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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
こちらの番組では、あなたとワンちゃんの10年をよりよく変えるもとに、犬と生きる十数年をもっと本気で楽しみたいあなたに、幅広い分野から犬に関するお話をお届けしています。
大好きな旅の話、子育ての話も時々お届けしています。
飼い主さんが変われば犬が変わる。犬のことをもっと知って、あなたも犬育てのプロになりませんか?
10月25日水曜日、夜7時45分から9時まで、犬の噛みつきを本気で考える全4回セミナーの第2回目が行われます。
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さて、本題に入っていきましょう。
かなり間が空いてしまって大変恐縮なんですけれども、警察犬のお仕事、そして訓練のお話を続けていきたいと思います。
前回はですね、ご質問を寄せられました。
ご質問なんですけれども、警察犬のトレーニング動画をご覧になられたということで、
その中で警察犬のトレーニング中に噛みつくトレーニングをしていて、その時に棒みたいな棒のようなもので犬を叩いているんですが、
そういうことを警察犬の訓練では一般的にされるんですか?という質問でした。
前回もね、警察犬には2種類あるよっていうお話とか、一般的に警察犬って言われるものがどういったものなのかということを概要的にお話をしました。
もし前回の配信聞いてないよという方は、概要欄に前回の配信も貼り付けておきますので、そちらの方も聞いていただければと思います。
さて、今回は質問の内容に迫っていきたいと思います。
その前に警察犬ではですね、どんな訓練を一日しているのかということにフォーカスをしてお話ししていきたいと思います。
こちらは前回も参考にさせていただいた警視庁の警察犬物語というところをあすい、
そして他の警察犬訓練、これは直轄警察犬ですね。
警視庁や各都道府県庁に所属している警察庁で飼われている警察犬、それを直轄警察犬というんですけれども、
そちらのワンちゃんたちの一日、そして訓練の様子から考えられる、考察されることをお話ししていきますね。
まず警察犬の訓練、どんなものがあるのか。
メインとなる訓練というのは徹底的な服従訓練になります。
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これはですね、競技会ではオビリエンスと呼ばれるある一種のワンちゃんとするスポーツ的な要素で楽しまれるということもあるんですが、
基本的にはこの服従訓練というのは、作業犬の一番最初の科目、これを徹底して行うことが基礎訓練になると言われています。
皆さんも知っているようなお座り、これは訓練科目では座れと言われます。
だったり、待て、伏せ、つけなどの基本動作、五種というものから始まっていきます。
それぞれの詳しい内容は割愛しますが、非常に厳しい審査基準が設けられています。
警察犬訓練や訓練競技会を見たことのある方ならお分かりだと思いますが、
これ口調もですね、指示の口調というのは非常に厳しく、指示の言葉は常に命令口調なんですね。
これはそんなふうに日常から声をかけているのかというふうに思われるかもしれないんですけれども、
犬たちにお仕事モードであるということを認識させるためにわざと難しく厳しい口調を使っているとも言われています。
例えば座れ、私なんかはね、アンちゃんたちに教えるときにお座りという形で教えるんですけれども、
警察犬の場合は座れという感じでね、座れってなんじゃいって思うかもしれないんですけれども、
声符といって声という字に符面の符と書いて声符と言うんですけれども、
どんな言葉で指示を告げるか、声を出すかというのをきっちりと決められたマニュアルがあるんですね。
これはまた後で説明しますけれども、そこにはてい座、座ることを座れというふうにきちんと書かれています。
そのため命令口調で座れという感じで言うわけですよね、訓練さんは。
この服従訓練がすべての動作の基礎になります。
この基礎が十分に、ここが大切なんですが、どんな環境でもすぐに行えるようになってから、
地雷訓練、これはもってこいですね。
障害物訓練、これは飛び越えたり飛び上がったり、くぐったり、飛び込んだりということですよね。
それから臭気選別、こちらは嗅ぎ分ける。
そして捜索、これは匂いを追いかけるといった実践的な訓練に携わっていくようになっていきます。
つまり、人間で言えば小学校で入ったら必ず国語と算数は小学校1年生からずっとやるみたいな感じですよね。
そして3、4年生になってから理科が入ってきたり、社会だったり、英語だったり道徳だったりが入ってくるというようなイメージでしょうか。
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すべての基礎になるのがこの服従訓練になってくるということです。
実は警視庁には直轄警察犬訓練のためのマニュアルがある。
これは先ほどもお話ししましたが、この警察犬の訓練マニュアル、
その序文では担当者が愛情をもって警察犬の訓練にあたることや、
個々の警察犬の性質を理解すること、故意に警察犬を傷つける道具などを使用した訓練をしないという記載があります。
