今回は科学系ポッドキャストの日のイベント参加企画!
5月のテーマ「ノート」から派生し、ものづくりFMらしく製造業の図面に書かれる「注記(Note)」に焦点を当てます。中でも図面によく記載される「バリなきこと」という表現。鋭利で危険なバリ。図面ではたった一言なのに、現場ではヤスリでの手作業など、実は非常に手間のかかるバリ取り作業が発生しています。
これは、まるで「今日のお昼は簡単に冷やし中華でいいよ」と言うようなもの!?。図面を料理のレシピに例えながら、設計者と加工者間の情報伝達の難しさや、思いやりのあるコミュニケーションの重要性を語ってみました。
製造業の知られざる舞台裏、そして日々の人間関係にも通じる、「バリなきこと、それって嫁さんにも言える?」。ぜひお聞きください!
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サマリー
このエピソードでは、製造業における図面の重要性や「バリなきこと」について話されています。特に、図面に必要な中期情報の不足が引き起こす問題を指摘し、設計者と加工業者の視点から製造プロセスの課題を考察しています。また、図面の制作プロセスにおける思いやりの重要性についても触れています。特に、一見簡単に思えるコミュニケーションが実際には複雑であることが、多くの人々に理解されていないことが指摘されています。
製造業と図面の重要性
どうも、ものづくりFM パーソナリティのおたけです。技術営業兼、ものづくり大好きな人間です。
この番組は、製造業への思いや、ものづくりの楽しさを伝えていく番組です。
今回は、科学系ポッドキャストの日に参加しています。科学系ポッドキャストとは、毎月1日から10日に、科学にまつわる共通テーマについて話し合うポッドキャストのイベントです。
5月のテーマは、ノート。情報の収集・整理って職業病出ませんか?ノートやノーション等の活用方法。会議やセミナーでメモ取る派、計帳派。ノートは手書き派、デジタル派。文房具にまつわるエピソードなど、自由に話題を広げてください、とのことです。
今月のホストは、日本でサイエンスライティング教師になった元研究者と、なかなか帰国できない帰国子女による、ほぼ英語、時々日本語、だいたいサイエンスなゆるゆるポッドキャストを運営されている、英語でサイエンスしないとさんです。
ものづくりFMでは、このノートをどう扱うかというふうに考えたときに、ノートを一回英語のnoteに直したときに、図面にまつわるところで訳すと中期というものがあります。製造業では図面が重要なんですけれども、その中に中期といって寸法とか形状以外に書かれている情報があります。
製造業といっても広いので、僕の務めている金属加工に関する業界の話にはなるんですけれども、そのトラブルになりやすい図面に書かれている中期というものについて、今回は触れていこうと思います。
というところで、今回の配信のタイトルは、「ありなきこと、それって嫁さんにも言える?」
まずは図面といってみなさん想像できるのでしょうか。ジブリ映画だと風立ちぬなんかで、主人公がドラフターと言われる世代で飛行機の図面を描いていたり、紅の豚では飛行機の部品の図面なんかが出てきたりしています。
小中時代には、ちょっと少しずれるんですけれども、数学で展開図みたいなもので、サイコロを開いてみたり、円筒や円柱を形状を開いた形を描いたりしていたと思います。
あと、実は技術の授業でみなさん必ず描いているというところを最近知りました。
製造業の図面っていう言葉が出てくると、一見複雑に思うかもしれないんですけれども、時間をかければ誰でも読めるものですし、
今日の話もなんとなく数学の展開図とか、中学校とかで技術の授業でやったなっていうものが思い出せれば、それを思いながら話を聞いてくれればと思います。
もし、図面っていうのがイメージできないなっていうふうになったときに、ちょっとどんなことを考えてほしいかなって考えた場合、
ちょっとQP3分間クッキングをイメージしてほしいなと思います。
これが何かっていうと、QP3分間クッキングって、あのテレビを見れば誰でも同じ料理が作れる、そのためのレシピっていうものがあると思います。
そのレシピが製造業における図面にあたります。
料理におけるレシピっていうものでいくと、材料の切り方とか、調味料の量や入れるタイミング、あとは火の通し方とかが手順になっていると思います。
この料理におけるレシピ、作り方っていうものが製造業における図面の立ち位置ですっていうふうに捉えてほしいかなと思います。
なので、レシピがあるから同じ料理がみんなが作れるように、製造業では図面に情報を落とし込むことでみんなが同じものを作れるというような構造を作っています。
一方で、みんながおいしいと思える料理を作ることを設計と置き換えることができます。
