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  2. 犬の見ている世界
2025-07-04 22:33

犬の見ている世界

毎日同じ道を散歩しているのに、なぜ犬はあんなに楽しそうなんだろう?
なぜ立ち止まって、ひとつの匂いにじっと集中してしまうんだろう?

私たちには見えていないものが、犬には見えている。
反対に、私たちが当たり前に感じていることが、犬には伝わっていないこともあります。

今回は、「犬が見ている世界」と「人間が見ている世界」の違いをテーマにお届けします。
五感のちがい、時間の流れの感じ方、空間の認識の仕方——
その違いを知ることは、犬への理解を深める第一歩です。

愛犬との毎日が、少し優しく、少し豊かになるきっかけになりますように。

番組の感想や、あなたの愛犬との“見え方の違い”に気づいたエピソードもぜひ教えてください。
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サマリー

ポッドキャスト「犬からの伝言」では、犬がどのように世界を見ているのかを探求しています。犬と人間の感覚の違いを通じて、犬の感じる世界とその理解の重要性が語られています。特に、嗅覚や聴覚の特性について詳細に説明されています。また、犬に合ったしつけ方法が提案されており、ボディーランゲージの重要性や、犬が持つ嗅覚、聴覚、視覚を理解することが、より良い関係を築くために必要であると強調されています。 ※人間の嗅覚受容体を500程度と言及していますが正しくは約500万個程度です。

