ミュージカルの変革
今回はですね、ミュージカルの世界で、今まさに起きている注目の動き、これを深掘りしていこうと思います。
はい。
ミュージカル北方、ミュー速さんの記事からピックアップした最新ニュースをもとに、ブロードウェイとかウエストエンドの熱気、そしてその裏にある意味合いみたいなものをさぶっていきます。
いいですね。
古典の新しい挑戦から驚きの新作、あと観客体験の変化まで、いろいろありますね。一緒に見ていきましょうか。
まさに変化の連続っていう感じですよね。単にニュースを追うだけじゃなくて、それぞれの出来事が示す流れですかね、潮流。
そしてそれが、あなた自身の観客体験にどうつながっていくのか、そんな視点で紐解いていけると面白いかなと思います。
特に既存の作品がどう生まれ変わるのかっていう点には、ちょっと注目したい動きがいくつかありますよね。
確かにそうですね。じゃあまずはそこ、これいきましょうか。アンドリューロイドウェイは、キャッツをかなり大胆に再構築すると。
新しい会社、LWエンターテイメントって言いましたっけ。そこから発表された、キャッツ・ザ・ジェリクルボール。
2026年の春にブロードウェイで上映予定だそうですけど、これ単なるリバイバルではなさそうですね。
そうなんですよ。ポイントはボールルーム文化と、それからジェンダー表現を取り入れるっていう点ですね。
ハミルトンの成功
ボールルーム文化。
ボールルーム文化っていうのは、特に70年代以降のニューヨークですかね。
LGBTQプラスのコミュニティ、特に有色人種のコミュニティで発展したファッションとかダンス、自己表現を競い合うようなすごく華やかなサブカルチャーなんです。
へー、なるほど。
これをキャッツの世界観にどう融合させるんだろうかと。
なるほど、そういう背景があるんですね。
なんかオフブロードウェイでのトライアウト版は、批評家にも結構好評だったとか。
そうみたいですね。
長年愛されてきた作品に、そういう現代的な視点とかカルチャーを取り込むことで、どんな科学反応が起きるんでしょうね。
古典を今に繋げる試みって言えそうですけど。
まさにそうですね。ジェリクルキャッツっていう、ある種の選ばれし者たちが集まる舞踏会っていう設定自体が、もしかしたらボールルーム文化の持つ自己肯定とかコミュニティ形成みたいなテーマと響き合う部分があるのかもしれないですね。
あー、なるほど。
一方で、もちろんオリジナルの持つ具合せ性とかファンタジー要素がどう変化するのか、あるいは深まるのか。
長年のファンにとっては期待と同時にちょっと不安もあるかもしれませんが、でも新しい世代の観客を惹きつける可能性は大きいでしょうね、これは。
クラシックといえばもう一つ大きな節目を迎えた作品がありますよね。
ハミルトン。
あ、ハミルトン。
ブロードウェイ10周年、8月6日にリチャード・ロジャース・シアターで特別公演が行われたそうですが、これは感慨深いですね。
10年ですか、ミュージカル史に残る大ヒット作としては一つの大きな区切りですね。
うんうん、しかもハミルトンは作品のヒットだけに留まらなくて、キャスティングの多様性とかヒップホップの導入とかミュージカルっていうジャンル自体にもものすごく大きな影響を与えましたからね。
本当に。
もう文化的な現象と言っていいでしょう。
その記念公演もなんかすごかったみたいで、リン・マニアル・ミランダはもちろんレスリー・オドム・ジュニアとかフィリッパ・スーとかオリジナルキャストを含む100人以上の卒業生が集まってメドレを披露したって。
うわー、それは豪華ですね。
これはもうなんか歴史的な瞬間ですよね。
で、さらに映画版の劇場公開とか、あとレスリー・オドム・ジュニアの期間限定復帰なんていうのも発表されて、単なるお祝いにとどまらないなんかすごい展開になってますね。
うん、これらはもう10周年っていう節目を最大限に活用した非常にこう戦略的な動きと見ることができますよね。
なるほど。
映画館での上映は舞台を見る機会がなかった層にもアピールできますし、オリジナルキャストの復帰っていうのはコアナファンにとってはたまらない強い訴求力がある。
確かに。
だから作品のレガシーを再確認させて、ブランド価値をさらに高めて、次の10年へとつなげていくためのそういう伏跡と言えるんじゃないでしょうかね。
キャッツが未来に向けて再構築されるのとはちょっと対照的に、ハミルトンは自身の金字塔を敷いつつその影響力を満塾にしようとしているそんな感じがしますね。
没入型演劇の推進
長く続く作品といえばウエストエンドのマティルダタミュージカル。これもすごい記録を打ち立てましたね。
ああ、マティルダ。
8月16日に通算5141回目の公演を達成してウエストエンド史上歴代10位のロングラン作品になったそうです。
いやー素晴らしいですね。2011年の初演からですから、もう13年以上ですか?
