投資の基準
(renny) はい、投資って何ですか、というテーマで投資家の方にお話をうかがうシリーズの後編、今回はカディラキャピタルマネジメントの清水さんにお越しいただいています。清水さん、よろしくお願いします。
(清水さん)よろしくお願いいたします。
(renny) 後編ではですね、清水さんの投資の基準等々にお話を受けたいと思うんですけれども、
投資家の人というのは、それぞれ何かしらの投資基準というか、そういう哲学のようなものを持って投資判断をされていると思うんですけれども、清水さんご自身で、これだけは譲れない、これに反した投資はできないとかというような基準をお持ちですか。
(清水さん)反した投資、そうですね、多分我々の運用ガイドラインですね、そういった基準が決められているんですけれども、多分rennyさんのご質問はもうちょっと私の心の中の…
(renny) そうですね、そうですね、まあそうですね。
そういう意味で言うとですね、結局私たちはいわゆるシステム的に投資をするんじゃなくて、アクティブ運用として人が選ぶという投資になっていますので、まずはやっぱり自分が心ときめくというか…
でも言わんとされることは分かりますね。
自分がこうなんて言うんですかね、そもそもどうかなって思うようなものよりはまず投資はしないということなんですね。
そうですね、おっしゃる通りですね。というのが一つの基準と。
なるほど、でもまあそういうふうに、その基準ってどういったんですかね、割に一旦それでというか始めからそういうふうになのでいけるのかなと思うんですけど、
何かその基準を持つにあたってキャリアを積まれる中で変化というか、どう言ったらいいんですかね、変わってきたというか、その投資判断をする際にするアプローチというのが、
スパークスさんの前にも別の運用会社にもお勤めだったということなんで、その辺の投資のプロセスというか、そこら辺というのは時間を置いて、時間をかけてですね、変化されてたんじゃないかなと思うんですけど、そこら辺っていかがですか。
おっしゃる通りですね、やっぱり変化してきているんだと思うんですね。
始めは本当によくわからなくて、単にその数字を見てですね、高いか安いかみたいな見た目で判断するというところからスタートしてたらと、今振り返るんですね。
それがだんだん時間が経っていく中で、今のまさに心ときめくというのに似た話なんですけど、通じる話なんですけども、スパークスに入って数年経った時にですね、
あの時自分が他の運用者、アナリストと比べてですね、考え方がすごい尖ってないという感じが始めたんですけど、改めて少し経験が積んで自分を客観視できて、何か足りないというところが見えてきたんですよね。
で、そこをとにかく何とかしたいと。さっき中国に行ったというか、そういったものから打ち破りたいというのがあったんですね。
で、帰ってきて震災があってESGに目覚めてという形で、こう気が付くとですね、自分が他の人と見方が自然とは違うなという風に思えるようになったと。
で、そうすると改めてですね、自分にしっかり向き合って、自分は何がいいと思うのかというところを表現していくということができるようになったと。
で、その頃にファンドマネージャーとしての役割というものも考えるようになって、結局投資戦略としてアクティブマネージャーなので、結局ポイントはですね、まず他の人と違うことをするというところがまず一番最初に来るというところだと思うんですね。
投資基準の変化
だから他の人と同じか違うか、で、儲かるか損するかという4条件に分けたときに、他の人と違うことをして儲かる、これがやっぱり一番良いわけですよね。
で、次は僕判断が難しいんですけど、やっぱりアクティブマネージャーとしては他の人と違うことをして負ける方が同じことをして儲けるよりも、本来の数字としてはお客様はどう思いますか?
