生産技術の概要
どうも、ものづくりFMパーソナリティ のおたけです。メーカー営業技術
兼、ものづくり大好きな人間です。この 配信は、製造業への思いや、ものづくり
の楽しさを伝えていく番組です。本日の テーマは、生産技術の楽しさについて
です。原氏クリスのFAラジオで、僕が 第111回にトークエピソードとして
リクエストさせていただいた内容 の、それに対して、高橋さんのほう
から、生産技術ってこれ楽しさがある よねって語っていただいた内容
と、最後の後半に皆さんも発表して くださいというところがありました
ので、それを受けて質問者である僕も 答えようというところで、アンサー
回に近いものになります。という ところで、生産技術の楽しさについて
本日は語っていきます。まずなんです けれども、僕は新卒で生産技術部
に配属されました。そこからだいたい 6年ちょっと生産技術として仕事
をしています。生産技術っていう と、割と実は広くて、高橋さんの
ラジオのほうでは製造技術なんて 言葉も書いてありましたが、実際
に生産に関わる技術全体のことを 生産技術というので、ちょっと広い
業界ではあります。僕はその中で 要素技術開発というものをしていました。
簡単に言うと、新しい生産する技術 を開発しましょうというところで、
例えば、今ある生産ラインのもの を作る時間を2分の1にしましょう
とか、あとは、例えば1ミリのばらつき に対して加工をしましょうって
言ってた工程を、例えば0.1ミリ、 例えば10分の1の精度に上げましょう
みたいな、ちょっとドラスティック に何かしら変えるような、そういった
開発っていうところをやっている のが要素技術開発と言われる仕事
です。僕はその中で、実際に新しい 作り方っていうのを評価して作ったり、
実際にそれを実現するための設備 を作ったり、実際にさらにその設備
が正しく動いているかみたいな ことを評価するための機械、そんな
ものを作っていました。まず、 生産技術の楽しさなんですけれども、
楽しさと言いつつ苦しさと楽しさ は割と表裏一体なのがこの生産技術
っていう仕事の楽しみになるの かなというふうに僕は思っています。
感覚で言えば苦しさ8割、楽しさ 2割、ただその楽しさの2割っていう
成分がとても大きい、だからめちゃ くちゃ楽しいみたいな形で僕は
働いていました。実際には6年ちょっと ぐらい生産技術で働いていて、
そこから辞めたのではなくて、 会社のローテーションで品質保障
に行きませんかっていうところで その話を受けて移動したので、
生産技術が嫌になって仕事を変え たというわけではないです。その
上で品質保障なんかやった後に、 今いろいろあってエグ技術になって
っていう形の仕事経歴です。 ここから生産技術の楽しさの中身
設備設計の楽しさ
に入っていくと、まずは生産技術 何が楽しいですかっていうと、
一緒に設備とかを僕は作っていたん ですけれども、実際に自分の思い
描いたものが形になっていく、それが 一番生産技術としての楽しい
ところでした。ちょっと小さい頃に 自分の思いを馳せると、僕は小学校
ぐらいのときにミニ四駆にめちゃ くちゃハマっていました。例えば
モーターを何にするとか、もともとの 機械をどれを使うとか、あとは
ちょっとでも早くするために肉抜き って言って、穴を開けてペンチ
とかニッパー使って、外装のボディー を削ってメッシュにするなんていうことも
してました。本当におもちゃ屋さん とかに通って、パーツが並んでいる
棚を見て、これとこのパーツつけたら かっこいいなとか、早くなりそうだな
みたいなことを楽しんでいたっていう 経験があるんですけれども、それの
もっと本格的版っていうような ことが設備設計なのかなと思って
ます。設備自体は3D CADって言われる ような3D空間を模したソフトウェア
の中で割と今設計していくんです けれども、そこの構想も楽しいんです
けれど、設備をやっていく中で 僕が一番好きだったのは、その設備
を図面に起こします。実際に部品 とかを発注していくんですけれども、
その部品発注したものが実際の 手元に届いて、段ボールとかで飛ぶ
んですけど、それを開梱する時間 が僕は結構好きでしたね。開梱する
時間っていうのが、実際にものが 届いて、ここから自分が作ったもの