すごいですね。
やっぱりロアルド・ダールの原作の持つあの敷衍的な魅力と、それを演劇的に昇華させたロイヤルシェイクスピアカンパニー、RSCと、
ティム・ミンチンの音楽、歌詞、デニス・ケリーの脚本、マスユウ・ウォーチャスの演出、あのクリエイティブチームの力が結集した結果でしょうね。
子供が主役ですけど、大人の心にもなんか深く響きますもんね。
そうなんですよ。
世代を超えて愛される力があるんですね。
9月からは新キャストになるそうですけど、こうやって常にフレッシュさを保ちながらロングランを続けていく秘訣ってどこにあるんでしょうかね?
うーん、まあ一つはやっぱり作品自体の質の高さと普遍性。これは大前提として。
はい。
そしてそれを維持するためのプロダクション側の努力でしょうね。
キャストが変わることでまた新しい解釈とかエネルギーが注入されますし、作品を知ってる観客にもまた見たいなって思わせる力がある。
なるほど。
古典となりつつも常に生きている舞台であり続けること、それがロングランの鍵なのかなと思いますね。
なるほどな。一方でその演劇の体験そのものを変えようっていう動きもなんか加速しているように感じますよね。
あーありますね。
その代表格はイマーシブ、没入型ってやつでしょうか?
あの名作NEXT TO NORMALがなんとイマーシブ版として世界発演されるっていうニュースにはちょっと驚きましたね。
いやーこれはね非常に大胆で、かつすごく興味深い試みですよね。
NEXT TO NORMALはご存知の通り、双極性障害を持つ母とその家族の葛藤を描いた非常にシリアスで内面的なテーマを扱ってますから。
当任賞とかピューリッツァ賞を受賞したほどの作品をじゃあ没入型でどう表現するんだと。
9月にブエノスアイレスで上演とのことですが、観客を主人公ダイアナの精神世界に招き入れるっていうコンセプトらしいですね。
しかもオリジナルブロードウェイ版のアリス・リプリーも参加するっていう、これはかなりパーソナルな体験になりそうですね。
そこがポイントだと思います。従来の観客席から舞台を見るっていう関係性じゃなくて、物語の世界あるいは登場人物の心理風景のその中に観客が存在するという。
これによってダイアナの混乱とか苦悩、家族の感情の揺れ動きなんかをより直接的に、なんていうか共感を超えたレベルで体感できる可能性があるんじゃないかなと。
演劇が持つ感情移入の力を空間演出によって増幅させようっていうところ見ですね。
ただまぁ、デーマがテーマだけに、観客の心理的な負担とか物語との適切な距離感をどう設計するのかっていうのは、クリエイティブ上の大きな挑戦にはなるでしょうけどね。
で、同じ没入型でも全くアプローチが違うのが、ロンドンで上演中のグリース、The Imagive Musicalですね。
グリース。
こっちはシークレットシネマが手掛けてるんですよね。
そうですそうです。
こちらはどっちかというと映画体験とラブックパフォーマンスの融合って感じですね。
会場全体をあの舞台となる50年代のライデル高校に作り込んじゃって、観客はその中を自由に歩き回れる。
で、映画本編が上映されつつ、目の前で俳優たちがシーンを再現したり、時には観客に話しかけたりすると。
ここで映画の登場人物になったみたいな感覚なんですかね。
NEXT TO NORMALが内面への没入だとすると、こっちは世界観への没入というか、参加型エンターテイメントという感じですね。
まさにおっしゃる通りです。
ノスタルジアとそのインタラクティブ性を掛け合わせることで、グリースっていう誰もが知る人気作品に全く新しい楽しみ方を提供しているわけですよね。
物語を追体験するだけじゃなくて、その場にいる感覚とか、イベントに参加するような楽しさ、そっちが重視されている感じがします。
演劇とか映画の楽しみ方が、もうどんどん多様化しているっていう、その証拠と言えますよね。
この2つの没入型アプローチ、あなたはどっちにより惹かれます?