そうですね。さっき前半でお話しされたように、マラソンみたいなもので、ある期間だけを見たら負けているけれども、長く期間を取ったら全然結果が変わるというようなこともあり得るでしょうし、その場合、人と同じことをやっているよりは人と違うことをやっている方が逆転するチャンスが多いのかなと。
でもそういう意味で、人と違うとかっていう部分はもちろんそうだと思うんですけど、違うっていうのはどう違うかっていうか、あとどれくらい違うかっていうのがあると思うんですけれども、どう違うかっていうようなところでもいろんな要素はあると思うんですよね。
例えば、ファンドマネージャーの人だと、すごく単純な例だと、人と違うとかっていう意味でいくと、ものすごく投資先を絞り込むのと、ものすごくアクティブなんだけどたくさん投資先を持っているマネージャーとかっていうので、全然違うなとかって思ったりするような要素とか思いつくんですけれども、
市民さんがどう違うかっていうようなところを作る上で意識されてたというかですね、どうっていうの、あとそのどれくらいっていうような、そのどうのところどれくらい違えるのかっていうのはその辺を考えていかがですかね。
そうですね。ちょっと難しいご質問だなと思いながら今考えているんですけど、一つはですね、まずその投資している会社、企業さんが他の人と同じか違うかっていうところは、もちろん重要な要素なんですけれども、結果としてはですね、それほど重視しないと。
ある瞬間に同じ会社に投資をしていたとしても、投資をする観点が違えば、買うタイミング、売るタイミングというのは違うわけですし、そういう意味で言うとですね、もしくは会社の株価が下がったとき、上がったときにどうリアクションするかだいぶ変わってきますので、そこの問題じゃないと思うんですよね。
やっぱり自分がその会社の行く末に対して自分なりのストーリー・シナリオが描けるかどうか、それが心ときめくかどうかというところが重要だと。
加えて言うと、最近はファンダバレジャーになってCSRというところからスタートしたサスナブル投資のジャーニーが私の中であるわけですけれども、これもとにかく最先端は行こうというふうに思っていて、これこそまさに自分がときめくものなんですよね。
今はそれがインパクト投資みたいな要望にもなってきたりしていますけれども、そうすることによってその観点で、そのフィルター・レンズを通してみた、いいなと思う会社に投資をするということが自分にとって一番成功に近いだろうというふうに思っている。
そういう意味では、サステナブル投資の実際の実例とか、最先端と今おっしゃっていたんですけれども、最先端のイメージがいまいちクリアにならないんですけど、どういうところが新しかったり、新しいから他と違うということなのか、その辺ってどういうふうに理解したらいいんですかね。
そうですね。常に新しい話題が出てくるような分野になってきたんだと思うんですよね。
インパクト投資の重要性
今、例えば新しい話題で、サステナブル投資という文脈で、今一番注目されているというのは、市民さんから注目されているというのはどういうような論点というかテーマになるんですか。
そうですね。今はインパクト投資というところで、これはちょうど金融庁が6月末にガイドラインの案を出したんですね。今ファブリックコメント募集中という期間で、なのでまさにそこの部分が一番ホット。いわゆるそういったことを見ている人たちからもホットですし、私の関心者としてもホットな部分です。
インパクト投資というと、それはどちらかというと、企業活動が普通の結果として出てくるのが利益とかそういうのではなくて、それ以外にインパクトというのは、社会的インパクトということだと思うんですけど、例えばどういうものをインパクトと評価されるんですか。
そうですね。これがだんだん考えていくと頭がこんがらがってくる話なので。まず分かりやすくイメージとしては、ネガティブなインパクトとポジティブなインパクト、両方とも企業は出していますよね。例えばCO2の排出というところはネガティブなインパクトとして認識される。なのでこれを削減していこうという企業努力はネガティブを減らすという意味ではいいですか。
それに着目するのもインパクトということになるわけですね。ネガティブを減らす。