犬と人間の感覚の違い
今日も散歩の準備はいいですか?アキレス腱を伸ばして、深呼吸をして、ワンちゃんとの絆を深めましょう。
それでは、ポッドキャスト番組、犬からの伝言、スタートです。
この番組は、他の人よりも少しだけ犬と話すことが得意なドッグトレーナー、平田淳が犬との向き合い方、犬との接し方を犬目線で考える
ポッドキャスト番組です。マルチーズのお散歩時間ぐらいお付き合いください。
今回は、全部見ているよ、というテーマでお話をしたいと思います。
どういうことかと言いますと、人間は生きていく上で、五感を通じて世界を見てますよね。
必要な情報を経験則、宗教観、文化観、道徳観、金銭感覚、欲求などで脳内で取捨選択しています。
中には、感じているけど意識的には処理していないものもいっぱいあります。
例えば、湿度であったりとか、よっぽど不快な湿度のところに行かないと、湿度なんてあまり気にしないじゃないですか。
あとは、紫外線量だったり、こういったものも目で見えないもの、というのは意識的に処理していないけど、体は感じているよ、というものもいっぱいあります。
もちろん、これは犬も一緒なんですけど、五感を通じて世界は感じているんですよ。
ただ、人間との価値基準というのが大きく違うんですね。
五感を通じて環境を適切に処理できないと、死に直結するような世界で生きてた動物なので、
人間と暮らして愛顔化していく中で失っている能力、機能というのも多々あるかもしれないんですが、
それでも元々持っている能力というのは、草原で生きていけるように特化した能力というのを持っているんですよ。
我々は犬と暮らしてはいるものの、今この瞬間に感じている世界というのは全く別の世界を見ています。
僕ら人間が見ている世界と、ワンちゃん、あなたの隣の愛犬が見ている世界というのは全く別のものなんですよ。
じゃあ、犬というのは何を見ているのか知ろうよというのが今回のコンセプトみたいなところになります。
犬の嗅覚の特異性
今回は二つの視点で犬が何を見ているかというのを考えてみようと思います。
一つ目は感覚器を通じて犬が見ている世界。
これはみんな知っているような話にはなっていくと思います。
でも一緒に暮らしていく中で、自分と一緒だと思っちゃうんですよね。
見ている世界、感じているものというのが。
ここを勘違いすると、人間の見ている世界が犬の感じている世界だと思い込んでしまう。
なので改めて犬の感覚器官というのを知って、犬の見ている世界というのを理解していこうというのが一つ目。
二つ目はハンドサインを理解してくれない理由というのを話そうと思います。
ハンドサインというと、お座り、待て、伏せいろんな場面で手を出して犬に指示を出すことがあると思うんですけど、
お座りだったら手をグーにして人差し指を立ててお座りって声を出すけど、
何かたまにやってくれない時があるんだよねみたいな。
で、しつけは確率なのでできない時もあって当たり前なんですけど、
もしかしたらあなたのせいでできてないのかもしれない。
というのがこの二つ目、ハンドサインを理解してくれない理由というので話そうと思います。
まずは一つ目からいきましょうか。
感覚器官を通じて犬が見ている世界というところで、
誰しも知っている通り犬は嗅覚というのが優れているんですよ。
これというのが嗅覚の受容体の数の違いになります。
人間というのは約500万個、匂いを感知する受容体というのがあるんですけど、
犬というのはこれが2億個以上持っていると言われているんですね。
もちろん犬種とか個体差ももちろんありますし、
多い子になると30億個ぐらい持っていると言われるんですよ。
もうだいぶ差がすげえなっていう気はするんですけど。
よく人間のハンカチ、匂いを嗅いで持ち主探しましょうみたいなのあるじゃないですか。
テレビとかドラマとかでも見たことがある気がすると思うんですけど、
犬の匂いの記憶というのは時間がすごく長く保たれて、
時間が経っても鮮明に保持されるということが分かっています。
あとは複数の匂いというのを分解して理解することができるんですね。
例えば僕らが街を歩いていてカレー屋さんの近くを通ったらカレーの匂いがしてきました。
おいしそうなカレーの匂い、カレー食べに行こうかってなったりするじゃないですか。
犬の場合っていうのは、例えばカレー屋さんの前を通ったときに、
クミンとカルダモンとウコンの匂いがしてきたな、
クミンとカルダモンとウコンが入っているカレー食べようかみたいな感覚です。
人間風に言うと。
なので、かなりの匂いを分離して認識することができるよっていうのが犬の匂いです。
他にも人間の足跡を追うのも、犬からしたらもう余裕です。
人間が歩いてどこかに行ってそれを探しましょうみたいなゲームみたいなのを見たことがあるかもしれないんですけど、
こんなものを人間の足跡がペンキで色付けされていて、それを追っているようなものなんですよ。
犬からしたらもうなんてことのない作業なんですね。
実際に嗅覚が優れているので、ガンを発見したりとか糖尿病を発見したりとか、
人間の足跡を追っているようなものなんですよ。
犬からしたらもうなんてことのない作業なんですね。
実際に嗅覚が優れているので、
ガンを発見したりとか糖尿病を発見したりとか、
この細胞レベルの香りっていうのを発見する犬っていうのもいたりとかするぐらいです。
これに関しては特にセントハウンドって言われる、
バセットハウンド、ビーグルとかね、こういう嗅覚が優れている犬種っていうのもいたりとかします。
この辺が嗅覚の違いですね。
犬の聴覚と視覚
で、嗅覚の違いで言うと、
