整調の基本理解
おはようございます。MORNING NOTEにようこそ。平瀬楽器の平瀬智樹です。
今日は、整調ってなに、それ、音じゃなく、動きの不調かも、というタイトルのお話をさせていただきます。
今日は、ピアノのお話ですね。
このMORNING NOTEは、兵庫県三田市にあります平瀬楽器がお届けする、毎朝10分ぐらいの音楽トーク番組です。
ピアノのこと、教室のこと、イベント作りや動画制作の裏話まで、音楽と街のあれこれを毎朝少しずつお話しています。
朝の支度とか、通勤のお供に耳だけご参加ください。
例えば、YouTubeとInstagramではライブ配信でお届けしています。
もしよろしければね、感想のコメントとかも書いていただけると大変嬉しいです。
あと、スタンドFMでお聴きの方も感想のコメントね、あといいねとかも忘れずに、その形でご参加いただけると大変大変嬉しいです。
はい、というわけで、月曜日ですね。月曜日はピアノの耳頼りというテーマでお話をさせていただきます。
ピアノのお話ですね。
今日はですね、タイトルが、それって成長ってなに?というお話なんですけども、
成長っていう作業をご存知ですか?というお話をさせてもらいます。
調律師って言うじゃないですか、ピアノの調律師、僕も調律師なんですけども、調律の仕事ってね、ピアノの調律、音を合わせる仕事をしているだけと結構思われがちなんですけども、
実はそうではなくて、この成長っていうのも結構大事な作業になるんです。
でも意外とね、ご存知ない方が多いので、この調律と成長の違いについて、今日はお話ししたいなと思っております。
成長の詳細
まず、調律なんですけども、皆さんよくご存知ですよね、調律ってなにしてるか。
簡単に言うと、音を合わせる、音程を合わせる作業になります。
これがチューニング、英語で言うとチューニングなんですけども、ピアノってね、だいたい一つの音に対して3本ずつぐらい弦が張ってあるんです。
低い音なんかは1本とか2本とかあるんですけど、基本的に3本張ってあります。
3本のどっか1本を基準の音にまず合わせるんですけども、それを合わせた後にその残りの2本を基準の音に合わせるっていう作業をするんですね。
要はその音程を合わせる作業、これが調律になります。
230本を合わせていく作業なんで結構手間もかかりますし、時間もかかるわけなんですね。
使っていると狂うのがこのピアノっていう楽器なんですけども、実はその気温とかね、湿度とかにもやってやっぱり変わるんです。
あと移動した時とかにやっぱり変わるんですけども、なので定期的にやった方がいいですよって言わせていただくのはそれなんですよね。
この定期的にっていうのが一体どれぐらい定期的なのかはその楽器によっても違うんですけど、まあだいたい1年に1遍というか多いです。
日本の場合はね四季があるのでね、年に4回ぐらいが本当はいいんでしょうけど、そんなにやってられないんでね、やっぱ年に1回もしくは年に2回ぐらいがベストかなというふうに思いますね。
一方でこの成長ですね、今日のお話の成長なんですけども、成長、整える、調律の調ですね、調整の調って書いて成長って言うんですけど、
要はその音ではなくて、ピアノの内部のアクションとかの動きを調整する作業のことを成長と言います。
例えば鍵盤の深さであったりとか、ハンマー、弦を叩く白いやつ、ハンマーの距離、動く距離であったりとか、そのハンマーが叩いて戻ってくる速さであったりとか、
あとその鍵盤を押してハンマーが動き出すまでのタイミングであったりとか、そういうのを合わせていく作業になります。
なんとなくお分かりかと思うんですけども、例えばドレミファソラシドって1オクターブの鍵盤があって、
ドレミファソラシドまでは普通、まあまあちゃんと成長できてて、ラシドまでは調整が狂っててね、
例えば鍵盤がめっちゃ深いとか、ハンマーがめっちゃ重いとかになってくると弾いた時に違和感があるんですよ。
そういうのをちゃんと整える作業が成長になります。
この成長が狂うとさっき言ったみたいに鍵盤が重いとか、逆に軽すぎるとかね、そうなりますし、それが起こるとどうなるかって言ったら音が出にくいとか、
