1. むらスペ
  2. How Languages Are Learned
2023-03-03 18:30

How Languages Are Learned

「えー! JF専門家なのに”How Languages Are Learned” 読んでないの?」と言われたので、ざっと目を通しました(^^)

日本語訳は2014年に「言語はどのように学ばれるか」というタイトルで翻訳されていますが、電子化されていないので海外在住の僕は読めません。

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今日お話ししたいのは、How Languages are Learned、どのように学ばれるか、こういう本のことですね。
今日お話ししたいのは、How Languages are Learned、言語はいかに学ばれるかということです。
こういう本についてですね。これを話そうと思ったのは、僕がちょっと前に、JLESAの時ですね、小山木香織先生が文系練習にはあまり定着しないというデータを示して、
それに対して、この実験一つだけじゃ、それが確かだと言えるかどうかわからないというツイートがあったので、
それに対して僕が、ライトバウンという人の本の中にもそういうのは出てくるみたいで、僕は読んでないんだけどっていうことを書いて、
僕は読んでないんだけど、このライトバウンの話はいろんなところで引用されているので有名かもしれませんね、みたいなことを書いたんですね。
そしたら、「え、あなた読んでないんですか?」みたいにちょっとびっくりされちゃったんですね。
それでしょうがないというのもあれですけど、いろいろセミナーとかで引用するときも有名な本の方が引用しやすいので、
とりあえずダウンロードしてみました。
本のタイトルをもう一回言うと、How Languages are Learned。
言語はいかに学ばれるかという意味ですね。
僕がダウンロードしたのは第5版です。
Oxford Handbooks for Language Teachersというところですね。
この著者はパッシーライトバウンという人とミーナ・スパーダさんという人ですね。
今のところ第5版はAmazonでは9個の評価がついていて平均は4.0となっています。
今のところ、今日の時点では5,110円なので結構高いんですね。
高いから僕もまだ買ってなかったというのがあるんですけど、
でも実は僕が何日か前に買ったときは期間限定のセールで4,000円台の結構下の方でしたね。
なのでそのときはお買い得だったなという感じがしました。
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今もこのリスナーの方にインドの方もいらっしゃいますけど、
インドの日本語の先生もいらっしゃいますけど、
もし英語の方が良かったら多分この本が良いと思います。
How Languages are Learnedですね。
だけど日本人の方には日本語の翻訳も出てます。
ただし日本語の翻訳が印刷版しかないんですよ。
つまりこの日本語版が電子書籍になっていないんですね。
なので海外に住んでいる僕にとっては実質的に読めない状況になっていますね。
なので僕がダウンロードしたのは英語版の方です。
日本語の翻訳は2014年の9月26日に出ているので、
多分これは第4版かな。
第5版はまだ出てなかったはずです。
日本語の翻訳のタイトルは
言語はどのように学ばれるか
サブタイトルが外国語学習教育に生かす第2言語習得論
日本語版の印刷版は3080円になっています。
だから英語版を買うより日本語版の方が安いですね。
僕は日本語版手に入っていないので
英語版からの引用になるんですが
僕が英語で読むよりも
日本語で聞きやすい人の方が多いと思うので
面白いというか
現時点でいろいろ紹介しなければいけないところ
それを僕がピックアップして
日本語に自動翻訳にかけたところがありますので
それをいくつかご紹介しておきます。
やっぱり小柳香織先生の実験でも紹介されていたようなことが
こちらの本でも何ページにもわたって書いてあるという感じがしますね。
一つは文型練習です。
文型練習はこの本ではドリルとして出てきますが
これはいわゆる文型練習です。
みんなの日本語で言う練習A練習B練習Cとか
そういうところですね。
それについて少し引用してみますね。
英語のところを自動翻訳で日本語にした文章ですが
以下引用です。
認知的な観点から再び注目されている言語学習の要素の一つに練習があります。
行動主義的な視点についての議論で見たように
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ドリルに基づく学習アプローチや
意味のない言語仕様から練習を分離するアプローチは