人間は20Hzから20,000Hz、20kHzぐらいまで、
もちろん個体差もあるんですけど、
普段からイヤホンで音楽を聴いている人っていうのは鼓膜が硬くなるんですよ。
鼓膜に直接刺激を受けるんで。
そうすると鼓膜が硬くなっていくと高音域の反応っていうのが鈍くなっていくので、
多分20kHzまでは聞こえないと思いますね。
逆に鼓膜の柔らかい人、トレーニングしている人っていうのは、
もうちょっと上20kHz以上の音も聞き取れる。
25kHzぐらいまでだったら聞き取れるみたいな数字も出てたりとかします。
じゃあ逆に犬はどうなんだというと、
犬は40Hzから65kHz、65,000Hzまで聞き取ることができると言われております。
これ65,000Hz、65kHzイコールなんですけど、
こっちの方が高音域です。
40Hzっていう方が低音域ですね。
人間は20kHzが上限と言われているのに対して、
犬は65kHzまで聞き取れるので、
人間には聞き取れない高音域が聞き取れることができます。
これを応用した道具が犬笛、ドックホイすると言われているやつですね。
距離で言うと人間よりも約4倍先の音まで聞こえる。
あともう一個犬の聴覚で特筆すべきなのは、
選択的聴覚という能力があります。
これは何かというと、
騒音の中でも特定の音だけを選んで聞くことができるんですね。
例えば街中雑踏の中で飼い主さんの声だけを特定して聞く、
ということができるというのも犬の聴覚の能力。
あとは皆さんご存知の通り、耳を動かすことができます。
耳には約18種類ぐらいの筋肉があるので、
耳を動かすことができるんですね。
音のする方向、音源という方向に耳を動かすことができるので、
音源を正確に特定できる。
耳が立っているタイプのワンちゃんね、
例えばドーベルマンとか、
ああいうワンちゃんは特にこの正確に特定できる。
聴覚に優れた犬っていうと、
分かれたりとかはしてないんですけど、
主にワーキングドッグって言われる犬種ですね。
これがジャーマンシェパードとかラブラドールとか、
ボーダーコリーとか、
この辺っていうのはこの聴覚に優れていて、
この特性っていうのを利用して、
超動犬だったり警察犬だったり牧羊犬だったり、
人間の生活を助けてくれている犬種。
犬は割と高い音とかまで聞き取れちゃうんで、
人間の生活はもしかしたらうるさすぎるのかもしれないです。
お次が視覚というところで、
人間は赤、緑、青の光を感知しています。
デザインとかやる人だったらRGBとかって聞いたことあると思うんですけど、
レッド、グリーンブルーの色で、
レッド、グリーンブルーの色を感知しています。
暗いところっていうのはもちろん見えないですよね、みんなね。
特殊な訓練を積んでいる人除いては、
動体視力がそこまで得意じゃないです。
例えばね、格闘家の方とか、
ああいう方だったら見えるのかもしれないですけど、
僕らなんか電車乗ってて通り過ぎる駅の看板で、
今何駅かなって思うと思ってもなかなか読めないじゃないですか。
あれが動体視力ですね。
犬はと言いますと、犬は緑と青の2色を基本感じています。
赤も感じてないわけではないんですけど、
グレーがかった黄色だったりとか、
あとは灰色に見えてしまうようです。
これは目の中に衰退っていう細胞があるんですけど、
衰退っていう細胞の種類が人間とは違うんですね。
暗いところっていうのは犬の方が視力が働きます。
これも目の構造の話なんですけど、
タペタムっていう網膜の奥にある反射板のような組織があって、
入ってきた光をタペタムに一度集めることによって反射させて、
光を増幅することができるんですね。
これは猫も一緒で、
よく写真撮ったりフラッシュ大抵やったりとかすると、
目だけ光ってたりとかするじゃないですか。
ああいうのはこのタペタムが光を反射してるっていうのの証拠ですね。
人間と比べて動体視力も優れていて、
動くものっていうのにはすごく敏感です。
逆に静止しているものっていうのを認識するのは人間の方が得意らしいです。
視力で言うとだいたい0.1から0.3程度。
30センチよりも近いもの、30センチから50センチぐらいって言われてるんですけど、
30センチよりも近いものっていうのになると、
ぼやけて見えないっていう状態。
人間で言うと禁止って言われる状態ですね。
もう勉強の時間そろそろ飽きてきたと思うんですけど、
他にも触覚とか味覚とかそれぞれ違いがあるんですが、
今回はこの3点でお話ししたいと思います。
今説明した通りですね、犬が優れている感覚器、
人が優れている感覚器っていうのがそれぞれあったと思うんですが、
今回話したいのはこの優劣みたいな話ではなくてですね、
感覚が違うから見えている世界が違うんだよという話です。
人間が世界を見る上で使用する感覚の優先度というのがありまして、
人間は目で世界を見て耳で音を聞いて、
鼻で最後に匂いを感じる。
目、耳、鼻という順番で世界を見ています。
それに対して犬が世界を見る順番というのは、
鼻、耳、目の順番で世界を見ています。
なのでもう順番が真逆なんですよ。
例えば散歩中とか公園とかに行くと、
犬の感覚の理解
犬が一点を見つめて何か動かないみたいな時があるじゃないですか。
人間が何かあるのみたいな感じで探したりするけど、
全然見えないみたいな。
これ人間目で探そうとするから見当たらないんですけど、
犬からすると視覚で認識していないものの時も多々あるんです。
で、嗅覚を犬レベルに鍛錬することっていうのは、
人間の構造上無理なんですよ。
500万と2億なんで、もう無理なんですけど、
犬の感覚に仕えて合わせられるとすれば、