下手したら出ないとかね、そんなことがあったりとか、連打、ダダダダダって弾いた時に音が飛んじゃう、ダダ、アーってなったりね、そんなことがあったりします。
まあ要はタッチがね、均一じゃなくなるんですよね。
この成長っていうのは英語で言うとレギュレーションという言葉になります。
整調の重要性
レギュレーションって言うと何となく聞かれたことある方もいらっしゃるかと思うんですけども、車のエンジンとかそういうので使うんですよね。
確かね、僕車はあんま得意じゃないんですけども、歯車と歯車が噛み合って大きい機械が動いていくようなイメージ。
要はその片方の歯車が動かないと全体に支障をきたすわけなんですよね。
なのでそれが支障をきたさないように、全部の歯車が綺麗に動くようにしていくっていうのがレギュレーションの仕事、成長の仕事になります。
でね、この成長をしてないピアノって一体どうなるかと言いますと、調律を例えばちゃんとしていても、音はちゃんとしてるけどもなんか弾きづらいだとかね。
さっき言ったみたいに連打ができないってなったら鍵盤が戻ってこないっていうことが起こるんです。
まあもうちょっと今年は痛いわけちゃいましたけども、痛の時期なんかこれが起こるんですよね。
湿度が高くなって中のフェルトとかが膨張して、鍵盤をガッと噛んでしまうんですよ。
動かなくなっちゃうみたいなことがあります。これも成長の乱れなんですよね。
なので、調律っていうのはしなければいけないと思ってくださる方が多いので、
これが成長ってなるとね、やっぱりなかなかご存じない方が多いので、え?ってなるんですよね。
簡単に言うと調律っていうのはあくまでも音程の合わせる調整ですね。
チューニングなんで、聞こえてくる外面的な調整になります。
肩や成長っていうのは音を出すためにタッチとかそういうのを整える内面的なものですね。
ピアノに外面内面ってあるかどうかわからないけど、聞こえてくる音とそれを支える内面的なものになります。
調律が例えば歌い手さんだとすると、正しい歌い方をして音程がちゃんと正しく出ているというのが調律。
で、その歌を声を出すための呼吸であったりとか、姿勢であったりとか、喉の開き方であったりとか、
あと表現ですね。そんなの基礎を作るのが成長っていう作業になります。
まあわかりやすくてそんな感じなのかなと思うんですね。
ただね、成長ってやっぱりさっき言ったみたいに、なかなか一般的な言葉ではないですし、
そういう風なことを例えば提案をさせていただいたとしても、
いやいや、うち別にプロになるわけじゃないやからとか、ピアニストになるわけじゃないし、音大今から行くわけじゃないしって言われる方が結構多いんですよね。
でもね、そうじゃないんです。車がね、まっすぐ走るために整備するじゃないですか。
車の整備って別にプロのドライバーになるからするわけじゃなくて、やっぱり危ないんですよね、フラフラしてると。
車がまっすぐ走るためにきちんと整備をします。
それと一緒で、成長っていうのはピアノが普通にちゃんと弾ける状態にするためのものであって、別にプロのものではないんですよ。
ピアニストだからするものではないんです。
だからこれグランドピアノだけではなくて家庭用のアップライトピアノでもやるんですよね。
やれば絶対良くなるんですよ。
調律師って調律だけしてるように思われるんですけども、実は簡単な成長は絶対調律の中でしてるはずなんです。
それはしてるんですけれども、やっぱり全体的な成長の時間をとってガッツリやるっていうのは絶対いいと思うんですよ。
なかなかそれができないのでやれないんですけども、やっぱそれを調律と並行してやるのと合わせて、
どっかに何年かに一遍ぐらいはガッツリ成長するっていう時間をとられるのは絶対おすすめです。
成長の重要性
そうしておく方がピアノも長持ちしますし、気持ちよく長いことを弾いていただける。
そういう風になりますね。
だから僕は割と5年に一遍とか、もうちょっと10年はちょっと飽きすぎだと思いますが、5年に一遍ぐらいかな。
