1. 今週のミュージカル速報
  2. 2025年ブロードウェイはどんな..
2025-12-11 07:41

2025年ブロードウェイはどんな年だったか

spotify

来年から再開予定のPodcastのパイロット版です。

2025年のブロードウェイがどんな年だったのかというのを振り返ります。
詳細はミュージカル速報のnoteをご覧ください。

激動のブロードウェイ 2025年を振り返る

サマリー

2025年のブロードウェイは史上最高の興行収入を記録していますが、深刻な経済的危機が潜んでおり、コミュニティの結束力が試されています。これらの状況の変化が、2026年の展望に大きく影響するでしょう。

ブロードウェイの経済的危機
今週のミュージカルニュース。こんにちは、ミュージカル速報、通称ミュー速です。
今回は特別編として、2025年のブロードウェイを振り返る総画をお届けします。
タイトルは、繁栄なき最高益と試されるコミュニティの絆。
2025年、ブロードウェイは史上最高額の興行収入を記録しました。
しかしその数字の裏には深刻な危機が潜んでいます。
この危機に立ち向かうコミュニティの結束力も、はつてないほど高まっています。
今日は、経済的な危機とコミュニティの結束という2つの軸で、
2025年のブロードウェイを紐解いていきます。
それでは本編に入っていきましょう。
1.ブロードウェイの危機、構造的欠陥の露呈
まず、経済的な側面から見ていきましょう。
2024年から2025年にかけてのシーズン。
ブロードウェイリーグの発表によれば、
興行収入は史上最高額となる18億9千万ドル、
日本円にして約2800億円を記録しました。
すごい数字ですよね。一見するとブロードウェイは絶好調に見えます。
しかしこの数字は業界の健全性を示してはいませんでした。
なぜか、それはインフルエンによる生活と運営力の高騰が、
収益構造を根本から破壊し始めているからです。
その象徴的な事例が、新作ミュージカル、クイーン・オブ・デジタイルです。
この作品、週間売上が100万ドルを超え、
客席稼働率も90%以上という、まずまずの数字を出していました。
普通に考えれば、これだけ客が入っていれば、
どんぐらい間違いなしと言いたいところですが、
今年の12月、開幕して2ヶ月経たずに閉幕を予定されることとなりました。
なぜか、製作費が約2250万ドル、約35億円に達していたからです。
さらに、週35万ドルという撃墜資料費、そして人件費の高騰、
これらが重なって、ヒットしていても赤字が膨らむという構造になってしまっていたんです。
これは何を意味するのか。
それは、客が入ればロングラウンド切る、というブロードウェイの従来の常識が通用しなくなったということです。
これは本当に深刻な問題です。
この状況に対して、ミュージカル界の巨匠、アンドリュー・ロイドウェバーも強い懸念を表明しています。
ロイドウェバーといえば、オペラ座の怪人、キャップ、エビータなど、
数々の名作を生み出してきた作曲家ですね。
その彼が現在のブロードウェイについてこう語っています。
劇場オーナーと組合がクリエイターを圧迫している。
つまりコストが増大しすぎて、新人作家が加入できない状況になっているという。
そしてリスクを避けるために、リバイバルや映画原作ばかりが作られるようになる。
その結果、若者の劇場離れが加速すると警告しました。
彼の場合、多少ポジショントークがあると思いますが、
しかしこれは業界の未来にとって非常に深刻な問題提起です。
新しい才能が育たなければ、ブロードウェイは先ぼとりスピークだけです。
コミュニティの結束
2、コミュニティの強さ、政治的結束と連帯。
さてここまで暗いニュースが通じましたが、2025年は明るい側面もあります。
それはブロードウェイのコミュニティが社会的な力としての存在感を強く示した時だ、ということです。
最も象徴的だったのが、タイムズスクエアへの家事の建設反対運動です。
タイムズスクエアといえばブロードウェイの心臓部、そこに家事の建設するという計画が持ち上がったのです。
もしこれが実現したら劇場外の雰囲気は一転してしまいます。
ファミリー向けのエネルギー文化がジャンプル産業に侵食される、これに対してブロードウェイのコミュニティが立ち上がりました。
劇場オーナー、労働組合、近隣住民団体など、35以上のノータイムズスクエア家事のコーディションを設定したのです。
そして2025年9月、歴史的な抗議行動が行われました。
ブロードウェイの14の劇場が一斉にマーキー、つまり劇場の看板にノーカジノのメッセージを掲出したのです。
これは本当に前代未聞のことでした。
普段は競合関係にある劇場同士が演劇外の文化と環境を守るために団結する、そして世論を動かし政治的影響力を見てきていたのです。
これはブロードウェイというコミュニティの底力を秘める出来事でした。
そして2025年11月、ニューヨークに大きな変化が訪れました。
34歳のマムダニ氏が新市長に選出されたのです。
34歳というのはニューヨーク市長としてはかなり若いですよね。
マムダニ新市長は、家賃凍結や公共交通機関の無料化など、中心的な生活政策を掲げています。
生活機構等に苦しむ俳優やスタッフなど、アーティスト等から強い支持を受けての当選でした。
これは何を言いにくいのか。
ブロードウェイが単なる観光産業としてではなく、そこで働く人々の生活を守る制度に入ったということです。
ブロードウェイを支えているのは華やかなスターだけではありません。
舞台裏で働く技術スタッフ、起床スタッフ、アンサンブルの俳優だし、
彼らの多くが高騰する家賃と生活金に苦しんでいます。
新市長の誕生は、そうした人々の声が政治に届いた証であり、
2026年以降のブロードウェイに新しい希望をもたらす可能性があります。
さて、2025年のブロードウェイを振り返ってきましたが、まとめに入りましょう。
2025年は、高コスト対策による政策の基礎、コミュニティーなど、
防衛本能の目覚めが同時に起きた年でした。
数字上は市場最高益を記録しながら、現場では赤字が続く、
この矛盾した状況が業界を苦しめています。
業界は今、チケット代を上げてコストをカバーする、
という従来の焼肌農業的なモデルからの脱却を迫られています。
ロイドウェーバーが敵したように、若い観客を取り戻すよう、
クリエイターが創作を続けられる経済モデルを再構築できるか、
これが2026年以降のブロードウェイの存亡を握ることになるでしょう。
一方で、風の反対運動を通じて占められたコミュニティーの結束力は、
希望の光です。そして、選挙長の誕生は、
変革への第一歩かもしれません。
2026年のブロードウェイがどうなるのか、
それはこの危機をどう乗り越えるかにかかっています。
今回は特別編として、2025年のブロードウェイ総括をお届けしました。
経済的な危機とそれに立ち向かうコミュニティの力、
この2つの物語が、2025年のブロードウェイを象徴していました。
2026年、ブロードウェイはどこへ向かうのか、
私たちも引き続き注目していきたいと思います。
それではまた次回、お会いしましょう。
ミュージカル特報でした。
07:41

コメント

スクロール