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この時間はZoom Up、毎週木曜日は科学です。
様々な臓器や組織に変化できるiPS細胞に関する国別の論文数は、
2024年までの10年間で、日本がアメリカ、中国に次ぐ第3位であることが分かりました。
日本では、この秋にもiPS細胞から作ったパーキンソン病の治療用の製品が初めて実用化する見通しで、
世界の研究をリードしてきましたが、近年の論文数で見ると、
アメリカ、中国との差が広がり、日本の研究力が伸び悩んでいることが分かってきました。
今日は、このiPS細胞に関する研究にZoom Upしていきます。
毎日新聞客員編集委員の元村有希子さんです。
元村さん、おはようございます。
おはようございます。
今日は、iPS細胞に関する研究についてということですね。
iPS細胞というと、日本初のすごい発明ですよね。
成熟した細胞に特定の遺伝子を導入すると、
タイムマシンに乗ったように細胞が初期化されて、
そこから様々な組織や細胞、臓器などに変化できるという万能細胞なんですけれども、
2006年にマウスで成功して、
2007年には人の細胞でも成功した。
これは山中信也さんが率いる京都大学のチームの成果でして、
純粋に日本初の独創的な成果でありまして、
2012年にはノーベル賞をもらっています。
世界にもかなり衝撃を与えた、
そこからヨイドンの研究が世界で始まったんですけれども、
その成果を報告する、いわゆる学術論文ですね。
この論文の出版の勢いが、日本ちょっと息切れしてるんじゃないか、
というデータが今話題になっています。
日本で発見されたものですから、利用しててほしいなというのはあるんですけどね。
そうなんですよ。
これは読売新聞の独自調査なんですが、
ちょうど研究が始まった2013年頃から、
2015年から丸々10年間の間に、
iPS細胞関連の論文が世界で3万以上、3万2000本出版されてるんですって。
3万2000本がどこ発かというのを詳細に検討してるんですね。
1位は米国、アメリカでした。
1万2000本はアメリカ。
次に多いのが中国、5000本。
老いげと言われている日本なんですが、日本は3876本で、10年間でね。
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世界では3位でした。
もちろんアメリカは単純に人口が日本の大体3倍ぐらいいますし、
中国も人口で言えば10倍以上ですよね。
研究者の頭数で言っても、アメリカ、中国が上位に来るのはやむを得ないとは言えるんですけれども、
ただこれを量じゃなくて質でも分析してるんです。
トップ論文って呼ばれる、つまりすごく中身がインパクトがあって、
他の研究者が引用せざるを得ないようなすごい論文、上積みの部分ですね。
そこの論文のうちの日本の存在感っていうのを分析してるんですけれども、
そのトップ論文の本数が日本は10年間で56本だったんですが、
その数というよりもトップ論文をアメリカは日本の8倍出してるんです。
そんなに差がついてるんですね。
そうなんです。中国もやっぱり倍以上のトップ論文を出してまして、
さっき論文の数で世界3位と言いましたけれども、
このトップ論文のシェアで言うと日本は5位でした。
なかなかこれはちょっと心配なデータだと思いません?
寂しいですね。
背景もいろいろありまして、いろんな学術分野の研究の中でも、
iPS細胞の研究には政府がめちゃくちゃ手声でしてきたんです。これまで。
10年間で1100億円の投資をして、つまり日本の老いげげとして大切に育ててきたっていう経緯がありました。
にもかかわらず、このパフォーマンスの一つの指標、大切な指標である論文の勢いが少ない、
下がっているということが、若干投資効果という意味でも大丈夫なの?という指摘が専門家から出ています。
コスパが悪いってことですよね。今時の言葉で言うと。
まさにコストパフォーマンスが悪いんじゃないの?ということなんですね。
ただ一方で、3月頃にも、確かこのコーナーでお話したかもしれませんが、再生医療という、実用化では、
日本は、とりあえず今、世界トップを走っています。
2つの病気を再生医療、つまりiPS細胞を使って治そうという医薬品が2つ、条件付きで承認されています。
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その意味では、投資しただけの、とりあえず効果は一定程度見えているということも言えるんですけどね。
ただ、研究の世界というのは、私たちが手元に届くニュースとして知るような応用研究ですよね。
応用研究の実は下に、莫大な基礎研究の積み重ねが絶対に必要なんです。
今回のこの読売新聞のデータというのは、むしろその基礎研究がちょっと日本は弱っているんじゃないかということを、
ちょっと伺わせるものなので、今後これが差が開いていくとか、日本が量でも質でも落ちていくというようなことになると、ちょっと心配ですよね。
そうですね。研究を後押しする費用としては、政府はしっかり出してはいるということなんですかね。
そうなんです。
ということは、研究者を育てるということですか。人数的にも少ないんですかね。
ご指摘のとおりで、研究者が、日本で研究者、博士になる人の頭数がまず減っているという状況があります。
博士になっても人気付きのお仕事しかないとか、3年ごとに転職しなければいけないとか、
あと基礎的な研究に使える研究費がすごく競争が激しくて、申請しても5人に1人しかもらえないとか、
過度な競争的な環境が博士離れを起こしているということが指摘されています。
そこに付け込んでというわけではないんですけれども、例えば中国などは国家戦略として研究を支援していまして、
例えばいい感じの博士を研究室ごとスカウトしたりとか、
そういう人や日本でも嫌気させた研究者がアメリカへ渡ってアメリカで成果を上げるというのは頭脳流出?
結構それ聞きますね。
そういうような状況が、別にiPS細胞研究に関わらず起きている中で、地盤沈下というのがすごく言われていまして、
このiPS細胞と関係ない全分野の論文のパフォーマンスでも、
日本はかつて4位だったのに今13位まで落ちているんです。
そんなに?
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これはかなり心配です。
なのでたくさんお金を使って盛り立ててきたiPS細胞研究でこの様子だったら、
他の分野はどうなのかしらという心配にもなりませんか?
なります。
なりますよね。
日本は科学技術立国とか言いますね。
天然資源に恵まれないので科学技術で生きていく。
その旗印は私も賛成です。
そして高市首相も10.17分野で科学技術にお金を投じようという、
旗を振っている。
それはいいんですけれども、
地盤の下のほうの本当に基礎的なところ、人材育成といったところに目を配って、
お金を気前よくつけるある意味ね。
そういうことをそろそろ始めないと、
本当に日本が浮上が難しくなるという時代がひょっとしたら来るかもしれないなと思います。
目先の対応ばかりに追われていると後々大変なことになってしまいますから、
やっぱり長期的な政策が大事ですよね。
そうですね。他の分野でも太陽電池とか半導体とか、
日本はかつて一番世界一というような時代がありましたよね。
それが何か知らないけど行き切れするというようなことで、
他のところに追い抜かれてしまって、いつの間にか劣後しているというようなことがあるじゃないですか。
半導体とかだってそうですよね。
そういうことを考えると、今手を打ったほうがいいと思いますね。
今日はiPS細胞に関する研究について解説をしていただきました。
本村さん、ありがとうございました。
ありがとうございました。
毎日新聞・客員編集委員の本村幸子さんでした。