もうちょっと踏み込むと、そういったソリューションを提供するような会社さんに投資をするというと、その企業活動としては完全にポジティブな活動になるということですよね。なので最近カーボンによってファントムみたいなものが注目を集めているというのはそういったことだと思います。
ポジティブなというのは、環境とかCO2とかネガティブなんですけど、ポジティブでプラスのインパクトとかっていうのは、それを減らす以外にインパクトを増やすポジティブで増えていくところで、インパクトというのは具体的にどういうものが考えられるんですかね。それは何なのかな。
そうですね。だんだんここら辺から難しくなってくるんですけど、一つの考え方としては、アンダーサーブドみたいな言い方をするんですけども、きちんとサービスなり商品なりが行き届いていない方たちがいて、そこに届けていく。
インクルージョンみたいな。
そうですね。そういった形の活動というものはポジティブインパクトの一つの例というか、例えばマイクロファイナンスみたいなのがイメージしやすいと思いますし、何らかのエデュケーション。
そういう意味ではテクノロジーが関係してくるところが大きいんですかね。
テクノロジーの部分というのはかなり大きいと思いますね。今まで提供できなかったところに何らかの形で提供するというところでいうと、テクノロジーの果たす役割は大きいと思いますね。
どういうふうに違いを作るかというところはインパクトというか最先端というか、そういう動きをキャッチしてそれを投資に反映させていくというようなところだと理解したんですけれども、
そういうふうに過去、最初のところキャリアを始められたところから今の方に至るまでいろいろ変わってきたとおっしゃっていたんですけれども、
何か影響を受けた考え方というか、人であるとか、あるいは本であるとか、何でもいいんですけれども、ご自身が体験したとか体感されたもので、さっき中国の話というのはあったと思うんですけれども、
ここに至る過程ですごく影響を受けたような人であったり、その辺ってどんなふうに、どんなお答えをいただけますかね。
そうですね。一つっていうことで言うと、私ピーター・ドラッガーが好きでして、いろんな本を読んでかなり大きな影響を受けているなというふうには思いますね。
一番初めは、たしか2008年とかそのぐらいのちょうどリーマンショップの前後ぐらいのときに本を読んでいて、そのとき自分はまだアナリストで駆け出してというところで、なかなかの成果が自分として感じられないときに、どうしたらそういった成果につながるんだろうかという答えを探していた。
ピーター・ドラッガーの本を見たときに、成果を出すには貢献に目を当てる必要があるということを読んだんですよね。なるほどと思ったんですよ。
自分が何か欲しいと思うのではなくて、まず自分がコントリビュートするという、ギブアップ的な、いわゆるビジネス的な考え方に沿って書いていくデータという文章を読んで、ものすごい今のサスネナビリティみたいなところにも大きな影響を与えているなと思いますね。
そうですね、確かに。
何て言うんでしょう、こう、投資をするっていうのを、どう言ったらいいでしょう、ちょっと偏見がかなり混じっているところもあるんですけれども、世の中投資っていうふうなお話をすると、皆さんこう、自分がいくらもらえるの、いくら儲かるのっていうリターンの話が大きくて、
何て言うんですかね、投資でそういうふうに、どう言ったらいいのかな、貢献をしようとかっていうふうに株式投資をしているっていう人はあまりいないのかなと思ったりもするんですけれどもね。
なるほどな。
投資の意思決定の瞬間
でも、ドラッガーの本と出会われたきっかけって、それはたまたま本屋さんで見つけられたのか、誰かに勧められたのか、その辺って覚えていらっしゃいます?
なんかちょっとびっくりするな。自然に言うと有名なので、すでに何回か読んだ後にだったのかもしれないんですけれども、とにかく貢献に目を向けるべきっていう一言は、ものすごい自分の中では、いまだにやっぱりそこは残っていますね。
ここまでいろいろ投資のプロセスとかキャリアのお話をお聞きしていたんですけれども、今回7月に新しい会社に移られてですね、これから新しいお仕事をされていくと思うんですけれども、今後の目標と言いますか、どんなことを考えになっているのかお聞かせいただけますか?