おそらくQP3分間クッキングのレシピを作っている人っていうのは、家庭にある材料や調理器具で作れるものっていうものに苦心してレシピを作っているはずです。
この考えるという行為が設計にあたります。
苦心しているところで言えば、例えば何かスープを作るときに寸胴を使って鶏ガラを一から取って料理を作りますってなったら、一般家庭では再現が難しいと思うんですよね。
なので、それに対して市販の鶏ガラ調味料を使いますとかいった形で、物を作りやすくとか料理を作りやすくとか、きっとそういった工夫をされているはずです。
なので一番重要なのはレシピを考えるという作業なんですけれども、でも我々にとっては考える作業じゃなくてレシピというものが重要になってきます。
同様に製造業に置き換えると、設計者にとっては物がどれくらいばらついても製品が成り立つか。
どのように作ったらそのばらつきを収めて品質を保つことができるかというところに設計ワクチンするんですけれども、最後にそれを落とし込む図面というものはあくまで手段であって、
設計者にとって一番大切なことは図面に落とし込む前に大体のことが終わっているんですけれども、それを正に加工する加工業者というものはその図面というものが非常に重要になってきます。
とにかく製造業において図面というものは物を作るために必要な情報であったり、物を測るために必要な情報が記されている重要なものです。
バリの説明
もし図面をイメージできたとすると、皆さんは形状と物の形が描かれた線と数字で、製造業だと何ミリという表記が多いですけれども、何ミリだとか何センチだというような寸法線を示しているイメージが湧くのではないかなと思っています。
実際に風立ちぬとか紅の豚とかも飛行機の形状が描かれていることが多いように、物の形状と数値というもののイメージがついているのかなというふうに思います。
ただ、図面には数値以外にも製造上注意してほしいことや、形状だけじゃ表せないことがたくさん書かれています。
具体的に書かれていることを言うと、わかりやすい例でいくと、材料というものが書かれています。
その部品が鉄で作られるのか、プラスチックで作られるのか、アルメで作られるのかというような、どんな材料で作りますかというような指示を記載します。
他には、誰が書いたのか、その図面は誰が見て最終的に承認されたかなんてことも書かれています。
ちょっと難しいことでいくと、製造上注意してほしいことというところで、よく出てくる代表例として、バリなきことという表現が出てきます。
この配信のタイトルで出てきているバリなきことですね。
今日は中期と言いつつ、ここからが話したいことの本題になります。
まず、バリというものを皆さんにまずは知ってほしいです。
バリって突然出てきたんですけれども、これって何のことかというと、身近なところでいくと缶詰を開けた金属の縁の部分って鋭利になっていると思うんですね。
それがバリというものです。
僕も何回かあるんですけど、缶詰の縁で手を切った経験って皆さんあると思うんですよ。
金属っていうのは基本円製っていって伸びる性質があって、切断をすると基本的に金属が伸びながら、切断された面が切れて鋭利になる、つまりバリができるんです。
このバリっていうのは、皆さんなんとなくわかるように、包丁やナイフのように本当に鋭利になります。
なので、人が持つところにバリがあると、それは製造業においては後に重大な事故を発生させるディスクがあります。
僕も普段から金属を削っているんですけれども、ふとした時に指が切れてたりして、バリによって手が切れるっていうのは正直日常茶飯事です。
というのも、僕の勤めている金属加工業っていうのは切削といって、彫刻刀で金属を削るようなイメージをしてもらうといいんですけれども、
彫刻刀で金属を繰り返して削っていくようなことをしていくので、基本的に金属を切断し続けるので、この業界というのは基本バリとの戦いといっても過言ではない業界です。
このバリというものは、とても奥が深いです。
まず、工業製品というものを考えたときに、大小様々なバリエーションがあります。
例えば、航空機のロケットエンジンというようなものを考えると、ものすごく巨大な金属部品もあれば、ネジ、ボルトなんて呼ぶかたもしますけど、みたいに小さな工業製品もあります。
ただ、サイズは違えと、基本的に物を切断すると物理現象として必ずバリというものは出てきます。
じゃあ、バリってどう取りますかという話にはなるんですけど、一番簡単なのはヤスリ。皆さんがよく手に取るようなヤスリで削り取るということをします。
結構ローテクかなって思った方もいらっしゃると思うんですけども、案外製造業のほとんどというものがヤスリでバリを取ってたりするんです。
もちろん機械を使って取ることもできるんですけれども、その機械を買うのも、動かすためのプログラムを作るのもすごくお金もかかるし、大変で時間がかかります。