どっちも体験してみたいですけど、そうですね。
NEXT TO NORMALは作品のテーマがどう深まるのかっていう可能性に。
グリースはもう純粋な楽しさに惹かれますね。
なるほど、なるほど。
さて、新しい動きは演出方法だけじゃないですよね。
映画界からのビッグネーム、クエンティン・タランティーノ監督が、なんとウエストエンドで舞台作品を上演するっていう。
いや、タランティーノが舞台ですか?これは本当に驚きました。
びっくりしました。
彼の映画って、独特の長回しの会話劇とか、バイオレンス描写、あと時系列を巧みに操る構成とかが特徴じゃないですか。
それを舞台っていう、ある意味制約のある空間でどう表現するのか、ちょっと想像がつかないですね。
2026年の初頭の上演を目指していて、脚本はもう完成しているそうですよ。
面白いのが、ロンドンを選んだ理由の一つが、コスト面らしいです。
そうなんですか?
もし舞台が成功したら、自身の10作目にして最後の映画として映画化する構想もあるとか。
これは演劇界にとっても、映画界にとってもかなり大きな話題ですよね。
そうですね。著名な映画監督が演劇を手掛けること自体は時々ありますけど、タランティーノ監督ほどのあの強烈な個性と作家性を持つ人物となると、期待せずにはいられないですね。
彼の武器である言葉の力っていうのは、むしろ舞台でこそより際立つ可能性もありますし。
なぜロンドンを最初の地に選んだのか、コスト以外の戦略的な理由もあるのかとか。
ダレン・クリスの舞台復帰
そして彼の作風が演劇の文法とどう融合するのか、あるいは衝突するのか、これはちょっと見逃せない実験になりそうですね。
スターの話題で言えば、ブロードウェイでは、都人称俳優のダレン・クリスがミュージカル「メイビーハッピーエンディング」で舞台復帰しますね。
ああ、ダレン・クリスの復帰。これは特にこのメイビーハッピーエンディングっていう作品にとっては大きな力になるでしょうね。
はい。
韓国初のミュージカルで、オフブロードウェイを経てブロードウェイに登場する比較的新しい作品ですよね。
そうなんですね。11月2日のマチネからオリバー役で出演して、2026年の秋には全米ツアーも控えているとか、しばらく舞台から離れていた彼の復帰を待っていたファンも多いでしょうね。
ここでちょっと注目したいのは、ダレン・クリスのような知名度と実力を兼ね備えたスターが、いわゆる鉄板の大作とかじゃなくて、こういう意欲的な新作とか、あるいは比較的小規模な作品を選ぶケースが何か増えているような気がするんですよね。
ああ、なるほど。
これは、スター自身のキャリアにとっても、新しい挑戦としてアーティスティックな評価を高めるっていう習いがあるのかもしれないし、同時に作品にとっては、彼のネームバリューで一気に注目度を高めて、より多くの観客に届ける、企画材にまるスターと作品のウィンウィンの関係を築こうっていう、そういう戦略が見える気がしますね。
スターといえば、新作ミュージカル、The Queen of Versaillesもかなり豪華なキャストで話題になってますね。
ああ、これも注目ですね。
ウィキッドのスティーブン・シュワルツが作曲、そして主演と制作を兼ねるのが、クリスティーン・チェノヴィス。
はいはい。
で、夫役に、あの、エフ・マレー・エイブラハム。
シュワルツの新作で、そしてこのキャスティング。いや、これは期待が高まりますよね。原作は確か2012年のドキュメンタリー映画でしたっけ?
