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2022-11-07 15:33

締切効果と外国語副作用

本日の音声配信は土曜日にバンガロールで行った jlpt の背景にある項目応答理論の勉強会をするための準備方法についてお話ししました。練習のための締め切りを事前に設定することと、準備は自分の第一言語で行うということです。 https://twitter.com/i/spaces/1nAJErjOyplxL?s=20

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今日ご紹介、お話ししたいのは、締め切り効果と外国語副作用ということですね。
ごめんなさい。まず、皆さんにもお伺いしてみたいんですけど、
でも反応できないかな? 録音で聞いている人も結構なんですけど、
締め切り直前になるまで、ダラダラしちゃって集中できないで、
だけど、締め切り直前になったら急に集中できて、
なんとか仕事終わったんだけど、できることならもっと始めから集中力があって、
たくさん集中して仕事ができればよかったのにとか、そういうふうに思うこと、僕も結構あるんですよ。
皆さんもそういうことがあるんじゃないかと思いますが、
少なくともですね、僕はそういうことがよくあるんですね。
これについては、締め切り効果というのは、実際に学術的にいろいろ実証的に効果があることが証明されていて、
例えば、さっき僕がサクッと見てみた感じでは、
ひとつばし大学の樋口治さんという方が2010年に出した論文、
だけど2007年にもう受講と言って原稿をもらったという、そういうあれなんですけど、
2009年にジュリーというふうに書いてあります。
そういう時代の論文なんですけど、
達成動機づけと締め切りまでの時間的距離感が計画錯誤に及ぼす影響、
こういう論文もあります。
これでもやっぱりですね、締め切りまで遠いと、ちゃんと計画を甘く見てしまう。
だけど締め切りが近くなってくるとやっぱりやばいということがわかってきて、
現実的に動けるようになるというようなことが実証されているんですね。
なので、これは実際に締め切り効果というものが実在するというのは、
僕の個人的な感覚でも間違いないし、
だけどそれがこういう研究者によっても証明されていると言っていいと思います。
もう一つの外国語副作用というのはですね、
これは昔僕ブログにかなり詳しく書いたことがあるので、
読んでいただければと思いますけど、
ムラログ外国語副作用とかね、
それで検索すると出てくると思います。
要するに母語と比べて外国語で考えるときはですね、
外国語というか第二言語で考えるときは、
語彙とか文法とかを考えることに認知的なリソースを使ってしまうので、
その分ですね、コンテンツに関する認知的リソースが使える部分が減ってしまうわけですね。
なので、特にすごい顕著に現れるのがアイデア出し、
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ブレインストーミングとかアイデア出しとかね、
その段階では本当に第二言語でやるのと、
第二言語でももちろん母語に近い状況までいければ、
その認知的な負担がだいぶ少なくなってくるので、
この外国語副作用というのは減ってくるというのは、
実際その本でも書いてありましたけど、
でも少なくとも、
僕が英語で何か発表しなきゃいけないときとかというのは、
それはかなり顕著に出てきてしまうんですね。
なので、特にブレインストーミングのときとかは、
最終的には英語で話さなきゃいけないということが分かっていても、
僕は必ず母語で、僕の場合は日本語で、
ネタ出しとかブレインストーミングとかアイデア出しみたいなことはやるようにしています。
今回も実はそういうことがあって、
今回はしかもすごいアウェイなネタだったんですよ。
ネタというか、勉強会のトピックなんですけど、
JLPTの採点の仕組みについて、
それを話してほしいと言われたんですね。
これがご存知の方はいらっしゃると思いますし、
あと金曜日にこの村スペでも話しました。
それを聞いてくださった方はご存知だと思いますけど、
とても数学的な話で、
ちょっとかなりめんどくさいんですよ。
僕が日本語でこの本を読んでも、
正直言って数学的な背景とかは、
分からなくてもいいですってその本に書いてあったんで、
そこは正直分からなかった。
そういうものなんですね。