ここをまず皆さんに踏まえていただきたいと思います。
そのマニュアルによりますと、警察犬の訓練は大きく3種類に分けられています。
1番が先ほども言ったすべての基礎となる服従訓練、そして嗅覚訓練、警戒訓練、服従、嗅覚、警戒の3種類ですね。
服従訓練というのは、12種類の動作についてそれぞれ動作の呼び方、先ほど言った座れなどですよね。
どんなコマンド、声の指示を与えるか、訓練の仕方、注意点が記載されています。
先ほどもお話ししたように、例えばお座りは定座と呼ばれます。掛け声は、これセーフですね。
これは座れと言い、手指示は右手の人差し指を伸ばして手を握り、左胸の前へ持っていくというふうにかなり細かく指示がされているんですね。
これ競技会ではもちろんそこも審査基準に入ってきます。
そして嗅覚訓練、こちらは犬の嗅覚ですね。
即席追及、周期選別、地域捜索にまた分かれています。それぞれ細かな訓練方法が記載されています。
こちら、どんなことが実際、即席追及、周期選別、地域捜索、どんな訓練をどんなふうに呼んで、どういうふうに教えているのか知りたいという方は、こちらも概要欄に貼り付けておきますので、よかったらご覧ください。
そして最後になりますが、今回ご質問にあったのは警戒訓練中の動画になると思います。
この警戒訓練の中にもさらに種類が分かれていまして、物品監視、これは守れと呼ばれます。物を取られないように守るという訓練です。
対人警戒、これは警戒するということですね。
それから攻撃、これは襲えという指示、そして止めという指示を教えることになります。
禁足方向、追え、これは難しいですね。禁足というのは禁じる、禁止ですね。禁止の禁に足、そして方向を吠えるという字を書きます。
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これは逃げる犯人を足止めするために吠えるという指示になります。
それから狂気奪取、奪え、これは犯人が持っている狂気を取る、奪うための指示で、これは奪えという指示語になります。
それから犯人誤送、これは犯人の輸送、誤送に同行するという訓練があります。
ここまで聞いていてもかなりレベルが高そうだなと思いますよね。
警戒訓練は、相手が不審者、犯罪者であることを想定してスタートします。
そのため、手に持った武器などを犬に向かって振り回したり、犬を脅したり、大声や大きな音を出して犬を挑発したり怖がらせたり、
犯人から反撃をされても警察犬がひるむことがないように訓練をすることが、このマニュアル要項の内容として組み込まれているんですね。
また、耐震警戒攻撃の訓練要項の中には、場合によっては犬を棒なので軽打するという記載があるんです。
軽打というのは軽く打つという字を書きます。
もう一度言いますね。場合によっては犬を棒などで軽打するという記載が盛り込まれています。
これらの訓練マニュアルは非常に過酷で、基礎訓練で十分な人との関係性や信頼関係ができていなければ、犬、人ともにかなりのストレスやダメージを負うことになるなというのが私の感想です。
ですから、ご質問者さんの質問に対しては、警察犬の訓練要項の中には、犬を棒で軽く叩く内容が盛り込まれています。という意味においてはあります。ということなんですよね。
もちろん、このワンシーンだけを切り取って、一般の飼い主さんが動画などで見た場合に、警察犬の訓練は犬を叩いて訓練するなんてかわいそうともなりかねないでしょう。
ただし、この訓練においては、その前段階の厳しい訓練、条件をクリアした上で適正のある犬とその道のプロである訓練士さんが、一日に何時間も何時間もともに過ごし、愛情と信頼関係を培った上での想定訓練であることを知っておくという必要があるなぁと私は思います。
いかがでしたでしょうか。まさに警察犬、特に直轄警察犬においては、お仕事のプロフェッショナル、プロ中のプロだと私は思っています。
家庭犬とは全く、その飼育の目的も、管理方法も、求められるものも、それに対する訓練も違うんですね。
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こんなにハードで大変な訓練を乗り越えて、人のために時には自らの危険も顧みず活躍する警察犬と、警察犬たちを育てる訓練士さん、私は感謝と尊敬を送りたいと思います。
余談ですが、トイプードルなどの小型の警察犬も、昨今ニーズが増えています。
彼らにはこんな過酷な訓練は求められないのですが、ではどんな目的で増えているのでしょうか。
これはですね、主に高齢者の徘徊やお子さんの迷子捜索に需要が高まっているということなんです。
地域社会が家族社会になりつつあり、高齢者やお子さんが迷子の時、そんなシーンも多くなりましたね。
そんな時、巨大な怖そうな犬が近づいてきて吠えたら、それだけで対象者のお子さんや高齢者の方は怖くて逃げ出してしまったり、
転んで怪我をしてしまいますよね。
そんな時には体が小さくて見た目も可愛らしい小型犬の登場なんだそうです。
小さな警察犬たちにも頑張ってほしいですよね。
ということで今回は、前回いただいた質問、「警察犬の訓練は叩いてするんですか?」ということについてお話をさせていただきました。
こちらの警察犬訓練に関わる運用上の留意事項について概要欄に添付しておきますので、もしよろしければご覧ください。
最後まで聞いていただきありがとうございました。