お知らせ
はい、冒険家の皆さん、おはようございます。今日もですね、落雷によられて灼熱の砂漠を横断していらっしゃいますでしょうか。
本日はですね、2023年の6月22日ですね。インドでは午前8時の49分を回ったところですね。
今日もこの音声配信、むらスペを始めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
まずですね、今日本題に入る前に、いくつかですね、ちょっとお知らせをしたいと思いますね。
まず、今日はもう木曜日ですので、明日Zoomでハナキンがありますね。
今度のZoomでハナキンは、島田優子さんが乾杯の音頭を取ってくださることになっております。
島田優子さんは、「笑う門には日本語」っていうね、すごくね、読みやすくて面白い、
クスッと笑ってしまうようなそういうネタがいっぱい入っている本を出版されました。
で、そのことをお知らせくださると思います。
その他に、部屋が今のところ3つあってですね、
インドの日本語教育について聞きたい、話したいっていうそういう部屋と、
それから養成課程の学生をたくさん呼んだレッスンの反省会というのがありますね。
それからチャットGPTに合う学習者と合わない学習者、
こういう3つの部屋が今のところありますけど、
まだ時間ありますからもっと部屋の数は増えるかもしれません。
日本語教師ブッククラブ
それから日本語教師ブッククラブなんですけど、
これはね、さっきご紹介した島田優子さんの、「笑う門には日本語」っていうね、
こういう本について今、皆さんでここが面白かったとかそういう話をツイッターでしています。
ツイッターで日本語教師ブッククラブっていうハッシュタグでね、
ご共有いただければと思います。感想とかをね。
それから今、日本語教師ブッククラブはね、
もうこれは1ヶ月に1回、1ヶ月に1冊皆さんで同じ本を読むっていう企画なんですけど、
来月読む本のね、募集も今始まっています。
26日から投票に入りますけどね。今、提案されているのは
優しい猫っていうのと、それから私のものではない国でっていうこの2冊が提案されています。
提案理由は優しい猫の方がですね、移民と入管を取り巻く問題が、
スリランカ人の収容者の妻の娘の目を通して、時にユーモラスに、時に侵略に語られます。
24日からNHKでもドラマ版が放映されます。
少なくとも日本国内の日本語教師にとっては、
まさに今このタイミングで読まなければいけない本だと思います。
っていう点理由ですね。
あとね、私のものではない国でっていうのは、
良い外国人じゃなきゃダメ。台湾出身で日本語に住む著者が問う普通への抵抗。
小さな声も自由に羽ばたき出すエッセイ集というふうに書いてあります。
これ両方とも面白そうなんですけどね。
日本語教師チャットもありますね。
日本語教師チャットは評価についてというトピックです。
これは今日木曜日だからあさってか、土曜日なのであさってですね。
24日の日本時間午後21時から行うことになっておりますので、
ぜひ皆さんご参加いただければと思います。
Twitterで日本語教師チャットというハッシュタグ付きでディスカッションができますね。
それでは本日の本題に入りたいと思います。
冒険化メソッドと人工知能
今日お話ししたいのは人工知能と冒険化メソッドということなんですね。
冒険化メソッドは2018年の僕の本で
読んでくださった方もいらっしゃるんじゃないかと思いますが、
一応もう一度ここでご紹介しておくと、
冒険化メソッドというのは、
ソーシャルメディアを活用した自律的な第二言語習得のことです。
じゃあなんでそれを冒険化メソッドというのかというと、
これは考え方の基本が冒険の定義にすごく似ているからなんですよ。
冒険とは何なのかというのを、
それが定義されているのかというと、
いろんな定義があっていいと思うんですけど、
僕がこの2018年の本でご紹介した定義は、
くのりのりやすさんという、
昔は冒険化としていろいろ、
特に自転車を使った冒険ですごく有名だった方で、
最近は冒険化としては引退されて、
その後研究者になられて、
いろんな大学で勤められて、
現在は相模女子大学の大学院MBA社会企業研究科の教授をされているようです。
このくのりのりやすさんが、
冒険化になるにはという本を書かれているんですけど、
この本については、
僕の冒険化メソッドの本でも詳しく紹介しているので、
そちらも見ていただければと思うんですけど、
要するに冒険というのは3つの要素が必要だと、
その3つのどれか1つが欠けてもそれは冒険とは言えないということですね。
そのうち1つは当然ですけど、
リスクを取るということですね。
当たり前ですよね、
何のリスクもないものは当然冒険ではないと、
それが一番特徴的なことだとは思うんですけど。
危険なら何でも冒険なのかというと、そんなことはないです。
例えば、
街の中で200キロのスピードを出して車を運転するとか、
そういうのは非常に危険ですけど、それは絶対に冒険とは言えないですよね。
なんでかというと、そんなことをするやつは、
毎年交通事故でスピードを出し過ぎて死んでしまうような、
そういう人たちは悪いけど、毎年たくさんのそういう人がいるわけですよ。
なので、全然オリジナリティがないということですね。
要するに他の人とは違う。
くのりのりやすさんの言葉を使うと、
世界でたった1つのことっていうふうに確か書いてたと思うんですけど、
要するにオリジナリティということですね。
例えば、屋上で手すりを乗り越えて、
わざと落ちそうなことをやってみるとか、
そういうのも全然オリジナリティがないので、
そういうのは冒険ではないということです。
例えば、オリジナリティがあって危険なこと、
例えばNASAの宇宙飛行士の人が、
例えば月に行ったりとか、
そういうのは冒険かっていうと、それもちょっと違うんですよね。
違うと僕は思うんですよね。
NASAの宇宙飛行士の人たちは、
それはもうとてもすごい尊敬に値することだと思いますよ。
リスクも取ってるし、他の人とは全然違うオリジナリティもありますよね。
だけど、それは自分で計画してやっていることではないですよね。