そうですね。今まさに新しい会社に入って、いろんな方とご挨拶させていただいたりしている中で、かなり期待をしていただいているなと感じるんですよ。
もともとメインの投資家が、パーツ自体に海外の投資家さんが日本に投資をしたい時に受託するという形の資金フローに貢献するということをやっていて、同じような形の資金フローを考えていた。
つまり外国人投資家がメインのお客さんと考えていたんですけれども、なので国内のところはそんなに期待をしていなかったと思うんですけれども、いろんな方が期待いただいているなと。
どういうことかというと、例えば今みたいなインパクトについての考え方に対する共感もありますし、新しい資産運用会社に対する期待というのもあるんだなと感じているんですよね。
そこに対してしっかりと応えていって、新しい会社がいい活動をする、世の中にとってみんながいいなと思うような活動をするということで、いろんなことが変わってくるんじゃないかと思っているんですよ。
例えば投資に対しての考え方、お金をよく使うということ、大使はそういったことをやる仕事に対するポジティブな見方をして、若い人がその世界を目指すとかですね、そういう形に変わってくれるといいなと思っておりまして、そういう流れを作っていきたいなと思っています。
今まさに若い人とかというようなことをお話に出てきたんですけれども、今、高校生に家庭科の授業か何かでですね、投資教育だ、金融教育だとかというようなのが始まっていると、
僕も息子が高校生なんですけれども、何を習っているのかよくわからないですが、そこで今回のテーマで投資って何ですかということをお題にさせていただいているんですけれども、
今、高校生の教育のお話の中で、投資教育という言葉と金融教育という言葉、2つ結構出ていて、金融教育のほうがよく見かけるのかなと思うんですけれども、投資と金融って似ているようで、実は違うものなんじゃないかなと個人的には思っていたりもするんですけれども、
そういう文脈で、清水さんは、投資って何ですかと聞かれたら、どんなふうにお答えになりますか。
おかしいですよね。投資と金融という部分で言ったときに、やっぱりかぶっていることはあるだろう。それはお金を投資するという部分ですね。ただ、投資って時間を投資するみたいなこととか、人脈を開放するみたいなところも投資に入っているでしょうから、概念としてはお金を払わないこともあるだろうなと。
そういう中で投資って何っていうことで言うと、やっぱりその瞬間、意思決定の瞬間とその実現してもらいたいなという欲求みたいなところに、直接的な関係じゃない、ぐるっと回ってくるような人サイクルの間に入るようなところが、投資というものと共通している話なんじゃないかなと。
その瞬間、例えば消費ってどっちかというと、今食べたいものを食べるみたいな形。食べたらもうそこで完結したような。
投資と金融の違い
投資はもうちょっとそこの部分の間にいろんな要素が入ってきて、例えば悪魔はじゃあ株に投資をすると言ったとしても、それで目的としていたものがリターンだとするならば、やっぱりそれなりの時間を経ってそこに来るわけですよね。
時間にしても、例えば勉強するのが子供の投資だとするならば、それもやっぱり正解になるまで時間がかかると。
それを外部性みたいな言い方をするんだとしたら、そういった外部性を伴った活動というのが投資というものなのかなというふうに思います。
その意味では、金融という言葉だと、さっきおっしゃっていた消費に近いというか、その瞬間移動するという、要はさっき株を買うとかお金と交換して株式を手に入れるというのが、この行為が金融だとすると、
投資に比べると、切なと思ってはいらないですけれども、ちょっと時間軸が短いのかなと思ったりもするんですけどね。
時間軸が短いのもありますし、あと貯蓄とかは、もちろん意思決定して貯蓄するというのもあるかもしれませんけれども、意思決定しない結果がそこにあるというケースも結構多いと思うんですね。
それと比べると投資は、やっぱり意思決定が伴うと、そこにぐるっと巡り回ってくるということの不確実性、リスクというものも合わせて飲み込んで意思決定をするというのが投資なんじゃないかなと。
だからこそ、その不確実性をあえて取るということが、新しいものを生む力になるという、そういうことなんじゃないかなと思いますね。
そうですね。
僕も投資を始めて20年ぐらい経つんですけど、随分と考え方も変わり、何て言うんですかね。
最近だと思っているのは、もちろんプロの投資家というか、そういう基幹投資家としてこれからも活動されていくんでしょうから、
これからも市場平均というか、株価というか市場全体と戦うというか勝ち負けを争われるような、そういう運用を続けられると思うんですけれども、
僕個人投資家の立場として、そんなに勝ち負けって重要なのかなというところがあって、結果的には資産が増えれば市場に勝つか負けるかというのって本当にあまり関係ないんじゃないかなと思ったりするんですけど、
