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今日お話ししてみたいのは、
文型はシンプルに、語彙は実用的に、という話ですね。
元は、泉勲さんが、
新しい初級というので、今も言っていらっしゃいますし、
10年くらい前くらいからよく言っていらっしゃったことなんですけど、
この新しい初級というので、文型を抑えて語彙を増やす。
そうすると、いろいろ言いたいことが言えるという、こういうご主張なんですけど、
何となく聞いたことがあるかなという人がいらっしゃいましたら、
ハートマークいただけますか?
別に全然いいんですよ、聞いたことなくてもいいんですけど、
ちょっとまだ初めて聞くかなという方は、涙のマークでリアクションいただけますかね?
どうでしょう?
これはですね、このことについてね、
ハートマークをいただいてます涙の方もいらっしゃいますね。
ありがとうございます。
涙の方もいらっしゃいますね。わかりません。
最初のところからご紹介しますけど、
これについて話そうと思ったのは、昨日ですね、
佐藤豪雄さんがツイートでまた紹介していらっしゃったので、
いろいろそれを見て思い出すことがあったんですね。
あとその、
思い出すだけじゃなくて、
それが最近の行動中心アプローチとか、あるいはCBLLというね、
そういう考え方とも非常に親和性が高いので、
そういう立場から改めてご紹介するのもいいんじゃないかなと思います。
多分ですね、
多分一番わかりやすい形で、
この考えが書かれたのがですね、
黒潮出版のデータに基づく文法調査という本だったんじゃないかと思います。
違うかな、その前にももしかしたら出てたかもしれませんね、すみません。
でもね、すみません、僕この本自体を読んだのもずいぶん前で、
しかもですね、これ、
Kindle化されてないんですよ。
電子書籍になってないので、今確認できないんですね。
なので、ちょっと、
すみません、もしかしたら間違いがあるかもしれませんが、
多分僕が最初に見たのがこの頃だったと思います、2015年の頃のね。
この中の、このデータに基づく文法調査、この本自体は、
印刷版は今でも本屋さんで買えます。
この中に、日本語学的知見から見た初級調査という一章があって、
その中にこういうことが書いてあったんですね。
でもちょっと繰り返しますけど、残念ながら電子書籍版が刊行されていなくて、
今手元にないんです、すみません。
でね、佐藤豪裕さんがちなみにTwitterで書いてらしていた、
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紹介されていたのは、この伊沢先生のですね、
伊沢さんですね、
2017年の言語構造から見た優しい日本語というね、
そういう口頭発表の資料ですね。
これは2017年のEAJFのご発表だということですね。
ここのTwitterに書いてあることは、
例えば、
私はマイクミラーですというのはね、
みんなの日本語に出てきますけど、
これは文型でいうと、AはBですというね、そういう文型ですよね。
で、同じ文型を使って、
日本経済の課題は財政再建ですとかね、
そういうことも言えるわけです。
なので、
本当にごく簡単な文型でも、
その語彙をね、
大人の、ここではね、大人のものいいって書いてありますけど、
大人のものいいができるかどうかは語彙によるというふうに、
この伊沢さんの口頭発表資料にも書いてありますね。
初級に関する考え方を根本的に変える必要性があるということです。
つまり、文型はあまり増やさないで、
語彙の数には制限をかけないということなんですね。
こういうことを考えると、やっぱりね、
今の養成講座とかで、
全ての養成講座じゃないですよ。
もちろんいい養成講座もあるし、そうじゃない養成講座もあって、
特にそうじゃない方の養成講座で、
すごくね、この語彙はみんなの日本語に出ているから、
なんかに出ているから使ってもいいけど、
この語彙はまだ未習の間に出てくる言葉だから使っちゃいけないとかね、
そういう指導をしている養成講座がまだたくさんあるというふうに聞いていますけど、
こういう指導というのは非常に問題があるというのは、
この考えからもわかるんじゃないかと思います。
で、この文型は制限してもいいんだけど、
語彙とかは制限しないというね、
そういうのは、この考え方はですね、
最初にも言いましたけど、
CBLLという考え方がありますね。
これは、Content Based Language Learningですね。
なので、コンテンツを通して語学を習得するというね、
語学って特に第二言語ですけど、
それを習得するというCBLLの考え方でも非常に使える考え方です。
これね、僕がね、
英語の映画、
僕は日本語なので、
英語というのは本当に普通の日本人と同じように学校で習うまでは、
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全然接点がなかったんですよね。
すみません。
だけど本当にね、映画館で映画とか見てると、
高校生の頃とかですよ、
本当にね、初級の文系でもわかるような、
しかもすごいかっこいいセリフというのがね、
いっぱいあるんですよね。
例えばね、1983年のフラッシュダンスという映画があるんですけど、
計算してみると僕が16歳なので、
多分ね、僕がお金を払って自分のお金で初めて見た映画だと思うんですけどね、
その中にも、
If you close your eyes, you can see the music.