一応その本は読んでですね、
僕が現地のインドの日本語の先生方に向けて説明するときは、
話すのは実は日本語で話すんだけど、
だけどスライドは英語でやるようにしてるんですね。
それで英語のスライド作らなきゃいけないという状況だったんですが、
それが本当に全然できなくて、
それが2日前になっても全然ダメなんですよ。
土曜日に勉強会があってね、先週末のね。
木曜日になってもまだ全然このスライドができなくて、
これは本当に困ったなというふうに思ってですね。
やっぱりここでまず考えたことは、
今日タイトルになっている2つを考えたわけですね。
1つはやっぱり外国語副作用で英語でスライド作ろうとするから、
ちゃんと認知的リソースがコンテンツの方に向かないんだろうということと、
あとは締め切りがそれでも2日後ですから、
もうかなり切発マットはいるんですけど、
でもそれでもね、もっと前に1回締め切りを作ってしまえばいいやと思って、
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それで金曜日の朝に急遽この項目応答理論というIRTという話をしたんですね。
そうすると本当にその直前の30分ぐらいしか準備してないんですけど、
それでもですね、かなり、
なんていうんですかね、
これ録音残ってますから、
先週の金曜日のムラスペのあれで、
少なくとも内容をまとめることができました。
それがどれだけ文系の人にとって分かりやすかったかとかね、
その辺はちょっと未知数ですけど、
20分ぐらいの時間でその項目応答理論についてですね、
本当にごく簡単に紹介するということができたわけですね。
でもはっきり言うとこれは練習です。
土曜日のための練習という感じなんですけど、
それに僕のムラスペを使ってみたという感じですね。
でもね、やっぱりこれってグラフとかを見せないとよく分かりにくいところもあるので、
同じ金曜日の夜にですね、
ハナキンでもう一回ですね、
この項目応答理論について僕が一方的にプレゼンする時間を作ってですね、
話す練習をさせていただきました。
でも皆さんに聞き役として参加してくださった方には本当にありがたく思います。
これは実際ね、
僕が話す内容をまとめてただ単にそれを聞いてもらうだけの部屋だったので、
正直ね、皆さんせっかくいろんな人がいるので、
それを皆さんの意見を聞くとか、
コラボレーションするとか、
そういう皆さんがたくさんいるという状況を生かすことができなかったんですね。
それは本当に残念だったと思うんですけど、
参加した皆さんにとってはちょっと申し訳なかったなとは思うんですが、
だけど少なくとも僕にとっては、
本番の前にそういう場を作って、
皆さんに聞いていただく場を作ることができたというのはすごく役に立ちました。
僕にとってはね。
それが金曜日で、
その翌日の土曜日に実際にインドの日本語の先生方に向けて、
英語のスライドを使ってね、
この項目反応理論についてお話しすることができたというわけです。
これが数学的に素養のある人だったら、
そんなに負担もなくできるとは思うんですけど、
こういうアウェイな、
僕はそんなに数学的な人間ではないので、
別に数学嫌いってわけではないんですけども、
とにかく数式とかがいっぱい出てくる内容になるし、
その本を読むのもすごく数学の本に読み慣れているということは実際ないんですね。
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なので、
そういう人間が、
要するにアウェイな、
自分にとってそれほどなじみがないトピックをアウトプットしなければいけないというときには、
しかも海外でやらなければ、
外国語でやらなければいけないというときには、
まずは母語でやってみるということと、
それと締め切り効果ですよね。
締め切り効果を使うために、
もうちょっとプライベートな、
非公式なところでそれを話してみる、
そういう経験を本番の前にやるというのはとてもいいことなんじゃないかと思います。
つまりもう一回申し上げると、
要するに締め切りを作るということですね。
本番の締め切りの前に練習をするために、
その練習の日時を決めて、
それで締め切りを作るということです。
それによって集中力が生まれるので、
締め切り効果ですよね。
締め切り効果で集中力が生まれるので、
本番の前にコンテンツに関する練習とか準備を進めることができるということですね。