そういう考え方と思われます?そういうお客さんありがたいって言われるかもしれないですけど。
そうですね。やっぱり個人の方、最終的にプラスマイナスに責任を持たれる方にとっては、そういった考え方って成り立つのかなと思っておりまして、
一方、我々の仕事として受け入れるという形で言うと、多くの方たちの関心事、要求に対してというところに満たすというのが我々の責任でもありますので、
だからそこは毎日勝った負けたで勝ち続けるみたいなことを目指すというのは非現実的だと思うんですけれども、やっぱりしっかりとCターンを目指すという、ファイティングポーズは崩してはいけないと思っているんですよね。
やっぱりサステナブル投資をお願いしますというふうに清水さんのところに資金を託されるアセットオーナーと言いますか、金質の方々もやっぱり市場平均を超えるリターンというかですね、
そういうものを長期で見ればということになるのかもしれないですけど、やっぱりそういうところが重視されて、やっぱりそれが伴わないと、どう言ったんでしょう、いやもうお金引き上げますわという、そういうような感じの意思決定をしているというふうに理解したらいいんですかね。
必ずしも全ての投資家さんが、例えば市販機とかですね、1年単でそういったものを評価しているということではないんじゃないかなと思いますね。
ただやっぱりずっと経済的に報われない状態で続いていると、それは何かがおかしいんじゃないかという話になると思いますので、そこはきちんとした対応が必要ですし、ただある一定時期リターンが出にくい局面があったとした場合に、それはきちんと何が理由なのかということをご説明する必要があると思います。
だからお客様をご理解いただける方は、その説明が合理的であればですね、そこでご理解いただける。
そういう意味で、そういう説明が通用すると言ったらちょっと言い方が悪いんですけれども、そういうのでお互い相互の理解ができるというのは、やっぱりそういうプロの投資家と言いますか、アセットオーナーとしてはその年金とかそういうような人の方が個人投資家よりもですね、分かってくれやすいというようなところがあるのか、
そこらへんってどんなふうにお感じですか?
そうですね、そこは難しいですよね。個人投資家の方ですと、やっぱりご理解いただける方もきっといらっしゃるはずなんですよね。
ただ、やっぱりそこにメッセージを届けるまでに、なかなか間にいろんなメディアが入ったり、いろんな会社さん、販売会社さんが入ったりということで、しっかり伝わりきらない可能性があるということもあるので、そこの難しさがあるかなと。
ただ、本当にやっぱり理解していただく、共感するという形で投資をいただくのであれば、それが一番。
だから、たとえば鎌倉投信さんとかコモンズ投信さんとか直販でやっていらっしゃっているところだと、そこの関係性がいいということだと思いますね。
だから、そこがやっぱり私たちの今のカディラキャピタルマネジメントなんかですと、投資一人、投資運用業という形でですね、投資選択を創設するという形になっています。
そういったライセンスがいないので、そういう意味ではちょっとやっぱり個人方々と伝えるように一工夫、二工夫していく必要があるなと思っているということですね。
ただ、サステナブルの投資をやられているというか、そもそもサステナブル投資だというようなことを謳っている公募の投資員とかというのもごくごく限られていて、
なかなかそういう投資の考え方があるというような、どういったんですかね、認識しないまま知らない方もたくさんいらっしゃると。
一方で、来年NISAが大きく変わって、投資をやってみようという人が増えてくる中で、こういう投資のやり方があるんだよとかっていうのを知ってもらうというようなことは必要なんじゃないかなと思うんですけど、
そこら辺に対して何かお考えになっていることってありますか。
そうですね、そこはやっぱり多くの方が、投資はお金が巡り巡ってリターンに返ってくるということなので、そこの過程でいろんな影響を及ぶじゅうるということにやっぱり思いを馳せてもらえるようになったらいいなというふうに思っていますね。
ただ、なかなかそこって理解するのにハードルが高いと思うんですよね。
時間がかかる。ハードルも高いし、なかなかそうなのかというふうなことを納得するというのが難しいのかなというのはありますよね。
そうですね。だから逆に言うと、まずその投資というものに対して触れてみて、実際にそれで勝った負けたというふうな感じの経験をした後にそういったことの理解が広がってくるんだと思うんですね。
だから、はじめて兄さんで講座を開いて、その変わった投資進捗が何であるかということはさておき、その経験の先にそういったことを目にするということが重要だなというふうに思っていて、