目を閉じると音楽が聞こえてくるというね、
そういう英語のセリフがあるんですけど、
それとかもね、
やっぱりそのシチュエーションとかではすごく印象的なんですよね。
そこでやっぱり中学生でもわかる文系と語彙で、
セリフがすごく印象的に、
しかもその綺麗な女優さんがね、
なんとかビールスなんだっけ、
ジェニファー・ビールスでしたっけ、
その女優さんがそういうことを言っているというのに、
僕はね、すごく衝撃を受けた気がします。
というかその教科書のすごくつまらない英語と、
映画に出てくる英語のね、
だけど同じ文系、同じ語彙で、
こんなにすごい印象的なことが言えるんだということに
本当にびっくりした。
その距離ですよね。
もう本当に隔絶している距離に、
本当にすごく僕はびっくりしたというのがあります。
もう一つ例を挙げると、
バックドラフトという映画があります。
これもね、もう多分今から、
下手したら30年くらい前くらいかもしれませんけど、
バックドラフトという消防士の話なんですけどね。
これもですね、クライマックスで兄弟の話なんですよ。
お兄さんの方が負傷してしまって動けなくなったところで、
弟の方がね、
それまでその弟というのが全然消防士に向いていない。
実際もう途中で辞めて、
だけどまた帰ってくるというね、
そういうことをやっていたところで、
その弟が、
そのクライマックスの非常に大規模な火災の中で、
消防士として、
覚醒してですね、活躍するわけですね。
そこのシーンで、
そこのですね、怪我をしてしまったお兄さんの方が、
彼を見なさいと。
That's my brother.
あれは俺の弟だ、みたいな感じで言うわけですね。
でね、
ここもね、
それまではすごいいろんな学習があって、
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どっちかというと、
バカにしていたりいじめたりしていたんですね、
お兄さんの方がね。
そこで初めて、
自分の弟を誇りに思うような感じで、
これを言うわけです。
本当に僕はそのシーンがすごく好きで、
今でも思い出すと、
ちょっとうるうるしちゃうんですけど、
すみません。
でもね、そこもね、
文型としては、
Look at him.
あともう一つ、
That's my brother.
それだけなので、
本当に語彙も文型も、
本当に中1ぐらいですよね。
Look at him.
命令形はまだ出ないかな。
出ないかもしれないけど、
だけど、
That's my brother.
っていうのは本当に多分、
1学期ぐらいで出ますよね。
あとね、佐藤豪裕さんも言ってたけど、
あれですよ、
スターウォーズの第2作目ですよね。
それの終わりで、
ダース・ベイダーが、
すみません。
笑っちゃいましたけど、
I am your father.