が、設計したものが出来上がって いくんだっていうその一番最初の
ワクワク感。ミニウックとかも そうだったんですけど、お店で買う
までの、組み立てるまでの時間っていう のが僕は一番好きですね。という
ところで、実際に届いたものを 開梱しますというところが僕は
好きです。そこまでは楽しいんです けれど、ここから割と苦しみの
時間になるのが設備設計の流れ にはなります。開梱すると、ものを
組み立てていきます。設備を組み立てる ってなると、精度出しっていう
ものをだいたいしていくんです けれども、例えば10ミクロン、ミリ
メートルでいうと100分の1ミリで、 例えば1メートルのテーブルをきれいに
動かしますってなったときに、そこの 精度を出すっていう、その組み立てる
作業がとても大変です。具体的には、 いろんな部品を重ねていくんです
けれども、10ミクロンに例えば収めよう ってなると、ネジの締め方一つで
平気で1ミクロン、2ミクロン、もっと よいと3、4っていう形で精度はずれて
いけます。ものができるっていうことは、 わらついたものが入ってくるので、
それを収めるために、例えば100分の 5ミリみたいな金属箔を付けて高さを
調整したりみたいなところで、本当に 1ミクロン、2ミクロンなんていう
クラスを最後微調整をしていく っていうような作業が入ってきます。
ここは本当に経験則的なところが、 やっぱりノウハウではないですね。
経験則的なところがすごく関わって きます。本当にそれこそ社会
人1年目、2年目で初めてそういう 設備を作りましょうってなった
ときに、勉強もあるから自分で やりましょうみたいな形で、そこの
組み立てもちょっと時間取るんです けど、新人でやらせてもらいました。
やったときに、実際自分でやって みると、1ミクロン、2ミクロンの
調整をして、最後例えば1メートル 動かしてる中で10ミクロンもずれ
ちゃいけませんよっていう状態を 作るのに、普通に1日とかかけても
できないわけですよってなった ときに、例えばなんだかんだ頑張った
んですけどって先輩に泣きつく と、本当に1時間もかからずとして
精度を出すみたいなところがあって、 とても経験則が重要になってきます。
当時はこれで出るじゃんっていう ふうに先輩教えてくれたんですけど、
じゃあもう1回崩し直して、自分で 10ミクロン出してくださいみたいな
形で、そこからまた泣いて、何とか 1日かけてやって、精度を出した
なんていう話もあります。 そんな形でメカ組みっていって、
部品だけを組み立てていくんです けれども、それが終わると仕入れ
っていう形で、電気屋さんと製衣 屋さんっていわれるチームで大体
設備って作っていくんですけれども、 そのチームメンバーと実際に電気
的に動かして、制御をしながら 目標の精度に必ず止まるみたいな
ふうに装置を作っていきます。 この仕入れをする瞬間っていうのは
1個達成感があるんですけれども、 ここからが最初に作った仕様に対して
ちゃんと設備動作をさせるっていう ところでチューニングをしていく
フェーズに入るんですね。 ここからが本当に地味で辛いです。
例えば動作させようと思うと、 モーターが一緒に動きますとかって
なると、ハーネスのテンションみたいな ところが引っかかって精度が出ません
とか、そもそも設計したメカ構造が 悪いので入りませんとか、ちょっと
重すぎて目標の時間までに動作が 完了できませんとか、そういった
いろいろ難しいことはあって、そこで メカハードソフトで本当一体
になって動かして評価をしてっていう ところをやっていくんですけれども、
生産ラインの立ち上げ
本当にここに関しては頭が剥げ そうになるほど大変です。
設備のレベルによってはすぐ入る ようなものもあるんですけれども、
ほとんどの設備が簡単そうに見えて そこをちゃんと要求どおりに動く
ようにするっていうところは、みんな 多分生産技術やってる人だったら
苦しんでいるところなんじゃない かなとは思います。
とはいえ、そうやって苦しんだ先に 実際に要求資料を満たして設備が
動きましたっていうと、その設備の 研修を上げていくんですけれども、
そこ以降フェーズを超えると大きな 達成感が得られます。
ある意味一つ設備が完成しました っていう形にはなるので、一緒に