通常コミュニケーション能力を養うことにつながりません。
ここまで引用ですね。
意味のないというのは
例えばライオンが本を読んでいるとか
そこまで意味がないものじゃなくて
文脈とかがないということですね。
実際に自分の言いたいことを言う練習ではない
そういうものが意味のない言語仕様と言われています。
もう一回言いますけど
ドリルに基づく学習アプローチや
意味のない言語仕様から練習を分離するアプローチは
通常コミュニケーション能力を養うことにつながりません。
というふうにはっきり書いてありますね。
あとですね
ちょっとロバート・デ・キーサーという人の研究も引用して
こんなふうにも書いてあります。
以下の引用ですね。
ロバート・デ・キーサー1998と字は
行動主義の教室での解釈には
習得したい行動を練習しなければ
練習は効果的ではないという点を
見逃しているものがあることを指摘しました。
第6章で見るように
オーディオリンガル指導を特徴付けるドリルは
しばしば練習している言語パターンと
それに関連する意味との間に
つながりを作ることに失敗していました。
もう一回読みますよ。
オーディオリンガル指導を特徴付けるドリルは
しばしば練習している言語パターンと
それに関連する意味との間に
つながりを作ることに失敗していました。
だからコミュニケーションにつながらないというわけですね。
あとは
どういうものが意味がない練習なのかというのは
こういうものですね。
以下引用です。
一つは教師があなたには兄弟がいますか?
彼には兄弟がいますか?
あなたには姉妹がいますか?
彼女には姉妹がいますか?
といったドリルのような形式での
一連の質問をすることです。
この文脈では表示的質問には
意味やコミュニケーションの目的がありません。
つまりこういうのは悪い練習というわけですね。
悪いというか効果的ではない練習として
たとえば太郎さんとか花子さんとか
誰か分からないですよね。
ミラーさんとか
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そういうのじゃなくて
自分にとってはどうなのかとか
話をしている相手にとってはどうなのかとか
そういう質問だったら意味があるわけですよね。
たとえばあなたには兄弟がいますか?
自分のことを答えていいんだったらいいんですよ。
みんなの日本語とか
そういう場合は答えが決まってますよね。
たとえ自分に兄弟がいても
いえいませんって言わなきゃいけなかったりとか
そういうふうに答えが決まっているので
その辺は全く意味がない練習になるわけです。
だけどオーディオリンガルがうまくいったときもあるわけですよ。
だからこそオーディオリンガルが日本でも
今でも使われているんですけど
それはどういうときなのかというと
こんなふうに書いているところがあります。
これもこの本からの引用ですね。
アメリカの政府関係者のための
集中的なトレーニングプログラムにおいて
話すことと聞くことに重点を置いた
オーディオリンガルアプローチは
高いモチベーションを持った成人学習者に対して
成功率に用いられました。
これは例えば
これで一番有名なのは
アーミーメソッドというやつですよね。
日本と戦うアメリカの兵士に対して
本当に厳しい
それは軍隊ですからね。
軍隊がやるわけですから
こういう文系練習とかをやったときは
ちゃんと機能したと。
高いモチベーションがある。
なぜかというと
失敗すると戦場に送られちゃうという
本当に日本人と対抗を打ち合わなければいけない。
それよりはちゃんと言語をマスターして
通訳の担当をしたりとか
そっちのほうがいいわけですよね。
なのでそういう高いモチベーションを持った
成人学習者にとってはうまくいったというわけですね。
続いてその続きを読みますね。
しかし異なるモチベーションや
適正を持つ生徒のニーズに応える
通常の学校プログラムにおいて
このようなアプローチを支持する教室内研究は
ほとんどありません。
もう一回言いますよ。
アーミーメソッドではうまくいったけど
学校ですよね。
通常の学校プログラムにおいて
このようなアプローチを支持する
教室内研究はほとんどありません。
支持するというのは要するに
こういうアプローチがうまくいきましたよ
そういう結果になりましたよという研究は
ほとんどないということですね。
その続きも読みますね。
実際に従来の文法翻訳法やオーディオリンガル法が
典型的な教室で流暢さと正確さを生み出すことに
しばしば失敗したことが
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最初によりコミュニケーション重視の
教授法の開発につながりました
というふうに書いてありますね。
オーディオリンガルはだめだったから
コミュニケーション重視の教授法
要するにコミュニカティブアプローチのことですよね。
ここで言うことはね。