例えば散歩中にすれ違う車に飛びついちゃうみたいなワンちゃんいるじゃないですか。
で、これを人間が聴覚で遠くで演じて、
これを人間が聴覚で遠くでエンジンがかかる音っていうのを認識してあげれば、
あ、もしかしたら車が横を通るかもしれないなっていう予測がまずできるじゃないですか。
で、その予測を持った上でお散歩を続けていると、
車が迫ってくる音が聞こえました。
例えばウインカーの音でもいいです。エンジンの音でもいいです。
ブレーキ音のキーっていう音でもいいです。
迫ってくる音が聞こえた瞬間にお座りをさせるんですね。
で、ここでお座りをさせれば、犬は頭が冷静になるんで、
いきなり飛びつくこともないし、ワンちゃんのもちろん命の危険もないし、
飼い主さんも飛びつかないって言ってるでしょって、
いちいちどならなくてもいいし、引っ張らなくてもいい。
起こらないしつけがこれで実現できると。
なので犬の感覚、人間が見ている世界ではなくて、
犬の見ている世界に合わせたしつけっていうのもこれを意識する。
これを意識するだけで可能になっていくんじゃないかな。
選択肢が増えていくんじゃないかなと思ってます。
犬の感覚と人間の感覚が全く違うんで、
犬が何を感じているか知りたければ、
人間の感覚を押しつけるのではなくて、
犬が何を考えているのか考えて、犬の思考に自分を近づける。
それだけでもう見える世界がかなり変わると思います。
もう本当あれですよ。
散歩中にスマホを見てポケゴをやったりとかね、
両耳で音楽を聴いているなんて余裕ないですよ。
両耳で音楽を聴いているなんて余裕ないですからね。
犬はそんなことしませんから。
2つ目、ハンドサインですね。
しつけの際によく使われるのが、
このコマンドっていうね、おすわりっていう言葉。
あとはハンドサインって言って手を出す。
これをワンセットで使っている人も多いと思います。
本とか読んでるとね、ハンドサインの出し方とかもいろいろ書いてあるんですよ。
でももうあんなもので犬は理解しないですよ。
本当に。
できないからこそ本が出続けて、
本が売れ続けるんですよ。
犬が理解できるしつけっていうのが広まらない方が
嬉しい人も多いのは理解してるんですけど。
よく本に書いてあるのがね、
おすわりをさせるときには右手をグーにして人差し指を立てましょう。
手のひらを犬の方向に向けてコマンドと一緒に手を出しましょう。
こんな感じですよね。
犬がここだけ見てるわけではないんですよ。
人間と犬は共通の言語を使ってないので、
主に遠くへの情報伝達、あとは注意喚起のために鳴いたりとかすることはあります。
基本的には近くの人にはボディーランゲージを使います。
これはちゃんと理由があって犬は下手に吠えるワンワンっていうと
居場所を外的に知らせる可能性があるんですね。
なので近くの人にはボディーランゲージっていうのを
これは草原にいた頃からの本能的な感覚として持ってるんですよ。
このボディーランゲージでよく見るのは前足を放り出して腰を高くして
遊ぼうってお誘いするプレイバウ。
あとは尻尾を振ったりとか耳を動かしたりとか目線を逸らしたりとか
それ以上近寄るなよって胸を張ったり
あとは怒られてる時にあくびしたり耳で足をかいたりとかする
カーミングシグナルって言われるもの。
こういったのがよく見るボディーランゲージかなと思うんですけど
人間がハンドサイン出す時っていうのも隅々まで見てるんですよ。
例えば一度自分がお座りの指示を出している動画っていうのを
1日1回でいいです。
これ1週間撮影し続けてみてください。
お座りの指示出す時にいろんな場面があると思うんですよ。
お料理中だったりとか掲示の前だったりとか玄関
あとはお散歩中とかね。
あとはソファーでネットフリックス見てる時とか。
こういう時にあなたはどういう姿勢になってますかっていうことです。
時には前のめりになっている日もあれば
のけぞっている日もありませんか。
左手にスマホを持っている日もあれば
ポケットに手を突っ込んでいる日もあれば
背中に手を回している日もあるでしょ。
犬はボディーランゲージを多用するんですよ。
なんでボディーランゲージを理解するプロでもあるんですね。
犬がねこうしっぽを振っているのに
喜んじゃってっていう人がいるけど
左に振っている時は不安とか恐怖を示してるんですね。
喜んでるのは右に振っている時だけなんですよ。
全てが全てじゃないんですけどもちろん個体差もあるんで。
なので人間が思った以上のボディーランゲージを犬は示していて
人間が思っている以上に人間のボディーランゲージを見ているぞ
この人間のボディーランゲージが犬を混乱させている時があって
それが原因でお座りっていうのができないと思います。
これね前回からもそうなんですけど
何も常にこうしろとか
もうそうじゃなきゃ犬飼うんじゃねみたいな話じゃないんですよ。
ただドックトレーニングの時間だけでもこんなことに注意しないと
犬との付き合い方が変わりますよっていうお話ですからね。
さあ長くなりましたが今回の話まとめていきましょう。
犬の目線で言うと人と犬は構造が違う。
2つ目犬は鼻耳目で世界を認識している。
犬は鼻耳目で世界を認識している。
3つ目は犬はボディーランゲージのプロというところでございます。
ドックトレーニングの重要性
次回はですね早速お手紙いただきましたのでそちらをご紹介していこうかなと思います。
それではお散歩お疲れ様でした。気をつけてお帰りください。
少しだけ犬と話すことが得意なドックトレーナー平田淳でした。
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