やってきたハードだったり、また 制御のメンバーと頑張ったねっていう
ところで、その日でまず一回美味しく お酒が飲めるっていうところが
生産技術の楽しいところかなと僕は 思っています。
お酒は飲むんですけれども、設備が ちゃんと研修が上げれましたっていう
ところで、あくまで今の話だと内製 の話にはなってしまうんですけど、
内製っていうのは自分たちで設備を 一回作る、検証系みたいなところは
よくあるんですけれども、それは 実は一個のゴールではあるんですけれども、
また次のスタートであるので、これで 終わりっていうわけではないのが
また生産技術の難しいところかな と思います。
生産設備っていうのは例えば内製 で作ると、そこで物ができました
って終わりではなくて、実際に 生産ラインで動かすほうまで設備を
引き上げていかなきゃいけないです。
そうすると何が起こるかっていう と、設備を移設するっていう作業が
入ってきます。そうすると、実際に 工場に機械を持っていって、じゃあ
もう一回動かしますっていうと、 ほとんどの機械が全く同じように
動かないです。本当にこれはやめて ほしいんですけど、なぜか機械って
場所を変えると絶対何かトラブル が起きるんですよ。これは全生産
技術者が悩んでるところではない のかなとは思うんですけれども、
そういったことが起こります。本当に ここの現地移動させてからのデバッグ
っていうのはあんまり好きではない です、やりたくないですけど、そこを
乗り越えないといけないよねっていう のが一つ苦しいなと思っています。
移設が終わると、そこから実際に 生産開始に向けて立ち上げ流動っていう
形で実際に生産をして作って、そこで 問題抜ければ生産できますみたいな
流れで設備っていうのは作っていきます。 この生産開始するまでっていう
ところは結構大変で、これも。今まで 設備屋さんだけで話をしてたんです
けれども、それこそ製造の実際に 生産内を動かしている方々だったり、
あとはそれを濃厚判断する品質 保証の方だったり、そういった方々の
皆さんと仕事をするようになって、 今まで問題だと思っていなかった
生産技術の挑戦
ようなところがさらに複数の視点 になってくるので、さらに課題が
いっぱい浮き彫りになっていきます。 これは例えば設備だけの話では
なくて、設備をどうやって保守 していきますかとか、設備をどう
やって運用していきますかとか、 そういった人が増えることによって
新たな課題というか、問題となる 視点が広がっていくっていうところが
また一つ難しいところなのかな とは思っています。
とはいえ、いろんな登場人物が出てきて 大変なんですけれども、その都度
実際にみんな基本的には設備は 動かして生産を良くしたいっていう
思いの集まりなので、その時々で やり合うようなことがあっても、
実際には生産に向けてみんなで 一緒に頑張っていくので、そこを
乗り越えて生産開始にたどり着けた 時、その時っていうのは本当に一緒に
関わった人と頑張ったねっていう 達成感、すごく得られる面白い
仕事かなと思います。
生産開始しましたっていうのも、 これもまた一つのスタートです。
これもまだゴールではないんですね。
当然なんですけれども、生産をしていくと 大体問題が起きます。
問題が起きると、物によってはそのまま 修正をやりながら生産を続けましょう
みたいな話もありますし、ちょっと 前に豊田経で部品の供給が止まって
生産内がストップしましたなんて 話もあったように、生産が止まる
こともあります。
この生産が止まるっていうトラブル、 これは全生産技術者が震え上がる
トラブルですね。
生産が止まるっていうことは、 生産技術にとっても苦しいんですけど、
工場で普段生産をしている方々の 手がすべて止まります。
設備が止まってラインが止まっている 時間っていうのは、人にかかるお金
っていうのはずっと流れ続けるので、 1分1秒でも早く生産ラインの稼働を
しましょうっていうところで、本当に すごくプレッシャーが生産技術
含め製造含めかかるような仕事です。
そうなってくると、本当に早く原因を 突き止めて対策を見つけて、その
対策を実行して早く生産ラインを 戻すっていうところで、本当にその
トラブルが起きたときの生産技術 っていうのはバタバタしますし、