成長ちゃんとしませんかということで、調律と同じぐらい時間をとってしっかりやる。
そういう風な時間をなるべくとらせていただくようにします。
そうするとね、やっぱり変わったって言っていただけるんですよね。
こっちも正直しんどいんですよ。調律よりも成長の方が。
でもやっぱりやると変わるんで、すごいやりがいのある仕事なんです。
でね、生のピアノって電子ピアノとパッと見似てるんですけども、
何が違うかっていうとこの中のアクションがあるかどうかっていうことなんですよ。
要はその物理的な動きがあるかどうかなんです。
電子ピアノ、鍵盤はあるんですけどね。鍵盤から奥は何もないじゃないですか。もうセンサーなんで。
なのでこのピアノっていう楽器は本当にメカの部分と木の部分とのハイブリッドの楽器なんです。
メカって言っても木でできてるんですけどね。
だからこそ歯車が噛み合うようにきっちり動くようにしていく成長がすごく大事なんです。
とはいえ木なんで、木って切断しても生きてるので呼吸をしよるんですよね。
なので木はちょっと大きくなったり小さくなったりします。
それがあるからこの成長っていうのは定期的にやった方が絶対いいわけなんですよ。
なのでその時の木の状態によって成長をするとタッチが揃うとか音色のコントロールがしやすいとかね。
弾いてて気持ちがいいということにつながります。
今日は成長のお話をさせていただいたんですけども。
ピアノの調律師っていうのは調律ばっかりしてると思われがちですが実はそうではないということと、
調律だけで終わらせるのが本当にもったいないんです。
ピアノの本当のポテンシャルを出そうと思うとやっぱ成長っていうのは絶対必要なんですよ。
だから調律だけをやってればいいと思われないように絶対成長をしていただきたいんです。
もし調律師さんからそんな提案があればぜひって言っていただけたらなというふうに思います。
例えばねめちゃめちゃ練習ちゃんとされてるお子さんがいててなんかこううまくならないなっていう。
もし思われてるんであればそれは成長のせいかもしれないです。
ピアノ自体がそのお子さんの成長を、成長こっちはねグローアップの方ね。
邪魔してるのかもしれないんですよね。
なのでまずはその車がまっすぐ走るように整備するのと同じように
ピアノがちゃんと弾けるような状態に成長するっていうのがまず第一優先になります。
そっから調律を毎年する。そっからまた成長も定期的にしていただく。
そういうふうにするとピアノが絶対生まれ変わりますし
良い音っていうのは良いタッチから生まれてるんだなっていうのも感じていただけるんじゃないかなというふうに思います。
成長っていうのはなかなかね地味な話ですしそもそもご存じない方が多いんですけども
そういう作業があるっていうのを知っていただいて
もしこれから調律師が来られる方、お家があれば成長って見ていただいていますかとか
タッチを整える作業ってしていただけませんかみたいなのを言ってみてもいいかもしれないですね。
ぜひお家のピアノはもっと良くなると思うので成長をちょっと心がけてみてください。
ピアノのメカニズム
はいというわけで今日は成長のお話でございました。
最後まで聞いていただきましてありがとうございました。
この番組の感想とか音楽レッスン動画イベントに関するご質問ご相談は
平成楽器の公式LINEで受け付けています。
LINEの検索画面で平成楽器と入力していただきますと
平成楽器サンダーセンターというアカウントが出てきますので
それを友達追加していただいて質問相談を投げていただければと思います。
その時にモーニングノート聞いたよと書いていただくとちょっとテンションが上がります。
ちょっとねちょっとテンション上がりますんで嬉しいんでご協力よろしくお願い致します。
はいというわけで今日は週の始めの月曜日。
今日もちょっとまた暑くなるんかなーって感じですよね。
僕も朝からね職場に来るだけで結構汗かいたんですけども
まだ皆さんも体調管理くれぐれも気を付けていい一日を過ごしていただければと思います。
ではまた明日の朝もモーニングノートでお待ちしております。
ではでは皆様いってらっしゃいませ。