そうなんです。大富豪の夫妻が、フロリダにベルサイユ空殿を模した全米最大の個人邸宅を建てようとするんだけど、リーマンショックで計画がとんざしていくっていう実話に基づいているんですよね。
なるほど。
現代のアメリカンドリームとその脆さとか、富とは何かみたいなテーマを扱いそうですね。
ドキュメンタリー映画、しかも実在の人物のかなり現在的な物語をミュージカル化するっていうのは、近年の一つの流れかもしれませんね。
ファンホームとかグレーガーデンズしかり。
ああ、確かに。
シュワルツの音楽が、この現代的な富と夢の物語にどんな色彩を与えるのか。
そして、クリスティンチェノウィスとFマーレイ・エイブラハムっていうコメディエンとオスカー俳優っていう、この組み合わせがどんな科学反応を起こすのか。
社会性のあるテーマをエンターテイメントとしてどう消化させるか。その手腕が問われますね。
パープル・レインのミュージカル化
実場とかドキュメンタリーだけじゃなくて、音楽界のレジェンドの物語も今、舞台になっていますよね。
プリンスの代表作、映画パープルレインのミュージカル版が世界発演を迎えると。
パープルレインのミュージカル化。これは期待と同時に相当なプレッシャーでしょうね。
ですよね。
プリンスというアーティストのあのカリスマ性、そしてあの映画と音楽が持つ独特の世界観、空気感みたいなものをどう舞台で再現するのか。
10月16日からプリンスの故郷ミネアポリスで発演されるそうです。
ブロードウェイ進出を見据えた公演だそうで、主演はクリス・コリンズさん。
音楽はもちろんプリンスの楽曲。これはファンにとってはもう寒流ものかもしれませんが、ハードルも高そうです。
まさに。いわゆるジュークボックスミュージカルの枠にはちょっと収まらないですよね。
プリンス自身の物語性と音楽性が深く結びついた作品ですから。
単にヒット曲を並べるだけでは多分成立しない。
彼の音楽の魂、パフォーマンスのエネルギー、そして物語の持つ切実さみたいなものを、舞台っていう生の空間でどう表現できるか。
特に主演俳優には歌とかダンスだけじゃなくて、プリンスが持っていたあの独特のオーラとかカリスマ性、それを体現することが求められるでしょうね。
いやー大変そうだ。
故郷での発演っていう選択は、作品へのリスペクトを示すと同時に、やっぱり地元ファンからの熱い支持を得て、ブロードウェイの弾みとしたいっていうそういう狙いもあるのかもしれないですね。
なるほどな。さてここまで本当にいろいろなニュースを見てきましたけど、本当に多岐に渡る動きがありますね。
古典の再解釈キャッツとか、金字塔の記念ハミルトン、長寿作品の記録マチルダ、新しい観客体感の模索ネクストトゥノーマルとかグリースの持つ入方、異分野からの挑戦タロンティーノ監督、スターパワーと新作ダレンクリスとか、現代社会を映す物語クイーンオブバーサイ、そして伝説の音楽の舞台化パープルレイン。
こうして並べてみると、ミュージカルっていうアートフォームがいかにダイナミックに常に自己変革を続けているかっていうのがよくわかりますよね。
本当ですね。
いやー、面白いですね。本当にそうですね。伝統を守りつつ革新も恐れない。それがミュージカル界のインプレッションだと思います。
映画とか実話とか多様な素材から新しい物語を紡ぎ出す。スターの力を活用して作品のリーチを広げる。なんかこれらが同時並行で世界各地で起きているっていう。
いやー、面白いですね。本当にそうですね。伝統を守りつつ革新も恐れない。それがミュージカル界の今の姿なのかもしれないですね。
だからこそ常に新しい発見とか驚きがあるんですよね。観客としても次にどんな作品が登場するのか、どんな体験ができるのかワクワクしますよね。
そこでですね、最後にあなたに問いかけてみたいことがあるんです。
はい。
これだけ多様な進化を続けるミュージカル界ですが、この流れはこれからどんなまだ見ぬ物語を生み出していく可能性があるでしょうか。
そして、それは私たちの感激体験をもしかしたら根本的にどう変えてしまうかもしれませんか。
次に劇場へ足を運ぶとき、そんな未来にもちょっとだけ思いを馳せてみると、また違った景色が見えてくるかもしれませんね。