追い込まれていきます。
対策をしたからといってすぐ ゴーが出るわけではないので、品質
保障部門の方とか、必要に応じて 設計者の方々とか、実際に製造を
再開させていくところで、製造ライン で現場を動かしていく方々と協力
しながらそのトラブルを解決して いくっていうようなことをして
いきます。
本当にこれを怠ると、例えば最終品 メーカーであれば、お客さまに製品
が届いたときに後々重大な不具合 が起こるとか、メーカーの中でも
次のお客さまに下ろすような部品 メーカーであれば、その後例えば
車だったら自動車に大きな欠陥 を及ぼすとかっていうところも
あるので、本当にここはしっかり やらないといけないところであり、
だからこそとても苦労するところ でもあります。
本当にここは大変なんですけれども、 今まで言ってたようにチームで
仕事をしてそれを乗り越えたとき、 本当に関係者の人たちとすごい
達成感を得られるっていうのも 反対にあるので、そこが1個、生産
技術をしていく上で楽しいところ。
楽しい、大変なんですけど、すごい 達成感を得られる、やりがいを
感じられるところかなと思います。
これはもう最近僕の中でちょっと 思っているところがあるんですけど、
一番楽しいことって何かなって、 好きなことをやっているのもそう
なんですけど、苦しいとか楽しい みたいな感情の触れ幅が大きい
こと、そこにすごく楽しさを感じて いるのかなっていうところを個人
的には思っています。
なので、生産技術って最初に言った んですけど、8割ぐらい苦しくて、
2割ぐらい楽しい思いがある。
ただ、その2割がすごく大きな喜び を得られるっていうような仕事
だと思っていて、なので僕の中では 感情の触れ幅という意味で苦しさ
を耐えて、一つ花開いたときに ものすごく楽しい、ものすごく
嬉しいっていう感情が得られる ので、僕は生産技術っていう仕事
に関してすごくやりがいを持って 仕事をしていました。
というところで、そこまでが生産 技術の楽しさかなと思いつつ、今
技術営業の楽しさ
僕は技術営業という形で仕事を しています。
この仕事に関しても、お客さまの 生産ラインに対して自社の製品を
用いて、そこの生産の能力を上げる とか、いいものを作るっていう
意味では、ほぼほぼ生産技術と被る ような仕事をしているのかなと思
っております。
なので、ちょっとここで話し始める と長くなってしまうので、今後
技術営業の楽しさなんてことも、 どっかのエピソードで語っていければ
なと思っております。
最後、エンディングです。
無事、第2回を今収録することが できています。
前回、ものづくり系ポッドキャスト の日に合わせて自己紹介と、今年の
目標なんてものを語らせてもらった り、トレーラーのほうも公開させて
もらいました。
実際にコメントをトレーラーに つけてくださった方がいたり、
Xのほうでも聞きましたっていう ような声をいただいております。
本当にここ、すごい嬉しいですね。
まだまだ本当に聞いてくださる 方っていうのはもう少ないんです
けれども、それでも僕がしゃべ っていることに対して、自分の知らない
どこかでその話を聞いて、ちゃんと 僕が言ったことが伝わるって、すごい
ことやなっていうふうに感じています。
本当にまだまだ配信内容として は伝わらないところがあるんです
けれども、ここからPDCを回しながら ぜひ皆さんが聞いて、この番組
聞いてよかったなって思ってもらえる ようなものを作っていきますので、
どうかこれからも皆さんお聞き いただけると嬉しいです。
ものづくりFMはメーカー営業兼 ものづくり大好きな僕、おたけが
製造業への思いやものづくりの 楽しさを伝えていく番組です。
毎週金曜日、朝7時に最新話を 更新していきます。
お手元のPodcastアプリでフォロー して最新話を聞いてください。
またPodcastのコメント欄やフォーム からのメッセージもお待ちしております。
Xでもおたけてくおたけという 名前で日々ものづくりについて
つぶやいております。
合わせてフォローいただけると 嬉しいです。
改めまして数ある番組の中から この配信を聞いていただき誠に
ありがとうございます。
また次の配信でお待ちしております。
お相手はおたけでした。
それでは。