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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
こちらの番組では、たくさんのワンちゃんや飼い主さんと関わってきた私が、
日本の犬と飼い主さんのQOLをあげるおテーマに、犬のあれこれについて、私個人の見解からお話ししています。
時には子育てメタや、留学時代や、旅行の思い出などのお話もお届けしています。
さて前回は、クリッカーとおやつの抜き方についてお話ししました。
クリッカーやおやつは、行動形成が完成したら抜いていって構いません。
ただし、おやつや報酬をゼロにしてしまうのではなく、時々ランダムでご褒美を入れてあげると、行動の強化が持続しますよ。
また、クリッカーに代わりとなる言葉を教えておくと、クリッカーが手元になくても正確に正解が犬に伝わりやすくなります。
ちなみに犬や猫、前回お話にも出た海洋哺乳類などにはクリッカーを使いますが、
イルカや海の中の生物には笛、金魚や魚類、たこさんなどにはペンライトの光を使って、
同じように条件付けをし、行動パターンを教えることができるといいます。
実は映画ジュラシック・ワールドでは、
研究者のオウェンがラプトルのブルーにクリッカーを使ってトレーニングをしているシーンがあります。
恐竜にもクリッカートレーニングができるなんて、
もちろん誰もやったことがないのでわからないんですが、
クリッカーで恐竜とコミュニケーションをとれるなんて、考えただけでワクワクしますよね。
私だけでしょうかね。
今回は、できるはずなのにやらない犬、なんで?というテーマでお話をしたいと思います。
普段はお座り、伏せは完璧、待てもできるし、お散歩も上手な愛犬。
なのに、一緒に行った旅先では、カフェではお座りはできず、
家族の誰かがトイレなどでかけるとそわそわし、
人が食堂でご飯を食べている間は、扉の前でひたすらピーピー。
こんな経験ありませんか?
恥ずかしながらこれ、私の体験談です。
私の愛犬みことさんは、3ヶ月で我が家に来て、
8ヶ月の時に初めて両親と犬連れOKの宿を利用しました。
3ヶ月の間、私はかなり綿密に社会科トレーニングや、
質疑の基礎、コミュニケーションをとってきました。
彼を連れて横浜から都内の代々木公園や駒沢公園などに行ったり、
渋谷のスペイン坂を歩いたこともあります。
ここまでの経験値がどれだけのものか、ちょっと試してみようと思い、
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出かけた旅行先では、なかなか悲惨な結果となりました。
もともとの性格が超ビビリで、人見知りなみことくん。
知らぬ環境、匂い、生活スタイル、雰囲気、すべてが緊張の連続だったと思います。
帰ってきてから私は、カフェでのカフェマットの上にいる練習、
家族と散歩中に誰かが消えては現れてる、帰ってくるという練習、
ハウストレーニングの強化の練習を行いました。
普段できることは、思っているより普段ではない状況ではできないものなんです。
たとえ簡単な行動でも、いつも100%できる行動でも、
犬にとっては環境や状況、人が変われば、
それは初めてと同じくらい劇的な変化なんです。
昔は私も時々、大きな犬のイベントに参加したり、遊びに行ったことがあります。
そういう会場では、しつけ教室やデモンストレーションを行ったりすることもありますが、
参加されたことがある方、いらっしゃるでしょうか?
普段はできるのに、お座りすらできなかったと嘆いている飼い主さんに出会ったこともあります。
それは当然なんですね。
普段お家の中や、よく知っているお家の周りの環境、
よく知っているお散歩先でできることができない場合、
やらないのではなく、できないということがよくあります。
中には、おやつを見せても全く異に関さず、荒の方向を見ている犬さえいます。
もし、いつもはできるのに、おやつも食べないで、目線も合わせてくれないという場合、
それだけ興奮したり、パニックになったり、恐怖を感じている、
つまり心の余裕がない状態だと思ってあげてください。
そんな時に、「お座り!ほら、お座りでしょ!」と怒鳴りつけたり、
ましてや強引に座らせようとしたりしても、犬はより一層追い詰められるだけです。
この状況でどこまでできるのか、どこからはできないのかを、
飼い主さんは冷静に判断する必要があります。
これ以上はできないなと思ったら、その時は潔く諦めましょう。
そして、似た状況のもう少し刺激が弱い状態で練習をしてください。
もちろんその子の性格、モチベーション、個体差によって全く変わってくるものですが、
怖がりや内弁系、または興奮しやすい性格や年若い犬は、
家の中でできることが一歩外に出るとできない、
お散歩コースから外れるとできない、ということがよくあります。
そんな時は、普段はお座りは絶対できるから、
お座りなんかできてもご褒美はあげないわ、というのではなく、
この状況でお座りができたね、ということにたくさん褒めてご褒美をあげてください。
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そういった意味でも、できるようになったことに対し、
おやつやご褒美を全くあげない、というのはちょっと犬にとってフェアじゃないです。
状況、環境、人が変わっても同じ行動ができるか、
それはその犬自身のメンタルキャパシティの成長を促します。
そのためには、家の中ではできてもあげない、というおやつやご褒美を
お外でぜひ使ってあげてくださいね。
また逆を言えば、できるようになったよ、と思っていること柄は
いろいろな状況で試してみるといいでしょう。
もしできないようであれば、犬にとって難しい状況でもできるように
少しずつ練習されるといいですよ。
そしてこういう時は、特別なおやつがあるとより集中ができます。
私の例で言えば、自宅で人の食事中足元のマットに
座っておとなしくしていた愛犬が旅先でできなかったということで
近所のあらゆる犬OKのカフェに行きました。
今ではどんなお店でも、マットがあれば1,2時間は落ち着いて
おとなしくしていられますし、私一人で連れて行っても
トイレやお会計の時に席を立っても、おとなしくマットの上で待っていてくれます。
これは練習と習慣化の賜物だと思います。
皆さんの愛犬の苦手な状況はどんなことでしょうか。
方法がわかったら、苦手を克服することも少しずつできるようになりますよ。
今回も最後まで聞いていただきありがとうございました。
次回もまたよろしくお願いいたします。