だから我々としては少しそういう投資経験があるような方たちがさらにもうちょっと知りたいと思ったときのコンテンツをしっかりご用意するというのが我々の立ち位置の役割なのかなというふうには思っていますね。
はい。今回のお話のテーマの一番上は投資って何ですかということではあったんですけれども、今日のお話をお聞きしていて、一つ個人的に思ったのは、投資のスタイルの中で貢献という言葉を使えたんですけれども、
貢献というのもそれこそ投資の一つの形かなと思うんですけれども、ちょっとそういう切り口というかそういう話し方をしていてあれなんですけれども、改めて清水さんにとって投資って何ですかって聞かれたらどんなふうにお答えになりますか。
そうですね、改めてということで言うと、いい言葉が思いつかないですけれども、将来と今をつなぐものっていう言葉ですかね。
それはだから将来っていうのは5年10年、もしかしたらサステナブルとか地球環境とかっていうのになったら、もしかしたら今やっていることってもっと時間軸が長くて、
サステナブル投資における時間軸
変な話ですけれども、ここで今何かをやらなかったことで、50年100年後ってひどいことになっていても、ここで何をやっていたかというのは実はわからないというか、結果として出るのがずいぶん先だったら、
ここでやっていたことが効果として出るのがわからないけれども、そういうのもこれが正しいんだとか、これだったら50年後100年後とかにインパクトがあるんだとかっていうようなことも、投資といえば投資になるのかなと思うんですけれども、
そういう意味でサステナブル投資っていうのの時間軸ってさっきのインパクトとかを考えるとすごく長いようなものになると思うんですが、
なんとサステナブル投資っていうので、経済的にも実際に出そうとインパクトも合わせて将来をつなぐっていう将来ってどれくらいの時間軸をイメージすればいいというお考えになりますか。
そうですね、例えば我々が今作っているモデルですと、100年先っていうところまで見通すっていうような形の、毎年毎年詰め上げて100年間全部予想するっていうことではないんですけれども、
むしろ100年後こうなって欲しいからこっちに戻してくるっていうような感じなんですかね。
ということもありますし、やっぱりその方向感ですよね。例えばカーボンの排出量CO2の排出量がどういうカーブで減っていくのか、もしくは利益はどういうカーブで増えていくのかっていうところですよね。
それがやっぱり、もちろん100年先分からないところなんですけど、このカーブがより良い方向に角度が向くっていうふうにすれば、それは今の時点でそれを良いと評価できるし、当然それを株式市場も評価する可能性があって、
そうすると株価が織り込むのはかなり前のところで、2年3年くらいで織り込んでしまう可能性はあるわけなんですけれども、
とにかく目線としてはかなり先のところを見据えた上で考えていくことが必要じゃないかなと思いますね。
じゃあそういうインパクトを含めて、インパクトがどう出るかっていうようなことをモデルで作って、投資の判断に反映させるっていうようなことを実践されているということですね。
そうですね、今まさにそこの部分というのはアルゴリズムを開発して、普通に判断したらこれぐらいの企業価値と、ネガティブインパクトが出たらこれぐらい企業価値が既存する、ポジティブインパクトでこれぐらい増えるだろうと、
最終的にそれが全部合わさって推定する企業価値がこれぐらいで、それが今の市場の価値よりも高ければ投資のポジティブになるよねっていう、そういった感じの考え方をしている。
その場合ってすみません、投資対象というか検討の対象になる会社っていうのは、それは上場している会社全てになるのか、それとももう少し自家総額的に大きいところというか、ユニバースってどんな感じになっているんですか?
ユニバースとしては、全上場企業を一応対象としてということで、いろんな将来性とかですね、というところでルールを決めていて、
オンタクスの化石燃料の関連するようなビジネスには投資をしませんという形でですね、いろんなルールで何名が投資に対象に該当しないような会社さんというのは出てくるんですけども、
基本的には自家総額とかそういうので線を引かないという形でやっています。
カディラキャピタルマネジメントのポートフォリオ
まだ今のところポートフォリオというのは、これから作っていく途上にはあるような感じなんですか?
そうですね、運用開始というのはですね、去年設立したばかりで、大体1年間かけて取りましたので、今は反動レース中という形ですが、
ある程度基本的なポートフォリオというのは見えてきていて、それを運用開始に向けて取り済ませていくというフェーズになっています。
なるほど、わかりました。またちょっとそういうのが進捗したところでですね、改めてお話をお聞かせいただければと思います。
今回はですね、カディラキャピタルマネジメントの清水さんにお越しいただきました。清水さんどうもありがとうございました。
ありがとうございました。