それに移動したということですね。
移行していったと。
みんながオーディオリンガルをやめて
コミュニカティブアプローチをやるようになった
ということですね。
これが1980年ぐらいのことだと思います。
今から40年ぐらい前の話ですね。
40年前から30年前ぐらいの間に起きたことです。
もちろんみんなの日本語の元になった本というのは
この時代にできたわけですね。
このオーディオリンガルの考えに基づいて。
実際にこのライトバウンがやった
実験のこととかも詳しく書いてありますが
前に僕がJLESAの時ですよね。
1月28日の頃かな。
その時に僕が引用で紹介した実験ね。
要するにオーディオリンガルで文系練習とかいっぱいやったら
やったけど結局身につかなかった練習の例とかね。
そういうのも詳しく書いてあるんですけど
ちょっとこれは長くなっちゃうので
引用するのはやめておきましょう。
さっきも言いましたけど
そういう文系シラバスの場合は
文系シラバスの教科書の場合は
文脈から切り離されているわけですよね。
私のことでもあなたのことでもなくて
かつ答えも決まっているような練習しかないわけです。
練習A、練習B、練習Cですね。
実際には兄弟がいても
兄弟はいませんって言わなきゃいけなかったりするわけですから
だから逆にみんなの日本語で教える場合は
日本語教師が文脈とかですね
場面のある例文とか
そういうのも自分で考えなければいけないということになっています。
ただこれもどうしてもみんなの日本語がいいという場合は
チャットGPTとかを使うと
教科書によっては
チャットGPTを使えば
そういう文脈とかも
どういう文脈で使われますかみたいなことを質問したら
結構教えてくれたりもしますし
実際の場面とかね
こういう場面を挙げてくれることもあります。
さっきちょっとツイートしたので
僕もチャットGPTの画面付きで
それも興味がある方はご覧いただければと思います。
ですけどやっぱり教科書によってはですね
最初からもう場面とか文脈が明らかなものもあるので
そういうものを中心に使うというのも
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もちろん第二言語習得的には
より効果的な授業になるんじゃないかと思います。
この本ね
2014年に多分第4版だと思うんですけど
それの日本語訳が出ていますから
もし手に入る人がいればね
英語苦手で日本語読みたいという場合は
それを読めばいいとは思いますけど
だけどこれは2021年に出た
第二言語習得について
日本語教師が知っておくべきこと
この小柳香織先生の本も非常に素晴らしいです。
今日僕がご紹介したような
How languages are learned
言語はどのように学ばれるかという
この本とかなり重なることもたくさん書いてあります。
日本語教師
今の少なくとも
チャットGPTが出たので
この辺もすごくこれから変わってくると思うんですけど
少なくともチャットGPTがない
それが世間に普及する前の現時点としての
この日本語教師としては
この第二言語習得の本ですね
読んでおくべきじゃないかなと思います。
もう一回言いますけど
日本語だったらこの第二言語習得について
日本語教師が知っておくべきこと
小柳香織先生の本があるし
あと今日ご紹介した本の
日本語版ですね
日本語はどのように学ばれるか
外国語学習教育に生かす第二言語習得論
こういう本のどちらかは読んでおいた方がいいと思いますし
それから英語の方が得意な方は
もちろんこのライトバウのオリジナルの
How languages are learned
オリジナルの英語版を読むのが一番いいんじゃないかと思います。
それでは本日のむらすべはここまでになりますので
まだ読んでない方は
英語版は少なくとも
無料サンプルをダウンロードすることができますし
日本語版はそれが翻訳されていないので
翻訳版は電子化されていないので
ちょっと気軽にサンプルだけ読むことはできないんですけど
もし図書館で読めるようでしたら読んでみてください
少なくとも英語版の無料サンプルをダウンロードしてみたい
あるいは図書館で日本語版を検索してみたいとか
そういう風に思う方はハートマークをいただければと思いますが
いかがでしょうか
それでは本日もむらすべにご参加くださいまして
18:01
ありがとうございました
今日のHow Languages are Learned
この本について僕が話したことについてご感想とかありましたら
ぜひむらすべのハッシュタグ付きでご共有いただければと思います
それでは本日も良い一日をお過ごしください
今日のハナキンで皆さんにお会いできることを楽しみにしております
そして冒険は続きます
18:30

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