例えば、1回しか作らないようなものなんかを自動化しようと思うと、自動化させることを考えるよりも手で削ったほうが案外早かったりするんですね。
世の中はバリ取り専門のマシンなんかもあります。
下手すると、僕らのいう金属加工業界でいくと、削っている時間よりも実はバリを取っている時間の方が長いということまであり得る世界です。
さらに、バリを取るためにヤスリがけをしていたら、他のところを傷つけてしまって作り直しなんてことも起こり得ます。
これね、本当に冗談のようで本当の話です。
だけど、図面にはこのバリなきことという一文字が実は書かれているだけなんですね。
下手すると、書かれてすらいない図面も多々あります。
これは非常に悠々しき事態です。
わかりづらいんで、もしQP3分間クッキングでこれを話すならどういうことかなというのを考えていたんですけど、
例えば3分間クッキングで料理を作った最後に画面の縁に、例えば丸1日これの火の晩をして完成ですみたいに書かれていたらどう思いますか。
たまに1日寝かしたものがこちらですというふうに登場することはあると思うんですけども、そうじゃなくて、1日鍋に寄り添って火の晩をしないといけないというところですよ。
ちょっと大げさに言ってるんですけれども、割と加工目線で言うとそんな感じです。
そんな大切なことをこんな一文で済ませるのかっていう感覚が正直あります。
バリなきこと、これ以外にも話題になるような中期っていうのがあるんですけれども、
中期情報とその必要性
例えば外観面に傷打根なきこととか、製作部品は2つでこの図面のものを1つ製作し、左右対称形状のものをもう1つ製作のことみたいなことがさらっと書かれています。
あとは図面の中期情報というものは、ものの作り方の中でも不具合が起きたことだったり、取り決めをしておきたいことも書いたりします。
具体的にどんなことっていうと、例えば長期保管品には錆止めで油を塗って工場で持ってたりするんですけれども、
じゃあそれを半年後に抑えましょうってなったときに、基本図面に記載されてないんですね、清掃してくださいみたいなこと。
だから、ルール上油の付いた状態で納品しては問題ないはずなんです。
けど、暗黙の了解とか監修できちんと清掃して納品されている場合がほとんどです。
けど、例えばこれが製造上きれいに清掃してほしいよ、みたいなことが業者の中とメーカー側でやり取りがあったりすると、図面の中に脱脂後納品のことみたいなことで書かれることがあります。
そんでもって、そんな中期に関することを少し前にXに投稿して、ちょっと伸びた投稿があるので紹介します。
本文を読むと、加工業界での図面は使用書に等しい。
すべての情報が示されていないと加工できないし、暗黙の了解はいつか必ず揉める。
なので製造に関わる情報をちゃんと中期等に記載、もしくは書面で契約をしてほしい。
かつて図面の記載はコストアップするからって人に出会ったけど、それはただの下請けいじめ。
という投稿を僕がしています。
この投稿は珍しく僕のXの投稿の中ではすごく伸びて、125円というところで、あまり大した量ではないんですけれども、
ただ普段ちょっとのいいねがついている人間に対して10倍くらいのいいねがついたというところで、いろいろな反響を読んだのかなと思っています。
ちょっといいねとかがどなたがつけているかというのをちょっと見ると、やっぱり部品加工をされているメーカーさんとか、
図面における重要性
コメントをいただいた中にも建設業の図面に関して言及してくれているような方もいましたね。
皆さん図面に対してはいろいろ思っていることがあるし、やっぱり製造業においてこの図面というのは改めてただの手段ではあるんですけれども、
重要なんだなというところを改めて感じたエピソードです。
ちなみにここまで僕はあたかもこの加工側という視点で話をしていますが、実際に自分も設備設計をしていた時期があります。
その時にちゃんと自分も図面を書いていました。
そんでもってバリなきことという表現はよく書いていました。
しかも新卒で物の作り方も知らない頃だったので、先輩の図面を真似てほぼコピペでなんとなく書くものだというふうに思っていたことがあります。
過去の自分に戻れならば自分を殴ってやりたいなというのは最近加工をする側になって思っていることです。
もうちょっとだけ加えると、自分はメーカー勤めで設計さんがとてつもない業務量とコストダウンのプレッシャーというのをひしひしと受けながら仕事しているのを見ています。
なので一概に設計が悪いみたいな話し方をしてしまったんですけれども、設計さんは本当に苦心していろいろ切り詰めて頑張ってそれを図面に落とし込んでたりします。
それでも自分の図面に書いた一言一つの記載でどれだけ後工程が大変かというのを知ってほしいなと思っています。