あともう一つは、やっぱり外国語副作用を避けるために、
日本語で、それを自分の母語でやることによって、
発想力とかそういうことを膨らませることができるということですね。
今回は発想力が必要なコンテンツじゃなくて、
本当にただ自分が勉強したことを皆さんにそのまま伝えるだけだったので、
そんなに発想力とかは必要じゃないので、
そういう意味ではちょっと、
なんで最初できなかったのかよくわからないんですけどね。
でも発想力以外のところでも、
外国語副作用というのが結構強く働いている可能性があるということは思いました。
皆さんにお願いというよりも、むしろお勧めみたいな感じなんですけど、
ハナキンをそういう練習のためのアウトプットの場所にしてくれても、
もう全然構いませんし、構わないというよりむしろ大歓迎ですよね。
先週のハナキンで僕が話したような項目応答理論ですよね。
これもほとんどの人があまり聞いたことがないというふうにおっしゃっていましたし、
それから同じコンテンツを朝、この音声配信で話して、
夜、ハナキンで話したわけなんですけど、
実は夜来た人たちの中に、
朝の僕の音声配信聞いた人いますかって聞いたら誰も聞いてなかったんですね。
なので、やっぱり場が違うとそれぞれ聞いている人も違うので、
もうそれを繰り返し違う場でやるということにももちろん意味があると思うし、
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特にハナキンみたいな場だったら、
自分興味ないなとか、あるいは朝、
村辺でこのネタ聞きましたよとかね、
そういう人は別の部屋とか行っても全然構わないわけですから、
そういう意味で、
ハナキンを練習のためのアウトプットの場所にしたいという人がいたらとても大歓迎ですね。
あとですね、やっぱり日本語の先生の方が今ここにも多いですよね。
先生方でスピーチコンテストの準備とか、
あるいは論文の指導とかもしなきゃいけない先生方がいらっしゃると思うんですけど、
そういう人にやっぱりこの2つを使ってみるというのはとてもいいと思います。
2つというのは要するに締め切り効果と、
それから母語でネタ出しとかアイデア出しをしてみるということですね。
これをさせるためには、
例えば日時を決めて、
例えば来週木曜日の午前10時までに、
あなたの第一言語でブレインストーミングをして、
ネタ出しをして、
その結果を共有してくださいとか、
そういうタスクを出すわけですね。
そのときに、
最近は自動翻訳とかがたくさんあるので、
自分の母語でやるといっても全然問題なく、
その結果を教師も見ることができると思いますし、
もし学習者が、
中には真面目な学習者もたくさんいらっしゃいますから、
そういう場合は、
まず第一言語でそれをやって、
それを第一言語そのままと、
それから自動翻訳をかけて、
それを日本語に直したもの、
その両方を出してもいいですよというふうにするのもいいと思います。
だけどやっぱり最初のアイデア出しとかそういうところは、
日本語ではなくて第一言語のものがいいんじゃないかなというふうに思いますね。
今回はちょっと本当に、
自分の慣れないことについて、
あんまりそれほど詳しくない内容について、
お話しするという機会をいただいたので、
そこからいろいろ新しい、
僕自身も勉強することができたし、
逆にこの慣れないことについて話すという、
その経験からもいろいろ考えることができました。
その中の一つが締め切り効果を使うということと、
外国語副作用を避けるために、
まずは母語でやってみるということですね。
今回は正直あんまり僕の詳しい分野ではないので、
質疑応答の時間が、
それほどこちらも準備することもできなかったんですけど、
それもこのことについても、
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日を改めてお話をしてみたいと思います。
それでは本日もムラスペにご参加くださいまして、
ありがとうございました。
今日の締め切り効果と外国語副作用という、
こういうコンテンツにつきまして、
ご感想とかコメントとか、あるいは質問とかありましたら、
ぜひこのムラスペのハッシュタグ付きで、
ご共有いただければと思います。
では今週も月曜日なので、
今週も良い一週間をお過ごしください。
そして冒険は続きます。
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