って言うんですよね。
私はお前の父だと。
で、それも本当に、
もう本当に中1ぐらいの語彙と文型で
言えちゃうわけですよね。
しかもそれが本当に、
今までもう相手を殺そうと思っていた
旧敵ですよね。
ダース・ベイダーに
Lookが言われるわけですよね。
すごいショッキングな
セリフなんですけど、
これも本当にすごくシンプルな感じ。
文型はシンプルだけど、
語彙は具体的にって書いてましたけど、
今のは語彙もすごい簡単ですよね。
なので、語彙もだけど、
シチュエーションとかも入れると、
すごくシンプルな表現で、
だけどすごく印象的なことを
言うことができるわけです。
これは日本語教育の世界も
これ全く同じで、
ごめんなさい。
例えば、真実はいつも一つってね。
これコナンの決めセリフで出てきますよね。
あと海賊王に俺はなるとか、
これは麦わら帽子のワンピースワンピース。
これも後ろで息子が教えてくれましたけど、
これも文型としては非常にシンプルですよね。
文型としては海賊王なんていうのは
まず初級には絶対出てこない。
海賊ぐらいだったら中級では出てくるかもしれないけど、
海賊王なんていうのが出てくる教科書はないですよね。
だけど、そういう意味で、
文型はシンプルだけど語彙は制限をかけない
というのを使うとこういうのも
どんどん教材として使うことができる。
教材というか例文としてね、
考えることができるようになってくると思います。
あとがCBLLの話なんですけど、
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もう一つ行動中心アプローチですね。
これでも文型は少なめにして、
語彙はどんどん、
その場で必要なものをどんどん教えるというのは
とても大切だと思います。
例えばですね、
僕がブラック企業と戦うための日本語というのを
いろんなところでご紹介してますけど、
例えばね、場所の名前としてね、
ポッセっていうのがありますね。
外国人労働支援センターだったかな、
ちょっと忘れたけど、
もう本当にいろんな実績のある
外国人の労働問題を解決するためのNPOですね。
このブラック企業と戦うための日本語の
行動リストの中に入ってますけど、
そのポッセっていうのを場所の名前としてね、
使うこともできますよね。
ここはポッセですとか、
ポッセはどこですかとか、
そういうのも初級の最初から
使うことができると思います。
あと、AはBですというところだったら、
例えばそれはセクハラですとかね、
あるいは何とかが欲しいだったら、
私は残業代が欲しいですとか、
私は休みが欲しいですとかですね。
あとは、ありますありませんだったら、
給与明細に残業代がありませんとかね、
そういうことを言うこともできます。
これも文型としては非常にシンプルなわけですね。
なので、これをですね、
例えばご存知のない方は、
もちろんね、これを見ても
ちょっと授業しにくいかもしれません。
ブラック企業と戦うための行動リストっていうのを
僕が公開してるんですけど、
そこからその授業を起こすのは大変かもしれないんですけど、
だけどその文型シラバスの教科書で教えている人も
この行動リストを見たら、
例えば今日教えなきゃいけない文型の中で、
この行動リストから使える例文はないかな
というふうに考えることはできるんじゃないかなと思いますね。
なので、この行動リスト自体は
その後、行動中心アプローチでね、
教材とかを開発する人のために
公開しているものなんですけど、
でもそうじゃなくて、文型でね、
文型シラバスで教える人も
この行動リストを見たら、
そういうふうにですね、
今日の文型で教えられる行動はないかな
というふうに、そういう目で見ることもできるので、
ぜひ見ていただきたいと思います。
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それではですね、
ちょっと時間がだいぶ過ぎているので、
本日もですね、ムラスペここまでとさせていただきたいと思います。
本日もですね、ご参加くださいましてありがとうございました。
今日のですね、この文型はシンプルに、
語彙は実用的にというね、
こういうアイデアにつきまして、
ご質問とかコメント、感想とかありましたら、
ぜひですね、ムラスペのハッシュタグ付きで
ご共有いただければと思います。
ぜひお過ごしください。
そして貢献は続きます。