中には本当にその大変さが分かってて書いてくれている設計者さんもいっぱいいるんですけれども、過去の僕みたいにどれだけその一言によって後工程が変わるかということを知らずにそれを書いている人もいるし、
そもそもそんなことも気にせず知ろうともせず書いている人もやっぱりいます。
そういう人に対しては本当に思っていることがあります。
これは例え話なんですけれども、昔からお昼ご飯何がいいって聞かれたときに簡単に冷やし中華でいいやっていう返しがあったりするじゃないですか。
冷やし中華って真面目に作ろうと思うと、菌糸卵を作るために卵を焼いて卵を細切りにして、きゅうりやらハムやらいろんなものを千切りにして、
包丁を使うわ、卵を溶くから卵を溶く皿を使うわ、フライパンも使うわ、茹でるから鍋も使うわという形で、
ぱっと見簡単そうなんだけれども、すごく手の込んだ料理じゃないですか。
で、図面の中継における今回のテーマである、バリなきことっていうのはまさに簡単に冷やし中華でいいよっていう状態なんじゃないかなって思ってるんですよ。
簡単じゃねえよっていう感覚ですね。
最初のタイトルにもあるんですけれども、これを嫁さんにもしくはパートナーに言えますかっていう話で、
例えば伝え方の中でもちょっと手間がかかるけど、冷やし中華が食べたいので作ってねって言ってくれれば、
相手の気持ち的にもちょっと作ってあげようかなってなるんですけれども、簡単に冷やし中華でいいよって言われたら、それもカチンときますよね。
そんなことされようものならば、きっと家庭内が2,3日冷静なんてことがあってもおかしくないんじゃないかな。
同じように図面においても重要なことを簡単に書き示すのもいいんですけれども、
ちゃんと自分の書いたことによって何を引き起こすのかっていうのを書く側にしてほしいですし、
自己肯定感とポッドキャストの重要性
曖昧はできるだけ避けて、内容の中の基準をちゃんと決めたり、示すことをしてほしいなと思います。
あくまで図面は情報伝達の手段、あくまで手段なので、そうして何が言いたいかというと、
簡単に冷やし中華でいいよっていうようなコミュニケーションをするのではなくて、
ちゃんと相手に対して思いやりのあるコミュニケーションを取っていくことによって、
家庭も製造業もより良いものにしていきましょうよっていうのが今回のお話です。
ロージングトークです。先週も配信を飛ばしてしまったんですけれども、
最近、自分の箇所分時間というものが非常に取れません。
それこそ子供の子育てで、目を離せないので必ず子供についていなきゃいけないとかもあって、
スマホをポチポチ触る分には多少できるんですけれども、
わざわざ配信するために1人の時間を取ってしゃべるというのは結構難しい時期です。
そんな中で、自分は何もアウトプットが出せないなとか、ノートの記事とかも書けてないなと思って、
ちょっと自己肯定感が下がり気味ではあったんですけれども、
やっぱりこういう画家系ポッドキャストの日、和の作り系ポッドキャストの日みたいなのもあって、
この日に必ず自分がやりますっていう宣言をするというのはすごく大事かなというふうに感じています。
他のポッドキャストで言っていた一説で、
やる気は待つものじゃなくて迎えに行くものですっていう素晴らしい言葉があったので、
積極的に何をやるっていうコミットだったり、目標を明確にして、
ちょっと大変だけれどもそこに対してちゃんとアクションを起こすっていうことをすることで、
自分のやる気っていうものをちゃんと迎えに行こうかなっていうふうに思いましたっていうのが最近の話です。
他の子育てしながらポッドキャストやってる、仕事もしてるっていう人は、
どうやって時間取ってるのかなっていうふうに思うことありますけど、
みんな同じように頑張って時間を作ってやっているのかなってもので、
僕も何とか食らいついていこうかなと継続してポッドキャストを続けていきたいなと思っています。
なので皆さんぜひ聞いてください。
はい、というところで、ものづくりFMはメーカー技術営業兼ものづくり大好きな僕をたけが、
製造業への思いやものづくりの楽しさを伝えていく番組です。
毎週金曜朝7時に最新話を更新していきます。
お手元のポッドキャストアプリでフォローして最新話を聞いてください。
ポッドキャストのコメント欄やホームからのメッセージをお待ちしています。
このちょっとの一文とかでもいいのでいただけると僕が非常に嬉しいです。
またXの方でもオタケテックという名前で日々ものづくりについてつぶやいています。
合わせてフォローいただけると嬉しいです。
最後に数ある番組の中、この配信を聞いていただき誠にありがとうございました。
また次の配信でお待ちしております。
それでは。
23:10
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