NASAっていうすごく巨大な組織の中で、
たぶん計画をする人はもっと偉い人たちで、
それに応募するような形で、実際募集されてますよね。
それに応募して、それで宇宙飛行士になって、
それで選ばれたら、月に行ったり宇宙に行ったりするわけですよね。
なので、自分で計画するような主体性というものはないわけです。
三つ目に出てくるのが、自分で計画する主体性ということですよね。
僕はオーナーシップと言うことがありますけど、
つまりリスクを取ることと、オリジナリティ、他の人とは違うことと、
オーナーシップですよね。
この三つがないと、やっぱり僕は冒険だとは言えないんじゃないかと思います。
ここからがようやく本題なんですけど、
今、人工知能を使った第二言語習得ですね。
そこにこういう三つの要素を入れることができるのかといったら、
当然入れることはできます。
まず最初のリスクですけどね。
もちろんリスクは、正直言って、
人工知能を使って第二言語を習得したら、
命に関わるようなことはないですね。
命がけでやるということはないですけど、
だけど学校教育の与えられた教科書で、
それまでの成果がある程度わかるような、
そういうやり方で勉強するのとは違う方法になると思います。
チャットGPTを使うとね。
なので、うまくいかない、無駄になってしまうような、
そういうリスクというのは必ずありますね。
アドベンチャーメソッドとは
特にチャットGPTは完璧ではないわけですね。
間違いを言ったりすることもあります。
ですので、リスクを評価する能力というか習慣とかですね、
そういうものが必要になってくるということが、
全く今までの学校教育でのみんなで同じ教科書を使って、
同じスピードで勉強している人たちとはマインドとしてね、
違う側面が必要になってくると思います。
自分が勉強していることのリスクを評価するということですね。
それは本当にこの冒険化の定義にもぴったり合うことですし、
なんていうんですかね、
実際にこれからもこういう態度が必要になってくると思いますね。
2番目はオリジナリティということですよね。
他の人とは違うことということです。
これもね、多読とかだったら、
最近はいろんな多読用の教材も出版されていて、
ある程度は自分で選ぶことができるようになっていますね。
なので他の人とは違う、一斉授業ではない、
カリキュラムをすることもできますが、
でもこれがですね、チャットGPTとかを使うと、
例えば冒険映画っぽいJLPTのN3レベルの物語を書いてくださいとかですね、
こういうことまでかなり細かく指定することができるわけですね。
主人公の名前をこういう名前にしてくださいとか、
そういうことも決めることもできます。
なので他の人とは違うオリジナリティのある教材で勉強するということも、
このチャットGPTを活用することによって、
非常にその点も改善できるわけですね。
3つ目が主体性ということですよね。
自分で計画を作るということですね。
これは本当にまさにチャットGPTの強いところでもあります。
もちろんチャットGPTを使わずに自分で計画を作っても全然いいんですけど、
ですけどそのチャットGPTに対してね、
自分はこういう属性があって、
例えば自分はこういう言語がわかると、
でもこういう方法の勉強が好きだと、
例えば映画の字幕で勉強するとか、
あるいは映画の種類としてはこういう種類の映画が好きですとかね、
あるいはもっと社交的な人間ですとか、
あるいは文法にもっと興味があるとかね、
そういういろんな属性を入れて、
私に最適な学習計画を作ってくださいと言うと、
結構作ってくれるわけですね。
なので、自分で計画を作るという、
そういう主体性ですね。
それもこのチャットGPTを使うと活用することができます。
もちろんね、ただ1回チャットGPTに計画を作ってもらって、
本当にそれに任せっきりみたいなのは、
あまり主体性があるとは言えないです。
こういうのをやってみると、これは必ず、
ほぼ100%と言ってもいいんですけど、
その言われた通りにやってみると、
そういうわけでもないというか、
あんまりうまくいかないなというふうに思い返してくる、
そういうふうに思ってしまうことが必ず出てきます。
これは本当に語学の勉強に関しては、
100%最初の計画通りにいかないと思った方がいいと思いますし、
もし最初の計画を100%守っているとしたら、
多分ですね、もっといいやり方に気が付いているのに、
そちらのもっといい可能性を無視してしまっているという、
そういう可能性もあるので、
ちょっとそこは注意した方がいいんじゃないかと思いますね。
そういう意味で、
これまで冒険家メソッドというのは、
ソーシャルメディアを活用した自律的な第二言語習得、
というふうに説明してきたんですけど、
これからは人工知能を活用した自律的な第二言語習得、
そういう方面でも認識し直してもいいんじゃないかと思います。
これは改善版というわけではないです。
アドベンチャーメソッドの選択肢
ソーシャルメディアよりも人工知能の方がいいのかというと、
必ずしもそういうわけではなくて、
これは別バージョンというふうに考えていいんじゃないかと思いますね。
なので、ソーシャルメディアを活用した自律的な第二言語習得というのも、
もちろん、特に外交的な人とか、
友達がたくさんいて、あるいはインターネット上でたくさん友達がいるような人、
ソーシャルメディアが好きな人とか、
そういう人はこれまで通り、
ソーシャルメディアを活用した自律的な第二言語習得というのが、
必要になってくると思いますし、
また別の人たちが人工知能を活用した自律的な第二言語習得というのに、
そちらの選択肢もあるというふうに考えればいいのではないかと思います。
それでは、本日もムラスペにご参加くださいまして、ありがとうございました。
今日は人工知能と冒険化メソッド、
こういうタイトルでちょっとお話をさせていただきましたが、
ご感想とかコメントとか質問とかありましたら、
ぜひムラスペのハッシュタグ付きでご共有いただければと思います。
それでは本日も良い一日をお過ごしください。
そして冒険は続きます。