見られる傾向で、こういった犬たちは人間に愛されること、
人間に懐くこと、可愛がられることを目的に繁殖されてきました。
ここにラサープソやチワワのような、加えて人間に異変をいち早く知らせる警報器としての役割も重宝されて繁殖されてきた犬たちは、
飼い主を守る、知らせるという意識がとても強く、
犬よりも人を優先と行動するように選択、選別・繁殖されてきているといっても過言ではありません。
もちろん全ての犬たちは、本当の野生動物に比べるとはるかに人間に懐きやすいですし、
教えられなくても、こうやって人間に知らせてくれるという役割を自然に担います。
その中でもっとも警戒が、相手を排除し、自分と飼い主を守ろうとするための吠えになりやすいのが、小型のアイガン犬種であるということなんですね。
吠えを減らすための対策
さらに、吠えるから犬に会わせないという配慮をし、散歩中にすれ違う犬に吠えたら急いで離れるということを飼い主さんが繰り返すことで、
犬たちは他の犬に会ったらどう接したらいいのか、これを学ばないまま吠えれば相手がいなくなると信じて、
より頑張って吠えてしまうということが起きてくるんですね。
ここまでは、なぜ体の大きな犬に吠えて自分より小さな犬には吠えないのかという理由を話してきましたが、
最後に、ではどうしたらいいのかをお話しして終わりにしていきましょう。
犬は行動の結果で物事を学習していく生き物です。
もし、他の犬に吠えるのをやめてほしいと飼い主さんが思うのであれば、
うちの犬は犬に吠えたことで何を学んでいるのかを今一度見直しをしてみてください。
犬に吠えることでその愛犬が望む結果をもたらしているということはありませんか。
例えば、愛犬が吠えたときに、もう丸々ちゃんだめよーと優しく声をかけたり、
こらこら吠えちゃだめと抱っこをしてもらえる。
もしくはその場を立ち去り、飼い主さんと二人だけのラブラブな世界に連れて行ってもらえる。
例えば、吠えた相手がひるんで離れていったなど、
こういうことが起こる場合には犬が犬に吠えることを強化する原因になります。
ではどうしたらいいのか。
一番いいのはですね、桜犬、つまり身内に協力をしてもらい、
愛犬が目の前にいる犬に吠えなくなるまでその場から動かないこと。
愛犬の顔は見ないで、飼い主さんは後ろを向いてしまいましょう。
誰も何のリアクションもせず、吠えたいだけ吠えさせておくというのがポイントです。
この時注意するのは、この協力してもらっている桜犬、
桜犬が吠えている小型犬にイライラして吠え返したり攻撃してくるような性格ではないということ。
物理的接触が起きないような距離感をまず設定するということです。
愛犬が吠え疲れたり吠えあんだりした時にはしゃがんで
いい子だね、吠えなくて偉いねと褒めてあげてください。
これができたら一歩桜犬に近づきます。
また吠えたら同じ反応して吠えあんだ時にだけ褒めてあげるようにしてください。
これを繰り返していきます。
桜犬が見つからないよという方は、
ドックランのフェンスの外から中にいる犬に対して同じことを行ったり、
犬の集う公園で少し離れたベンチに座って練習をしてみていただいてもいいでしょう。
肝心なことは、自分より大きな犬が四角いの中にいる時に
どんな態度をすれば褒められるのかということを
愛犬自身が学んでいくということなんです。
ワークショップの案内
その場を提供する。
それは飼い主さんの役目になります。
ちなみに私の犬の保育園でも犬がとても苦手ですという子が結構きます。
最初はすごく吠えていたとしても
大型犬や自分より他の犬たちと一緒に
柿根やクレートなどの逃げ場がない状態に出されてしまうと
一切吠えなくなるというワンちゃんが本当に多いです。
特に飼い主さんがいなくなってしまった後は
守る必要のある人間もいなくなってしまうので
いつもは犬に対して吠えているワンちゃんでも
全く吠えないということは多々あるんですよね。
それだけ逆に言うと
犬にとっては飼い主さんを守るという気持ちは
強く出るということなんですね。
それは犬の特性の一つでもあるので
それ自体をいけない、ダメ、やめて
叱ってやめさせるのではなくて
逆にどういうふうな態度でいたら
飼い主さんは嬉しいのかということを
褒めることで伝えてあげると
自然とワンちゃんは自分にメリットのある行動を
選択していきます。
なので、吠えた時に叱るのではなくて
吠えない状況を作り
吠えなくなったら褒めてあげる
ということを少し練習をされてみるといいと思います。
はい、ということで今回は
いただいたご質問にお答えしました。
いかがだったでしょうか。
7月26日土曜日朝10時
8月23日夜8時
2回に分けて子ども向けのワークショップを行います。
対象者は小学生の皆さんになりますが
未就学時も親御さんと一緒に参加ができます。
こういう犬に対して、生き物に対して
どういうふうに接したら仲良くなれるのか
どういうふうに接したら
自分の気持ちを伝えることができるのか
相手の気持ちを読み取ることができるのか
そういったお勉強をですね
夏休みの子ども向けにクイズやワークを通して
自然に共感力を育む
そんなテーマで私が初めて行う子ども向けのワークショップ
概要欄にリンクを記載しておきますので
残り2席ずつとなっております。
よかったらこちらも早めにお申し込みいただければと思います。
それでは今回も最後まで聞いていただいてありがとうございました。